第2回は、高校総体三冠を成し遂げた緑川大輝(スポ1=埼玉栄)。今年度からミックスダブルスで日本代表に選出され、8月に行われた全日本ミックスダブルス選手権では見事優勝を果たした。シングルス、ダブルス、そしてミックスダブルス。多彩な才能あふれるルーキーの素顔に迫る――。
※この取材は8月20日に行われたものです。
「早稲田が憧れ」
関東大学春季リーグ戦では新人賞を獲得した
――夏合宿がありましたがいかがでしたか
1年生の仕事もあって大変なことも多かったんですけど、例年よりは少ないって聞いていたので、「これでも少ないのかぁ」と思いつつも(笑)。やりながらすごく楽しくバドミントンをできたんじゃないかなと思います。
――たくさん走ると伺いましたが実際は
そうでもないですね。でも宿舎から体育館から3キロくらいなんですけど、それを行きと帰りにランニングで移動でした。そこで走ったくらいなので、そんな大したことじゃないです。
――では、早速ですがバドミントンを始めた経緯を教えていただけますか
きっかけは自分の母がバドミントンをしていて、姉が小4くらいにバドミントンを始めたんですけど、最初はそれに付いていって行った感じです。幼稚園とかそのくらいの時です。バドミントン大して好きじゃなかったんですけど(笑)。嫌で嫌で、でも親に連れて行かれて、そこで始めたのがきっかけです。
――あまり好きではなかったバドミントンを好きになったきっかけはありますか
幼稚園からラケットは握っていたんですけど、お遊び程度だったので。本格的に始めたのが(小学校)1年生で、所沢ジュニアっていうクラブで始めました。そこで1年生の頃に始めて、同じチームの人にも勝てるようになってきて、1年生の最後の方に県大会があって、上の学年もいたんですけど、3位に入って。
――小1から小6までいて3位ですか
いや、小1と小2ですね。その時、小1と小2の部で3位に入って、「俺いけんじゃね」って思ってきて(笑)。勝てたら楽しいじゃないですか。そこで楽しくなってきましたね。
――小学校の6年間はずっと楽しい、という感じでしたか
そうですね、そんなにバドミントンのことを深く考えていなかったので。ただただ勝ちたいって。負けず嫌いなのかは分からないですけど、とりあえずやって勝ちたい、というのが一番大きかったですね。
――小学校の時には中学でもバドミントンを続けると思っていましたか
何となく思っていたんですかね。バドミントンしかないっていうか。
――他のスポーツはやっていましたか
やっていなかったんですけど、最初はサッカーやりたいっていうのがあったんですよ。お父さんがサッカーやっていたので。サッカーやりたいと思っていたんですけど、でも今思えばサッカーやったら上にはいけなかったと思います。バドミントンで良かったなあと思います(笑)。
――中学は埼玉栄中に進学されましたが、その経緯を教えていただけますか
経緯は…そうですね。声はかけられていたんですけど、同じ埼玉県というのもあって、県大会とかで違うクラブの強い人とかもみんな栄に行っていたので、自分も栄なのかなぁという感じでしたね。軽い気持ちで言って決めました。
――栄中が近くにあったというのは大きかったですか
そうですね、はい。
――実際に入ってみていかがでしたか
やっぱ練習きつくて、自分練習そんな好きじゃなかったので。こんなところでやっていけんのかなというのが最初の印象です。朝練があったり、朝練やってから授業が6時間あったり、そこからまた練習ってなるとハードではありました。朝も早いですし、夜も遅いので。まぁ練習嫌いの僕からしたらやってらんないなってくらい、最初は嫌でした(笑)。でもそれも小学校と同じで、先輩たちが優勝している姿を見ると「俺も優勝したいな」というのがあって続けられました。先輩たちが優勝しているのを見ると後輩たちに受け継がなきゃいけない気持ちで中学校の頃とかはやっていました。
――先輩を継ぎたいという気持ちから、自分が勝ちたいという気持ちに変わったのはいつ頃ですか
いつなんでしょうね(笑)。でも中学校に入って最初の全中(全国中学校バドミントン大会)にも出られたので、中1から中3までいる中で県大会、関東大会と抜けることができて、1回戦負けだったんですけど。でも、こんな強い人いる中で、渡邉航貴(日本ユニシス)っていう当時中3の先輩が優勝したところを見て、格好良いなって思って、俺もこうなりたいってなったんですかね。
―― 高校生活はいかがでしたか
高校1年の時はまた1年からかって感じで鬱な気持ちでした(笑)。
――1年生はお仕事とかありましたか
いや、高校は逆で、3年生が仕事をするっていうところでした。3年生がやらなかったら誰がやるんだっていう考えの高校だったので、最初は先輩が仕事だったりバドミントンをやったりしているのを見て、見て学ぶっていうのが身についていました。それで、先輩を見て学ぼうっていうのはありました。
――試合や成績に関しては
どうだったんですかね(笑)。唯一悔しかったのは、高1のときに団体のメンバーに選ばれなかったことです。やっぱり中学から同じ人が上がってきて、そうそうたるメンバーがいる中で監督から「お前はメンバーに入れる」って言われていたんですけど、結局決定戦みたいなのをやったら、いつも勝っている相手に負けて。結局入れなかったのがすごく悔しかったです。そこから練習頑張ろうってなりました。
――それが大きな転機になったということでしょうか
そうですね、多分そうだと思います。
――中高時代を通して一番印象に残っている試合はその試合ですか
公式な試合じゃなかったけど、学校の体育館で、ただメンバーに入るか入らないかっていうメダルが懸かった試合でもないのに、すごく印象に残っていますね。
――そこからバドミントンに対する姿勢は変わりましたか
そうですね、変わりました。より考えるようになりました。楽しいとかが今までは先だったんですけど、もっと深く考えるようになりました。勝つためにはここをどうしたら良いとか、今までこうやってきたけど、このままで良いのかとか。いろんなことを考え始めましたね。
――実践形式の練習が多かったと思うんですけど、どういったことを考えながら臨まれていましたか
試合形式っていっても勝ち負けはつくじゃないですか。そこで、勝ちにこだわってはいたんですけど、逆に負けても良いからいろいろ試していこうっていうのもありました。先生にばれないように先に5点くらいあげて、そこから勝とうみたいな。この試合はクロスの球使わないとか、技を磨くために、その技だけっていうのは難しいですけど技を多めに使っていこうとか変わった考え方でしたね。
――それから試合でも変化はありましたか
いつもやっていたおかげで試合でも出せたと思います。なんだろう…。難しいですね(笑)。
――最後の年は高校総体(インターハイ)三冠という結果でしたね
たまたまだとは思うんですけど、まさかシングル勝てるとは思っていなかったので。勝つ気ではいたんですけど、年下とか年齢とか関係なく相手は格上の選手で。勝ちたいとは思っていたんですけど、まだ勝てないかなぁとかいろいろなことを考えていました。いざやってみたら、意外と戦えるなあと思って。映像を見て、この子はこういうプレーをするからっていう対策はしていて、それがうまくはまったのが印象ですね。あとは自分のパートナーだった子が準決勝でファイナルまでいって体力削らせてくれて、いろいろな偶然が重なって勝てたんじゃないですかね。
――高校生活を総括すると
今までシングルスで優勝したことがなくて、インターハイで初めて優勝したので、それはすごくうれしかったですね。自信に…なりましたね(笑)。なったんじゃないですかね。
――昨年は全日本総合選手権(総合)の2回戦で桃田賢斗選手(NTT東日本)と対戦されました。高校という枠を超えた大会はいかがでしたか
やっぱ桃田さんは世界ランク1位で世界のトップでやっていて、全てが違いましたね。壁と戦っている感じでした。こっちが攻めていて相手はレシーブなのに、攻められている感じで、壁打ちしているみたいな感じでした。
――高校の試合以外に出場されて、自分をどのように客観視されましたか
インターハイチャンピオンなんて毎年生まれるので、そんな深くは考えていないんですけど、やっぱ大人のシニアの方だと、フィジカルだったりメンタルだったり全てが上だなと思いました。これからそういう人たちを見習ってやっていかなきゃと思っています。
―― 対照的にミックスダブルスではB代表に選ばれたと思うのですが、選ばれたことはどのように聞きましたか
一番最初に知ったのはツイッターですね(笑)。ツイッターで回ってきて、書類が送られてきたのはその後です。最初ツイッターを見たときは信じていなかったんですけど、もしかしたらそうなのかなと思っていました。書類もらったときも、あんまり言わないでくださいっていうことは言われました。
――そのときはやはりうれしかったですか
そうですね。シニアへの第一歩じゃないですけど、そんな感じです。
――ミックスダブルスで選出されたということに関しては
自分はミックスダブルスに結構やりがいを感じていて、楽しいと思っていて。ダブルスとも違うし、シングルとも違うし。シングルのカバー力も必要だし、ダブルスの低い展開とかスマッシュ力とかレシーブ力とか全てが必要で、女子をうまく前にした配球とかいろいろ考えながらやらなきゃいけないので、多分どの競技よりもすごいハードだと思います。そこにやりがいを感じています!
――今はそこに没頭している、と
はい、最初はそうですね。今はやりすぎて難しいです。いろいろ考えすぎて。自分は身長もなくてパワーもなくて、いろいろ考えると頭を使って動いてやっていかなきゃいけないので、どうやったら背の高い選手に勝てるかとか、どうやったら力がある選手をかわして勝てるのかとかいろいろ考えながらやっていて、今は頭を抱えています(笑)。
――実際にB代表の練習に参加してみていかがですか
まぁしんどいですけど楽しくやっています。ピリピリしているところはすごくピリピリしているんですけど、オンとオフの切り替えがしっかりありますね。みんなバドミントンを真剣にやっているので、バドミントンのことをよく考えられる環境ではあります。
――早稲田の先輩もナショナルにいらっしゃいますが、お互いに話したり、刺激になったりしますか
そうですね。小野寺さん(雅之、スポ3=埼玉栄)はダブルスで、大林さん(拓真、スポ2=埼玉栄)はシングルで、それぞれ違う種目なので、大した話はしてないですけど(笑)。
―― 「しんどい」とおっしゃっていましたが、ナショナルの合宿で一番ギャップを感じたのはどこですか
高校は試合形式の練習しかしていなくて、試合感覚が研ぎ澄まされるっていう感じはあったんですよ。早稲田でもそうですけど、パターン練習が多くて、試合形式が少ないので、試合感覚がなくなっていくっていうのは正直ありました。試合形式のもやりたいなとは思うんですけど、今まで試合形式でやってきた分、他の人より試合感覚はあると思うので、今はパターン練習とかスキル練習に充てられる良い時間なんじゃないかと思います。
――B代表に入って、注目されることもあると思うのですがその点についてはプレッシャーとかはありますか
いや、何も気にしていないです。そういう枠に縛られるのがあんまり好きじゃないんです。自由にやりたいっていうか、人の目を気にしてやるとかじゃなくて、自分の信念を貫いてやっています。やりたいことをやって、気負うこともなくやっています。
――ミックスダブルスのペアの選手は実業団に行かれましたが、一緒に練習する時間はありますか
ないです。今のところは代表合宿だけなので、あんまり。あっちも自分が授業あることを気にして呼べないらしいので。合宿のその1週間とかそこらしか練習していないです。でも、同じ高校で、U19でも一緒にミックス組んでやっていたので、分かってはいると思います。これから改良すべきところは多いんですけど、コンビネーションとかに関しては不安はないですね。
――春にも種目を選ぶことについて伺って、4年間の中で決めるとおっしゃっていたと思うのですが、今の心境は
今言えるのは確実にシングルスはないですね。
――それはなぜですか
1人でいるのがあんまり。さみしがり屋なんですよ(笑)。共有する相手が欲しいっていうか。賞金とかはシングルスの方がいいんでしょうけど(笑)。2人で勝ち取った優勝の方が絶対意味があるっていうか、自分的にはうれしいので、ダブルスかミックスですね。
――では団体戦はお好きですか
団体戦がめちゃくちゃ好きですね!!栄が団体戦を重んじている学校だったので、何よりチームメイトのことを考えていました。ダブルスでもパートナーのことを考えてやっていたので、団体っていうのとは違いますけど、個人戦だったらダブルスかミックスになるんじゃないですかね。団体戦は大好きです!
――早稲田でのことについて伺いますが、春に大学進学の理由で大学を卒業したいとおっしゃっていました。そこは実業団と迷うことはなかったですか
あんまり実業団っていうのはなかったですね。所沢ジュニアで練習していて、近くに早稲田があるっていうのは知っていたので、その頃から早稲田が憧れでしかなかったんですよ。なので、自分の周りには「早稲田に行く」ってずっと言っていました。それが今になって実現できたことが良かったです。
――推薦の話があったときはうれしかったですか
いや、自分から「早稲田に行きたい!」って言っていましたね。高校の監督にも「どこ行きたいんだ」って聞かれて「早稲田です」って。
――埼玉栄出身の選手が多く在席していますが、お話は聞いていましたか
話は大して聞いてなかったですね(笑)。先輩とかは気にせず、自分が早稲田っていう感じでした。
――練習方法も今までとは違うと思うのですが、実際に早稲田に入ってみて最初の印象は
高校時代が濃すぎて、全然練習しないなと思いました。練習時間から少ないなっていう感じがしました。高校時代は朝練もあって、授業の後にも練習して、休日は9時くらいから4時くらいまで練習して。それを考えると練習量は少なくなっているのかなと思います。自分で考えながらできるっていう環境は自分には合っていると思います。
――監督やコーチに指導されるよりも自分で考えながらやらなくてはいけない環境は合っていましたか
縛られるのがあんまり好きじゃないので、高校時代からも自分で考えてやろうとしていたので、さらに自分で考えることができる、人の目も気にしなくて良いので。メニューは決まっていたとしても、自分でやり方はいくらでも変えられるので、そういった面では自分に適していると思います。
――関東大学春季リーグ戦ではチームに馴染んでいる姿が見られましたが、チームの雰囲気はどうですか
にぎやかで、すごく良い先輩です。みんな仲良いと思います。上下関係もあまりなく、誰とでも話せる、それは1つ早稲田の良いところだと思います。先輩にもこうしたら良いんじゃないかって言えるし、みんなで強くなろうっていうのがありますね。普通だったら先輩が怖くて言えないこととかあるとは思うんですけど、それがないのが特徴だと思います。
―― よく「チーム早稲田」という言葉を聞きますが
「チーム早稲田」って感じですね。わかんないですけど(笑)。
――ナショナルでの練習と大学での練習のバランスはどうですか
バランスは良い感じに取れています。どっちかというとナショナルは縛られているというか、練習メニューもしっかり決まっているので、ちょっとストレスが溜まりますね。でもその分早稲田では自分の好きなことができるので、うまくバランスは取れています。
――最近意識して練習していることはありますか
最近はメンタルですかね。ちょっと弱気になっちゃったりとか、試合でリードされたり離されたりすると誰しもが諦めかけると思うんですけど、そういうところからの気持ちの持ち方とか、団体戦でもチームが勝っても自分は負けたとかあるので、そういったときのメンタルの持ち直し方は大事だなと思います。代表の試合とかも2週間あったりとか1週目惨敗して、2週目は勝たなきゃいけないとかあると思うので、そういった場面のメンタルとか気持ちの持ち方は自分に必要だと思っています。なかなか練習できないので。夏合宿では仕事に耐えるっていうメンタル、違うメンタルなんですけど(笑)。何かやっておけば何かにつながるだろうという気持ちですね。
――1年生は3人と少ないですが、どうですか
吉田(瑠実、スポ1=埼玉栄)は栄で同じで、佐原(穂香、人1=近大付和歌山)は違う高校から来たんですけど、仲は良いんじゃないですかね。少ないからこそ、横の関係をしっかり持って、仕事でも役割分担をしっかりして部を円滑に回せたらと思います。
「漫画が大好き」
抹茶について力説してくださった緑川選手
――ここから大学生活についてお話を伺いますが、大学生活には慣れましたか
慣れたんじゃないですかね…(笑)。
――大学は楽しいですか
今まで勉強してこなかったので…(笑)。栄はスポーツ校なので、テストとかもその日にまともに受けられていないですし、毎回追試で。授業もまともに受けてなくて、何も分からず、ただただテストを繰り返す高校生活でした。大学に入ってしっかり勉強する時間が与えられて、すごい苦痛ではあるんですけど、初めて覚えることだらけでとても有意義です。楽しくはないですが(笑)。
――どんなことを学ばれているのですか
トレーニングのこととか…。あとなんだっけ。でも自分は教員ではなく、バトミントンを引退したらコーチとして(バトミントンに)関わりたいと思っています。だから、これからは指導者としてのことを学べたらいいなと思います。
――単位は大丈夫ですか
やばいです(笑)。
――いつもは所沢キャンパスで授業を受けていらっしゃると思うのですが、早稲田キャンパスにいらっしゃることはありますか
ないです。練習の時くらいです。今のところは所沢に住んでいるので、年が上がっていくにつれて、行くようになるんじゃないですかね(笑)。
――ワセメシを食べたことはありますか
ワセメシって何ですか(笑)。
――ワセメシというのは早稲田キャンパス周辺にあるご飯屋さんをまとめてそう呼ぶことが多いです
そうなんですか(笑)。例えば何ですか?
――ごんべえとかですね
ごんべえですか(笑)。一回食べたことあります(笑)。
――好きな食べ物はなんですか
好きな食べ物は抹茶です。抹茶自体も好きですし、抹茶を使ったもの両方好きです。
――抹茶を飲まれるんですか
いや、そんな飲まないですけど(笑)。京都にいった時とかは、好んでお茶を飲みますね。抹茶はすっごい好きです。スタバに行ってもフラペチーノじゃなくて、抹茶です(笑)。
――オススメの抹茶スイーツはありますか
いや、抹茶なら何でも良いです(笑)。あとは、緑茶が好きですね。
――では、ドリンクで麦茶と緑茶があったら緑茶ですか
もちろん。絶対緑茶です。狭山に住んでいるので、狭山茶があるんです。小学校の頃、茶摘みとかがあって、お茶に触れることがたくさんあったので、毎日のように飲んでいました。
――趣味はありますか
絵を描くことです。絵といってもアニメの、例えばワンピースのルフィを描いたり、ドラゴンボールだったら悟空描いたりとか。暇な時間に描いていたりしますね。
――オフの過ごし方を教えて下さい
寝ているか、絵を描いているか、そんな感じです。
――漫画はお好きですか
漫画はめちゃくちゃ好きです。自分の部屋に本棚があるんですけど、漫画しか入ってないです(笑)。それくらい漫画が大好きで大抵何でもいけます(笑)。毎週ジャンプも買っていますし、マガジンも買っています!
―― 夏休みは何かしたいことはありますか
今はワンピースの映画が見たいです。でも厳しいですね…。見に行きたいんですけど。
――試合前のルーティーンはありますか
特にないですね。試合中だったら、流れが悪いときとか、ここからいきたいっていうときとかにガットを直しますね。ガットを直すっていう動作でメンタル維持ですかね。
――憧れている選手はいますか
前までは井上拓斗選手(日本ユニシス)がすごく好きでした。身長も同じくらいで、すごく好きだったんですけど、今はミックスをやるようになって、渡辺勇大さん(日本ユニシス)。こうなりたいなっていうのはすごくあります。井上選手も好きなんですけど。
――渡辺選手と話すことはありますか
あります。何というか、すごくストイックですね。こういう人が強くなるんだなと思いながら話していますね。
バドミントンは恋人
――真面目な質問に戻りますが、自分のプレースタイルをどのように分析していますか
身長がないので、その分動かないといけなくて、動けるところは結構広いと思います。あと自分の中でジャンプ力はあると思っていて、身長がない分そのジャンプ力でカバーできるように、なるべく高い打点で打てるようにしています。そんなもんじゃないですかね。特に秀でたところもなく、普通だと思います(笑)。
――先ほどからお話を聞いていて「楽しい」という言葉が印象的で、バドミントンを楽しんでいることが伝わるのですが、逆に辞めたいと思うことはなかったですか
辞めたい、はないですね。ほんとに最初が一番もう低いところから始まったので(笑)。その低いところに下がることはないですね。
――それではモチベーションは上がるだけですね
そうですね。どんどん、でも上がりすぎるときつくなるので。やりたくない時はやりたくないで、自分は良いと思っているので、オンとオフはしっかり分けたいと思います。
――自分のプレーを分析してもらいましたが、足りないと思うところはどこですか
全てが足りないと思っています。シニアでやっていくには、身長はもう伸びないので仕方ないにしても、身長に合ったフィジカルですね。筋力とか、カバー力を落とさないこともそうですし。どっちにしろフィジカルじゃないですかね。今の筋力では絶対足りないというのは目に見えているので、そこを第一に強化していきたいです。
――これから関東大学秋季リーグ戦(秋リーグ)、東日本学生選手権(東)、全日本学生選手権(インカレ)がありますが、それぞれに向けての目標は
東はとりあえずインカレの権利を取りに行くことですね。リーグは最初の前半戦に行けないので、後半戦で先輩の足を引っ張らないようにしたいですね。インカレは自分の持っているものを全て出せれば良いかなと思っています。自分のものを出した結果が優勝だったり2位だったり3位だったりになれれば良いですけど、なれなかったらなれなかったでそれは自分の力不足だとこれからもっと練習します。自分の持っているものを全部出します。
――チームとしてはインカレ優勝を目標に掲げていますが、どのように貢献したいと考えていますか
第一に先輩の足を引っ張らないこと、それは絶対ですね。シングルは出たくないので、ダブルス、でもどういう出方であれ、出た試合はしっかりポイントをあげられるようにします。それでチームに貢献していきたいと思います。
――大学生活は残り3年半ありますが、4年間の目標は
長いっすね(笑)。今すごく良い先輩方ばっかりなので、その良い伝統を自分で終わらせられないですね。終わらせないようにチーム早稲田というか、早稲田魂を後輩に伝えていきたいと思います。あとは、1回くらいインカレで優勝したいっすね。それくらいですかね。深く考えすぎずに、今までやってきたこととかも含めて、とりあえず自分の力を出し切りたいです。それで優勝だったら優勝で、これ以上ない結果だと思うので、うれしいですね。やれることを全てやりきりたいというのがこの4年間の目標じゃないですかね。結果とか深く考えないでやっていきたいです。
――最後に、緑川選手にとってのバドミントンとは何か教えてください
どうですかね…。バドミントンに青春を奪われているので(笑)。恋人くらいにしときますかね!腐れ縁ってやつです(笑)。
――ありがとうございました!
(取材・編集 石名遥、倉持七海、山本小晴)
これからもマルチな才能を生かして「挑戦」してくれることでしょう!
◆緑川大輝(みどりかわ・ひろき)
2000(平12)年5月17日生まれ。161センチ。埼玉栄高校出身。スポーツ科学部1年。ジャンプ漫画がお好きだという緑川選手。対談の際には恥ずかしがりながらも自身で描いた絵を見せてくださいましたが、あまりのうまさに一同びっくりしてしまいました。これから練習も忙しくなると思いますが、絵を描いて息抜きをしながらインカレまで駆け抜けてほしいです!