強豪倒し、今季初勝利

バドミントン

 関東大学春季リーグ戦(春季リーグ)初戦で悔しい黒星となった早大バドミントン部。しかし、長い冬を乗り越え、成長した選手たちの本性がついに現れた。男子部は全日本学生選手権(インカレ)の昨季王者・日大、女子部はインカレ昨季準優勝・日体大との一戦だ。強豪相手に早大は存分に力を発揮し、今季初勝利を収めた。

 男子部は昨季インカレ決勝戦で優勝を奪われた因縁の相手・日大との対決を迎えた。松本康平(スポ1=埼玉栄)がストレートで落とし、後輩の肩を叩きコートに立ったシングルス2・和田治久主将(スポ4=埼玉栄)。1ゲーム目序盤大きく引き離され、苦しい展開となった。だが、主将としての意地がある。なんとしても後輩の借りを返す。闘志あふれる攻めで追い付くとジュースに持ち込む。プライドとプライドの勝負。勝利への執念が勝ったのは和田主将だった。27-25でこのゲームを取ると、完全に試合をものにする。そんな主将をダブルス1の古賀輝(スポ3=埼玉栄)・齊藤太一(スポ3=福島・富岡)ペアが後押しする。インカレ2連覇と無類の強さを誇る古賀・齊藤ペア。「(前日の敗戦から)きちんと気持ちは切り替えてきた」(古賀)とまったくきのうの試合を感じさせない戦いで、力の差を見せつけ2ゲームを先取した。ダブルス2では勝ち切ることができなかったが、シングルス3・古賀がチームのために奮闘する。「落ち着いて試合に臨めた」(古賀)と語る通り、まったく相手のプレーには持ち込ませず、白星奪取。マッチカウント3-2で宿敵を撃破し、優勝に望みをつないだ。

得点を決め喜ぶ和田主将

 
一方女子部は若手の活躍が光った。シングルス1を落とし、ここで勝利が欲しい早大からは我妻美沙紀(スポ2=宮城・聖ウルスラ学院英智)が登場。1ゲーム目は相手の速さに対応できず落としてしまうが、2ゲーム目で底力を見せる。「チームの応援のおかげで、自分の力を出し切ることができた」(我妻)と語る通り、うまく相手の苦手なコースをつき、左右へのスマッシュが決まる。この冷静さが功を奏し、ファイナルゲームの戦いを制した。続くダブルス1の渡辺梨沙(スポ4=北海道・札幌静修)・中西貴映(スポ1=埼玉・大宮東)ペアは最上級生とルーキーが互いに支え合う姿が見られた。2人の攻撃がかみ合うと相手を翻弄(ほんろう)、マッチカウントを2-1とし貴重な1ゲームを獲得。ダブルス2をファイナルゲームの末落とし、勝負の行方はシングルス3・松岡英美(スポ1=福岡・九州国際大付)に託された。前日唯一1マッチを取った松岡はこの試合も輝きを放つ。ミスの少ないプレーで着実に得点を重ねると、甘くなった球を逃さず沈める。1ゲーム目を21-14で取ると、2ゲーム目は完全に松岡ペースに。度重なる連続ポイントで早大に今季初白星をもたらした。

冷静なプレーで流れをつくった我妻

 

 
初戦の敗戦から見事復活を遂げた早大。これまでの努力は決して間違えてはいなかった。春季リーグ制覇に向けすることはただ1つ、勝利をつかみとるのみ――。並み居る強豪を退け、優勝を手にするのは早大だ。

(記事 三上雄大、写真 八木瑛莉佳)

★古賀・齊藤ペアが世界学生選手権に選出!

世界学生選手権日本代表の座を射止めた古賀(左)・齊藤ペア

 世界学生選手権に、早大から古賀輝(スポ3=埼玉栄)・齊藤太一(スポ3=福島・富岡)ペアが選出された。世界学生選手権はユニバーシアードと隔年で実施される大会で、ことしは7月24日から29日にかけてスペインで開催。古賀・齊藤ペアはダブルスで出場予定だ。ユニバーシアードでは好成績を収めることがかなわなかった古賀は、「世界学生選手権では着実に勝利を決めたい。さらに、強い相手に果敢に挑戦していけたら良いと思う」と意気込みを語った。インカレ2連覇を果たし、また2014年4月11日現在日本ランキング11位と十分な実績・実力を残している古賀・齊藤ペア。日本を背負う試合でどこまで通用することができるのか。早大の柱が、再び世界に挑戦する――。

結果

▽男子団体○3-2日大
シングルス1  松本康平●0-2(10-21、16-21)
シングルス2  和田治久○2-0(27-25、21-16)
ダブルス1 古賀輝、齊藤太一○2-0(21-14、21-13)
ダブルス2 松本、中里裕貴(スポ1=埼玉栄)●0-2(16-21、15-21)
シングルス3 古賀○2-0(21-14、21-12)

▽女子団体○3-2日体大
シングルス1  上田真帆(スポ4=埼玉栄)●0-2(13-21、16-21)
シングルス2  我妻美沙紀○2-1(16-21、21-10、21-19)
ダブルス1 渡辺梨沙、中西貴映○2-0(21-17、21-15)
ダブルス2 清水恵(スポ3=宮城・聖ウルスラ学院英智)、島田きらら(スポ2=青森山田)●1-2(13-21、21-19、14-21)
シングルス3 松岡英美○2-0(21-13、21-10)

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コメント

古賀輝(スポ3=埼玉栄)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

きのうはダブルスで負けてしまったので、まずは切り替えようと思って頑張りました。

――どのように切り替えましたか

攻め方ではなく、気持ち的に切り替えました。きのうの試合のことをへこむのではなく、次は頑張ろうという気持ちで試合に臨みました。

――そのダブルスの試合はいかがでしたか

相手が(自分たちを)外してきていたと思うので、確実に勝とうと思いました。

――シングルスはいかがでしたか

1度戦ったことがある相手だったので、戦術も分かっていた。落ち着いて試合に臨むことができました。

――世界学生選手権がダブルスで決まったということでしたが、いまの気持ちをお聞かせください

ユニバーシアードでは良い成績を取ることができなかったので、世界学生選手権では着実に勝利を決めたいと思っています。さらに、強い相手に果敢に挑戦していけたら良いと思っています。

――チームとしての抱負は

新しい1年生が入ってきて、チームも一新されました。勝利を重ねられれば、チームも盛り上がると思うので、自分たちの力を存分に発揮して楽しくできたらいいと思っています。

――個人としての抱負は

自分が入ってから、1年2年と順位を下げているので、ここでもう一度良い順位に入りたいと思っています。

上田真帆女子主将(スポ4=埼玉栄)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

ミスが多かったので、ふがいないなと思います。

――オーダーが昨シーズンとは大幅に異なりましたが、どのように決められた
のですか

同期と相談して、やはり4年生だから最初に出場するのが筋なのではないかという話
になり、自分が最初に出場しました。残りは練習でそれぞれの強さと対戦相手を考えつつ
決めました。

――個人的な課題などは見つかりましたか

ラリーはできたのですが、そのラリーの中で最後にミスをしてしまうことがありまし
た。また球がそれてしまうことが多くあったので、そこがこれからの課題かなと思いま
す。

――チームとしての課題は見つかりましたか

いえ、とても良いチームだなと改めて実感することができました。

――春季リーグ3日目に向けての意気込みをお願いします

ここから全勝すれば優勝への道が見えてくるので、全勝して1位を目指して頑張りま
す。

――今シーズンの個人的な目標、チームとしての目標をお願いします

個人的な目標はインカレにシングルス、ダブルス両方で出場することで、チームとし
てはインカレに出場するのはもちろん、インカレ入賞ベスト4が目標です。

我妻美沙紀(スポ2=宮城・聖ウルスラ学院英智)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

1セット目に引いてしまったのですが、2セット目は自分のプレーができたので良か
ったです。またチーム全員が頑張って応援してくれたので、最後は自分の力を出し切るこ
とができて良かったです。

――きのうの試合からどのように切り替えましたか

自分のプレースタイルを大事にして、しっかりラリーをすることを意識しました。

――課題は見つかりましたか

ラリーの中で自分から攻めるショットをもっと多く打てるようにしたいと思います。

――春季リーグ3日目に向けての意気込みをお願いします

次もラリーを着実に繋げて、相手に勝てるように頑張りたいです。

――今シーズンの目標をお願いします

団体戦では自分が勝ってチームに貢献できるようにプレーしたいです。