完封負けで、優勝の可能性が消滅/法大3回戦

野球
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早大
法大 ×

 負ければ優勝への望みがなくなる法大3回戦。先発の有原航平(スポ3=広島・広陵)は4回まで走者を1人も許さない完璧な投球を見せる。しかし、大幅に組み替えた打線が機能しない。好機はつくるものの、あと一本が出ない展開が続く。すると7回、味方の失策も絡んで、ついに先制点を許してしまう。反撃したい早大であったが、法大先発の船本一樹の前になすすべなし。手痛い完封負けを喫した。

 1回戦での12回165球の熱投から中2日。有原はその疲れをまったく感じさせなかった。初回から相手打者を面白いように手玉に取っていく。河原右京(スポ2=大阪桐蔭)の華麗な守備などもあり、4回まで走者を1人も出さない圧巻の投球。5回に中越え二塁打を許したが、後続をしっかり打ち取ると、6回まで法大打線を無得点に抑え込んだ。あとは打線の援護を待つのみ。誰もがそう思っていた。

狭殺される中村(左)

 だが打線はその期待に応えられない。得点力不足に悩む早大はこの日大きく打順を変更した。下位打線で結果を残している重信慎之介(教2=東京・早実)を2番に、5番には戦列復帰を果たした茂木栄五郎(文構2=神奈川・桐蔭学園)を起用。それでも打線が勢いづくことはなかった。2回、4回と2死一、二塁の場面をつくるも得点には至らず。6回には中村奨吾(スポ3=奈良・天理)が内野安打で出塁し、茂木が四球を選ぶなどして2死一、三塁とするが、まさかの走塁ミスで好機をつぶした。

押し出し四球に顔をゆがめる有原

 両者無得点のまま迎えた7回。茂木の失策で先頭打者の出塁を許すと、突如として有原が崩れた。続く打者は内野ゴロに抑えたものの、1死二塁で迎えるのは4番・西浦直亨。その初球だった。三塁手の頭上を越える強烈な当たりは適時二塁打となり、法大に先制点を奪われてしまう。その後も1死満塁の場面で痛恨の押し出しを与えて降板。後を受けた横山貴明(スポ4=福島・聖光学院)も押し出しを与え、この回一気に3点を失った。9回に無死一、二塁とし、代打構成で逆転を狙ったが、あえなく凡退。連敗で法大に勝ち点を献上するかたちとなった。

 優勝の可能性はついえたが、まだ早大の戦いは終わっていない。次に待ち受けるのは伝統の早慶戦。勝利のためには法大との3戦合計でわずか2得点に終わった打線の復調が絶対条件である。有終の美を飾るためにも、このままでは終われない。

(記事 井上雄太、写真 植田涼介、盛岡信太郎)

★有原が34人連続アウト達成

5回に法大の伊藤諒介にこの試合初安打を浴びた。これによって、同1回戦の6回から続いていた連続アウトの記録が途切れた。その数は34人。イニングにすると11回1/3となる。好投を続ける有原は早大にとってなくてはならない存在。この投球を早慶戦でも見せてもらいたい。

コメント

岡村猛監督(昭53二文卒=佐賀西)

――試合を終えて一言お願いします

悔しいですね。悔しいの一言です。

――試合としては7回裏、ミスから始まって失点ということでしたが振り返ってみて

うーん、こういう硬直した試合は本塁打か失策っていうのが定石なんで、まあその通りになったということですね。

――きょうの試合も何度か得点機はつくっていたんですけど、やはりそこで打てなかったというのが敗因ということでしょうか

そうですね。チャンスはつくるんだけど、なかなか得点できなかった。そのためにオーダーを組み替えたりいろいろやったんですけどね、ダメでしたね。

――結果としては非常に残念だと思いますが、次は早慶戦です。いま言えることでいいので、どうしていくかなどの意気込みをお願いします

まあ、リーグの優勝と早慶戦で勝ち点を挙げるというのが我々の二大目標でもあるので、早慶戦は別物ということで気持ちを切り替えて戦いたいと思います。