女子が悲願の優勝を達成!男子は惜しくも2位に終わる

バドミントン

 男女ともに優勝の可能性を残して迎えた最終日。男子部は第1ダブルスの浅原大輔(スポ4=宮城・聖ウルスラ学院英智)・吉村徳仁(スポ4=富山・高岡第一)組がファイナルゲームのジュースをものにし、筑波大を制す。しかし、日体大が日大を倒し全勝となり、惜しくも優勝には届かず2位に終わる。一方、ここまで全勝の女子部は昨日と同じオーダーで専大に挑み、3-2。昨年の関東大学秋季リーグ戦(秋リーグ)から大躍進を遂げ、全勝優勝となった。優勝に大きく貢献した吉田瑠実(スポ1=埼玉栄)は新人賞と最優秀選手賞をダブル受賞。緑川大輝(スポ1=埼玉栄)も新人賞に選ばれ、ルーキーの活躍が大いに評価された。

 最終戦を5−0で完勝し、日大が日体大に辛勝すれば優勝が見えていた男子部。第3シングルスに待ち構える渡辺俊和(スポ4=埼玉栄)まで全勝で繋ごうと奮闘したが、その希望は道半ばで途切れてしまった。試合早々、シングルスの2人が順調に白星を重ね、第1ダブルスの浅原・吉村組もラストで競り勝つ。ところが、第2ダブルスが途中で精彩を欠き逆転勝利を許してしまい、優勝の道は閉ざされてしまった。日体大が日大に3−1(打ち切り)で勝利したため、男子部は今大会を2位で終えた。

フルセットの末に敗れてしまった大林(左)・緑川組

  女子部は2008年秋リーグ以来のリーグ戦優勝となった。4日目と同様に鈴木ゆうき(社2=宮城・聖ウルスラ学院英智)が先陣を切り、相手のミスも重なってストレート勝ちを収める。続く吉田も相手を9本、12本に抑えて快勝。今大会10試合目となる鈴木ゆ、吉田はダブルスでも相手を圧倒し、チームを優勝に導いた。そしてメンバーチェンジがあり、第3シングルスには中根智華主務(教4=東京・関東第一)が登場。慣れないシングルスで試合序盤は動きが硬く、ネット前でのミスが目立ち、第1ゲームは19-21で落としてしまう。第2ゲームでは、相手のスマッシュを短くレシーブし、ラリーに持ち込む。先にインターバルを迎えられるが、クロスのヘアピンが決まり同点に追いつく。その後も粘り強くラリーを続け、フォア奥からの強打で得点を重ねる。しかし、21-23とあと一歩及ばず。「自分なりにいいプレーができた」(中根)と振り返ったように、負けてしまったものの、試合中は楽しそうにプレーしている様子も見られ、ベンチの応援も一際大きかった。女子部の関東大学春季リーグ戦(春リーグ)は笑顔で締めくくられた。

チームの声援を受けながらプレーした中根

 チームとして万全な状態ではない中、男子部は2位、女子部は優勝と好成績を収めた今大会。「1人1人が自分の役割を考えてできた」と桃井が語った通り、部員数こそ少ないがチームの総合力で勝利をつかみ取ってきた。下級生が勝ち星をあげることが多かったが、チームのことを一番に考えてきた4年生の存在は大きい。「風通しがいい」(浅原)と言うように下級生と上級生の壁がないのが今年のバドミントン部の特徴だ。チーム早稲田の戦いはまだ始まったばかり。これから東日本学生選手権(東日本)、全日本学生選手権(インカレ)と大きな大会が待っているが、目指すはアベック優勝。今年の早稲田ならきっとそれを成し遂げられるだろう。

(記事、写真 山本小晴、石名遥)

集合写真

結果

▽男子団体○3-1筑波大(打ち切り)

シングルス1 緑川大輝○2―0(21-14、21-15)

シングルス2 大林拓真(スポ2=埼玉栄)○2-1(16-21、21-10、21-15)

ダブルス1 浅原大輔・吉村徳仁○2-1(23-21、12-21、22-20)

ダブルス2 大林拓真・緑川大輝○1-2(21-17、19-21、16-21)

シングルス3 渡辺俊和(16-16)※途中で打ち切り


▽女子団体○3-2専大

シングルス1 鈴木ゆうき○2-0(21-14、21-19)

シングルス2 吉田瑠実○2-0(21-9、21-10)

ダブルス1 桃井伶実主将・平野紗妃(スポ2=福岡・九州国際大付)●0-2(11-21、12-21)

ダブルス2 鈴木ゆうき・吉田瑠実○2-0(21-13、21-9)

シングルス3 中根智華●0-2(19-21、21-23)


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コメント

渡辺俊和(スポ4=埼玉栄)

―― 2位という結果に関しては

もちろん優勝を目指していただけに悔しい結果となってしまいました。でも、代が変わって初めての大会で、試行錯誤しながら得られたものや、2位という結果に関しては前向きに捉えて。自分たちの何がだめだったのか目に見えて分かってきたので、次の大会、秋リーグ(関東大学秋季リーグ戦)とか東日本(東日本学生選手権)に向けて頑張りたいと思います。

――不調だった前半戦に比べて後半戦は調子を上げてきたように感じましたが、個人としては5日間いかがでしたか

最初の出だしがよくなかったのは悔しいし、不甲斐ないというか、心残りです。後半にかけてよくなってきたのはよかったかなと思います。でも、トーナメント戦だったら一発で終わりなので、次からは最初から自分の持ち味を出せるようにしていきたいと思います。

――チームとしては

今大会通して、男女ともに全勝した選手が誰もいないので、(団体では)勝ったから課題がないというわけではなくて、みんな(個人としては)負けているから課題もあって。その課題を誰かに言われたからではなく、それぞれ見つけて考えて追求して、練習してほしいと思います。

――これから大きな大会が続きますが、チームとしての目標と個人としての目標をそれぞれ教えてください

チームとしての目標は、次が東日本なので、アベック優勝。秋リーグもインカレ(全日本学生選手権)もアベック優勝したいと思います。個人としても、シングルスでもダブルスでも。ダブルスでは緑川と組むんですけど、あまり練習できる時間がないと思うので、自分が早稲田の練習にしっかり取り組んで、組んだ時に力を発揮できるようにしたいです。結果としては、優勝ですね。優勝。

浅原大輔(スポ4=宮城・聖ウルスラ学院英智)・吉村徳仁(スポ4=富山・高岡第一)組

――チームとしては優勝を逃しましたが、今大会の結果を振り返っていかがですか

浅原チーム一丸となって頑張ってきたのではないかなと思います。後輩たちに頼ってばかりではなく、あいつらが負けたときも4年生が頑張るみたいな、ダメなやつがいてもそこを誰かが助けるという助け合いがあっての準優勝だったと思います。小野寺雅之(スポ3=埼玉栄)が不在の中での準優勝なので、明るめに捉えて、小野寺くんには優勝という報告ができませんでしたが、自信を持って帰りたいですかね。

吉村自分は結構悔しいですね。勝った試合ももちろんうれしかったのですが、日大戦や日体大戦とかで、自分たちのプレーができないまま終わった場面も多かったです。チームの課題も見つかりましたし、浅原との課題もしっかり見つかった試合でした。しかし、筑波大戦とかでも、ダメなところから持ち直して、最後の最後で点数を取り切れたのは自分たちが成長したところかなと思います。

――きょうは2セット目で一回集中が切れたように見えました。

吉村2セット目はもう、集中力が切れてしまって。

浅原うん、正直捨てました(笑)。

吉村3セット目に頑張ろうというのは2セット目のプレー中に言っていました。

浅原5点くらい離されたので、もう次集中していこう、と言っていました。そこは頑張りましたね。12ー17くらいまでいっちゃったので、もうこれはダメだと思って切り替えましたね。

――先ほど吉村選手も言ったように、最後勝ち切れたことが大きいと思います。その要因はなんですか

吉村やっぱり話し合ったことですかね。日大と日体大戦の後でも、「自分らのいいところどこだっけ」みたいなことをラインでも直接でも話し合いました。あとはお互い分かり合えているので、「俺はこうするから、次はこうしていこう」というのが、自分らがダメなときでも話せたのが要因かなと思います。

浅原のりが言った通りで、話し合ったというところだと思います。ラインとか直接とかで話し合えていたので、コート内でも話し合えました。意思疎通ができていますね。愛し合っています。

吉村これちゃんと載せてくださいね(笑)。

――2日目に勝った時より、喜びが大きかったように思いました

浅原きょうは優勝がかかっていたので、落としちゃダメだと思っていました。そのプレッシャーとの戦いがあっての勝ちでしたし、ギリギリだったので、ポンといかれてしまったところをそこから逆転したというところが本当にうれしかったですね。

吉村2日目の法大戦はまだ優勝がかかっていないというか、「まあ楽しくいこうよ」みたいな話をしていて。それがあってのあの試合だったので、楽しめたのもありますね。

浅原心に余裕があったんだと思いますね。でもきょうも楽しかったですよ。

――お二人が見つけた課題とは

吉村リーグ戦はまた独特ですが、インカレとかでも「ナショナルの3人が勝って終わりというのが早稲田」みたいな感じになっていたと思うのですが、自分たちはそれがすごい嫌で。浅原とも話していて、自分たちでしっかり1本取れるダブルスになれたらと思っています。それと、チームの中でもあいつらをどうやってモチベーションを上げるかというのもすごい課題だと思っています。強いから何も言わないで放っておくのではなく、チームのことを考えた上でどうするかをちゃんと伝えなきゃいけないと思っています。そこがチームの課題ですね。

浅原二人の課題は、やっぱり焦らないことですかね。決めよう決めようという焦りの気持ちが出てきてしまって。そこらへんは自分たちがもっと心にゆとりを持てればもっとリラックスできると思います。周りが見えなくなっちゃうことが多いと思うので、もっと周りをよく見て冷静に判断できるようになってくれば、どんな相手にでもうまくやっていけるだろうなという感じですね。

――リーグ戦で2勝したことで、自分たちなりの「勝ち方」みたいなものが確立し始めたのではないでしょうか

浅原いつも通りプレーすれば、という感じですね。勝った2試合というのは自分たちのプレーができているかなと思ったので。ラリーして我慢して、というのもありますし、僕が球を作ってのりが打つっていうパターンもありますし、そこができればやっぱり勝てるのかなと思いました。練習に小野寺・大林がいますし、あいつらに勝てば日本一になれると思っているので、頑張りたいと思います。

吉村試合だったら「勝ちたい、勝ちたい」っていうのが自分たちは出てしまうんですよ。今まで団体戦に出られなかったぶん、勝ちたいし試合にあまり慣れていないしという感じで。試合になったらいらないことをしてしまったりとか、無理矢理にしちゃったりとかしていたのですが、浅原が言ったように「普段通り」が大事だと思います。「自分がこうする!」とかではなく、「浅原に前で決めさせるために自分はこうしよう」っていうのを自分は心に決めていますね。浅原も「(自分に)スマッシュを決めさせるように」と言ってくれましたが、そこの連携がしっかりと取れれば自分たちはいい試合もできるし勝てるのかなと今回やって思いました。

――東日本学生選手権に向けて意気込みをお願いします!

浅原そりゃもう優勝ですよ!

吉村小野寺・大林っていう強いダブルスがいるんですけど、決勝で同校対決をやれれば最高です!

浅原蹴散らしてやりますよ、ナショナルを!これちゃんと書いておいてくださいね!

緑川大輝(スポ1=埼玉栄)

――5日間を終えてみた感想は

全然ダメダメでした。負け越していましたし、勝敗的にも内容的にも悪かったなと思います。前半はよかったのですが、中3日が空いて気持ちづくりが全然できていなかったと思います。

――間の3日間はどのように過ごしましたか

普通にいつも通り練習しました。特に意識することはなかったです。

――新人賞を受賞しましたが、それについては

自分だとは思っていませんでした。結構負けていますし…。まあ、よかったんじゃないですかね(笑)。

――コンディションはどうですか

疲労は大丈夫だったのですが、やはりけがが…。膝が痛いです。フィジカル面も高めていかなければいけないなと思います。ダブルスの時はめちゃくちゃ痛くてやりたくなかったんですけど(笑)、人数が少ないので出なきゃなと思って出ました。

――今後も大会が続きますが、抱負をお願いします

出た大会は、勝ちたいと思います。

桃井伶実女子主将(スポ4=石川・金沢向陽)・平野紗妃(スポ2=福岡・九州国際大付)

――優勝おめでとうございます

桃井うれしいです。でも個人的にはもっと勝ちたかったので、もっと貢献したかったというのはあります。

平野うれしいです。日体大の初戦で、自分たちが勝てたのがうれしかったし、その1戦でも勝てたのが大きかったかなと思います。

――やはり日体大に勝利したのは大きかったですか

平野そこで自分らが負けていたら優勝もなかった。負けだったかなと思います。4勝1敗が並んでしまうので。

桃井自分たちの中では、ちょっとでも貢献できたと思います。

――今大会は第1ダブルスで、他大学のエースダブルスと当たることが多くありました

桃井 その大学の強い方の相手とできていたので、そこで勝ったら自分たちにも自信になるし、通用するということなので、強い相手だからこそもっと勝ちたかったです。

平野日体大戦以外は1ダブ(第1ダブルス)で。2ダブ(第2ダブルス)同士の戦いになったときは勝てたから、1ダブのときも、これから東日本とかインカレとかあるので、そこでは勝てるようにしたいです。

――きょうの試合ではレシーブする場面が多かったですが、何か気をつけていたことは

桃井相手がすごくバコバコ打ってくる相手だったので、ストレートに返すと全部前衛の人に取られちゃって、もっとクロスの球を使えるようにしないといけないと思いました。結構明治の相手とかも、ストレートを攻めてくる相手だったので、そういうのをもっとずらせる技術が必要だなって思いました。

平野自分はストレートでも浮かない球。上げる球も大事だけど、前を怖がらずに、自分たちが前に詰められる形になれたらいいなと思います。

――2ゲーム目は1ゲーム目よりも攻撃やレシーブがうまくいったように見えましたが、どのように切り替えをしましたか

平野2ゲーム目を頑張りましょうっていう感じでハイタッチ求めたし、やられているからこそ、やりがいがあるっていうか。

桃井我慢しないと勝てないので、しっかり打った後の準備とか速い展開についていけるように意識しました。

――春リーグを通して見つかった課題はありますか

桃井課題は、レシーブですね。臨機応変にやることが全然できていないので、状況に応じて、そういう判断とかを練習で感じました。

平野前に詰めていったときに、ミスとかしちゃっていたので、足使って前に入ったり、攻撃しているときにミスをしないようにしたり、そういうのをなくしていきたいと思います。

――主将の桃井さんに伺います。今大会優勝できた理由は何ですか

桃井1人1人がやらなきゃいけないっていう気持ちの面は大きいかなと思います。人数が少ないので、そこで、1人1人が自分の役割を考えてできたのは大きいと思います。

――チームとしての目標は

桃井春リーグでどこかが負けたら、どこかが勝って。チーム力はあると思ったので、それを鍛え続けたいと思います。目標はインカレでアベック優勝したいので、それに向けて頑張ります。

中根智華主務(教4=東京・関東第一)

――優勝して今のお気持ちは

素直にうれしいです。

――最上級生としてチームをまとめる上で気をつけていたことはありますか

下(の学年)が強いっていうこともあるので、上として下の意見をくみ取っていかないとチームとして成り立たないと思ったので、なるべく下の意見を聞いて、自分たちがそれに合わせるようにしました。そうすれば勝てるチームだと思っていたので、それを実践してきました。

――第3シングルスに出場することが決まったときの心境は

もしかしたらくるかもしれないとは思っていたんですけど、やっぱり他の人に頼っていた部分もあるので、正直びっくりっていう気持ちが先にきました。

――やってみていかがでしたか

できるか本当に心配だったんですけど、今までみんなが頑張ってくれていたので、そのイメージを持ちながら試合に入りました。負けてしまったんですけど、自分なりにいいプレーができたと思っています。今までサポート側として徹底していたので、自分が選手になる側っていうのは難しいなと感じました。

――きょうの試合ではスマッシュを短くレシーブすることが多かったですが、どのような狙いがありましたか

相手の球が速い分、後ろに返したら自分も次にクロススマッシュを打たれてしまって苦しいので、なるべく前に落として、前のヘアピンを待ってちょっとラリーに持ち込めるような形にしました。

――2ゲーム目は競った展開となりました

正直勝ち方が分からなかったので、20を取ったときもどうしたらいいか分からなかったです。でも、もうちょっと思いっきりやればよかったというのはありますね。

――今後に向けて一言お願いします

これでリーグは終わりですが、リーグはいい形で終われて、東日本もインカレも1番を目指して、主務としても頑張りたいと思います。

吉田瑠実(スポ1=埼玉栄)

――自身のダブルスが勝った瞬間に優勝が決まりました

うれしいというよりは、5日間10試合をやり切った感じですかね。10試合やり切ることの方が目標だったので、楽しくやり切れたのでよかったです。

――新人賞と最優秀選手賞の両方を獲得しました

何もないです(笑)。楽しんでやった結果という感じですかね。

――大会が続きますが、目標を教えてください

自分は個人戦が弱いので、頑張ります!