2種目でベスト8進出! 男子単は悔しさの残る敗戦となった

バドミントン

 全日本総合選手権(全日本総合)は今日で3日目を迎えた。男子シングルス、男子ダブルス、ミックスダブルスの3種目で2回戦進出を決めていた早大。第2シードを獲得し、2回戦からの登場となった緑川大輝(スポ3=埼玉栄)・斎藤夏(ACT SAIKYO)組は圧倒的に大差をつけ勝利。3回戦へと難なく駒を進めた。男子シングルスでは、第6シードとして戦った大林拓真(スポ4=埼玉栄)がフルゲームに及ぶ接戦を制することができず、敗退。悔しさの残る結果となった。緑川・町田脩太(スポ1=長崎・瓊浦)の男子ダブルスは危なげない試合運びを見せ、勝ち星を挙げた。

 
★男子シングルス

 ベスト8進出をかけて大林は、過去に対戦経験がある小本翔太(日立情報通信エンジニアリング)とぶつかった。第1ゲームは持ち味のスマッシュで果敢に攻める。点差が開かない接戦を繰り広げたが、攻撃的な姿勢を崩さずになんとか逃げ切り、1ゲーム目を先取した。2ゲーム目からは小本の猛攻が始まる。何度もスマッシュを打ち込まれるが、執念のディフェンス力を発揮し、レシーブし続ける。しかしレシーブの乱れや空いたスペースを確実に狙う小本に苦しめられ、徐々に点差をつけられていく。相手の鋭いプッシュを返球するガッツのあるプレーも見られたが、最後はシャトルがネットにかかり、16ー21。勝負は第3ゲームに。第3ゲームはネット前の攻防が頻繁に繰り広げられる。クロスヘアピンやフェイントなど揺さぶりあいが続いた。しかし相手のスマッシュが決まりだし、段々と突き放されていく。中盤に力強いスマッシュを中心に4連続ポイントを奪ったものの、試合の主導権を掴みきれず。最後は小本のスマッシュがコートに突き刺さり終戦。

 「何もできなかった」と大林は振り返る。しかし「全ての試合を全力で優勝を目指す」と決意した姿からは、これからのさらなる成長と躍動を期待せずにはいられない。早大で得た経験や今日の悔しさを糧に次のステージへと突き進んでいくだろう。

 

ジャンピングスマッシュを打つ大林

 
 
★男子ダブルス

 「ほぼ完璧だった」(緑川)という言葉通り、まさに圧巻の試合内容だった。ゲーム序盤から積極的な攻撃を見せ、相手をリードしていく。町田が後ろからの連続スマッシュで相手を崩すと、甘くなった打球に反応し緑川が前衛からプッシュ。二人のコンビネーションがさえわたり、攻めの展開から得点を量産していく。一度も流れをわたすことなく、第1ゲームを21―14で奪取した。その後も勢いは止まらない。「相手のスマッシュに対して結構レシーブもできた」と町田が振り返るように、相手に攻め込まれる場面でも落ち着いてラリーを展開。粘り強いレシーブから相手のミスを誘うと、自分たちの攻撃へと持ち込み着実に得点を重ねていく。さらにドロップショットやライン上を狙った多彩なショットを駆使し、相手を翻弄(ほんろう)。圧巻のゲームメイクで第2ゲームを21-12で勝ち取り、ベスト8進出を果たした。

 

 

堅い守りで簡単には決めさせなかった緑川・町田組

 
 
★ミックスダブルス

  今日が初戦の緑川・齋藤組。第1ゲームは終始攻めの姿勢を崩さず試合を展開した。2人の息の合ったコンビネーションで、相手を圧倒し、わずか5本で第1ゲームを奪う。第2ゲームでも攻守共に光り、自分たちのペースで試合を進めた。連続スマッシュで相手のディフェンスを崩し、どんどん前へと出ることができた。このゲームも13本で相手を退け、大差をつけて勝利。明日の3回戦へ自信のつく1戦となった。  

 

 

 

 明日の3回戦への挑戦権は男子ダブルス、ミックスダブルスで獲得した。2種目でのベスト8を決めた緑川。どちらの試合もタフな展開になるが、緑川らしいプレーを発揮し、ベスト4進出を決めたいところ。緑川とペアを組む町田も「足を動かしていきたい」と意気込むように、堅実で丁寧なプレーで1点を奪いとる。ベスト4進出をかけ、さらに厳しい戦いが待ち受けている。自分たちのプレーをしっかり発揮し、目指す優勝へと一歩ずつ近づきたい。

(記事、写真 山田彩愛、渡邊彩織)

 

 

結果

▽男子シングルス

大林拓真●1ー2(21ー17、16ー21、14ー21)小本翔太

▽男子ダブルス

緑川大輝・町田脩太○2ー0(21-14、21-12)霜上雄一・野村拓海

▽ミックスダブルス

緑川大輝・斎藤夏(ACT SAIKYO)○2ー0(21ー5、21ー13)酒井健登・井上洸

 
 
コメント

大林拓真(スポ4=埼玉栄)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 練習から調子も悪くなく、本番も予選1回戦まで順調にいきました。順調にいったからこそ(今日の試合が)苦しい試合になることはわかってはいたのですが、わかって準備してた上で何もできずに終わったなと思います。本当に悔しいです。

――対戦相手の印象はいかがでしたか

 過去2回くらい対戦している相手で、過去2回とも本当に楽に勝った試合ではありませんでした。わかってて練習で我慢してきたことが、本番で足が我慢できなくて、足が前出ませんでしたとか、最後1本が追いかけられませんでしたとか。それが多かったので、相手も自分と対戦してきてるってわかっていると思うので、そこで相手の方が1本、2本多く我慢できたんじゃないかなと思います。

――今日の敗戦を今後にどう生かしていきたいですか

 優勝という目標でも、毎年ベスト16で何も変わっていないなと。試合前調子が良かったとか、1年振り返った中で良い成績残しましたとかだけじゃダメだったのだなということがよくわかりました。やっぱりA代表の選手とかは、ほとんど日本に帰ってこない分、遠征行って1年通してすごい良い結果を残してます。総合だけとかランキングサーキットとかだけ優勝っていうわけにはいかないということが、この試合を通してよくわかったので、1試合に対して調整するのではなく、やっぱり1年間全て優勝するというくらいの気持ちで臨まないと勝てないのだなということがよく分かりました。そういうのを踏まえて、全ての試合で全力で優勝を目指すことをこれからやります。

緑川大輝(スポ3=埼玉栄)・町田脩太(スポ1=長崎・瓊浦)

――今日の試合を振り返って

緑川 細かいミスとかはちょこちょこあったのですが、全体的におおまかに見て、すごく出来が良かったです。常にずっと自分たちが攻めていて、こちらにほとんど隙がないくらいで行けていたので、相手としてはやりづらかったというか、ずっとレシーブに回ってさすってくることができました。ほぼ完璧だったという感じでした。

町田 相手のスマッシュに対して結構レシーブもできました。そこから攻撃にもっていくというかたちも少しできていたと思うので、そこは良かったと思います。

――全日本学生選手権(インカレ)が終わってから練習する時間はある程度取れたのでしょうか

緑川 そうですね。インカレが終わって代が変わり、自分がキャプテンになってから、しっかりダブルスの練習だったりとか足を動かすトレーニングだったりというのも自分の代でやり続けていて。まだ全然自分がキャプテンになってからそんなに経っていないですが、少しずついい部分ができているのかなと思います。

――インカレ後二人で練習する中で、気をつけてきたことは何かありますか

町田 緑川さんが前衛で止めてくれるので、あと自分はミスをしないで後ろからスマッシュを打つということを意識していました。

――明日は高野将斗・玉手勝輝(日立情報通信エンジニアリング)ペアという強敵相手になりますが、そこに向けての意気込みは

緑川 多分相手はアタック力がそんなに思いっきり強いわけではなくて、コンビネーションでやってくると思います。それは自分たちも大して変わらないので、コンビネーションを含め、そこでしっかりと運動量などでも上回れたらなと思います。

町田 今日みたいな感じでしっかりと足を動かしてやっていけばしっかりまわれると思うので、足を動かしてしっかりとやっていきたいです。