王者完全復活!またも個人・団体でダブル優勝

自動車

 ことしも全関東学生ダートトライアル選手権が栃木・丸和オートランドの地で行われた。個人では、齋藤周太(人4=東京・日野台)が優勝、森田真(政経4=米国・レイブンウッド)が3位、平川慶一(創理3=神奈川・光陵)が4位入賞と輝かしい結果を残し、団体でも2位以下を大きく引き離し優勝を決める。個人・団体でのダブル優勝は、前大会の全関東学生ダートトライアル選手権に引き続いての快挙となった。

タイムを更新し続けた齋藤

 絶対王者と呼ぶにふさわしいレースであった。午前の部、第一走者として出場した平川は、ダートトライアルを始めてまだ1ヶ月未満にも関わらず、その時点でのトップタイムをたたき出す。その波に乗るようにして続く第2走者齋藤も「思った以上の走りができた」と他の選手を大きく引き離す走りを見せ暫定1位に。そしてエース森田も序盤から猛スピードでサーキットを駆け抜けると、53秒台という驚異的なスピードでゴールを決める。早大は2位と12秒差の1位、さらに森田・齋藤がワンツーフィニッシュ、平川も9位につけるという圧巻の走りを見せつけて前半を折り返した。

 午後の部に突入しても早大の勢いは止まらない。前大会の全関東ジムカーナ選手権では「先輩のアシストができてよかった」と述べていた平川が覚醒。前半の2分06秒から大きく更新し1分54秒台に。個人でも表彰台を十分に狙える好タイムを出し、急成長を見せた。そして森田を追い掛ける齋藤が走り出す。「ちょっとミスをしてしまったのかなと思ったがそれが、逆に上手く回った」と勝負強さを見せ、本日最高の52秒台を出した。またも暫定1位に返り咲き、あとは第3走者の森田結果を待つのみに。

 そして、早大のエースとして常にレースを引っ張り続けてきた森田がピットに入る。今回もタイムの更新が大いに期待され、会場中の視線が集まる。旗が上がり走り出した。序盤は順調な走り出しに見えた。しかしコースの3分の1を超えたあたりで森田に異変が。徐々に失速し車体はコース外へ。まさかの車体トラブルであった。車のエンジンから動力をタイヤに伝えるシャフトが折れてしまうアクシデントに見舞われ、無念の途中退場。まさかの記録なしという結果に。早大応援席からも悲痛な声があがる。「優勝を狙っていた」という森田にとってはあまりにも悔しすぎる幕切れになった。その後、そのまま逃げ切った齋藤が優勝を決め、森田は午前の記録により3位、平川は4位につけるなど早大は依然としてトップを独走し続けた。

まさかのアクシデントに見舞われた森田

 「ミスすることなく車の状態をしっかり持って行って、選手がちゃんと練習すれば全日本も優勝できる」(森田)。終始他を圧倒し続けた今大会、個人では3人全員が上位入賞、団体でも2位と7秒以上の差をつけて優勝と次の全日本ダートトライアル選手権に向けて大きすぎる一歩を踏み出した。しかし肝心の場面で車体トラブルが起こるなど課題も残る。しっかりと修正して次に臨む。ことしの早大の目標は全日本ジムカーナ、ダートトライアルでの2冠。このままの勢いでタイトルを獲得し続けたい。

(記事 松本一葉、写真 栗林桜子、佐藤慎太郎)

▽男子団体の部

優勝  早大 5分39秒81 

▽男子個人成績

優勝  齋藤 1分52秒17(2回目)

3位  森田 1分53秒49(1回目)

4位  平川 1分54秒15(2回目)

コメント

齋藤周太主将(人4=東京・日野台)

――今日の試合を振り返っていかがでしたか

午前の1本目は思った以上の走りができたんですけど、午後の勝負をかけた2本目がちょっとミスをしてしまったのかなと思ったんですけど、それが逆に上手く回りまして、個人で優勝することができました。なので、午前も午後も自分の試合はできたと思います。

――森田さんのアクシデントがありましたね

そうですね、車のエンジンから動力をタイヤに伝えるシャフトが折れてしまって。それがなければ森田(真、政経4=米国・レイブンウッド)が個人で優勝で、僕は優勝じゃなかったかもしれないなと考えると残念なんですけど、その戦いは全日本学生ダートトライアル選手権(全日本)までお預けかなと思います。

――選考会は行われましたか

一応走ったのですが、しっかりそこでも去年から選手だったので上位に入らせてもらって、(今大会に)選んでいただくことができました。

――チームの雰囲気はどうですか

4年間やってきて、一番いいチームかなと思っています。OBの方々や先輩の方々から一番目をかけてもらって、それが実ってるかなと思います。これで全日本も頑張っていきたいですね。

――主将としてはいかがですか

チームのみんながちゃんと自分の役割プラスほかのことを探してやってくれているのですごく主将としては楽かなと思います。

――最後に全日本に向けてお願いします。

まあ、団体優勝は取るのが当たり前で、個人の方も優勝できたらいいなと思っています。

森田真(政経4=米国・レイブンウッド)

――今日の走りはいかがでしたか

まあ1本と(1本の)3分の1くらいしか走ってないんですけど、最後の3分の1は自分でもよくなかったなと思います。ちょっと(シャフトを)折っちゃったんで。

――それがなければ優勝でしたか

今日は誰にも負けるつもりなくて。優勝してましたね。

――では納得のいかない結果でしたか

いえ、結果としては納得してます。これ(アクシデント)込みの大会なのでしょうがないです。

――団体1位という結果でしたが…

全関東(学生ジムカーナ選手権)優勝からの流れを発揮できたことは偶然というより当然ですね。もう嬉しいとかじゃなくて、当然だと思います。

――ご自身はダートトライアルとジムカーナではどちらが得意ですか

どっちも得意ですね。

――アクシデントはどうして起こってしまったのですか

路面のストレートの段差に乗らなければまあ防げたのかなと思うところはいろいろありますけど。改善点はあります。もっと違うところを走ればよかったのかなと。

――最後に全日本に向けてお願いします

団体の全日本優勝は堅いですね。まあミスりさえしなければ。車の状態をしっかり持って行って、選手がちゃんと練習すれば優勝できると思います。個人でも団体でも優勝します。

平川慶一(創理3=神奈川・光陵)

――団体1位、個人4位という結果でしたが、本日の走りを振り返っていかがですか

ダートを始めてから1ヶ月も経っていなくて、正直なところここまで行けるとは思っていませんでした。車も速かったですし、うまく適応できたかなと感じています。

――午前の部では車の状態は万全でしたか

午前も午後も僕の時は万全の状態でした。路面の土がはけてきて走りやすくなったのが、タイムアップに繋がったのかなと思っています。

――今大会の選考会はいかがでしたか

今回、選手選考は本来やろうと思っていた時期に車が壊れてしまい、早めの日程での選手選考となりました。早めになったことで、今日に間にあわせることが出来たのではないでしょうか。

――前大会では先輩のアシストとして臨んだとおっしゃっていましたが、今大会では優勝を狙っていたのですか

今回も正直ここまでいけるとは思っていませんでした。どちらかというと、同じ学年の3年生の中では勝ちたいなと。

――4年生の方々が引退したら、部を引っ張っていく立場になりますが

来年以降も僕以外に2人以上選手を出さなくてはいけないので、秋とかにみんなで練習してベースアップしていきたいです。

――全日本に向けての意気込みをお願いします

全日本も丸和オートランド那須で開催されるので、丸和で練習したいです。また、全日本ジムカーナも同じ時期に開催されるので、この二つをバランス間違えずに練習を組み立てていけたらなと思っています。