投打の柱が活躍!開幕白星スタート/東大1回戦

野球
東大1回戦
早大
東大
(早)○有原、内田、横山―道端、土屋
◇(三塁打)中村 (二塁打)江塚

 投打の軸が、期待通りの働きを見せた。昨秋2位の悔しさを晴らすべく、2季ぶりの優勝を狙う春季リーグ戦(リーグ戦)。新生ワセダは、東大との開幕戦を迎えた。先発の有原航平(スポ3=広島・広陵)は、赤門打線を7回無失点に抑える文句なしの投球を披露。打撃陣では4番に座った中村奨吾(スポ3=奈良・天理)が、好機で勝負強さを発揮し2安打3打点の活躍。6-0で大事な初戦をものにし、覇権奪回へ向け順調なスタートをきった。

順調な仕上がりを見せ、好投した有原

 福井優也(平23スポ卒=現プロ野球・広島東洋)の卒部以来、2年にわたり空き番号となっていた背番号『11』。今季からその伝統のエースナンバーを背負う有原が、神宮のマウンドで躍動した。「ワセダの初戦なので、少し力が入っていたかもしれない」(有原)と、初回からアクセル全開。目の覚めるような直球がミットに突き刺さっていく。2三振を奪う上々の立ち上がりを見せると、その後も勢いは止まらない。球速差のある変化球を効果的に織り交ぜながら打者を手玉に取っていく。的を絞らせない投球術が奏功した。7回1死から飯田祐太に右前安打を許すまで1人の走者も出さない完ぺきな投球で試合を作り、内田聖人(教2=東京・早実)にスイッチ。7回を2安打無四球7奪三振。エースとしての役割を十二分に果たし、マウンドを譲った。後を受けた救援陣も好投。内田横山貴明(スポ4=福島・聖光学院)が8、9回をそれぞれ打者3人で抑え、完封リレーを完成させた。

 一方、打撃陣で存在感を示したのは4番の座に就いた中村だった。初回、右前安打で出塁した東條航主将(文構4=神奈川・桐光学園)を一塁に置き打席に入る。フルカウントからの7球目。117キロの変化球を捉えると、打球は左中間を真っ二つ。まずは幸先よく先制打を放ち、チームを勢いづける。そして、5回。今度は2死二、三塁の場面で直球を中前に運び、欲しかった追加点を叩き出した。杉山翔大(平25スポ卒=現プロ野球・中日)、地引雄貴(平25スポ卒=現東京ガス)らが抜け、一からの再考を余儀なくされたクリーンアップ。新たな打の柱として、飛躍が求められるシーズンになることは間違いない。

2安打3打点と4番の役割を果たした中村

 エースが快投し、4番が打点を挙げる。投打の柱が確実に役割をこなし、安定した試合運びを見せたワセダ。だが、まだ打撃陣にはムラがある。一試合一試合戦っていく中で徐々に調子を上げ、つながりのある打線に仕上げていきたい。まずは、あす連勝で東大から勝ち点を奪いにいく。

(記事 植田涼介 写真 高橋千秋、尹眩晶)

★パーフェクト達成ならず…

 6回まで出塁を許さなかった有原は7回途中にこの日初安打を許した。「いつかヒットは打たれると思っていたので」と記録について特に意識していなかったという有原に対し、守備陣は「5回くらいから意識はしていました」(東條主将)と有原以上に緊張していた様子。投手陣の力投と共に、堅実な守備にこれからも期待したい

初安打を許した有原に声をかける東條(左)

早大打者成績
打順 守備 名前
(中) 大野大樹 .000 空振 捕ゴ 三ゴ
磯網将人 .000 空振
中澤彰太 .000 三飛
(遊) 東條航 .667 右安 中安 四球 投ゴ 四球
(三) 河原右京 .000 一ゴ 空振 死球
武藤風行 .000 中飛
土屋遼太 .000 空振
(二) 中村奨吾 .667 中3 二飛 中安 四球
(右) 小野田俊介 .667 左安 中安 三ゴ
江塚諭 1.000 左2
(一) 茂木栄五郎 .000 投ゴ 一飛 左飛
渡辺琢也 .000 三ゴ
(捕) 道端俊輔 .000 遊ゴ 遊ゴ 一邪
打三 石井一成 .000 右飛
(投) 有原航平 .333 中飛 中安 左飛
内田聖人
足立翔吾 1.000 左安
横山貴明
(左) 重信慎之介 .667 二ゴ 投犠 右安 左安
早大投手成績
名前
有原航平 0.00
内田聖人 0.00
横山貴明 0.00
コメント

岡村猛監督(昭53二文卒=佐賀西)

――本日の試合を振り返って

エースがしっかり投げて、4番が打点を挙げて、安定したゲームだったと思います。

――有原投手は7回途中までパーフェクトでした

非常にボールも走ってましたし、コントロールもできていたので、ノーヒットでいけるかと思っていたのですが、なかなか甘くないってことですね。この次もまた、きょうのように安定したピッチングをやって欲しいなも思います。

――東條主将も2安打と活躍されました

ちょっとケガもあったりして、少し出遅れていたので、間に合うかなと思っていたんですけどね。きのうの練習を見たら十分に動けていたので、きょう先発でいきましたけど。やはり(チームの)精神的な支柱でもありますし、彼がオーダーに入ってショートで守ってくれると、チーム全体が非常に安心できるプレーができたと思います。

――1年生の中澤彰太選手(スポ1=静岡)や石井一成選手(スポ1=栃木・作新学院)など新戦力も試されてどうでしたか

別に1年生に限ったことではなくて、初めてこの春ベンチに入ってる選手もいましたので、その選手をなるだけ慣れさせたいという思いもありました。大分雰囲気には慣れてくれたと思います。

――あすの試合に向けて一言お願いします

1戦ずつ積み重ねますのでね。そのためには1つずつアウトを取るし、1人でも多くランナーに出て、次につなげていくと。そういった野球をやっていきたいと思います。

東條航主将(文構4=神奈川・桐光学園)

――まず東大相手に一勝となりましたが

とにかく勝ててよかったです。 守備からリズム作れて、初回に先制したんですけどそのあとしっかりゼロで抑えて一点でも多く点をとる、という野球をやっているので、その面においてはいい試合だったかなと思います。

――主将として試合に臨んでみていかがでしたか

例年に変わりなく緊張しました。もともと緊張していたので、変わらず緊張しました。

――チームの雰囲気はいかがですか

悪くはないと思うんですけど、個人的にはもっと声出して欲しいかなと思います。4年生の声が足りないかな、とは思います。

――試合前に何かチームに声をかけられましたか

緊張している人もしてない人もいると思うんですけど、緊張している人は練習は体が覚えるほどやってきたので、打ちにいくにしても守りの一本目にしても走る一本目にしても勇気を持って、あとは神頼みじゃないですけど練習してきた自分を信じて、勇気を持ってやっていこうという話はしました。

――有原投手が7回途中まで完全試合ペースでしたが、何か意識されていましたか

そうですね、守りはもう5回くらいから正直意識はしていました。中村(奨吾、スポ3=奈良・天理)とやばいね、と話はしていました(笑)。

――打たれてすぐ有原投手のもとに行かれていましたが、何て声をかけられたのですか

完全試合をするためにやっているわけじゃないから、というのと、勝つためにはまずここが大事だと思うから崩れずに、集中していこうと言いました。

――腰を痛めていたとお聞きしましたが、状態はいかがですか

もう大丈夫です。監督が使えると思ってくれたんで、大丈夫です。

――きょうは5打席で4出塁でしたが

そうですね、出塁が多かったのはすごくいいことだと思います。

――走者がいる場面で打席に入ることもありましたが、何を意識して入られましたか

いやもうどの打席も徳武さん(定祐コーチ、昭36商卒)に言われていることを意識して、それしか考えてないので場面に関係なく同じです。

――最後にあしたへの意気込みをお願いします

あしたも勝って2連勝します。

有原航平(スポ3=広島・広陵)

――きょうの試合を振り返って

初戦はゼロに抑えたいと思っていたので、ゼロで抑えることができてよかったです。

――初戦ということで意識していたことはありますか

テンポよくゼロに抑えて勝つことが大事だと思っていたので、それができて良かったです。

――初回から150キロを計測していましたが、初回から飛ばしていこうと思っていましたか

基本的にはそういうことはなかったです。ただ、ワセダの初戦なので、少し力は入っていたかもしれません。

――自身の調子はどうですか

きょうはまあまあ良いピッチングができたと思います。次の試合もしっかりやりたいです。

――道端俊輔選手(スポ2=智弁和歌山)とのバッテリーはどうでしたか

いつも練習試合でもバッテリーを組んでいるので、特別な感じはなかったです。

――7回途中までノーヒットピッチングでしたが、ノーヒットについて意識はしていましたか

いや、いつかはヒットを打たれると思っていたので(笑)、特に意識はしていなかったです。

――7回にヒットを打たれた時はどう思いましたか

特に何も思わなかったです。

――ヒットを打たれた際、東條選手から声をかけられていましたが

東條さんは、自分が意識していると思っていたみたいなので、切り替えていくように言われました。

――きょうの良かった点はありますか

真っすぐが良かったのと、四球を出さなかったのが一番良かったと思います。

――次の試合に向けて

メイジ戦はいつも厳しい戦いになっているので、気合を入れていきたいと思います。

中村奨吾(スポ3=奈良・天理)

――開幕戦振り返っていかがですか

最初は緊張したのですが、1打席目にチャンスで回ってきて、1本しっかりとヒットが打つことができて、気が楽になりました。

――公式戦初めての4番はいかがでしたか

4番という意識でなくて、どの打順でも自分のバッティングをできればいいと思います。

――初回はチャンスで回ってきましたが、どのようなバッティングを心がけられましたか

先制点を取ってやろうという気持ちを強く持ってバッティングをしました。

――今シーズンのチームにとっても初得点となりましたが

チャンスで回ってきて、自分が打てばチームも勢いにのるかなと思っていたので、打てて良かったです。

――5回にも満塁のチャンスで回ってきましたが

4番だと打点のつく場面で回ってくることも多いと思うので、そのチャンスをものにしていけるよう頑張りたいです。

――全得点に絡んで、4番の役割を果たしているのではないですか

2打席目ランナー二塁で打つことができなかったので、得点に絡むチャンスがあれば、全部打たなければと思います。

――あすに向けて一言お願いいたします

あしたもいい形で勝って、次のメイジを迎えられるよう頑張りたいです。

小野田俊介(社3=東京・早実)

――開幕戦を終えて率直な感想をお願いします

まずチャンスで1本打てたことが良かったのと、チームも完封で勝てたのでいい試合だったと思います。

――1点を先制した後の適時打でしたがどのような気持ちで打席に立ちましたか

走者が三塁にいて1点で終わるのと、2点目を取るのとでは全然違ってくるので、なんとか走者を返そうと思い積極的にいきました。

――第1打席に限らず積極的に振りにいっている印象を受けました

やはり振っていかないとヒットも出ないですし、東大が四球を出さないように早いカウントからストライクを取りにくることは試合を見てわかっていたので、きょうは積極的にいこうと決めていました。

――開幕から2安打で1打点の活躍でしたが、調整はうまくいっていますか

そうですね。そしてきょう2本打てたことでこれから楽な気持ちで打席に立てると思います。

――次戦へ向けての意気込みをお願いします

あしたも楽な試合になるとは限らないので、チャンスでまた1本打てればいいなと思います。