全日本学生ダートトライアル選手権からわずか3週間、三重・鈴鹿サーキットで全日本学生ジムカーナ選手権(全日本ジムカーナ)が開催された。早大自動車部からは最上佳樹(社4=東京・攻玉社)、近藤怜(先理3=岐阜)、石山萌乃(文構3=神奈川・日女大付)、小林眞緒(創理3=福岡雙葉)、大矢根洋(文2=東京・和光)の5名が出場。車両トラブルや不安定な天候に見舞われたが、男子団体4位、女子団体・個人優勝という結果を収めた。
※この取材は8月21日、8月24日に行われたものです。
今大会が最後のジムカーナとなった最上
大会を翌日に控えた20日、男子車両・早稲田大学インテグラ(黄インテ)にエンジントラブルが発生した。これにより早稲田大学インテグラは前日にして出走が困難となった。女子車両の早稲田大学シビック(青EG)に早稲田大学インテグラのパーツを移植。部員たちは懸命に車両を整備し、早大は新しい仕様で大会制覇に向けて走り出した。
個人優勝を果たした小林
大会当日1本目が始まるころ、雨が降り始め走行に影響が出るかと思えば晴れ間が広がり、予測の難しい不安定な天候となった。他大がエースドライバーを第3走者に配置する中、早大の第1走者はエース・最上が務めた。車両変更の影響とパイロンタッチによるペナルティから、「最悪のスタートになってしまった」と振り返った。記録は1分16秒66、2本目の走りへの期待が高まる結果となった。続く女子の第1走者は小林。仕様が変更された車両で走るのは「緊張していた」という。「満足のいく走りはできなかった」と振り返ったが、日大の選手と全くの同タイムで、午前1番手のタイムを記録した。男子・第2走者は近藤。午後から天気が崩れる予報があったことから、「確実にタイムを残しておかないといけない」と安全な走りを意識しスタートした。着実にタイムを残す安定の走りでゴールし、1本目で14番手の記録を残した。女子・第2走者の石山は前日から走行練習ができていなかったものの1本目で、女子3番手の記録をマークした。しかし2回のパイロンタッチに「不甲斐なかった」と振り返った。男子・第3走者は大矢根。仕様変更となった車両の調子を探るために、工夫しながらも攻める走りを見せた。パイロンタッチの判定があったものの1分16秒台を記録した。1本目が終了し、早大は男子団体8位、女子団体2位で前半を折り返した。
安定した走りを見せた近藤
1本目の走行でブレーキに違和感を覚えた最上の判断で、早大は早稲田大学シビックのブレーキパッドを交換し、2本目に挑んだ。第一走者・最上は「気楽にいこう」とスタートした。圧倒的な速さを見せゴール、コールされたタイムは他大の選手を大きく離す1分13秒21。しかし惜しくもパイロンタッチの判定があり、悔しさの残る最後の全日本ジムカーナとなった。女子・第2走者は小林。1本目で他大の選手と同タイムだったため、2本目では確実なタイムアップが求められた。小林は「無我夢中」だったと言う。約2秒のタイムアップを決め、全関東学生ジムカーナ選手権では叶わなかった個人優勝を成し遂げた。男子・第2走者の近藤は1本目の安全な走りから、チャレンジする走りへと変えた。言葉通りの攻めの走りを見せ、1分15秒61を記録した。女子第2走者の石山は1本目から走りを改善し、約2秒のタイムアップ。女子3位の位置につけ、女子団体優勝を掴みとる走りとなった。早大の最終走者となった大矢根。これまでの練習と仲間が作り上げた車両を信じ、攻めた走りを見せた。タイムアップを決め、早大男子トップの7位でゴールした。この結果を受け、男子団体は4位という結果で全日本ジムカーナを走り切った。
約2秒のタイムアップを決めた石山
車両トラブルや不安定な天候などのアクシデントに見舞われた今大会。「優勝」というゴールが見えていただけに、試合後神林崇亮(人4=埼玉・早大本庄)主将は「本当に悔しい」と振り返った。残る全日本戦は、11月に開催される全日本学生運転競技選手権。全日本学生自動車連盟年間総合杯(全日本総合杯)獲得に向け、早大自動車部はここから、より強さに磨きをかけていくことだろう。
攻めの走りを見せた大矢根
全日本ジムカーナを戦い抜いた選手たち。左から大矢根、石山、小林、最上、近藤
※パイロンタッチ…コースに設置されたパイロンに車両が接触すること。5秒のペナルティが課せられる
(記事 堀内まさみ 写真 堀内まさみ、大西由雅)
※掲載が遅くなり、申し訳ございません。
結果
▽男子団体の部
4位 早大
▽男子個人の部
7位 大矢根 1分14秒85(2本目)
14位 近藤 1分15秒61(2本目)
43位 最上 1分13秒21(2本目) PT
▽女子団体の部
優勝 早大
▽女子個人の部
優勝 小林 1分18秒81(2本目)
3位 石山 1分19秒74(2本目)