今後に期待大!2年生コンビで団体優勝

航空

 将来の早大航空部を背負って立つ下級生が全国の頂点に輝いた。グライダー機の基本的な操縦技術を競う全日本学生新人大会(新人戦)。早大からは大庭康聖(基理2=神奈川・山手学院)、佐々木昇吾(基理2=愛媛・宇和島東)の2名が出場した。個人では大庭が2位、佐々木が3位と共に上位で競技を終え、団体では見事優勝。個人優勝こそ他大に譲ったが、好成績で早大の実力を全国に示した。

 通常の競技会とは異なり、新人戦で競われるのは基本的な技術。空中の操作や指定地への着陸などが点数化され順位が決まるため、本番に向けた準備が大いに問われる大会だ。「家だったり合宿だったりで一生懸命練習したことが良い結果につながった」と振り返った大庭。部の上級生や教官から得た教訓を生かし、個人2位という成績につなげた。今後は着陸の課題を克服し、さらなる技術向上を目指す。早大勢は共に個人優勝を目指していただけに悔しさも残ったが、団体優勝という自信のつく結果となった。

フライトに臨む大庭。個人2位入賞を果たした

 普段は埼玉県の妻沼滑空場で練習を行う早大。そのため新人戦は選手にとって、いつもと異なる環境、乗り慣れていない機体での競技だ。難しさがある状況での大会になったが、少ない練習フライトの機会をうまく生かした。佐々木は「競技フライトでは自分の力を出し切れた」と語り、対応力の高さを示した。また新人戦は全国の大学から選手が参加し、大会は1週間にわたって行われる。他の選手のフライトを間近で見ることで、参考になる技術も多かった。「普段どんなことをしているのかを聞いて今後につながることも多かった」(佐々木)と話すように、他大との交流も今大会で得た大きな財産だ。

全国の航空部員と交流を深める1週間になった

  「2人で協力して団体優勝を取れた」(佐々木)。岐阜の地で好成績を残した2年生の活躍は、早大の他の選手にとっても大いに刺激になったはずだ。今後2人が見据えるのは次なるステージ。「上級生の先輩と一緒に選手として戦えるように」(大庭)、「早慶戦(早慶対抗競技会)に出てそこで活躍したい」(佐々木)と頼もしい。下級生の台頭は部全体にとって好材料。戦力が底上げされ、チーム力の強化が見込めそうだ。

(記事 石川諒、写真 杉田陵也、黒田菜々子)

団体優勝を勝ち取った大庭(左)と佐々木

結果

▽団体

早大 1位 510点

▽個人

大庭 2位 256点

佐々木 3位 254点

コメント

大庭康聖(基理2=神奈川・山手学院)

――今試合に向けてどのような練習を行っていましたか

先輩方や教官の方から例年の新人戦での教訓を教えてもらってそれを参考に日々家だったり合宿だったりで一生懸命練習したことが良い結果につながったのだと思います。

――この結果についてどう捉えられていますか

早大は個人優勝と団体優勝同時にやったことがなくて、ことしはそれを目標にやっていたので、(個人の)準優勝というのは残念なのですが、この結果を受け止めて今後のグライダーの練習に生かしていきたいと思います。

――試合全体を振り返っていかがですか

あまり他大の人と交流することが少ないのでこういった全国の大学から木曽川に集まって一緒に一週間生活をして刺激を受けましたし、グライダーの良き友達を見つけられたという感じです。

――他大との交流で得られたことはどの部分ですか

他大の人の練習方法とか考え方、グライダーの飛び方など話す中で共有し合うことができて今後の自分のグライダーの練習に生かしていけると思います。

――試合を通して見つかった課題はありますか

慶大の松村くん(亮汰)は着陸の部分でフレアとかが上手でそこの部分は普段自分が意識できていないところを普段から意識して練習してるのを感じました。課題は着陸のところですかね。

――今後の意気込みをお願いします

今回は新人戦なのですが、12月には関東大会(関東学生競技会)、来年には全国(全日本学生選手権)、早慶戦(早慶対抗競技会)と続くので自分も上級生の先輩と一緒に選手として戦えるようにして個人団体両方優勝できるようこれからも頑張って練習していきます。

佐々木昇吾(基理2=愛媛・宇和島東)

――今大会を振り返っていかがですか

まず全体を振り返りまして自分のフライトはできたと思っていて、周りに慶大とかレベルの高い人がいっぱいいる中で集中して切磋琢磨して自分の力は出し切れたので、個人3位という結果に終わってしまいましたが良い競技ができたと思います。

――今大会まではどのような練習を行いましたか

今大会までは合宿でこの大会を想定して、同じように大会でやることを繰り返し練習しまして、普段と違うところもあるので一つ一つ手順を確認しながら細かい所まで教官方にご指導いただいて練習してきました。

――今大会の目標は

もちろん個人優勝です。それと共に団体優勝も狙っていまして、個人優勝を逃してしまったものの、二人で協力して団体優勝を取れたのでその点は良かったと思います。

――団体優勝、個人3位という結果に対する率直な感想をお願いします

団体優勝はもちろん嬉しいです。個人3位ということで、一番ライバル視していた慶大の松村くん(亮汰)に負けてしまったのでそれは本当に悔しくて、今後の大会で慶大に、松村くんに勝てるように頑張っていきたいと思います。

――慣れない会場での大会となりましたが

普段とは違う所で、また違うルールもあったり普段通りにできないことがあり、乗り慣れていない機体を使うのでそれに慣れるのが一苦労しました。でも練習フライトである程度慣れることができたので、競技フライトでは自分の力を出し切れたと思います。

――他校との交流で得られたことはありますか

他大は最初に思っていたよりもみんなレベルが高くて、参考になるような離着陸やフライトを見せていただきましたし、それ以外にも交流する中で他地区の選手たちと話すことで今後の大会に対するモチベーションだとか、普段どんなことをしているのかを聞いて今後につながることも多かったです。

――見つかった課題はありますか

結果はそれなりのものが出たと言ってもまだまだ改善できる部分、着陸をもっと丁寧にできるだとか、風とかで難しい条件の中でミスをしてしまいましてその中でもしっかりと決められるようになったらもっとレベルアップできるのではないかと感じました。

――今後の目標を教えてください

私はライセンスをちょうど取っているところでして、3月に開催される早慶戦(早慶対抗競技会)に出てそこで活躍したいなと考えております。