全日本総合選手権も大会5日目を迎え、決勝進出をかけた熱戦が繰り広げられた。早大からは緑川大輝(スポ3=埼玉栄)が齋藤夏(ACT SAIKYO)と共にミックスダブルスに出場。攻撃的なプレーを見せる浦井唯行・清水望(丸杉/昭和電工マテリアルズ)組を相手に、ファイナルゲームの末、勝利を決めた。最終日のあす、優勝をかけた大一番に挑む。
第1ゲーム序盤から正確なラインジャッジと持ち味の高いジャンピングスマッシュがさく裂。相手を揺さぶり、スタートダッシュに成功する。しかし、相手の強烈なスマッシュなどで失点を重ねるとリードを許した状態でインターバルを迎えた。巻き返したい緑川・齋藤組。ここから緑川の正確な配球が光る。ネット際へコントロールされたショットで相手を翻弄(ほんろう)。一気に7連続得点をあげると、崩されながらも粘り強いレシーブを展開した齋藤がクロスへ決めゲームポイントを握る。そのまま最後は相手のネットミスで21-15。第1ゲームを制した。しかし、続く第2ゲームは元日本B代表の実力をもつ浦井と、ペアを組む清水も本領を発揮。互いに譲らず拮抗(きっこう)した展開となるが、速い展開からのネットミスや前衛からのプッシュを守り切れず19-21。第2ゲームを献上した。
レシーブでしっかり守る緑川・齋藤組
勝負が決まるファイナルゲーム。互いにサーブミスが相次ぐなど、序盤は緊迫した試合展開に。それでも冷静さを欠かなかった緑川。「無理に攻めずに、上げるところを上げてしっかりやった」と、落ち着いたゲームメイクで相手のタイミングをずらし、点差を広げていく。齋藤も「サーブ周りを意識した」と、前衛から積極的に球に触り得点を重ねる。相手のミスも相まってマッチポイントを握ると、緑川が空いたスペースへシャトルを突き刺しゲームセット。ファイナルゲームを11本で抑え、初の決勝進出を決めた。
ジャンピングスマッシュを打つ緑川
あすの決勝で挑むのは、仁平澄也・朝倉みなみ(NTT東日本)組。準決勝の激闘を制した実力あるペアとの対戦だが、緑川の多彩なショット、齋藤の前衛での強気なプレー、そして抜群のコンビネーションは二人の最大の武器だ。頂点に向け実力は十分。自分たちのプレーができればおのずと結果はついてくるだろう。
(記事 渡邊彩織、写真 山田彩愛)
結果
▽ミックスダブルス
緑川大輝・斎藤夏(ACT SAIKYO)○2ー1(21ー15、19-21、21ー11)浦井唯行・清水望
コメント
緑川大輝(スポ3=埼玉栄 )・齋藤夏(ACT SAIKYO)
――今日の試合を振り返っていかがですか
緑川 出来としては50点くらいですね。あんまり内容的には良くなかったのかなと思います。
齋藤 みどり(緑川)の出来は100点として、自分が全然できなかったので、そこは修正して明日良いプレーができるようにしていきたいと思います。
――具体的にどこがあまり良くなかったのですか
緑川 しいてあげるとしたら、レシーブ面をしっかりしていかないと、自分たちの攻撃につながらないと思うので、もっともっとそういうところを練習して、明日はそこを意識して、自分たちの攻撃に転じられるように頑張っていきたいと思います。
――2ゲーム目から3ゲーム目にかけてのどんなところを意識しましたか
緑川 流れは良くなかったのですが、相手が前に詰めてきていたので、大きく展開するのもありじゃないのではないかという話をしました。無理に攻めずに、上げるところ上げるでしっかりやったのが、相手のタイミングをズラすことにもつながったので良かったのではないかと思います。
齋藤 サーブ周りを意識したというか、2ゲーム目や1ゲーム目の出だしが、自分が(シャトルに)触ってないことが多かったのでそこを意識してやりました。
――明日の試合での戦い方のポイントや意気込みをお願いします
緑川 仁平さんは、パワーヒッターというよりかは、結構かわしてというか技術タイプの選手で、朝倉さんは力があってラケットをどんどん振ってくるタイプです。そういうのに付き合わないというか、自分たちが攻撃に入っている時は常に点数取ってる時だと思うので、相手のことも気にしつつ、自分たちのプレーを出して、しっかり攻撃していけたら結果もついてくると思うので頑張りたいと思います。
齋藤 明日はしっかり自分を持ちつつ、思いっきりやりたいと思います。
――明日の試合でもプレッシャーはありますか
緑川 みんなからは優勝できるよとか言われますが、そこまで自分は気にしていなくて、自分たちのプレーをして、その結果が優勝というのが一番理想です。まずパフォーマンスとして、自分たちの良いコンビネーションとかを試合の場で出すということが第1なので、それに結果がついて来ればって感じです。