接戦制し、男女共にうれしい白星

バドミントン

 関東大学春季リーグ戦(春季リーグ)は4日目を迎え、男子部はことしから1部リーグでプレーしている筑波大と激突。ダブルス2で接戦をものにし、勢いに乗った早大に軍配が上がった。一方の女子部は、初白星を狙う明大と対戦。マッチカウント2-2で迎えたシングルス3で、中西貴映(スポ3=埼玉・大宮東)が安定したプレーを見せ、チームはリーグ戦通算2勝目を手にした。

 ここまで3連敗の男子部にとって、同じく0勝3敗の筑波大との戦いは、絶対に負けられないものとなった。シングルス1に出場した松本康平(スポ3=埼玉栄)が、ファイナルゲームまでもつれ込む激闘を制し、幸先の良いスタートを切る。ところが、続くシングルス2では古賀穂(スポ2=福島・富岡)がストレート負けを喫し、マッチカウント1-1で並ばれてしまう。迎えたダブルス1には中里裕貴(スポ3=埼玉栄)・富岡寿将(社3=熊本・八代東)組が登場。第1ゲームは21-19、第2ゲームは19-21と、両者一歩も譲らぬ戦いとなった。第3ゲームに突入してからも拮抗状態は続き、ベンチにも熱が入る。あと1点で勝利というところで、一度はジュースに持ち込まれた。「ベンチが目いっぱい盛り上げてくれた」(富岡)。仲間の声援に助けられ、最後は中里の力強いスマッシュが試合を決定づける。完全に流れに乗った早大は、ダブルス2を危なげなくものにし、マッチカウント3-2で、リーグ戦初白星を飾った。

ガッツポーズで喜びを表現する中里(左)・富岡組

 確実に勝っておきたい女子部は、トップバッターの我妻美沙紀(スポ4=宮城・聖ウルスラ学院英智)がストレートで相手を下す。しかし、続くシングルス2、ダブルス1では、相手のペースを崩すことができず、このまま流れは明大に傾いたかに思われた。ここで登場したのは金森望(スポ4=福岡・九州国際大付)・島田きらら(スポ4=青森山田)組。落ち着いたプレーで次々に点を重ね、シングルス3に望みを繋げた。そして勝負の行方は中西に託されることとなる。「覚悟はできていたので、緊張することもなかった」(中西)。その言葉通り物おじすることなく、コートを広く使ったプレーで相手を翻弄(ほんろう)する。最後まで粘った早大が、待望の2勝目を挙げた。

シングルス全勝で波に乗る中西

 「(団体戦は)みんなで勝つもの」(中里)、「最終的にチームが勝つことが大事」(中西)。チーム力が鍵を握る団体戦。残すところあと1日となったが、最終日を笑顔で締めくくることはできるのだろうか。全員で一つになって勝利をつかみに行く姿に期待したい。

(記事 田中佑茉、写真 橋本望、鈴木直人)

結果

▽男子団体○3-2筑波大

シングルス1 松本康平(スポ3=埼玉栄)○2-1(17-21、21-7、21-17)

シングルス2 古賀穂(スポ2=福島・富岡)●0-2(18-21、18-21)

ダブルス1 中里裕貴(スポ3=埼玉栄)、富岡寿将(社3=熊本・八代東)○2-1(21-19、19-21、22-20)

ダブルス2 松本、古賀○2-0(21-19、21-12)

シングルス3 渡辺俊和(スポ1=埼玉栄)●0-2(20-22、9-21)

▽女子団体○3-2明大

シングルス1 我妻美沙紀(スポ4=宮城・聖ウルスラ学院英智)○0-2(22-20、21-15)

シングルス2 松本茜(社1=福岡・九州国際大付)●1-2(17-21、21-15、16-21)

ダブルス1 我妻、中西貴映(スポ3=埼玉・大宮東)●0-2(16-21、19-21)

ダブルス2 島田きらら(スポ4=青森山田)、金森望(スポ4=福岡・九州国際大付)○2-0(21-14、21-18)

シングルス3 中西○2-0(21-17、21-19)

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コメント

中里裕貴(スポ3=埼玉栄)

――筑波大との一戦ということでしたが、試合前にチーム内で声掛けなどはありましたか

やっぱりみんなで勝つものなので、絶対みんなで盛り上げていった方が良いと思ったし、そういう声出しや声の掛け合いはしっかりと頑張っていこうみたいなことは話し合いました。自分たちも応援してもらっているので、それ以上のパフォーマンスをしないといけないと思いましたし、まだ1勝もできてなかった分、みんなの気合いも違ったと思うので、きょうぐらい一生懸命みんなで勝てれば、あしたも勝てると思います。

――ご自身のダブルスでは、接戦となりましたが

他の試合でも全部結構良い試合で、ファイナルとかで負けてたんですけど、きょうはファイナルで負けないようにと。競ることは絶対なので、そこで勝てるか負けるかっていうのが自分たちの課題でもあるし、勝たないとその先には行けないと思うので、そこだけは競ったら絶対勝とうっていうのはありました。

――ファイナルゲームに入ったときはどのようなことを意識しましたか

やっぱり声を出して、ミスを怖がらずに強気でいったら相手も引くと思ったので、自分たちの方が強いって思いながら、全力でいきました。

――ご自身の今シーズンの目標は

きょねん古賀(輝、平28スポ卒=現NTT東日本)さんとか齋藤(太一、平28スポ卒=現NTT東日本)さんがいた中で、自分たちはあんまり勝てなかったんですけど、自分たちが(二人が)いなくなってエースなので、しっかり古賀さんとか齋藤さんを継げるようなダブルスになって、絶対1本っていうものを取って、インカレ(全日本学生選手権)とか個人も団体も優勝できればと思います。

――あすの試合に向けて意気込みお願いします

あしたも絶対厳しい戦いになると思うので、そこは承知してできれば勝ちたいです。競っても絶対負けないような気持ちで頑張りたいと思います。

富岡寿将(社3=熊本・八代東)

――きょうの試合を振り返ってみて思うことはありますか

何としても負けられない戦いだったので、最後まで粘って勝てて良かったと思います。

――きょうまでチームとして3連敗でしたが、どのような心境で臨みましたか

3連敗していることは気にせずに、きょうはきょうと思って臨みましたし、3年生で3本取れたので結果的に良かったと思います。

――第3ゲームは接戦でしたが、勝利の決め手になったのは何ですか

ラリー的にはどちらが勝ってもおかしくないものだったのですが、最後はベンチが目いっぱい盛り上げてくれたので、最後の一手を取れたのだと思います。

――今期の目標はありますか

5月の末にランキング戦に出場するので、上位に食い込めるように頑張りたいと思います。

――あすへの意気込みをお願いします

最後なのでみんなで思いっきり声を出して、勝てるように頑張りたいと思います。

中西貴映(スポ3=埼玉・大宮東)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

きょうは自分たちのダブルスで負けてしまったのですが、我妻(美沙紀、スポ4=宮城・聖ウルスラ学院英智)さんのシングルスと先輩たちのダブルス2で取ってくれていたので、最後は自分がしっかりその勝ちを無駄にしないようにしようって気持ちで(コートに)入って、しっかり勝つことができました。団体戦は最終的にチームが勝つことが大事なので、それができて良かったと思います。

――ダブルスは惜しくも負けてしまいましたが、原因は何だったと思いますか

きょうは私が、(これまで)負けていないということがプレッシャーになってしまいました。シングルスでも負けていなかったので、これで負けたらどうしようという気持ちになってしまって、それがプレーにも出てしまいました。第2ゲームの最後を取れていれば勝てていたと思うので、そこで自分の気持ちの部分でちょっと足りないところがあったのかなと思います。

――シングルスではそのプレッシャーに勝ったということでしょうか

シングルス3はマッチカウント2-2で回ってくることが前提のポジションだったので、朝起きた時からその覚悟はできていました。特に緊張することもなく、あとはもう、ダブルスで負けてしまっていたので、勝っても負けてもただの一勝、ただの一敗、という気持ちでした。特にプレッシャーは無かったですね。

――マッチカウント2-2で回ってくる覚悟はできていたとのことですが、実際に2-2で回ってきてプレッシャーはありませんでしたか

全く無かったです。もう自分が最後決めてやろうくらいの気持ちでした。楽しく、ではないですが点数は競りましたけど、気持ちとしては全然焦ってもいなかったし、自分のショットを試すという意味も込めてあの点数だったので、プレッシャーは無くできました。

――シングルスは現在全勝ですが、調子は良いですか

シングルスはこの春季リーグ(関東大学春季リーグ戦)の開幕前に調子が悪くて、自分が試合に出ることに対して本当にこれでいいのかなという気持ちもありました。それでもキャプテンが自分をシングルスに入れてくれているので、勝たなきゃいけないという気持ちがあって、段々調子が上がってきたと思います。

――今シーズンの目標は何ですか

インカレで優勝することです。昨年は東日本(東日本学生選手権)までは良い調子だったのですが、インカレは満足のいく結果で終えられなかったので、その経験も踏まえてどうしたら優勝できるのかっていうのを考えながら、最終的に優勝できればいいかなと思います。

――個人としての目標は何ですか

ダブルスは我妻さんが大学生活最後のインカレになるので、一緒に優勝したいです。シングルスはまだ勝ったことがない選手がたくさんいるので、その人たちをみんな倒したいですね(笑)。

――あすに向けて意気込みをお願いします

あしたの相手は筑波大なのですが、昨年に比べてあっち(筑波大)も少しチーム力が落ちたかなという印象があって、実際負けているようです。自分たちは多分もう優勝の可能性はないのですが、きょうやっとチームが一つにまとまったので、あしたは一つのチームとして戦って、勝てるように頑張りたいと思います。