埼玉・妻沼滑空場で全日本学生グライダー競技大会が行われた。早大航空部からは伊藤大貴(基理4=神奈川・浅野)主将、大森悠矢(基理3=神奈川・鎌倉)、稲葉宏人(基理3=大分・東明)の3人が選手として出場。主将の伊藤はこの大会が最後の大会となる。しかし、早大は気象条件や発航順に恵まれず、あと1歩のところで競技が終了し、悔しさの残る結果となった。
今大会で引退となる伊藤のフライト
大会初日、早大が獲得した点数は伊藤が153点、大森が429点。その後はうまく得点を獲得することができず、無得点の日が続くが、5日目に伊藤が263点を獲得。大会5日間を終え、早大の得点は、伊藤が416点、大森が429点の計845点となった。
伊藤のフライトにエールを送る部員たち
迎えた大会最終日。動力を持たないグライダー競技において、重要となる上昇気流が発生するのは12時から13時と予想されていた。その時間にフライトを行うことが勝利への大きなポイントとなる。10時半から始まった競技、早大の発航順は1番手。大会最終日の1番手として伊藤が空へと飛び立った。合計3回のフライトを経て、早大は未だ無得点。そしてやっと得点が期待できる気象条件が整い始め、伊藤を中心とする早大航空部は発航の時を待つ。この日のタイムスケジュールは13時最終発航、14時競技終了。最終発航の時間が迫る中、他大のグライダーが同時侵入で戻ってくるかたちとなり、発航を待つ各大学は機体を端へと下げ、グライダーを曳航する索を運ぶ車両も止まってしまう。その瞬間、13時となり、発航は終了。早大の、そして伊藤の4回目のフライトは叶わず、思わぬかたちで今大会は幕を閉じた。
今大会を終え4年生は引退。伊藤の最後の全日本大会は、後味の悪い終わり方となってしまった。大会後、「あまり運を味方につけられなかった」と口にした伊藤。新型コロナウイルスの影響でうまくいくことばかりではなかった4年間。しかし、「いい先輩や後輩にめぐり会えた」、「すごく楽しかった」と涙を流した。
閉会式後笑顔を見せる早大の選手(ゼッケン番号7伊藤、8大森、9稲葉)
大会が終わり、すぐに新しい代の航空部が始まる。今大会の悔しさをバネに早大航空部は来シーズン、より確かな強さを見せてくれることだろう。グライダー競技は自分の実力はもちろん、気象条件や発航順など自分以外の要素も重要となる。その中で真の実力を発揮するべく日々の練習を積み重ね、早大航空部はこれからも空へと挑んでいく。
(記事・写真 堀内まさみ)
結果
▽団体
9位 早大 845点
▽個人
18位 大森悠矢 429点
19位 伊藤大貴 416点