全国各地から実力者が集結する、全日本学生選手権(インカレ)。開幕日のきょうは、団体戦が行われた。男子は3回戦までをストレートで制し、あすの準決勝へ進出する。女子は3回戦で、関東大学リーグ戦(リーグ戦)で悔しい敗北を喫した宿敵・筑波大と激突。粘り強く食らいつくも一歩及ばず、雪辱を果たすことはできなかった。
関西大戦を難なく突破した男子は、続いて神奈川大と対戦。江藤怜央(スポ2=神奈川・生田)がシングルス1で快勝し、チームの総合力を示して勢いづける。シングルス2には古賀輝主将(スポ4=埼玉栄)が登場。ネット際の巧みなプレーを展開し健闘するも、リードを許してしまう。1ゲーム目こそ落としたものの、主将の実力を見せ最終ゲームまで持ち込み、21-12で圧勝。波に乗った男子は帝京大も下し、順調に準決勝へと駒を進めた。
試合後ハイタッチを交わす選手たち
神戸学大に勝利した女子は、2回戦で関学大にフルゲームの末、辛勝。昨年の2回戦敗退から成長した姿を披露した。しかし、3回戦の相手はリーグ戦で悔し涙をのんだ宿敵・筑波大。シングルスを連続で落とし、マッチカウント0-2ともう後がなくなってしまう。そこで勝利への望みを託されたのは、清水恵女子主将(スポ4=宮城・聖ウルスラ学院英智)・島田きらら(スポ3=青森山田)組。2ゲーム目、マッチポイントを先取されてから意地の7連続ポイントで一気に追い上げる。19-20まで迫ったものの、早大の選手がレシーブしたシャトルはラインの外へ。その瞬間敗北が決まり、選手たちは悔しい表情を浮かべた。
後半に追い上げを見せたが、惜しくも敗北を喫した清水・島田組
女子にとって、現体制での団体戦は最後になってしまったが、昨年より良い結果を残し、その成長ぶりをうかがわせた。清水恵女子主将はきょうの負けから気持ちを切り替え、「ベスト4に入られたらいい」と、個人戦への意気込みを述べた。一方、男子団体戦の次の相手はリーグ戦で白星を献上した強豪・中大。「いかにみんなを助けられるかが優勝にもつながってくる」と古賀輝主将が語ったようにチーム力の見せどころだ。悲願のタイトルを手にし、団体戦を有終の美で飾りたい。
(記事 橋本望、写真 佐藤亜利紗)
結果
▼男子団体
▽1回戦○3-0関西大
シングルス1 古賀穂(スポ1=福島・富岡)○2-0
シングルス2 松本康平(スポ2=埼玉栄)○2-0
ダブルス1 古賀輝主将(スポ4=埼玉栄)・齋藤太一副将(スポ4=福島・富岡)○2-0
▽2回戦○3-0神奈川大
シングルス1 江藤怜央(スポ2=神奈川・生田)○2-0
シングルス2 古賀輝○2-1
ダブルス1 富岡寿将(社2=熊本・八代東)・中里裕貴(スポ2=埼玉栄)○2-0
▽3回戦○3-0帝京大
シングルス1 古賀穂○2-0
シングルス2 松本○2-0
ダブルス1 古賀輝・齋藤○2-0
▼女子団体
▽1回戦○3-0神戸学大
シングルス1 我妻美沙紀(スポ3=宮城・聖ウルスラ学院英智)○2-0
シングルス2 中西貴映(スポ2=埼玉・大宮東)○2-0
ダブルス1 清水恵(スポ4=宮城・聖ウルスラ学院英智)・島田きらら(スポ3=青森山田)○2-0
▽2回戦○3-2関学大
シングルス1 松岡○2-0
シングルス2 清水●1-2
ダブルス1 我妻・中西●1-2
ダブルス2 清水・島田○2-0
シングルス3 中西○2-1
▽3回戦●0-3筑波大
シングルス1 中西●1-2
シングルス2 我妻●0-2
ダブルス1 清水・島田●0-2
コメント
古賀輝主将(スポ4=埼玉栄)
――きょうの試合を振り返って
総合力で3-0で勝利することができました。競る場面もあったんですけど、全部ストレートでいけたので、あすに良いかたちでつなげられるかなと思います。
――チームとしてはどのような気持ちで団体戦に臨まれていますか
優勝、ですね。中大にリーグ戦では2回とも負けているので、そこに勝ちたいという気持ちが一番強いです。
――試合によってオーダーを変えられていましたが何か意図はありましたか
連戦だと疲労も残ってあしたにも響いてしまうので。チーム力でいかにみんなを助けられるかが優勝にもつながってくると思うので、オーダーはちょっといじりました。
――神奈川大戦のシングルスではファーストゲームを落としてしまう展開となりましたが
相手は弱くはなくて、相手の調子も良かったので、ネットに当たって入ってきたりというのが多かったです。リードされる展開だったのでゲームを落とすのは仕方なかったかなという感じですね。
――チームの雰囲気は
応援とかもひとつになってできているので、良い雰囲気ですね。
――最後の全日本学生選手権となりますが
団体戦で決勝にいけたのが、自分が1年生の時だけで、それも2位でした。団体戦で優勝というのが、1年生の時の関東大学春季リーグ戦しかありません。団体戦で勝たないとうれしくないので、最後の団体戦でもあるので頑張りたいです。
――個人戦での目標をお聞かせください
ダブルスでは2連覇していて、3連覇目は途絶えてしまいました。チャレンジャーの気持ちで優勝に向けて頑張っていきたいです。
――あすの中大戦へ向けて意気込みをお願いします
応援もそうですし、出る人はもちろん、自分の力を発揮できるように頑張っていきたいです。
清水恵女子主将(スポ4=宮城・聖ウルスラ学院英智)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
1戦目の神戸学大戦はみんなきっちり、ちゃんとできました。2戦目の関学大の時は、いつも通り(のオーダー)で出してしまうと試合数が多くなってしまう選手が出てくるので、自分が(シングルス2で)出ました。それで負けてしまって、結局同じくらいの試合数になってしまったので申し訳なかったです。
――関学戦でシングルスに出場されていた時に、マッチポイントを先取されてから一気に追い返していましたが、そのときの思いはどのようなものだったのですか
何も考えていなかったです。とにかく無心になってやった方がいいと思うので。追い上げるモードに入るのがいつも遅いんですけど、きょうも遅かったなと思います。筑波大は、勝てるチャンスはあったと思うんですけど、疲労が響いてしまったかなと思います。しょうがないですね。筑波大は強かったです。向こうは体力もあって、ちゃんと奥まで動いていました。こっちはそれに嫌になってミスする、みたいなパターンでしたね。
――筑波大に対して、特別な思いはありますか
そうですね。リーグ戦も筑波大に勝てば優勝だったし、実際この大会も筑波大に勝てば優勝だったと思います。悔しいですけどまあ、しょうがないですね。
――昨年は2回戦敗退だったのに対し、ことしは3回戦進出を果たしました。昨年と比べてチームの力が上がったということでしょうか
きょねんはみんな一歩が硬い、みたいな感じでした。きょねんは誰が勝って誰が負けるか分からない感じだったんですけど、いまはこう(オーダーを)当てて、みたいなことができるようになったかなと思います。
――筑波大戦のダブルスでは、最後に粘り強さを発揮されていましたが、勝ちにこだわる思いがあったということでしょうか
はい。絶対勝ちたいと思っていました。しょうがないですね、でも負けてしまったので。最後、運がなかったです。
――最後に、個人戦に向けての思いをお願いします
個人戦は、気楽にいこうと思います。4年生として集大成を見せたいです。納得がいくように、ベスト4に入られたらいいなと思います。