全日本総合選手権(全日本総合)の3日目は、各種目の2回戦が行われた。昨年ベスト8入りを果たした古賀輝(スポ4=埼玉栄)・齋藤太一(スポ4=福島・富岡)組は勢いのある高校生ペアを相手に涙をのむ。男子シングルスでは、古賀輝が全日本総合で昨年3位だった常山幹太(トナミ運輸)から一勝をもぎ取った。ミックスダブルスには古賀輝・清水恵(スポ4=宮城・聖ウルスラ学院英智)組と齋藤・島田きらら(スポ3=青森山田)組が出場。2組とも強豪に当たり、2回戦で姿を消した。
昨年の全日本総合ベスト8、全日本学生選手権でも3度の栄冠に輝いたペアが、予想外の敗北となった。古賀輝・齋藤組が対戦したのは、本選1回戦で社会人をも倒している、齋藤の母校・富岡高の渡辺勇大・三橋健也組。第1ゲームは一進一退の展開の末に、僅差で落としてしまう。一時8点差をつけた第2ゲームではイレブンを先取したものの、なかなかミスを減らすことができない。相手に6連続得点を許し、そのまま流れを奪われてしまった。最後は、古賀輝が打ったシャトルがネットに阻まれる。波に乗る高校生を相手に、ベスト8のカベを越えることはできなかった。
古賀輝・齋藤組は高校生ペアに準々決勝進出を阻まれ、ベスト16に終わった
「一つステップアップできた」(古賀輝)と満足げに振り返った男子シングルスでは、古賀輝が自身初となるシングルスベスト8入りを決めた。2回戦の相手は、昨年の全日本総合ベスト4であり、日本ランキングでも古賀輝を上回る常山。21-19という接戦を制してなんとか1ゲーム目を先取するも、その後は大きく引き離される。ファイナルゲームは前半リードを許すも、強気のプレーで流れをたぐり寄せた。ジュースに持ち込み、相手のミスを誘って逆転。あす行われる準々決勝へと駒を進めた。
逆転でシングルスでは自身初となる2回戦を突破した古賀輝
ミックスダブルスで古賀輝・清水組は、6-21で第1ゲームを落とす。今季ワセダの主将、女子主将を務めた2人はこのままでは終わらなかった。声を掛け合いながら少しずつ点差をつけ、ゲームカウント1-1に持ち込む。しかし日本ランキング4位のペアはやはり手ごわく、ファイナルゲームは相手のペースを崩すことができなかった。一方齋藤・島田組は日本ランキングサーキット大会で優勝したペアと激突。「細かいミスを重ねたことが、ミックスで敗れた原因」と齋藤が振り返ったように小さなミスがたたり、2回戦でコートをあとにすることになった。
ベスト16で大会終えた古賀輝・清水組
ワセダとして出場するのはこの日が最後となった齋藤。全日本総合では「練習の成果をほとんど出せなかった」と語り、あと一歩のところで準々決勝進出を逃した悔しさをにじませた。一方古賀輝の男子シングルス準々決勝の相手は、かつて早大バドミントン部の主将も務めた上田拓馬(平23スポ卒=現日本ユニシス)。「あの頃(高校3年次)はストレートで負けていたが、この大会では1セットでも取って、できれば勝利したい」と古賀輝は意気込む。ワセダ勢で残すは、古賀輝の男子シングルスのみとなった。ことし主将としてチームを引っ張った古賀輝がワセダを背負って出る最後の大会。快進撃は、まだ始まったばかりだ。
(記事 橋本望、写真 田中佑茉、吉田麻柚)
結果
▽本選2回戦
▼男子シングルス
古賀輝(スポ4=埼玉栄)○2-1常山幹太(トナミ運輸)
▼男子ダブルス
古賀輝・齋藤太一(スポ4=福島・富岡)●0-2渡辺勇大・三橋健也(富岡高)
▼ミックスダブルス
古賀輝・清水恵(スポ4=宮城・聖ウルスラ学院英智)●1-2米元優樹(宇部興産)・米元陽花(ACT SAIKYO)
齋藤・島田きらら(スポ3=青森山田)●0-2渡辺勇大(富岡高)・東野有紗(日本ユニシス)
関連記事
早大勢が躍動し、初戦を突破!/第69回全日本総合選手権(12/3)
男子シングルス2名が本選出場を決める!/第69回全日本総合選手権(12/2)
コメント
古賀輝(スポ4=埼玉栄)
――今日の試合をそれぞれ振り返っていかがですか
ダブルスは昨年の全日本総合選手権とことしのランキングサーキットで対戦した相手で、2回とも勝っていました。気を抜いたわけではなかったんですが、相手に勢いがありました。出だしはよかったんですけど、結果的には負けてしまって。対応されたときに自分たちが慌ててしまい、ミスが多かったので、そこをやられてしまった感じですね。シングルスはおととし全日本総合で対戦して負けていた相手でした。ダブルスで負けてしまって落ち込んでいたんですけど、残りがシングルスとミックスだけだったので、上手く切り替えてファイナルで逆転勝ちすることができて良かったです。
――試合にはどのような気持ちで臨まれましたか
3つ残っていたので、やっぱり2つ以上はベスト8に入りたいなと思っていたんですけど、1つしか入れませんでした。でもなんとか入れたのはよかったです。
――ダブルスは高校生相手でしたが
相手も進路が別々になってもう組まなくなるので最後の大会ということだったんですけど、その分思い切ってこられたなという感じです。引かないように自分たちがおしていけばいいと思っていたんですけど、引いてしまったので、高校生の良さが出た試合でした。
――ご自身初のシングルスベスト8についてはいかがですか
そうですね、ベスト8は初です。いつも3年ぐらい連続でベスト16だったので、一つステップアップできたかなという感じです。
――あすは早大OBとの対決かと思いますが、意気込みをお願いします
早大OBで元主将の“スマッシュ王子”こと上田拓馬さん(平23年スポ卒=現日本ユニシス)と当たります。高校3年生の頃に対戦したこともあって、あの頃はストレートで負けていました。今回この大会では1ゲームでも取って、できれば勝利できるように頑張りたいと思います。
齋藤太一(スポ4=福島・富岡)
――きょうのダブルスの試合を振り返って
自分が球のコントロールをうまくできなくて、ミスにつながってしまいました。全然勝てる試合だったと思います。1ゲーム目が勝負だと思っていたんですが落としてしまって、そこで相手に勢いを与えてしまいました。2ゲーム目も入りは良かったんですけど、自分のミスで点を取られてしまってという感じでした。技術力の低さというのが出てしまっだと思います。シャトルが結構飛んだのですが、そこをコントロールする技術というのがまだなくて。そこは相手の方がうまかったので、そこがきょうの敗因かなと思います。
――同じ高校の後輩ペアでしたが、意識はされましたか
意識はしてなかったです。強い相手というのは分かっていたので、気合を入れて臨みました。自分のミスの連続で、まだまだ技術が低いなと感じました。勝てる相手だっただけにもったいなかったなと思います。
――ベスト16という結果に関しては
きょねんはエイトだったので一つ落ちてしまったんですけど、これから社会人でやっていく中で練習や環境も変わっていくと思います。らいねんに向けてしっかり練習して、らいねんもこの舞台で決勝行くぐらいの気持ちで、この一年間でステップアップできればいいかなと思います。
――ミックスダブルスの試合を振り返って
こっちが練習してなかったというのもあるんですけど、相手のほうがサーブ回りが早くうまかったですね。ミックスの練習をしてなくてガチャガチャした部分もあったんですけど、ラリーになったときは相手の女子の選手もミスしてたのもあって得点できました。サーブ回りが早く突っ込まれたり、サーブがきれいに入らなかったりそういった細かいミスを重ねたことが、ミックスで敗れた原因なのかと思います。
――今季のご自身の戦いぶりを振り返って
前半は結構良いスタートが切れたかなと思います。全日本総合選手権に関しては出し切れなかったというか、やってきた練習の成果をほとんど出せませんでした。一年間の成績だけで言えば上がったんですけど、総合だけ良くなかったのかと思います。実力のなさを実感しました。
――ワセダのバドミントン部で過ごした4年間はいかがでしたか
これでワセダとして出る大会も終わったので、あまり実感はないですけど引退です。この4年間はもちろん、みんなでやってこれたのも楽しかったですね。
――卒業後の進路は
もう決まっていて、実業団に進みます。
――実業団ではどのような目標を持ってやっていきたいですか
まずは日本で勝たないとな、と思います。総合であったり社会人の大会であったり、そういったところで結果を残せるようにまずは練習します。総合などで結果を出してナショナルチーム入りできたら、ナショナルチームでの活動もしっかりやっていきたいです。国内で勝てていないので、国内でも成績を残せるように頑張っていきたいと思います。
島田きらら(スポ3=青森山田)
――きょうの試合を振り返っていかがでしたか
相手が、日本ランキングサーキット大会で優勝したペアでした。スピードが異次元みたいな話を聞いて怖気づいていました。やってみたら、強かったんですけど決められる部分もありました。もうちょっと自分も速さをつけていければ、もっと頑張れたかなと思いました。
――きのう、自分らしい球を打ちたいとおっしゃっていましたが、その点ではいかがでしたか
ミスが多かったので、いつもよりは自分らしくできなかったかなと思います。
――ミスが多くなってしまったというのは、相手が強かったからなのでしょうか
そうですね。男性の方が特にテクニックがあって、どこにくるか分かりませんでした。1点入ると思っても崩されてしまって、ミスさせてくるような球を打たれたので、そこで恐くなってしまいました。
――今シーズン全体を振り返っていかがでしたか
ワセダとしては、関東大学秋季リーグ戦で2位になれたし、チームの力は上がってきていると思います。個人としては、全日本総合選手権に出られたのが混合ダブルスだけだったので、女子ダブルスとしても出たかったです。そこがちょっと心残りです。
――女子主将として迎える来シーズンの意気込みを聞かせてください
女子は、自分の代が自分を含めて3人いるので、みんなで相談し合いながら楽しいチームをつくっていきたいと思います。
――具体的な目標はありますか
リーグ戦で優勝することです!