熱戦となった2回戦 小野寺・岡村組がベスト8へ!

バドミントン

 3日目となった全日本総合選手権。2回戦に進出したのはミックスダブルスの小野寺雅之(スポ4=埼玉栄)・吾妻咲弥(スポ4=福島・富岡)組、緑川大輝(スポ2=埼玉栄)・齋藤夏(ACT SAIKYO)組、女子ダブルスの吾妻・吉田瑠実(スポ2=埼玉栄)組、男子ダブルスの小野寺・岡村洋輝(日本ユニシス)組だ。ファイナルゲームに及んだミックスダブルスは、両ペア相手の球に食らいつけず、2回戦敗退という結果に。また昨年度王者に立ち向かった女子ダズルスも、相手に圧倒される結果となった。一方、激しい展開を見せた男子ダブルスでは、ファイナルゲームを勝ち取り白星を飾った。早大からは唯一、明日の準々決勝へ挑む。

★第1ゲームを制すも勝ち切れず…両ペア2回戦敗退/ミックスダブルス

相手にペースを握られ苦戦した緑川・齋藤(左)組

 

 1回戦を勝ち上がっての出場となった小野寺・吾妻組。先にゲームポイントを握ったが、その後5点を連続で献上するとジュースに持ち込まれた。ここから粘りの戦いが始まり、両者リードされても、簡単には次の1点を渡さない。しかし、26点目を小野寺が上からのショットで決めると、続いて相手がネットにひっかけ27-25。激闘の末に第1ゲームをもぎ取った。しかし、相手も黙っていなかった。第2ゲーム、ファイナルゲームで得点を重ねることができず、両ゲーム共に13-21。勝ち切ることができなかった。小野寺・吾妻組としては最後の出場だった今大会。2回戦敗退という結果に終わったものの、均衡する試合展開の中で冷静さを欠くことなく、好プレーを見せた試合となった。
 小野寺・吾妻組がコールされるとすぐに緑川・齋藤組も呼ばれ、同時間帯で試合が行われた。第1ゲーム前半は、常に競った展開が続いた。リードしてはリードされという均衡した試合展開となる。インターバルを追いかけるかたちで迎え、なかなか追い越すことができない後半。しかし、気持ちを切らさず得意なかたちでのゲーム展開を作ると、15-17から3連続得点。ここで逆転に成功すると接戦を制し、21-19で第1ゲームを勝ち取った。第2ゲームも勢いそのままに勝ち取りたいところだったが、相手も徐々にペースをつかみ始める。試合の中でプレーを調整していく相手に苦戦を強いられ、第2ゲーム落とした。そのまま相手のペースで試合を進められると、ファイナルゲームで相手に食らいつくことができず、10-21。昨年ベスト4に輝いていただけに、勝ちたい試合だったが無念の敗退となった。コミュニケーションの面を課題として挙げていた緑川だったが、声を掛け合いながら互いに鼓舞する姿が見られた。さらに磨きをかけたプレーで再びこの舞台へ戻ってきてくれるだろう。
 両ペア共に第1ゲームで接戦を制したものの、勝ち切ることができなかったミックスダブルス。例年とは違う1年間の中でそれぞれが目標を見出し、懸命に戦い抜いた姿は間違いなく輝いていた。

★強敵相手に苦戦 敗退するも力を出し切った試合に/女子ダブルス

手前へショットを決める吾妻

 

 1回戦を快勝した吾妻・吉田の2回戦の相手は、永原和可那・松本麻佑(北都銀行)という強敵だった。日本A代表に選出されているこのペアは、昨年の総合で優勝を果たしていている実力者。序盤から相手に攻め込まれ実力を見せつけられると、15-21で第1ゲームを奪われた。しかし、第2ゲームはまず吾妻・吉田がリードする展開。吾妻がセンターに打球を決め、吉田もサイドライン上に球を落とす好プレーを見せた。しかし、ネットミスなどが重なり5点を献上。その後、前衛にいた吉田が取りきれなかった球を吾妻がカバーしようと試みるものの、ネットに引っかかり失点。イレブンを先取されると、悔しい表情を見せた。そこから立て直すことができず、マッチポイントを握られると上から叩き込まれ13-21。吾妻・吉田組の挑戦はここで終わりを迎えた。
 永原・松本組を前に苦戦を強いられることとなった2回戦。それでも相手のスマッシュを返球し、長いラリーを展開。声を掛け合いながら互いにカバーする場面も見られた。世界でプレーする相手と対戦し力を出し切れたこと、これは吾妻、吉田にとって貴重な経験になっただろう。

★ファイナルゲームを制しベスト8入り!明日の準々決勝へ/男子ダブルス

粘り強く返球する小野寺

 

 この日2試合目の出場となった小野寺は、ペアの岡村と共に男子ダブルス2回戦に臨んだ。岡村のジャンピングスマッシュを相手がアウトし、先制点を決める。得点する度に声を上げ、喜びをあらわにした。リードしてインターバルを迎えると、前へ攻めに入った小野寺が打球に反応し点を重ねる。さらに小野寺のジャンピングスマッシュから岡村が素早く決めると、ゲームを先取することに成功した。しかし、第2ゲームは流れに乗れなかった。勝利するにはもう1ゲームも落とせない相手ペアにも気合いが入り、小野寺・岡村組はネットに掛けるミス。4-11と7点差をつけられる展開になった。岡村の強打が光る場面も見られたが、第2ゲームは相手が勝り、勝負の行方はファイナルゲームへ。速い展開から岡村のジャンピングスマッシュを返されると、そこを小野寺が決め5-0。序盤は小野寺・岡村が主導権を握るかたちとなった。相手も追い上げを見せるが、マッチポイントを握ったのは小野寺・岡村組。20-17からは速く激しい展開となり、攻め込む相手に懸命に返球するものの最後の一球を取り切れず。簡単に試合は終わらなかった。それでも、最後は小野寺がクロスを狙い、相手が追い付けず21-18で勝利を飾った。
 激戦のファイナルゲームを制し、ベスト8入りを決めた小野寺・岡村組。好プレーを見せたとともに、サーブミスがみられるなどそれぞれ課題も見つかっただろう。次戦は古賀輝・齋藤太一(NTT東日本)と、こちらも前回大会でベスト4という実力あるペアだ。「最低でもベスト4には入りたい」。そう語っていた小野寺にとっては勝たなければならない試合だ。一戦一戦、向かっていく気持ちを忘れずに、二人の挑戦はまだ続く。

(記事 渡邉彩織、写真提供 SMASH and NET. TV)

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結果

▽ミックスダブルス
小野寺・吾妻●1-2(27-25、13-21、13-21)浦井唯行(丸杉)・宮浦玲奈(ヨネックス)

 

緑川・齋藤●1-2(21-19、13-21、10-21)金子祐樹・松友美佐紀(日本ユニシス)

 

▽女子ダブルス
吾妻・吉田●0-2(15-21、13-21)永原・松本

 

▽男子ダブルス
小野寺・岡村〇2-1(21-16、14-21、21-18)西川裕次郎・緒方友哉(NTT東日本)

コメント

吾妻咲弥(スポ4=福島・富岡)

――女子ダブルスの1回戦は高校生相手でしたが、振り返ってみていかがですか

今回がバドミントン人生最後の試合だったので1回戦はしっかり勝って、永原さんと松本さんと最後試合したいと思って臨みました。1年ぶりの試合で緊張するかと思ったのですが、あまり緊張せず、エラーが少なかったので自分達のリズムで試合ができたと思います。

――2回戦は昨年の王者でした。ご自身のプレー、相手の印象について教えてください

まずは世界のトップ選手と対戦できて良かったという気持ちが大きいです。身長が高く上からのショットが鋭い印象がありました。対戦してみるとスマッシュを打ってからのドライブやプッシュがとても速くて守りきれないラリーが多くありました。

――ミックスダブルスは2回戦、第1ゲームを接戦の末に勝ち取りましたが振り返ってみていかがですか

楽しもうという一心で臨んだのであまり深く考えていませんでした。自分がなるべくミスをしないで小野寺に球をまわせたらと考えていました。パートナーが決めてくれたので取れたゲームだと思います。

――第2ゲーム、ファイナルゲームで勝ちきれなかった要因は何だと思いますか

相手は代表に入っていて練習量も多いので、2ゲーム目から修正してミスがなくなった印象がありました。ラリーが続いた時に自分達がミスしてしまって、その繰り返しが敗因かなと思います。

――現役最後の試合となりました。今のお気持ちはいかがですか

1年ぶりであり、最後の試合は本当に楽しかったです。まず、ダブルもミックスもパートナーに本当に感謝しています。そして大会期間多くの人が連絡をくれて、本当に周りの人に恵まれた競技人生だったなと感じました。

 

吉田瑠実(スポ2=埼玉栄)

――1回戦は高校生相手でしたが、振り返ってみていかがですか

自信を持って挑戦する気持ちで挑んだので、少し緊張しましたが楽しくできました。

――2回戦は昨年の王者でした。ご自身のプレー、相手の印象について教えてください

相手の球にも対応できて自分たちらしいプレーができたと思います。相手は背が高いペアだったので高さとコースを考えながら2人で戦うことが出来ました。

――総合を終えて今のお気持ちは

自分たちのプレーを全て出し切れたということもあり、すごく楽しかった、という言葉しか見つかりません。

――課題として見つかった点はありますか

レシーブやドライブを相手の体勢をみて、タイミングやコースを変えること。攻めに入るタイミングなど、まだまだ課題はたくさんあるなと思いました。

――今後の目標を教えてください

これからも楽しむことを忘れずに頑張っていきたいと思います。

 

緑川大輝(スポ2=埼玉栄)

――ミックスダブルスの第1ゲームは接戦を制すことができましたが、振り返ってみていかがですか

1ゲーム目は自分たちのペースで試合運びをできていたので、なんとか1ゲームを取ることができたのかなと思います。

――第2ゲーム、ファイナルゲームでは差をつけられての敗戦となりましたが、勝ちきれなかった要因は何だと思いますか質問

点差をつけられたのは相手がプレーを変えてきてそれに対して対応しきれなかった。また自分の球の質も悪くなってしまっていたことだと思います。

――戦ってみて相手の印象はいかがでしたか

勝てなくもない相手だったので勝てなかったことが悔しいですが、自分の中での引き出しも増えたのでいい経験になったと思います。

――課題として見つかった点はありますか

ゆっくりな球は打てていたので、もっと強い球相手の頭を抜くような球というのをもっともっと精度良くやっていく必要があるとおもいます。

――今後の目標を教えてください

来年は総合で結果を残せるように頑張りたい! そして、インカレ(全日本学生選手権)で優勝もしたいと思います。