我妻・中西ペア、うれしい初優勝を飾る!

バドミントン

 関東大学春季リーグ戦で涙をのんだ相手との緊張の一戦。互いに譲らない攻防の中、相手の打ったシャトルがコートの外に落ちる。今季ペアを組んだばかりの我妻美沙紀(スポ3=聖ウルスラ学院英智)・中西貴映(スポ2=埼玉・大宮東)組が見事雪辱を果たし、栄冠を手にした瞬間だった。関東学生選手権最終日は、選手たちの熱い順位争いが繰り広げられる。中西はシングルスでも2位、男子シングルスの松本康平(スポ2=埼玉栄)も3位の好成績を収め、秋の全日本学生選手権(インカレ)に向けて弾みをつける結果となった。

 ペア結成後初の個人戦とは思えぬ圧倒的な強さでベスト4入りを果たした我妻・中西組。準決勝第1ゲームはジュースまでもつれ込んだものの、試合の主導権を渡すことなく白星を挙げる。女王の座を懸けた頂上決戦、対するは以前苦杯をなめさせられた青学大のペア。「しっかりリベンジする」(中西)という悔しい思いをシャトルに託し、徐々に点差を広げていく。途中、中西が足をつるというアクシデントに見舞われるも、持ち味の粘り強さを発揮。息の合ったプレーで乗り越え、ついに頂点に立った。中西のシングルス決勝はダブルスでのタイトル獲得直後。「体力的にはすごくきつかった」(中西)と語ったように相手に大きなリードを許してしまう。9連続ポイントで巻き返したものの及ばず、第1ゲームを落とした。この日3試合を全力で戦い抜いた疲れからか、ミスが目立ち挽回のチャンスを得られない。単複での2冠達成とはならず、無念の2位で締めくくった。

接戦をものにした我妻(右)・中西組

 「勝てればいいくらいの気持ちで臨んだ」(松本)と振り返った男子シングルス準決勝の展開は苦しいものだった。緩急のある長いラリーが続く中、おとといまでの疲労も響きなかなか一本を奪えない。自分らしいプレーを発揮することができず、第1ゲームを12-21で落としてしまう。「最後まで諦めずにやろうと思っていた」(松本)と粘りを見せたが、シャトルが次々とネットに阻まれ失点。強力なスマッシュを放ち巻き返しを図るも、流れを変えることができない。8-21の大差で敗北を喫し、決勝への切符を手にすることはなかった。

ラリーで粘りを見せながらも決めきることができなかった松本

 試合後松本はパワー不足、我妻と中西はともに体力不足を課題に挙げた。「東日本学生選手権ではダブルスでも結果を残したい」(松本)。「(次戦で)ベスト4以上を目指してしっかり戦っていきたい」(我妻)。彼らはすでに次の大会を見据えている。全国から強豪が集まるインカレへの出場権を獲得した3人。今大会の結果に満足してばかりではいられない。より大きな舞台で輝くために彼らは努力を続ける。

 

 

(記事 橋本望、写真 大庭開)

結果

▽Aブロック男子シングルス

▼3位

松本康平(スポ2=埼玉栄)●0-2(10-21、17-21)

▽Aブロック女子シングルス

▼2位

中西貴映(スポ2=埼玉・大宮東)●0-2(15-21、16-21)

▽Aブロック女子ダブルス

▼優勝

我妻美沙紀(スポ3=宮城・聖ウルスラ学院英智)・中西貴映(スポ2=埼玉・大宮東)○2-0(21-16、18-21、21-14)

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コメント

我妻美沙紀(スポ3=宮城・聖ウルスラ学院英智)

――優勝おめでとうございます。今の率直な気持ちをお聞かせください

優勝すると思ってなかったのでうれしいです。

――中西貴映(スポ2=埼玉・大宮東)が決勝戦はリベンジマッチになるとおっしゃっていました

関東大学春季リーグ戦で負けた相手でした。そこから練習を積み重ね勝つことができて良かったです。

――きょうは逆転して引き離す展開が多かったように思われます

負けていても1点ずつ追いつこうという気持ちがありました。お互い最後まで諦めずに戦えたと思います。

――持ち味である粘り強いプレーができていたのではないでしょうか

そうですね。ラリーの中で我慢して、自分たちが攻めれるように声を掛け合いました。

――今大会の総括をお願いします

シングルスもダブルスも、勝っていくためには今以上に体力が必要だと思います。ダブルスは自分たちのプレーが通用することが分かってきました。その点はしっかり伸ばしていけたら、と思います。

――次戦に向けての意気込みをお願いします

ベスト4以上を目指して、しっかり戦っていきたいです。

中西貴映(スポ2=埼玉・大宮東)

――きょうのシングルス・ダブルスをそれぞれ振り返っていかがでしたか

きょうのダブルスは最初から決勝まで行ってそこでしっかりリベンジをするという話をしていました。おとといベスト4に入って、きょうはちょっと気持ち的に安心しすぎていたので大丈夫かなという面もありました。でも、二人で同じところをみて結果的にしっかりリベンジができたのでうれしいです。シングルスは最後はもう少し自分のいいところを出して試合をしたかったのですが、全然だめだったなという感じで終わってしまいすごく悔しいです。

――リベンジと優勝を同時に決めたわけですが、ただの優勝とは違う思いはありましたか

リベンジもそうなんですけど、今回が我妻さん(スポ3=宮城・聖ウルスラ学院英智)と出た初めての個人戦だったので初めての試合で優勝できたというのはすごくうれしいです。自分たちの成長も少し感じられたので本当にすごくうれしいです。

――ダブルスの持ち味の粘り強さを発揮していたのではないでしょうか

決勝の2ゲーム目の最後のほうに私が足をつってしまって、でも我妻さんが一人でいっぱい走ってくれました。2ゲーム目は取られてしまいました。3ゲーム目は(その後)シングルスの試合がありましたが、もうどうなってもいいから絶対これだけは勝とうという気持ちでやりました。

――シングルスの決勝戦はきょうだけでも4試合目でしたが、体力的にはどうでしたか

体力的にすごくきつかったはきつかったんですけど、これから上にあがっていこうと思ったらやっぱり4試合は最低限こなせないと勝っていけないと思います。3試合しっかり戦えたことはもちろん自信になもなりましたし、4試合目の最後疲れたからっていうのを言い訳にはしたくないです。シングルは本当に運に運が重なって決勝まで行けたと思っているのでまた一から体力づくりをしていかないといけないなと思います。

――シングルス決勝戦の1セット目で6-20から15-20まで巻き返しましたが、その時はどういう気持ちでしたか

これいけるかなと思った気持ちと、私が疲れているから相手がとことん体力を削ってきているんじゃないかっていう思いがありました。最後の気持ちの部分で、しっかり勝ちにいくっていう気持ちが全然なくて相手のほうがそれがあったと思います。そこでもっともっとがっついて戦えれば15のその先ももしかしたら行けたんじゃないかなと思います。点数的には(良い点数まで)いってるけど内容的には全然良くないので微妙な感じでやっていました。

――最後にシングルス・ダブルスの今後の目標を聞かせてください

ダブルスはこの大会で優勝できて、リベンジもできたので自信を持ってこれからもやっていきます。インカレでは最低限ベスト4で優勝目指して二人でもっと頑張っていきたいと思います。シングルスはいろんな大学に強い選手がたくさんいて、その人たちといまやって勝てるっていう自信はまだ全然ないです。今回の結果は2位ではあるけど全然それに見合う力はないのかなっていうのが率直な感想です。なのでシングルスも一からもう一度しっかりやっていきたいなと思います。

松本康平(スポ2=埼玉栄)

――きょうの試合へにはどのような気持ちで臨まれましたか

勝てればいいくらいの気持ちで臨みました。

――きょうの試合を振り返って

自分のプレーができなくて残念でした。

――点差をつけられていく中で焦りなどはありましたか

なかったですね。開き直ってプレーしていました。

――粘りを見せながら戦っていた印象でしたが

最後まであきらめずにやろうと思っていました。

――金曜日から中二日での試合でしたが、疲れなどはありませんでしたか

疲労はかなり残っていました。

――この大会を通して新たな課題は見つかりましたか

パワー不足、力不足でした。

――今回の大会の総括をお願いします

シングルスはベスト4で最低限の結果を出すことができました。ダブルスは1回戦で負けて残念でした。次の東日本ではダブルスでも結果を残したいと思います。

――次戦に向けての意気込みをお願いします

東日本学生選手権の団体戦では主力の古賀さん(輝主将、スポ4=埼玉栄)と齋藤さん(太一、スポ4=福島・富岡)がいないので、自分と後輩の古賀穂(スポ1=福島・富岡)が引っ張っていきたいです。