全日本学生ジムカーナ選手権が三重・鈴鹿サーキットで開催された。4年生にとって最後のスピード競技となる今大会に、早大からは杉崎裕一副将(社4=東京・早実)、青山広明(先理4=神奈川・聖光学院)、森田真(政経2=レイブンウッド)の3選手が出場。一発勝負という厳しい条件の中、男子団体9位と健闘した。また女子の部には橋本美咲(人4=山梨・甲府南)が個人で出場し7位となった。
男子団体は予選の結果によって決勝での走行回数が決められる。1日目に行われた予選でペナルティーが目立った早大は、翌日の決勝を1本のみで戦うこととなった。第1走者は下級生から唯一の出場となった森田。中盤パイロンタッチのミスもあったが、今回鬼門となっていたゴール手前の8の字のターンを成功させる。続く第2走者の青山も気迫溢れる走りで第3走者・杉崎へしっかりとつないでいった。予選ではまさかのゴール後にペナルティーを取られてしまった杉崎。挽回を図った決勝の舞台では、ペナルティー無しで1分19秒824の好タイムを叩きだした。3人のタイムを合計した最終結果は総合9位。入賞とはならなかったものの、「自分の走りができた」(青山)と試合後選手たちの表情は晴れやかだった。
好走を見せた杉崎
昨年同大会で個人4位の好成績を残した橋本。早大の女子団体優勝にも貢献したが、女子部員が1名となったことし、団体での出場はかなわず。個人の部での上位進出が期待された。予選を個人2位で終え、確かな手応えと共に臨んだ決勝。「どちらもサイドターンがうまく決まらなかった」(橋本)。午前中に行われた1本目の走行では手堅くタイムを残した。午後の2本目でさらにタイムを縮めていきたかったが、最後に8の字のターンを曲がり切れずバックギア。1本目から約2秒短縮したが1分33秒826で7位に終わり、入賞を逃すほろ苦い結果となった。
決勝に臨む橋本
今季、車両トラブルなどから棄権が続いていた早大。今回チームで小まめに情報を共有するなどして対策に努めた。結果無事全員が完走したが、青山は「とりあえず一安心というか、これが当然の姿だと思う」と語った。次なる戦いは11月に行われる全日本フィギュア。4年生にとっては最後の試合となるこの大会に向け、「早大得意の正確で素早い操作をさらに磨いていきたい」(杉崎)と気合は十分だ。ここまで部をけん引してきた最上級生の引退を、是非とも勝利で飾ってほしい。
(記事 尾澤琴美、写真 中丸卓己)
結果
※早大のみ
▽男子団体の部
9位 早大
▽男子個人成績
16位 杉崎
38位 森田
41位 青山
▽女子個人の部
7位 橋本
コメント
杉崎裕一副将(社4=東京・早実)
――今季トラブルが続いていましたが、今回チームで話されていたことは
走ることができずに負けるのはやめようとずっと話していました。今回は無事走り切ることができたのでそれはよかったと思います。
――4年生にとって最後のスピード競技となりましたが、予選の走りはいかがでしたか
ゴールペナルティーといって、ゴールラインを過ぎた後決められた線までに一度止まってから動き出さなくてはいけないのですが、それを超えてしまいプラス10秒ビハインドのペナルティーをもらってしまいました。そのせいで予選会うまくいかなかった部分があるので、そこは自動車部で一番悔しい結果になってしまいました。
――決勝Bグループになったことについては
悔しいですね。何事も無ければ(Aグループで)通過してきょうも2本走ることができたので、とても悔しいです。
――決勝での走りはいかがでしたか
最後いろいろありましたが、自分の持っているものは出し切れたと思います。なのでいまは晴れ晴れとした気持ちです。午前中3人走り切った時点で暫定団体7位なのですが、森田真(政経2=レイブンウッド)のパイロンタッチを無くせば5位でした。それだけ予選でやってしまったことは悔しいですね。
――青山広明選手(先理4=神奈川・聖光学院)の走りについてはいかがでしたか
自分が予選でやってしまったので、2本目走らせることができなくて申し訳ないです。本人はいろいろ悔いはあると思うのですが、最後は気迫あふれる走りでちょっと感動しました。
――最後の試合となる全日本学生選手権に向けて意気込みをお願いします
例年スピード競技で燃え尽きてしまい最後の全日本フィギュアはここ数年うまくいっていないのですが、最後まで気を抜かずに、早大得意の正確で素早い操作をさらに磨いていきたいと思います。
青山広明(先理4=神奈川・聖光学院)
――きょうはB決勝での出走となりましたが
素直に悔しいというのと、1本しか走れないのは厳しいというのがありました。他のAで出ている大学に比べればチャンスは少ないですし、全力を出そうと思ってやりました。
――きのうの予選によってBブロックでの出走が決まりましたが、その要因は
ペナルティーが多かったのが原因かなと思います。
――きょうの走りは全体的にいかがでしたか
僕も1個ミスをして相当タイムロスがありました。森田も1つミスしましたが、杉崎が良い走りをしてくれました。でも最後は自分なりにやれることをやりたかったので、良かったと思います。
――今季は大会中の棄権も多かったですが、今回は無事に走り切りましたね
そうですね。とりあえず一安心というか、これが当然の姿だと思うので。棄権は基本的に無いものだと思っているので、これが当然ということで来年度以降も続けて勝っていってほしいなと思います。
――青山選手自身、今大会が最後のスピード競技でしたがいかがでしたか
最後の最後に走れて良かったなというのと、自分の走りをできたと思います。
――今後も大会は続きますが意気込みなどは
その大会に関しては勝てるチャンスがあると思うので、まずは選手として出られるように頑張って、選手になったら絶対に勝てるように頑張りたいです。
橋本美咲(人4=山梨・甲府南)
――今季トラブルが続いていましたが、今回チームで話されていたことはありますか
いままで原因としては自分の整備ミスという点が大きかったので、皆で小まめに情報を共有していきました。私としても誰かが確認しただろうというのではなく、自分で最後は責任持って確認するというのを徹底しました。
――予選では個人2位という結果でしたが初日の走りについてはいかがでしたか
初日も失敗してしまったところはありましたが、他の選手も1本しか走れないという条件の中ではよくやった方なのかなと思っています。
――何か修正しようとしたことなどありますか
初日の走りは良くも悪くも大きなミスは無かったので、一日で修正できるようなところはありませんでした。
――本選の走りについていかがでしたか
どちらもサイドターンがうまく決まらなくて、それが最後まで足を引っ張ってしまったと思います。
――最後の全日本学生選手権に向けて意気込みをお願いします
フィギュア自体が久しぶりになってしまうので感覚を取り戻すということと、私にとって最後の試合なので勝てるように、また後輩に自分の技術や知識を全部伝えられるように頑張っていきたいです。
森田真(政経2=レイブンウッド)
――きょうはB決勝での出走となりました
きのうの予選でパイロンタッチのミスをしてしまって、Bブロックはしょうがないかなと思いました。
――それを受けてきょうの走りはいかがでしたか
きょうは絶対にパイロンタッチをしないぞと思っていたんですけど、1本目で同じようにパイロンにぶつけてしまったので、改善の余地はいろいろあると思います。
――今季は大会中の棄権も多かったですが、今回は無事に競技を終えましたね
マシントラブルもなくて、スムーズに行けたと思います。
――4年生が最後のスピード競技でしたが、後輩から見ていかがでしたか
ダートとかがいろいろ続いて、4年生の方があまり出られていなかったので、今回はBブロックというかたちではあるけれど一応完走はできて、それは良かったと思います。
――まだ大会は続きますが、これからに向けて意気込みをお願いします
来年からは、ことしの大会に出たのが自分だけになるので、他の選手の人たちを引っ張っていかなきゃいけないなと思います。