【連載】インカレ前特集『成』 第四回 大林拓真×友金利玖斗

バドミントン

 最終回に登場するのは、男子チームから4年生の二人。ナショナルとの両立をしてきた大林拓真(スポ4=埼玉栄)と、2年時のけがに苦しんだ友金利玖斗(スポ4=兵庫・村野工)は、小学校の頃からお互いを知る仲だ。1年時のインカレで優勝を経験し、再び頂点を目指すべく練習に励んできた。しかし、台風や新型コロナウイルスの影響で多くの試合が中止に。そんな中迎えたラストイヤー。4年間の集大成となる全日本学生選手権に向けた意気込みを伺った。

※この取材は10月4日にオンラインで行われたものです。

小学校からの仲

2019年度の春季リーグにて、チームメイトに向かってガッツポーズをする友金

――まず他己紹介をお願いします

大林 俺から行きます。右利きで、主にダブルスプレーヤーですかね。あとは、前衛系が多分得意だと思います。前衛、前。アタックっていうよりは前で後ろの選手を打たせるっていう立ち位置だと思います。

友金 大林は基本的にはシングルスで右利きで、スマッシュっていうイメージもあるけど、俺は小学校の頃から見ていてラリーの方がイメージが強いかなって思います。イメージとしては、強いっていうイメージです。

――お互いの尊敬するところは

大林 小学校の時から知っているので、やっぱり自分らの年代だけじゃないですけど、1個上とか1個下とかでも昔からやっていて今ここまでやっているバドミントン選手ってあんまりいないので。あんまりというか、バドミントン続けている選手は多いんですけど、早稲田入っていたり、インカレ(全日本学生選手権)だったり、東日本インカレ(東日本学生選手権)でメンバー入って頑張っているっていう選手はあんまりいないので、そういう意味では小学校からずっと。自分は小学校の時はあんまり結果がなかったので、ずっと小学校、中学校、高校って結果出してきている友金すごいなって思います。

 

友金 大林は小学校の時は、1回やって自分が勝ってたんですけど、高校からは勝てなくなって今は実際日本代表ターゲットとかに入ってその辺はすごいと思うし、私生活においても自分の意見をしっかりずばずば言うというかちゃんと伝えることは伝えてくれるので、そういう部分はすごいなと。簡単にできることではないので。

 

――ご自身の得意なプレーや強みは

大林 さっき友金も言っていたんですけど、スマッシュが速いってよく言われます。でも、高校卒業してナショナル入って海外の試合が増えてからは、スマッシュ速いことは自分の持っているものなので良いと思うんですけど、スマッシュ速いだけではレシーブ上手い選手とかも出てきて意味がないので。やっぱりラリーをして、最後の最後に自分の持ち味のフィジカルとかスマッシュが速いことを生かせるように、まずはラリーの組み立てをしっかりして最後にスマッシュで決めるっていうのが自分の持ち味だと思います。

 

友金 自分はダブルスなんですけど、他の人とはちょっと違うようなプレーができると思っていて、前衛でちょっとひねって相手に下から取らせるだとか、ダブルスでちょっとタイミング外したりとかができるのが自分の強みかなと思います。

 

――大林選手にお伺いします。昨シーズンはけがに苦しんでいましたが、現在の調子は

大林 ランキングサーキットの大会が復帰戦だったんですけど、その時は復帰戦だったので勝っても負けても楽しもうとか、自分が今どれくらいできるか確認しながらできたので、思いっきりできたんですけど、やっぱり今それから期間あいて、そろそろ本調子というか、体的にも戻ってきてると思うので、逆に負けられないです。みんなよりは半年間練習できていない期間とかもあったんですけど、やっぱりバドミントンしている以上、半年空いたから負けましたとかは言い訳になってしまうので。これから海外の試合や、もうすぐインカレもあるので、そこで頑張っていきたいです。

 

――友金選手にお伺いします。春季リーグ戦では中心メンバーとして出場されていましたが、振り返っていかがですか

友金 春は、自分がシングルス一発目で出て勝てなくて、自分のシングルはこれで終わりだなと思って、後輩にシングルは全部出てもらって。ダブルスは、2年生の池端(元哉、スポ2=熊本学園大付)と組んでたんですけど、やっぱり池端が狙われるので、そこで自分がどうやって入っていくかっていうのを考えてやっていました。

 

――他大学のライバル選手はいますか

大林 自分はシングルなので、ナショナルで一緒に練習している田中湧士(日大)だとか、奈良岡功大(IMG)とかですかね。

 

――どのような点でライバルだと感じていますか

大林 高校生の時とかは、田中湧士だったら同級生なので、余計負けられないですし。あと同級生で負けられないっていうのもありますし、1年生の時インカレでベスト4かな。それで2年で優勝していて1回1位とっているので、自分はまだ1位とっていないので、4年生最後のインカレでそういう面では負けられないです。功大は、やっぱり昔からずっと決勝だったり、決勝まで行くまでであったりでよく戦ってきた、昔から試合でよく当たってきたライバルという感じです。

 

――友金選手はいかがですか

友金 今年に入ってから試合に出るようになってダブルスはこれといったペアを確立しないままここまで来ていたので、ダブルスにおいてライバルっていうのはあんまり自分の中で考えてなくて。その場その場でっていう感じです。

 

――卒業後もバドミントンは続けられますか

大林・友金 はい、続けます。

 

――それは実業団に入ってということですか

大林 はい。

 

――オフの日はどのように過ごされていますか

大林 自分寝るのが好きなので、目覚ましをかけないで寝れるだけ寝ます。起きたら先輩だったり、その時によりますけど、もし何も誘われなかったりしたらずっと家で漫画読んだり、ゲームしたりしてます。

 

――結構インドアなんですね

大林 もう僕本当に。誘われなかったら外出ないので。誘われたら何か予定入っていない限り絶対断らないんですけど、基本的に外出たくないです。

 

――友金選手はいかがですか

友金 自分は釣りに行ったり、海の状況を見て釣れなさそうってときは、寮でゲームしたりですね。

 

――釣りは一人で行かれるのですか

 

友金 一人で行くときもあるし、誰かと行くときもあるしっていう感じですね。

 

――学校の授業は今どのような感じですか

大林 ええ、それ1番聞かれたくなかったですけどね。でも先生も優しいので、そういう面では、今先生と関わっているところはすごく楽しんでやらせてもらっています。

 

友金 自分はあと卒論だけなので、授業という授業はないです。

 

――もう卒論で終わりですか

友金 そうですね。

  

「4年生の団体戦で優勝したらそれが1番の思い出」(大林)

2019年度の全日本総合選手権にてスマッシュを打つ大林

――早稲田での4年間の生活を振り返っていかがですか

大林 自分は1年生の時からナショナル入っていて、早稲田の練習よりもナショナルの練習の方がメインになっていまっていたんですけど、それでも1、2年生の時は海外で試合がなかったりして早稲田の練習行って。やっぱりどうしてもレベルは落ちちゃうんですけど、帰ってきて、その時は緑川(大輝、スポ3=埼玉栄)とか小野寺雅之(令3スポ卒=現日本ユニシス)とか先輩後輩で同じナショナル入っているやつもいたんですけど、みんな自分らのことを迎えてくれて。自分らのレベルのこととか考えてくれてやっていたからこそ、去年、2年生の時はインカレの団体戦なかったですけど、また大学でも頑張ろうっていう気持ちになれたかなと思います。

 

――ナショナルとの両立はやりやすい環境でしたか

大林 そうですね。あとバドミントンもそうなんですけど、人付き合いとかは完全にバドミントン部で教わったかなと思いますね。先輩とか後輩の関わり方っていうのは。先輩にも安心してましたし、バドミントン以外のところでも。早稲田では、バドミントンっていうよりそういう面で成果があったかなと思います。人間的に。

 

――早稲田では縦のつながりは強いのですか

大林 後輩だったら緑川とか高校からの後輩ですし、1個上も高校の先輩だったので、やっぱり入った時からみんな仲良くて、すごく楽しかったです。

 

――友金選手はいかがでしょう

 

友金 自分は2年の秋から1年間けがで何にもできなかったんですけど、1、2年の時からもっとやっておくべきだったなっていうのがすごくあって、3年生の秋に復帰してやりだしたときに、やっぱり就職先のこととかも全然決まらなくて。自分の代だと大林もそうですし、田中とか、嶺岸(洸、法大)とか2年で結果を出していたので、バンバン決まっていたんですけど、自分は1、2年ちゃんとやっていなかった分結果が出ていなくて、その点すごく苦労して、1、2年の時からもっとやっておくべきだったなっていう点はすごく後悔してます。でも成果としては、社会人に行くまでにその点に気づけたことが成果かなと思います。

 

――4年間の中での1番の思い出は

大林 やっぱりインカレで団体戦って自分も友金もなんですけど、1年生の時からやっていないので。自分はその時にメンバーに選ばせてもらっていて、1回戦、2回戦とかも自分らが試合出るメインの選手で…。その時ダブルス出てたっけ?

 

友金 まわってこなかった、2ダブだからまわってきてない。

 

大林 でも、メンバーだったので、そういう自分らの体力温存のために出て勝ってっていう。先輩とか友金も含めてなんですけど、そういうみんなで協力して練習した団体戦でした。あれ以来団体戦はやっていないので、まだ団体戦4年生の分終わっていないですけど、今のところ団体戦で優勝できたっていうのが1番の思い出ですかね。これからある4年生の団体戦で優勝したらそれが1番の思い出です。

  

友金 自分は1年生の団体戦は、大林とかが同期でスタメンとして活躍していて、一応2ダブでは出してもらっていたけど、結局回って来ず1回も出れなかったってなった時に、やっぱり自分も出たいっていう思いが非常に強かったので。2年生の時団体なかったですけど、一応メンバーには選ばれそうになっていて。思い出としてはインカレで優勝してみんなでワーワーしたことが4年間では1番思い出ですね。

 

――やはり全日本学生選手権は特別な大会ですか

友金 そうですね。

 

大林 ナショナル入っているので、だいぶプレッシャーにはなります。

――改めて早稲田のバドミントン部はどのようなところだと思いますか

大林 さっきも少し言ったんですけど、ナショナルの練習がメインになっていて、当たり前なんですけど自分らの方がちょっとレベル高くて。でも、先輩方もそこで自分らが帰っていって、練習メニューとか遠慮するんじゃなくて全く同じメニューとか、先輩と自分でシングルやってほしいだとか言ってくれて。1、2年生の時とかの方が思い出は多くて、気使わないでシングルやろうって言ったり、アドバイスくれたりしていたのは、すごく優しいというのはもちろん、みんなで頑張りたいっていうイメージは大きいです。

  

――チームとしてのまとまりがあるという感じですか

大林 自分は後輩で、先輩はナショナル入っていなくて自分は入っているという立場で、先輩も気を使ったりしていたところもあったかもしれないですけど、僕はシングルスなのでダブルスでアドバイスくれたりとか、シングルだったらここ良かったねとか褒めてくれたりだとか、そういうことを気使わないで言ってくれる先輩たちは自分よりメンバーのこと思ってくれているんだなとか、バドミントン頑張りたいんだなっていうのがすごく伝わってきていたので、そういうところがバドミントン部のいいところだと思います。

 

――友金選手はどのようにお考えですか

友金 早稲田のバドミントン部のイメージはやっぱりナショナルとか、一般生も含めてそれぞれが個人の目標をちゃんと持っていて、それに向かってしっかりやっているチームだなというイメージですね。

 

――1年生の時と今とでイメージが変わった部分などはありますか

友金 1年生の時は、やっぱり大林がナショナルでずっといなくて、正直自分は仕事のことしか頭になかったので、仕事大変だったなあってイメージです。4年生になってからは自分がそれで苦労した分、仕事を減らしてあげようっていうそういう風に動いて、周りをみれるようになったかなって思います。

「思い出に残せるように楽しく」(友金)

――ここから全日本学生選手権についてお伺いします。現在、どのようなメンタル作りを心掛けていますか

 

友金 やっぱり団体戦勝ちたいですし、団体しかなくて自分はそこで思いっきりできればなって思っています。負担を減らせるように自分がしっかりポイント取っていければなって思っています。

 

大林 正直、東日本インカレとかも毎回中止ってなっていて、こういう中であるってなったらあるで、モチベーションがこれに向けて頑張りたいってすごくあるんですけど、1回中止ってなるとそれが切れちゃうので。あるかないか分からない状態で練習もしないといけないですし、大学の大会は引き続きありますけど、周りだと社会人だったり、国体だったり、いろんな大会なくなっているので、そういう中でみんなはトレーニング頑張ろうとか目標あります。そういう中で一緒に練習してたのは正直しんどかったですけど、インカレは完全にあるって決まったので。1年生の時とか2年生みたいに絶対あるみたいな感じじゃなかったので、正直どういう練習した方がいいのかなっていうのは前より考えるのが難しくなっています。けど、なんていったって全国大会なので、ナショナルでシングルスも団体戦もあるので、どっちも優勝して最後4年生で終われればいいなっていうのはありますね。

 

――昨年、おととしと団体戦がなくなっている中、今年の大会は特別なものになるのではないかと思います。現在どんな思いでいらっしゃいますか

大林 自分は、チームメートと一緒に練習できなかったりとか、リーグやれなかったりとかすごく申し訳ないところがいっぱいあるので、4年生で最後ですし、後輩にも自分が団体戦で勝って、かっこいいところとか見せたいです。町田(脩太、スポ1=長崎・瓊浦)とか、池端とか、清水(皓基、社2=滋賀・比叡山)もすごく練習行ってバドミントン頑張っているのわかるので、やっぱり3、4年生になってから後悔してほしくない、後輩を引っ張って頑張りたいって思ってくれるような試合がしたいので、勝っても負けても自分の全力全部出していければいいかなと思います。

 

友金 自分がスタメンというかメンバーとして出れる最初で最後の団体戦だなって。もちろん大林とか緑川とかの力も必用ですけど、自分の力をそこで示していけたらなって思います。

――本番までに改善していきたい点はありますか

 

大林 もうあと10日くらいしかないので、技術とか体力とかいまかやっても意味がないので、今ナショナル合宿来てますけど、みんなよりも1回でも1本でも練習すればそれはみんなより練習したことになるので、何を直すというよりかはみんなより練習しているんだっていう意味を込めて、けがをせずに毎日インカレまで頑張れればいいかなと思っています。

 

友金 特にこれっていうのはないですけど、全力で戦える状態にもっていくことだけ、今はしようかなって思っています。

――気持ちの部分という感じですか

 

友金 そうですね。モチベーションに関してもめちゃくちゃ高いかって言われたら、まだそこまでもっていけていないので、1週間で持っていけたらと思います。

――最後に、全日本学生選手権での目標を教えてください

大林 最後ですし、団体戦も久しぶりなのでもちろん優勝するっているのが目標なんですけど、それよりも自分の全力出して後悔ないように全力でやるっていうのが目標です。

 

友金 自分はやっぱり最後なので、思い出に残せるように楽しく。もちろん優勝を目指して、その上で楽しくできればなと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 山田彩愛、渡邉彩織)

 

◆大林拓真(おおばやし・たくま)

1999(平11)年8月7日生まれ。169センチ。埼玉栄高出身。スポーツ科学部4年。ナショナルと両立しながら大学生活を送ってきた大林選手。オフの日はほとんど外に出ないインドア派だそうです。ズームの使い方に少し慣れない様子もありましたが、質問一つ一つに丁寧に答えてくださいました。シングルスにも出場する最後のインカレに、全力で挑みます! 

◆友金利玖斗(ともかね・りくと)(※写真右)

1999(平11)年7月21日生まれ。173センチ。兵庫・村野工高出身。スポーツ科学部4年。大林選手とは対照的に釣りというアクティブな趣味をお話してくれた友金選手。1年時のインカレで優勝したときの喜びは、今でも印象に残っているそうです。3年前と同じ気持ちを味わえるよう、『楽しむ』ことを忘れずに最後のインカレに臨みます!