高い壁を越えられず…中西は大学生活最後の試合を迎える

バドミントン

 大会初日の大躍進を経て、全日本総合選手権(全日本総合)も2日目を迎える。男子複以外はシード権の選手との厳しい戦いとなった。そのため男女単、女子複、混合複では3回戦進出ならずベスト16で今大会を終えた。一方、男子複は2回戦を突破し、準々決勝では第1シードの園田・嘉村組(トナミ運輸)との試合に挑む。

 初の2回戦進出を果たした古賀穂主将(スポ3=福島・富岡)は日本ランキング5位(11月10日発表)の常山幹太(トナミ運輸)との試合に臨んだ。この対決は2014年の全国高等学校選手権の決勝戦以来となった。第1、2ゲームともに序盤は互いに一歩も譲らない拮抗(きっこう)した試合展開となる。しかし第1ゲームの後半は相手に配球を読まれてしまう。そのため、クロスに対してクロスで返されノータッチで取れないことが続き、このゲームを17-21で落とす。第2ゲームの後半は勝利に対する強い気持ちからか、決め急いでしまいミスが増えた。一度失点するとなかなか流れを取り戻すことができず、このゲームも15-21で落とし、3回戦進出とはならなかった。古賀は2回戦進出という結果を喜ぶとともに目指す場所は全日本総合優勝と来季の目標を大きく掲げた。一方、小野寺雅之(スポ1=埼玉栄)・岡村(日本ユニシス)組は第2ゲームで苦戦するも、ストレート勝ちを収めベスト8入りを決めた。

2回戦で惜敗した古賀

 単、複、混合複で2回戦進出を果たした中西貴映(スポ4=埼玉・大宮東)。シングルスは第4シードの大堀彩(トナミ運輸)との一戦となる。第1ゲームは相手の的確な球回しと、スピードに翻弄(ほんろう)され、出遅れる。後半に反撃を試みるも、序盤の点差を縮めることはできなかった。続く第2ゲームでも大差を付けられてしまい苦杯を喫した。吾妻咲弥(スポ1=福島・富岡)と出場したダブルスでは、昨年のこの場所で敗戦した福万・與猶組(ヨネックス)との再戦となる。昨年とペアは違うものの、前回大会3位の格上の壁は高く、白星を挙げることはできなかった。古賀と組んで出場したミックスダブルスは金子・栗原組(日本ユニシス)にストレート負け。しかし、第2シードの相手に対し第1ゲームで19点、第2ゲームで18点を取る好ゲームを見せた。3種目で2回戦敗退となり、この試合をもって中西は早大のユニフォームを脱ぐこととなった。しかし中西は目標にしていた1回戦突破を出場した全種目で果たし「ことしの全日本総合は自分に合格点をあげてもいいのかなと思っています」(中西)と笑顔で語り、悔いなく大学生活最後の大会を終えた。

早大のユニフォームで戦うことが最後になった中西

 3選手が格上相手に戦いを挑むも実力の差があらわになり、勝利することはできなかった。しかし、この大会でベスト16入りを果たしたことは1年間の努力が結果として現われたことに違いはない。来季から古賀は主将、中西は実業団の選手、吾妻は早大のエースと状況は変化するが、それぞれの舞台での活躍に期待したい。

(記事、写真 佐藤菜々)

結果

▽男子シングルス本選2回戦

古賀穂主将(スポ3=福島・富岡)●0-2(17-21、15-21)

▽男子ダブルス本選2回戦

小野寺雅之(スポ1=埼玉栄)・岡村(日本ユニシス)〇2-0(21-13、24-22)

▽女子シングルス本選2回戦

中西貴映(スポ4=埼玉・大宮東)●0-2(13-21、11-21)

▽女子ダブルス本選2回戦

中西貴映(スポ4=埼玉・大宮東)・吾妻咲弥(スポ1=福島・富岡)●0-2(15-21、11-21)

▽ミックスダブルス本選2回戦

古賀穂主将(スポ3=福島・富岡)・中西貴映(スポ4=埼玉・大宮東)●0-2(19-21、18-21)

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コメント

古賀穂主将(スポ3=福島・富岡)

――今日のミックスダブルスを振り返っていかがですか

対戦相手がオリンピアンということもあって向かっていくという感じでやりました。ラリーが続いて勝てた時もあったんですが、最後は決められて相手に押されてしまいました。一本取っても一本取られてそのまま連続ポイントを取られることが多かったです。経験からきてるのかもしれないですがラリーの組み立て方は相手の方が上手かったのでそこが敗因かなと思っています。

――シングルスを振り返っていかがですか

良かったことは今後に活かせる部分が見つかったことです。きょうは勝ちたいという気持ちが強すぎて体がガチガチになりすぎてしまいました。そのため初動が遅れて追い込まれてしまいきつい状況になりました。そして最後は決められてしまうというパターンが多かったです。また連続ポイントが止まらなくなってしまったというこの2つが敗因かと思います。

――第1ゲームと第2ゲームともに序盤は競っていましたが、後半に突き放されてしまった原因はなんですか

きょうの配球はクロスが多かったです。自分はクロスに打つといつもストレートを張ります。しかし、きょうの相手は自分がクロスに打つことを予想してクロスに返してきました。そのためノータッチで取れないということが続いて連続ポイントを許してしまった形になったと思います。

――今大会を経て収穫できたことや、見つかった反省点などはありますか

収穫できたことは、初めてこの大会で1回戦を突破したことです。これはすごく嬉しかったのですが目標はベスト4なので、そこに届かなかったということは今後の課題です。来年こそは優勝を狙って日々の練習から頑張っていこうと思います。

――来季は主将として迎える1年になりますが、そこに向けて一言お願いします

春秋の関東大学リーグ戦、東日本学生選手権、全日本学生選手権(インカレ)の4大会で団体優勝という目標を掲げて日々練習しているので、その目標達成に向けて主将として頑張っていきたいと思っています。

中西貴映(スポ4=埼玉・大宮東)

――今日の対戦相手は全てシードの選手でした。まずミックスダブルスを振り返っていかがですか

対戦相手が就職先の先輩のペアだったので向かっていこうという気持ちを持ってやりました。自分が思っていたよりもやりあえましたし、まだまだだなと思う部分もありました。古賀とは全然練習しないで試合に臨んだのですが、2人で声を掛け合いながらできたので、昨日勝つことができたことも含めて良かったかなと思います。

――シングルスを振り返っていかがですか

シングルスはこれからあまりやらないと思います。きょうの相手は強いですが、最初から点差なくできればもしかしたらいけるのではないかと思っていました。しかし最初から相手にリードされる形で試合が進んでいってしまいました。もう少しやれたかなというのが今の率直な気持ちです。

――ダブルスを振り返っていかがですか

ダブルスも凄く強い選手で、きょねんの全日本総合選手権(全日本総合)でも対戦して負けてしまった相手でした。でも、楽しく2人で声を掛け合ってできました。

――大会全体を振り返っていかがですか

3種目とも2回戦で勝つことはできませんでしたが、去年と比べて実力は上がってきました。自分はまだまだこれからですが、今年の全日本総合は自分に合格点をあげてもいいのではないかなと思っています。

――早稲田大学の選手として出場する最後の試合となりましたが、今の気持ちを教えてください

ミックスダブルスとシングルスが終わった時は特に何も思いませんでした。しかし最後ダブルスが終わった時に、最後かと思ったら涙が出そうになりました。きょうは同期の女子や、富岡(寿将、スポ4=熊本・八代東)、後輩も何人か見に来てくれてて、ほんと周りに支えられてやってきたんだなと思いました。1年生の頃から家族を含め色々な人にお世話になって、その人たちがいたからやってこれました。最後この舞台に出てここで終われたということは良かったかなと思います。

――悔いのないプレーをすることはできましたか

目標が1回戦突破だったのですが、まさか3種目で1回戦勝つと思っていませんでした(笑)。今回は緊張して負けてしまったとかではなく実力が足りなくて負けてしまったという感じなので、悔いはないです。

――主将として戦った今年1年を振り返っていかがですか

監督、コーチがいないなかで練習しなければいけないという環境で4年間やってきました。最後主将として過ごした1年間はすごくプレッシャーがありました。団体戦では自分が勝っても、チームが負けたら自分の責任だと感じていました。普段からチームのみんなに厳しいことを言ったりしましたが、最後までついてきてくれた後輩たちには感謝しています。インカレ、全日本総合ともに4年間の中で一番良い成績を残すことができました。OBさんたちにもいい報告ができて、最低限、主将としてやるべきことはできたかなと思っています。

――最後に後輩の皆さんに向けて一言お願いします

来年はまたチームの雰囲気が変わると思います。今年1年間組んだ吾妻(咲弥、スポ1=福島・富岡)には単複取るエースになってほしいと思います。中村(幸、スポ3=富山国際大付)、桃井(伶実、スポ2=石川・金沢向陽)、松本茜(社2=福岡・九州国際大付)を中心に誰かが勝たなければいけないので、自分が絶対に1つ取るという気持ちを持って試合に臨んでほしいです。女子の目標はインカレ団体優勝で、優勝してほしいという気持ちがあります。自分たちでやるしかない環境の中でもしっかりと目標を持って頑張ってもらいたいと思います。