6月24日、染谷記念国際会館で航空部の部会が開かれた。今年は10人の新入部員が加わり、覇者ワセダとしての復活の兆しを見せる航空部。今回の会では主将、各係の主任、各学年リーダー、部長、監督からのあいさつがあり、新入生の決意表明も行われた。
まず開会と同時に話し始めたのは小材優生主将(人4=東京・早実)。主将として、安全の追求を怠らないことを最も強調した。一昨年に起こった事故から1年以上が経過し、今の1、2年生にとっては入学、入部前の出来事となる。つらい事故を風化せず、これからの教訓として今後の部の活動に生かす必要性を力を込めて語った。全員で目指すべき目標として掲げたのは、「地上にいながら成長できるパイロット」(小材)として学生航空会を牽引していくということ。今年の3月に行われた全日本学生グライダー競技大会では、団体準優勝、個人では前主将の佐々木昇吾(平30基理卒=愛媛・宇和島東)が優勝し、結果への期待も背負う。だが、常に命の危険と隣り合わせの航空競技において何よりも大事なのは安全な飛行をすることだ、ということを改めて確認した。
部をまとめ上げる小材優生主将
続けて、訓練主任の谷口駿太郎(商4=兵庫・灘)、機体主任の村松卓(政経4=千葉・渋谷幕張)、動力主任の中澤寛人(基理4=東京・早実)、無線機材副主任の伊藤大吉(創理3=東京・早稲田)から各々の係りの活動報告、そして今後に向けた課題が共有された。このような係によって役割が分担されていることは、日々の訓練や機体の整備など、飛行前の準備が肝心である航空部を象徴するものとも言えるだろう。その後学年リーダーからのあいさつ、10人の新入部員の決意表明が続き、小林哲則部長(昭60理工学術院卒)のパワーポイントを用いた熱意溢れる話には全員が神妙な面持ちで聞き入った。小林部長は、自身のコンプライアンスに対する見解を、「コンプライアンスを遵守することはコミュニティーに対する誠実の証だ」と述べた。航空部にとって根幹となる安全を手に入れるためには、様々な規則を守ることが前提となる。しかしただ規則だから守る、のではなく周りからの信頼を得るために守るべきものが規則だ、と強調した。
パワーポイントを用いて話す小林哲則部長
今まで受け継がれてきた伝統ある規則を再確認するとともに、新入部員という新たな風を取り入れた早大航空部。安全と勝利の両方の実現に向けて、全員が意識向上を図ろうとする姿が確かにそこにあった。今年9月には2年生にとって初めての公式戦である新人戦も行われる。学生航空会に新たな歴史を刻もうとするその勇姿に、今後も目が離せない。
(記事 村上萌々子、写真 斉藤俊幸)
部長(左)、監督(右)を囲む集合写真
小材優生主将(人4=東京・早実)
――主将としての意気込みをお願いします
まずは部員そして後輩のために成果を求めて活動できる環境づくりを心がけていきたいです
――次回の大会、六大学戦への意気込みをお願いします
できることをことを確実に行って、勝利を掴み取りたいです
――新入部員の1年生にはどのような選手になってほしいですか
航空部のグライダーにとって一番必要なことになってくるんですが、とにかく自分で考えて行動できることを目標にしてほしいと思います。
伊藤万貴(教2=東京・早実)
――これからの抱負をお願いします
2年生という中堅的な学年として3、4年生が運営する部をより良くするために協力的な学年を形成していって今まで以上に効率を求めた運営かつ安全をいつも意識した訓練を行えるように部を作って行けるように、そして自分自身もその歯車の一部となれるように活動していきたいです。
――9月に控える新人戦へはどのような意気込みを持っていますか
新人戦に対しては2年生が主体となって迎える初めての大会になるので協力しあって、全員の力を合わせて今後の合宿、フライトも含めて今まで以上に身を引き締めて優勝できるように頑張りたいと思います。
――新入部員にどのようなことを望みますか
先程もあったように事故を継承されていく側として自分たちも意識だとか組織的にも今新しく部が変わってきていて、そのより良くした状態を後輩に引き継いでいきたいと思います。自分たちが4年生になって今の1年生に代を引き継ぐ時にできる限り今まで以上に組織的に向上した状態で引き継げるようにしていきたいです。