環境に配慮したドライブを!貴重な経験を積む 

自動車

 熱い熱戦から一夜明けたきょう、同じく鈴鹿サーキットの地で全日本エコドライブチャンピオンシップ2017が開催された。早大は平川が燃費で個人6位に輝き、団体では15位につけるなど健闘。また、昨日までの緊張感に包まれたレースとは違い、イベントも兼ねた今大会では選手たちもリラックスした様子で試合に臨むなど終始和やかな雰囲気でレースを終えた。

違反することなく走りきった!

 このレースはタイムだけでなく、いかに環境に配慮したドライブができるかも重視される。競技はEVドライブモードのテクニックを競うチャレンジラウンド、アクセルワークのテクニックを競うサーキットラウンド、燃費とコースの基準走行タイムとの正確性を競うテクニカルラウンドの3種目で構成されており、その合計ポイントで順位が決まる。また、コース1周を4分以上5分以内で走ること、制限速度は本コースが120キロ、ピットレーンは時速40キ ール、ホームストレートとバックストレートの最低時速80キロと定められており、違反した場合はペナルティーや失格処分が下される厳しいルールだ。早大からはドライバーとして平川慶一(創理3=神奈川・光陵)、城越明日香(商2=福井・藤島)、藤谷航(政経3=静岡・浜松西)が、副ドライバーとして川上優(商2=徳島市立)、鷹尾一成(先理1=桐蔭学園)、小森聡(社4=神奈川・桐蔭学園)が出場。それぞれのドライブテクニックを活かしレーンを駆け抜けた。

 早大の第一走者として出場したのは平川と川上。二人が挑んだのはテクニカルラウンド。うまく回生エネルギーを使い燃費では見事6位に。しかし4分30秒という基準タイムから少し遅れていまいタイム点は伸び悩む結果に。「いかにアクセルを踏まずにタイムを基準に近づけるかというのが難しいところ」と川上が振り返るように、普段のレースとは違う、エコドライブならではの難しさを実感した。第二走者は城越と鷹尾。今大会初出場となった二人はテクニカルラウンドに参戦。城越は「アンダーを出してしまったりブレーキがしっかり踏めていなくて減速してしまったのがミスだった」と悔しさを滲ませるも15位と健闘。来年に向け弾みをつける結果となった。そして第3走者は藤谷と小森。二人が出場したチャレンジラウンドでは電池の充電が大きな課題に。「慣れない車で困惑した」と藤谷が述べたように車自体の操縦も普段とは異なりその難しさに苦戦。惜しくも結果は伸びなかったがPHV車で走る貴重な体験となった。

 「最近は車好きの若者も減っている。このようなイベントはもっとやってほしい」(小森)。今大会ではレースと同時にさまざまなイベントも開催。企業との意見交換会や展示車両ブースが設置されたりと選手たちも大いに楽しんだ。また、鷹尾が「この鈴鹿サーキットは幼稚園や小学校のころから見てて憧れだった」と語るように、普段は入ることのできない国際レースサーキットで走ることができたことは部員にとってもいい刺激となったことだろう。

経験を糧に

 「来年は勝ちを狙いにいきたい」(平川)、「常勝ワセダと言うように常に勝ち続けられるチームを作りたい」(藤谷)。今大会はイベント的な要素も強いが、プロのレーシングドライバーたちも参加しており、得られるものもあったはずだ。今回は副ドライバーとしての出場だった川上や鷹尾も来年の出場に向け闘志を燃やす。また、今年で最後となる小森も「今回の反省を活かして頑張ってもらいたい」と後輩たちにエールを送る。晴天の空の下、自動車に魅せられた彼らは更なる進化を遂げていく。

(記事、写真 松本一葉)

コメント

藤谷航(政経3=静岡・浜松西)、小森聡(社4=神奈川・桐蔭学園)

――きょうのレースを振り返っていかがでしたか

(藤谷)きょうはあんまり乗り慣れない車、PHVで走るのがエンジンじゃないので。そこらへんが初めてでちょっと困惑してたんですけど、まあ本コース走れるってのはなかなかないので楽しめました。

(小森)まあ僕は横に乗ってただけで大したことはなかったですけど(笑)とにかく藤谷にもっと飛ばせ飛ばせと煽り続けてて。それが結果的にはあんまり良くなかったかもしれないんですけど(笑)うーんまあ今回の反省を活かして後輩にはまた来年も頑張ってもらいたいですね。

――チャレンジラウンドのポイントなどはありましたか

(藤谷)まあそうですね、EVで走れる距離が決まってて、全体の電池量の20パーセントしか使っちゃいけないことになってたので常に充電のことを考えながら走るっていうのと、充電しながら走ることもできたのでそのペース配分とかが難しいところではありました。

(小森)例えば坂道の走り方とかだと、坂に入ってから加速を始めると遅くて、坂に入る前に予め加速をしてから坂に突入すると燃費の効率が良くなったりするっていうのは予備知識としてあったのでそれを(藤谷に)伝えたりして頑張ってました。

――いつもとは違った雰囲気のレースとなりましたがいかがでしたか

(藤谷)今回のエコドラは昨日のジムカーナに続くイベント的なとこも多いのであれなんですけど、環境省とかかなり大企業が来てて、しかも本コースが走れるっていう大規模なイベントだったので楽しめました。

(小森)最近は、車好きの若い人とかはかなり減っててやっぱりこういったイベントとかはもっとやって欲しいと思います。ただ、このエコドライブっていう競技はまだルールとかが発達できていないというか完成しきってないところがあったのでもっと考えてもらいたいところもあるかなと思います。

――イベントはいかがでしたか

(藤谷)すごい楽しみました!やっぱり本コースを走ることは普段僕たちには叶わないことだったりとか、本当にF-1が走ってたりだとかいろんな有名な車が走るところを自分が実際に走ることができてすごい良い経験になったと思います。

(小森)有名なレーシングドライバーの方たちも僕らと一緒に同じ条件で走るっていうのはなかなかないと思いますしすごい良い機会だなと思います。こういう機会を頂けてすごい嬉しかったです。

――藤谷さんは来年は早大を引っ張っていくことになると思うのですが、来年に向けての意気込みをお願いしても良いですか

(藤谷)そうですね、来年はもっとこの競技に関して、何をしたら良い点が取れて良い走りができるかっていうのをちゃんと理解して勝ちを狙っていきたいと思います。

――後輩に向けてメッセージはありますか

(小森)まあとにかくもっといろいろと研究して欲しいですね。どうしても毎年毎年研究不足になってしまっているのが否めないので、せっかくやるならね。やっぱり対策を頑張ってねって感じです(笑)

――来年はジムカーナなどにも出場されると思うのですが、そちらの意気込みをお願いします

(藤谷)はい、今年の先輩がものすごく強くていろいろあったんですけど今年すごい良い成績を残せたので、次の世代、僕らの世代にこの良い成績を続けてワセダ必勝、常勝といつも言っているように常に勝ち続けられるチーム作りをできたらなと思います。

平川慶一(創理3=神奈川・光陵)、川上優(商2=徳島市立)

――きょうのレースを振り返っていかがでしたか

(平川)結果を見ると、燃費は全体60人中6位とだいぶいい結果が出せたと思うんですけど、タイム点が4分30秒から12秒遅れで40位くらいってことで、意外とみんな4分30秒に近いタイムを出してて、本当に0.何秒とかいうタイムで。もうちょっと研究の余地があったのかなって思いました。

(川上)平川さんの助手席に乗っていろいろとサポートしてたんですけど、自分は腕時計で時間を測って4分30秒ですって伝えてたんですけど、もう少し平川さんにもうちょっとスピード出したほうがいいですよ、とか言えばよかったかなと。どちらも4分30秒より少し遅いタイムでしたので、もう少しアクセル踏めます、と。ただ、アクセルを踏むと燃費は悪くなるのでそこはエコドライブの難しいところですね。

――テクニカルラウンドということで何かポイントや特性はありましたか

(平川)特性として、日産 NOTE e-POWERっていう乗ったことのない特殊な車だったんですけど、いかにアクセルを離して回生エネルギー を使うかっていうのを考えなきゃいけなくて難しくて。そういうのに気を取られてるうちにまあちょっと遅くなったりして。燃費はまあ良かったんですけどそれでタイムが(基準より)ちょっと離れちゃったのかなと思いました。でも川上と2人で一緒に今何秒とかさっきここが何秒だったからもうちょっと早くした方がいいとかできたので良かったかなと思います。

(川上)テクニカルに関しては特に言うことはないんですけど、パイロンのスラロームのセクションがあって、もちろんパイロンに触らないようにスラロームするっていうのは難しいので、それがあるっていうのを思いながら練習するのがいいかなと思いました。

――普段とは違った雰囲気のレースとなりましたがいかがでしたか

(平川)そうですね、いつもの学連のコースとはまた違ったレースなのでまあみんなに緊張感がないって言ったらあれなんですけど(笑)でもこのコースはそれこそ有名なコースでいろいろなシュミレーターとかはあるって話で、4分30秒に近づける手段はまだあったのかなと。もうちょっと対策すればなと思いました。

(川上)このエコドライブチャンピオンシップは自分たちにとって全日本ジムカーナ(選手権)が終わった後のちょっとお祭りみたいなもので(笑)楽しんでやるものだったのであんまり緊張もせず、良かったと思います。楽しい競技でした。

――共に行われたイベントはいかがでしたか

(平川)いろいろな企業のブースとか体験コーナーとかもあって。就活とかそういったものに向けてもいい経験になりました。

(川上)意見交換会などのブースもありまして、さきほど平川さんがおっしゃったように企業さんとお話ができたりだとか、自分たちが知っているような車、例えばラリーですとか、もう今はスーパーカーになってるんですかGTRっていうすごい速い車とかクレーン車ですとか、普通は仕事に使うものなので近づいたりもできないんですが乗ったりできて、滅多にない経験ができたのでよかったです。イベントも楽しめました。

――川上さんは2年生ということで来年も出場されると思うのですが意気込みをお願いします。

(川上)来年は絶対出たいです。1位とります!

――来年に向けてメッセージはありますか

(平川)来年はもうちょっと研究して、今回は去年よりはだいぶ良いところにいけたと思うので頑張れば全然勝ちを狙いにいけると思うので来年は勝ちを狙いに行きたいです。

城越明日香(商2=福井・藤島)、鷹尾一成(先理1=神奈川・桐蔭学園)(

――きょうのレースを振り返っていかがでしたか

(城越)結構アンダー出したりとか、ブレーキがちゃんと踏めてなくて減速しちゃったのがミスだったと思いました。ブレーキはあまり踏まないようにしていたんですけど、そういったところで力が逃げてしまったのはもったいなかったと思いました。

(鷹尾)僕らは2人ともこの大会に出場するのが初めてで。後になってあそこはこうすればよかったとか思う所もありました。僕は今回はドライバーになる資格が貰えなかったので運転できなかったんですけど、来年は走れるようにこれからも部活を頑張っていきたいです。

――サーキットラウンドでの特性やポイントはありますか

(城越)他のラウンドはバッテリー充電とかハイブリッドとかがあって、そのバッテリー充電をうまく使って運転したりとかっていうのがあるんですけど、私たちは普通のオートマを運転するだけだったので、いかにアクセルワークをうまくするかとかブレーキを踏まないようにするかを心がけるのが重要でした。

(鷹尾)さっき城越さんも言ってたんですけど、僕らはそんなに難しいルールはなくてただ走るだけだったので、そうなるとコーナーのライン取りなどが大事になってきました。僕らがもし来年このラウンドで走ることになったら、そういったことを頑張っていきたいです。

――いつもとは違った雰囲気のレースとなりましたがいかがでしたか

(城越)会場がいつもは入ることのできない国際レーシングコースだったので結構景色とかも楽しむことができて良い日だったと思います。

(鷹尾)僕もここの鈴鹿のコースは、それこそ幼稚園とか小学校の頃からずっとF-1とかで見てて憧れの場所だったので。今回は副ドライバーとしての出場だったんですけど来年はドライバーとして走りたいです。

――イベントはいかがでしたか

(城越)企業ブースとか、下には展示車両とかがあってあと重機とかも乗せてもらえたのですごく良い経験ができたと思います。

(鷹尾)今回の大会はエコドライブってことで、他にも環境のこととかあとは企業のこととかも知れました。僕はまだ1年なんですけど、就職の話とかも聞けてすごく有意義な日になりました。

――城越さんは昨日ジムカーナにも出場されたということで、来年からは経験者として部を引っ張っていく形になると思うのですがいかがですか

(城越)今回の優勝が慶大で、ドライバーが3人いるんですけど3人とも(タイムが)1位だったので来年は早大が1位を奪い取っていきたいなと思います。

――鷹尾さんは来年に向けて目標などありますか

(鷹尾)来年も積極的にエコドライブに参加しようと思うので、来年は早大が優勝できるように。僕自身も走って勝利に貢献できれば良いなと思います。

――ジムカーナにも出られますか

(鷹尾)はい、来年はジムカーナの選手選考の候補になる資格も持てると思うので、選手として出れるように頑張って、そして選手として出場できたらチームに貢献していきたいと思います。まあエコドライブの方はそれがなくても出られると思うので来年は確実に出場しようと思います。

――城越さんはフィギュアなども出場されますか

はい、出ますね。

――では意気込みをお願いしても良いですか

(城越)去年私たちはフィギュアに出てないので、これからいっぱい練習していかないと優勝レベルには辿り着かないと思うんですけど、昨年度先輩たちが優勝されたっていうその経験をしっかり受け継いで、今年も優勝できたらなと思います。