4年生の活躍でリーグ好発進

バドミントン

 今季を占う関東大学春季リーグ戦(リーグ戦)が開幕した。昨年の今大会では全勝優勝を果たしたワセダだが、主力の古賀輝(スポ2=埼玉栄)が怪我からの復帰直後であるなど、不安要素を抱えながら挑むことになる。初戦の相手は筑波大。昨季負けなしとはいえ、一日目から気の抜けない対戦となった。結果は古賀らダブルス1を除く4つのカードで勝ち、リーグ戦初日を白星で飾った。

 シングルス1に登場したのは、今季主将を務める丸尾亮太郎(スポ4=群馬・伊勢崎清明)。主将として先陣を切って勝利を収めたいところであった。立ち上がりは一点を追う展開も、クレバーな配球と粘りのプレーで逆転しイレブンを先取。後半は一時逆転されるが、連続ポイントで再び逆転し第1セットを奪う。続く第2セットでも序盤から主導権を握り試合を支配、相手の追随を許さない。最後はネットぎりぎりのヘアピンを相手コートに押し込み、「しっかり勝とうということだけを考えていた」という言葉通り、21-9の大差で勝利した。

 同じく4年生の嘉村昌俊(スポ4=熊本・八代東)がシングルス2で出場。第1セットは順調に得点を伸ばし21-14で終える。「勝負だと思っていた」という2ゲーム目はまさかの苦戦を強いられる。前半テンポを上げてきた相手に対し対応できず、点差が開いてしまう。「2ゲーム目は諦めて3ゲーム目に懸けようと思っていた」と話すように、第3セットは出だしから集中して臨む。最後は相手に追い詰められるも「怪我人も抱えているチームで、ここで負けるわけにはいかないと思った。4年生の意地を見せたかったので、気持ちで乗り切った」と語るように、気迫のこもったプレーで相手を圧倒、22-20で接戦を制した。

シングルス2で熱戦を制した嘉村

 怪我から復帰して間もない古賀と、相方の齋藤ペアは、ファイナルセットまでもちこむ善戦を見せるが、なかなかコンビネーションが噛み合わずダブルス1を落とす。ゲームカウント2-1、勝利を決めたいワセダのダブルス2に登場したのは丸尾・嘉村ペア。「久しぶりに組んだ」という4年生コンビは堅い立ち上がりで第1セットを落としてしまう。第2セットからは「気持ちで押してなんとか踏ん張れた(丸尾主将)」「悪い中でも少しずつ二人でコミュニケーションを取って建て直せた(嘉村)」とペースをつかみ始める。終始リードしたまま第2セットを奪い返し、勝負はファイナルセットへ。序盤から一点一点の取り合いになるも、「想定通り(丸尾主将)」と噛み合ったコンビネーションで11-8。イレブン以降は一点ごとに雄叫びを上げるなど、気合いを前面に押し出したプレーを見せる。そのまま一気に流れを引き寄せ連続ポイントを得ると、最後はネット際での丸尾のプッシュが決まり、ワセダの勝利が決定する。

豪快なジャンピングスマッシュを打つ丸尾・嘉村(左)組

 シングルス3でも勝利を上げたワセダは結果4-1で筑波を下した。「古賀の怪我を抱えて苦しい状況だが、他のメンバーでカバーし合って、インカレと秋季リーグに向けて弾みをつけたい」と丸尾主将が話すように、春季リーグは順調なスタートを切ったと言えよう。

(記事、写真 芦川葉子)

★女子は初戦黒星

 女子のリーグ戦初日も同日に行われた。試合は上田のシングルス2以外全敗など苦しい結果となった。しかし、1ダブルスで出場した亀田楓女子主将(社4=宮城・聖ウルスラ学院)は「個人的には、守りに入ってしまい自分たちの力を出し切れなかったが、他の人は(公式戦出場が)初めての人も多い中、良い試合をしていた。チーム全体としては価値のある一戦だった」と語るなど、リーグ戦白星へ向けて前向きである。

 ダブルス2を落とし悔しがる渡辺・島田(左)組

結果

【男子1部】

▽シングルス1 ○丸尾(21-18、21-9)

▽シングルス2 ○嘉村(21-14、12-21、22-20)

▽ダブルス1 ●(19-21、21-17、16-21)

▽ダブルス2 ○(16-21、21-18、21-13)

▽ダブルス3 ○(21-15、21-17)

計 ○早大4-1筑波大

【女子1部】

▽シングルス1 ●清水(12―21、18-21)

▽シングルス2 ○上田(21―8、21-17)

▽ダブルス1 ●亀田・関川(11-21、6-21)

▽ダブルス2 ●渡辺・島田(17-21、19-21)

▽シングルス3 ●我妻(16-21、12-21)

計 ●早大1-4法大

コメント

丸尾亮太郎主将(スポ4=群馬・伊勢崎清明)

――シングルス1を振り返ってみていかがですか

相手はそんなに強い相手ではなかったので、自分はしっかり勝とうということだけ考えていました。

――ダブルスで2は第1セット苦しい立ち上がりだったのでしょうか

ダブルスは自分がどれだけ踏ん張れるかに懸かっていると思っていました。1ゲーム目は上手くいかなかったのですが、2、3ゲーム目は気持ちで押し切ることができて、なんとか勝ちにつなげられたので良かったです。

――ファイナルセットまでもつれこみましたが

体力的な面はあまり不安は無かったです。ファイナルゲームの最初は向こう側で見にくいコートだったので、そこでリードして上手くコートチェンジできればと思っていました。想定通りリードできたので良かったのかなと思います。

――第3セット・イレブン以降の猛攻について

上手く2,3点リードできていて、それをものにできて良かったです。

――昨年今大会では全勝優勝を収めました、今大会の目標と、今季の目標をお願いします

今大会はちょっと古賀が怪我をしていて、苦しいリーグ戦になると思いますが、春季リーグはこのメンバーでカバーしてAクラス入りを目指したいです。これで弾みをつけて、この後に続くインカレと秋季リーグは優勝目指して頑張ります。

嘉村昌俊副将(スポ4=熊本・八代東)

――シングルス2を振り返って

第2セットを落とすのは分かっていました。相手は筑波大ということで、しっかり練習してきていて、体力のある相手だと思っていました。2ゲーム目が勝負だと思っていたのですが、相手が1テンポを上げてきたというか、前半それに対応できませんでした。2ゲーム目は正直最後のほうは諦めて、3ゲーム目に懸けようという感じでした。3ゲーム目からは出だしからしっかり集中するように心掛けていました。最後は追い込まれた状況だったんですけど、怪我人もいる中で自分は4年生ということで、もうここで負けるわけにはいかないというか自分がチームに迷惑は掛けられないと思い、気持ちで乗り切りました。

――ダブルス2の出だしについて

なかなか調子が出せなかったというよりは、久しぶりに組んだパートナーだったので。状態は悪い中でも、少しずつ二人でコミュニケーションを取りあって建て直せたということは、きょうの一番の収穫だと思います。

――シングルスでもダブルスでもファイナルセットまでもつれこみましたが

いままでリーグのために体力作りはしっかりしてきたので、体力的な面は全く問題ないです。

――最後は一気に流れを手繰り寄せましたか

勢いでいくというわけではないですが、自分たちに流れが来ているのは分かっていたので、二人で一気に行こうと思っていました。

亀田楓(社4=宮城・聖ウルスラ学院英智)

――法大は昨季勝ち無しの相手ですが、きょうの対戦を振り返って

個人的には、自分の力を出し切れなかったというか、関川(関川容子)とのコンビネーションが良くなかったというのが事実です。プレーの中では守ってばかりになってしまい攻められず、それを自分たちで切り替えることができなかったというのが敗因です。チーム全体としては、私たちダブルス以外はほとんど(公式戦出場が)初めてで、初めての割には皆良く出来ていたし、良い試合をしていたので、チーム全体としては価値のある一戦だったと思います。

――今大会と、ことしの目標をお願いします

今大会はあと4試合残っているんですけど、白星を挙げられるように皆で頑張りたいです。ことしの目標は、わたしにとって最後の年になるので今後続く試合の中でちゃんと勝ち星を挙げて、インカレの団体でも個人でも上位に入れるように頑張ります。