終始流れを渡さずに完勝 宮城が好投見せる/九産大戦

野球

全日本大学野球選手権 6月13日 神宮球場

TEAM
九産大
早 大
(早)○宮城、鹿田、香西、安田-印出
◇(二塁打)吉納 (三塁打)梅村 (本塁打)なし

 2回戦で大商大を相手に熱戦を制し、準々決勝に駒を進めた早大。この日は、福岡六大学野球連盟代表の九産大と対戦した。早大は、2回に相手のミスを逃さず先制点を奪うと、4回には相手の野選、山縣秀(商4=東京・早大学院)の適時打などで一挙4点を挙げる猛攻を見せる。先発した宮城誇南(スポ2=埼玉・浦和学院)は、味方の失策の間に1点を失ったものの、6回を自責点0に抑える堂々の投球を披露。投打がかみ合った早大が6-2で勝利し、準決勝進出を決めた。

 この日先発マウンドに登ったのは、今季の東京六大学春季リーグ戦(リーグ戦)で第二先発として登板した宮城。リーグ戦では安定した投球を見せた2年生左腕だったが、初回から先頭打者に左前安打で出塁を許すと、犠打と四球で1死一、二塁のピンチを背負う苦しい場面を迎えた。それでも、続く4、5番を連続三振に斬って取りピンチを脱すると、2回以降は低めにボールを集め、ゴロを量産するいつも通りの投球を披露。バックも宮城を盛り立て、2回には山縣が三遊間深くのボールに追いつき遊ゴロに抑える美技を見せると、4回にも小澤周平(スポ3=群馬・健大高崎)が三塁線を抜けるかという打球を好捕。チームとして強化してきた「球際の強さ」を、全国の舞台でも存分に披露した。

先発の宮城

 好投を続ける宮城を援護したい打線は、完璧に抑え込まれた初戦から一転、序盤から相手先発を攻め立てた。初回は得点を奪えなかったものの、2回に7番・梅村大和(教4=東京・早実)が2死から左前安打で出塁。すかさず盗塁を試みると、送球が逸れる間に三塁まで進塁し、1人で好機を作り出した。ただ、8番・石郷岡大成(社3=東京・早実)の打球は内野ゴロ。それでも石郷岡は、相手が打球処理を誤り、ボールがこぼれた間に俊足飛ばして一塁を駆け抜け、相手の失策で出塁。この間に梅村が生還し、泥臭く先制点をもぎ取った。梅村は4回にも右中間への三塁打で出塁し早大に流れを呼び込むと、石郷岡の内野ゴロが野選を誘発。相手のミスを逃さずに追加点を奪うと、その後の山縣の適時打などでこの回一気に4点を追加。試合の流れを決定づけた。6回に宮城が1点を失った直後の攻撃では粘り強く3四球を奪い、前田健伸(商3=大阪桐蔭)の押し出し四球で追加点。試合は早大ペースで進み、終盤戦へと突入した。

4回に三塁打を放ち、ベンチを盛り上げる梅村。初戦で決勝点を挙げた活躍に続き、この試合でも得点に絡む安打を2本放った

 7回に入ると、早大は勝ちパターンの継投に入る。宮城の後を受けたのは、早慶戦でも好投を見せた鹿田泰生(商4=東京・早実)。この日最速145㌔を記録した威力満点の直球を軸に相手打者を押し切り、1奪三振を含む三者凡退でこの回をシャットアウト。昨年苦しんだ4年生右腕が、全国の舞台で完全復活を印象付けた。続く8回に登板した香西一希(スポ2=福岡・九州国際大付)は、本塁打を浴びて失点を喫したものの、リードを保って9回の安田虎汰郎(スポ1=東京・日大三)にバトンを渡す。最終回を託された安田は、生命線であるチェンジアップで空振りを量産。大学では全国デビューとなるマウンドでも、相手を全く寄せ付けず、わずか8球で試合を締めた。

最後の打者を打ち取った安田

 攻撃では相手のミスを逃さずに得点を奪い、守備では確実にアウトを奪い切る試合巧者ぶりを見せつけた早大。次戦の準決勝の相手は東日本国際大に決定した。『強い早稲田』の復活へ。絶対に負けられない戦いが続く。

(記事 林田怜空、写真 西本和宏)

梅村大和(教4=東京・早実)

ーー今日の試合を振り返っていかがですか

序盤から点を取って、早稲田のペースで試合を展開できたので、そこが良かったかなと思います。

ーー今日の試合では2安打を放ち、チームの得点に絡む活躍でした。ご自身の打撃を振り返っていかがですか

リーグ戦(東京六大学春季リーグ戦)が終わってから少しタイミングの取り方を変えて、長くボールを見るという意識で練習していました。それが結果につながったと思います。

ーー今日は内野手を中心に守備が堅かった印象です。その点に関してはいかがですか

今日の試合は向こうのミスで点が入ったりしたので、守備から崩れてはいけないと思っていました。今後も守備は絶対に崩れることなくやっていきたいなと思います。

ーー次戦への意気込みをお願いします

あと2試合になりますが、どちらも本当に強い相手になってくるので、目の前の試合、目の前の1球に集中して全員で戦っていきたいと思います。