開幕2連勝、チーム一丸となって得た白星

バドミントン

 関東大学春季リーグ戦(リーグ戦)2日目。対するは、昨季の全日本大学対抗選手権(インカレ)でシングルスベスト4の好成績を収めた堀内研人ら擁する法大。今後続く強豪との試合を控え、引き続き勝利を収めたい一戦であった。試合はシングルス1で接戦を制するも、堀内と対戦したシングルス2は落としてしまう。怪我から復帰した古賀輝(スポ2=埼玉栄)と齋藤太一(スポ2=福島・富岡東)ペアがファイナルセットの末ダブルス1を獲得すると、続くダブルス2、シングルス3でも白星をあげ、開幕2連勝を果たした。

 丸尾亮太郎主将(スポ4=群馬・伊勢崎清明)が出場したシングルス1は大熱戦となった。立ち上がりから1点を追う展開、イレブンは相手に先取されてしまう。その後も相手にリードを許し、一時は16-19に引き離されてしまう。「まだ相手は19点だったので1本ずついけばいけると思った」という言葉通り、そこからは連続5ポイントを決め、第1セットを21-19で終える。第2セットでも均衡したシーソーゲームは続き、イレブンを奪った後は相手の連続ポイントで逆転されるなど、ピンチの場面を迎える。19-20となり、先にゲームポイントを迎えたのは法大。しかし、丸尾はここぞという集中力を見せつけ、「守りに入らないように多少無理にでも攻めていこうと思った」と猛攻の手を緩めなかった。立て続けにスマッシュを決めると、3点連続ポイントを得て22-20でゲームセット。見事相手を抑え接戦を制した。

集中力で連続ポイントを奪う丸尾

 シングルス2では、法大からインカレ個人ベスト4の堀内が出場し、嘉村昌俊(スポ4=熊本・八代東)は苦戦を強いられた。序盤から一気に点数を重ねられ、ゲームを支配されてしまう。イレブン後はほとんど得点を入れられないまま16-21で第1セット終了。第2セットは気持ちを新たに、気合い十分な様子の嘉村であったが、イレブン先取後は相手に逆転され、そのまま18-21でシングルス2を落とす。

 前日の敗戦から一転、緊迫した試合を見せたのはダブルス1の古賀・齋藤ペア。相手のペースに巻き込まれる苦しい立ち上がりも、じわじわと調子を上げイレブン先取。「自分たちの形が出来ていた(古賀)」とその後はリードを広げ、21-15と問題なく第1セットを取る。しかし第2セットは波乱の展開となる。立ち上がりはまたもバタバタして失点を重ね、先にイレブンにたどり着いたのは法大。その後は17-17で同点に追いつくも、そこから4点連続で失点し第2セットを落とす。勝負はファイナルセットへもつれ込んだ。

得点を上げ手を合わせた古賀(奥)・齋藤ペア

 第3セットでは前半から1点1点を追う、手に汗握る攻防が続く。イレブンは辛くも先取するが、ほとんど点差を作りだすことが出来ないまま、17-17まではほぼ互角の戦い。そこからは、ワセダが3連続ポイントを決め、最後は相手の甘いサーブレシーブを古賀が叩いて試合終了。前日の筑波大戦では5組の中で唯一敗戦した古賀・齋藤ペアにとって、リーグ戦初白星となった。

 続くダブルス2の丸尾・嘉村ペアは前日同様気迫のこもったプレーで相手を圧倒し、2-0のストレート勝ち。ここまででゲームカウント3-1と既に勝利を決めたワセダであったが、最後のシングルス3でも和田が2-1と勝利し相手を突き放した。

 ここまでの時点で開幕2連勝。「誰かに頼るわけではなく、皆でカバーし合いながらチームとして勝てているのでムードが良い」と順調な試合展開である様子が伺える。次の試合は4日間空いて5月3日の日大戦となるが、空いた期間は「普段と変わらず調整したい(丸尾)」と自主性を重んじるワセダらしさが表れている。古賀の語る「極秘トレーニング」が功を奏せば、4日のブランクの先には3連勝目、そして春季リーグ優勝が見えてくるかもしれない。

(記事 芦川葉子、写真 北田ゆず)

★女子部は亀田・関川ペア健闘するも敗戦

 ダブルス1に登場した亀田楓(社4=宮城・聖ウルスラ学院英智)・関川容子(社4=新潟青陵)ペアが粘りの一戦を制した。シングルス1,2を落としてもう後がないワセダ、ダブルス1も相手の勢いに圧倒され第1セットは落とす。続く第2セットでは「気持ちを切り替えていつもの調子が戻ってできた」と踏ん張ってイレブンを先取すると、その後の1点の取り合いを制し21-19の僅差で第2セット奪い取る。ファイナルセットでは「出だしから集中して攻めたら相手もミスをしてくれた。それがきょうの勝因だと思う」と難なく相手を抑え込み、見事勝利を手に入れた。試合はこの後ダブルス2を落とし敗戦が決定するも、シングルス3は勝利し、ゲームカウントは2-3。亀田女子主将が目標に掲げる「(春季リーグでは)まずは一勝」に近づいてきた。

リーグ戦初勝利へ向け意地を見せる亀田・関川(左)組

結果

【男子1部】

▽シングルス1 ○丸尾(21-19、22-20)

▽シングルス2 ●嘉村昌俊(16-21、18-21)

▽ダブルス1 ○古賀・齋藤(21-15、17-21、21-17)

▽ダブルス2 ○丸尾・嘉村(21-13、21-18)

▽シングルス3 ○和田(15-21、21-10、21-19)

計 ○早大4―1法大

【女子1部】

▽シングルス1 ●我妻(12-21、17-21)

▽シングルス2 ●上田(15-21、15-21)

▽ダブルス1 ○亀田・関川(19-21、21-19、21-15)

▽ダブルス2 ●渡辺・島田(14-21、6-21)

▽シングルス3 ○清水(21-15、21-19)

計 ●早大2―3専大

コメント

丸尾亮太郎主将(スポ4=群馬・伊勢崎清明)

――男子部の試合全体をふりかえって

誰かに頼るわけではなく、皆でカバーし合いながらチームとして勝てているのでムードが良いです。

――ご自身の試合、第1セットは16-19から5ポイント連取でゲームを取りました

特にこうしようと思ったわけではないのですが、まだ相手は19点だったので1本ずついけばいけるかなと。その結果上手くいきました。

――第2セットも先にマッチポイントを取られてからの逆転になりました

取り敢えず守りに入らないように、多少無理にでも攻めていこうと思いました。押していけたのが良かったと思います。

――バドミントン部全体の今季の目標は

1年間を通しては、インカレ団体戦優勝がチームとしての目標なのですが、リーグも春秋あるので、その三つで優勝することが目標です。

――法大の印象は

シングルスもダブルスもバランスが良いという印象があります。逆に言えば、シングルスでもダブルスでも勝負できると思います。

――次戦、日大戦まで少し空きますがその間にどういった練習をしたいですか

特別追い込んだりはせずに、ワセダはそれぞれが自分で考えてやるので、それぞれに任せつつ普段と変わらず調整したいと思います。

亀田楓女子主将(社4=宮城・聖ウルスラ学院英智)

――昨日の試合は自分たちの調子が出せなかったということでしたが、きょうはいかがでしたか

1ゲーム目は普段と変わらず調整していて、ちょっとミスが多かったです。2ゲーム目からは気持ちを切り替えていつもの調子が戻ってできたので良かったです。

――1ゲーム目は4-11から19-21までつめました

点差はあったのですが、このまま自分たちが何も変わらなかったら2ゲーム目も流れが相手のままだと思ったので、取り敢えず引かずに攻めることだけを考えてやりました。

――3セット目はかなり調子が良かったように思います

調子も戻っていたので、出だしから集中して攻めていたら相手もミスをしてくれました。それがたぶんきょうの勝因だと思います。

――女子部全体としてきょうの専修大戦をふりかえると

相手のオーダーがシングルもダブルも予想と違ったんです。チーム全員が昨日当たると思った相手と違う相手だったのですが、自分の力を出し切れたと思います。次につながる試合でした。

――次は日体大戦です。それまでにどういった練習をしていきたいですか

特にサーブからの3点の練習を強化したいと思います。

関川容子(社4=新潟青陵)

――きょうの試合を振り返って

1ゲーム目の出だしが悪かったので、昨日みたいな試合になっちゃうのかなと。それをどうにかしなきゃいけないという課題が2人の中にあるので、思いっきり攻めていくしかないと話しました。そこからちょっと気持ちも吹っ切れて、攻めることができて。1ゲーム目は競ったのですが落としてしまって。でもやりにくい相手ではなかったので2ゲーム目は気持ち引き締めて攻めることを徹底しました。

――3ゲーム目は調子が良かったように思いますが、2ゲーム目の流れを引き継げたのでしょうか

出だしも良かったですし、点数も離れました。自分たちはいつも3ゲーム目に気が抜けてしまって追いつかれることが多かったので、それをしないように1本ずつ取っていこうとゆっくりやりました。

――昨日の試合を振り返ると

自分たちのペースで試合ができなくて、一方的にやられてしまった試合でした。全然力を出し切れずに終わってしまったのが悔しくて、それだけは絶対しないようにしようと思っています。

――出だしが上手くいかないとそういった状態になりやすい

はい。特に自分たちのダブルスは、昨年のインカレもそうでした。出だしが遅いんです。1ゲーム目の出だしが遅くて、2ゲーム目3ゲーム目とやっていてもやっぱり後半は疲れてしまうので、やはり1ゲーム目の出だしをしっかりできるダブルスになっていきたいです。

――次は日体大戦です。少し空く間にどういった調整をしますか

きょうの試合でちょっとコンディションが上がったので、3日間の練習はケガを絶対にしないことと、団体戦なのでチームで勝つ意識を後輩と共有して練習するようにしたいです。

古賀輝(スポ2=埼玉栄)・齋藤太一(スポ2=福島・富岡東)

――1日目の試合を振り返ってみていかがですか

齋藤

 昨日の自分たちは守ってばかりになってしまったので、守ってばかりで攻められてやられてしまったという感じでした。

古賀

 そうですね。引いて引いてという感じになってしまったので。もっと攻める形を作りたいなと思いました。

――きょうのダブルス1、第1セットは点差をつけて取れました

古賀

 自分たちの形が出来ていたと思います。1ゲーム目は良かったんですけど、2ゲーム目は1日目のように引いてしまって守る形が多くなってしまったと思います。点数を重ねることが出来なかったですね。

――ファイナルセットまでもつれこみましたが、イレブンを先取したことについて

齋藤

 焦る気持ちはあまりなかったので、落ち着いて冷静に出来た結果だと思います。

――終盤は連続ポイントを重ねられていましたが

古賀

 17-17まで一緒でしたが、リードはされたくないなと思っていたので、気持ちで押しきりました。

――来週5月3日に行われる3戦目まではどのような調整を

古賀

 あまり公にはしていないのですが、極秘トレーニングというのがあって(笑)。残りの3日間が終わってからじゃないと言えないんですけど、それをきっちりこなして仕上げていきたいと思います。

齋藤

 たった3日間で何か変えるというのは難しいと思うので、二人で息を合わせて練習して頑張りたいと思います。

古賀

 気持ちだけは高めていこうということですね。

――次節日大戦について

古賀

 相手のダブルスは結構強い印象があるので、もし自分たちがダブルスで出場したら、しっかり一勝取りたいと思います。

――古賀選手、ナショナル合宿への意気込みをお願いします

古賀

 日本でのトップのプレーヤーがいるのでしっかりとついていけるように頑張って、自分のプレーを高めていきたいと思います。