太陽の陽が降り注ぐ中、富士スピードウェイで全関東ジムカーナ戦選手権が行われた。ジムカーナ競技は各選手2本ずつ走り、良い方のタイムを競うスピード競技。不規則に置かれたパイロンで設定されたコースを走る。相次ぐミスコースにより、団体として戦えない大学やミスコースを恐れるあまりバックギアをしてしまいタイムを伸ばせない選手が続出する。その様なコンディションで、ワセダは男子個人では山本翔平(国教4=千葉・東邦大付)が4位、白井智也(基理4=東京・早稲田)が6位に入賞し、団体では3位という結果に終わった。女子では岩脇彩香(先理4=東京・創価)が個人の部で優勝するも団体では準優勝。団体戦での勝利を望むワセダとしては、悔しい結果となった。
初出場ながら山本は4位入賞という結果にも満足しなかった。「タイム差が少しだったので1位を取りたかったです」。わずか0.72秒差届かなかった。同じく初出場だった青山広明(先理3=神奈川・聖光学院)は1本目ミスすることなく、1分を切る結果を残す。だが、2本目は攻めの姿勢がミスを生む結果となってしまった。男子唯一の経験者である白井は1本目にパイロンタッチを2度してしまい、精細を欠いた走りをする。2本目はうまくまとめ上げ、1位には約2秒及ばず6位に終わった。
気合を入れた山本の走り
「盾を貰えて嬉しいですが、トロフィーの方が欲しいです」。女子のエースは表彰台の真ん中で淡々と語った。団体で優勝した大学がもらえるトロフィー。個人優勝者への盾では岩脇には物足りなかった。昨年に続いての2連覇だったが、岩脇は悔しさを滲ませた。団体戦では約8秒差で日大に敗れた。橋本美咲(人3=山梨・甲府南)はミスコースへの恐怖からアクセルを踏み切れず、なかなかタイムを伸ばせない。個人8位という結果は団体戦で足を引っ張ってしまった。
個人優勝を果たした岩脇の快走
次回はダートトライアルでの勝負となる。団体での優勝は近年遠ざかっており、ジムカーナと共にスピード競技で勝てていない。経験者は白井、岩脇の二人。男子はいかに白井が他の選手にコツを教えていけるかにかかる。今回はスピードが出せる直線コースが多かった。にもかかわらず、アクセルを踏み時間を稼げなかった。出場した二人共がアクセルを踏むことに恐怖していた。それを取り除かねば「勝利」は掴めない。
(記事 豊田光司、写真 戸田郁美)
結果
※早大のみ
▽男子団体の部
3位 早大
▽男子個人の部
4位山本翔平(国教4=千葉・東邦大付)
6位 白井智也(基理4=東京・早稲田)
▽女子団体の部
準優勝 早大
▽女子個人の部
優勝 岩脇彩香(先理3=東京・創価)
コメント
青山広明(先理3=神奈川・聖光学院)
――きょうの走りを振り返って
1本目は良かったのですけど、2本目もうちょっとうまく走れたかなという部分もあって、いろんなところでミスをしてしまってもうちょっとミスなしで走りたかったです
――緊張など精神的に1本目と2本目の違いはありますか
1本目はミスコースをしないようにという緊張があって、2本目はタイムを出さないといけないという緊張があって、2本目のほうが緊張しましたね。
――団体3位という結果はどうですか
いやー、優勝しないといけなかったと思います。僕自身もっとタイムを伸ばせたと思う部分もあって、まず自分の中で悔いの残らないようにしたかったというのがあります。悔しいです。スピード競技で出る大会はこれが初めてで初めてだったというのを言い訳にしたくないですね。
――走っている最中は何か考えていますか
何も考えていませんよ。楽しくやっています。
――次の大会に向けて意気込みを
とりあえず勝ちます。勝つために尽力します。
岩脇彩香(先理4=東京・創価)
――きょうを振り返って
いつも以上に緊張しました。1本目はきょねんを彷彿とさせるような走りでアクセルをあまり踏むことができませんでした。
――1本目再走になりましたが
超ラッキーと思いました(笑い)。1本試走できたと思いました。
――再走のときもアクセルは踏めませんでしたか
走りなおしになったときも途中までしか走れなくて、アクセルを踏みながらコーナーを抜けていくイメージが薄すぎて、走っている最中に意識してアクセルを踏むことができなかった。
――結果的には個人優勝ですが、どうですか
3年生の頃とかは圧倒的な差で勝てていたのに、いまはタイムが自分に迫ってきていて、それが怖くて仕方なかったです。何とか勝てたという感じで意外と油断できないなと思いました。
――1本目と2本目で走り方を変えたりしますか
気持ちは1本目の方が緊張して、2本目はもうちょっと楽しんで走ろうかなと思って走りました。
――2本目を走る前に1本目の記録を抜かれてしまいましたがどうでしたか
言っても抜かれたのは1本目の記録で、相手は2本目の記録で抜いてきたので、自分も記録が伸びないことはないと思っていたので、不安視はあまりしてなかったです。
――団体戦は2位でしたが
自分の指導力不足です。自分が稼がないといけなかったのに稼げずにいたのと、稼ぎようのない差がありました。自分はここまで育ててもらったのに、後輩を育ててあげることができなかったという反省があります。
――全関ダートに向けて
後輩を育てないといけないと思います。
白井智也(基理4=東京・早稲田)
――今日のレースを振り返っていかがでしたか
一本目でパイロンタッチを2回して正直焦ってしまいました。二本目はタイムを残さなくてはいけなかったので緊張しました。
――一本目のミスは緊張からでしたか
タイヤが温まっていないのと路面が冷めていたからです。あとはことし初めての富士スピードウェイだったので慣れていなかったというのが大きな要因だと思います。
――二本目についてはいかがでしたか
路面もタイヤも温まって、質が上がっていたのでそれをもとに一本目から修正ができました。タイムアップにもつながったので良かったと思います。しかし課題も見つかりました。
――きょうのコンディションはいかがでしたか
例年全関ジムカーナは雨が続いていました。雨のときの練習ができていなかったので、晴れたことで練習の成果が出せました。
――次のレースに向けて意気込みをお願いします
次の全関東ダートトライアル選手権が行われる丸和オートランド那須を走ったことがあるのが岩脇と僕しかいないのでまた同じようにフィードバックフィードバックでほかの選手に教えていきたいです。
橋本美咲(人3=山梨・甲府南)
――今日のレースを振り返っていかがでしたか
練習のときからずっとアクセルが踏めないというのが課題でした。一本目はミスコースをして記録が残らないというのが団体戦だったので何より怖くてやはりアクセルが踏めませんでした。二本目は踏めるようになったと思うのですが、少しミスをしてしまいました。それでタイムが思うように伸びなかったので、すごく悔しいです。
――アクセルが踏めないというのは思い切って行けないということですか
そうですね。一本目にミスコースをしてしまうと記録が残らなくなってしまうのでそれが怖くて、自分の中で絶対に大丈夫だと確かめながらゆっくり走りました。
――きょうのコースは難しかったですか
きょうはスピードが乗るところが多かったので、アクセルが踏めないと記録が伸びなかったと思います。逆にアクセルが踏めるとテクニカルセクションが少なかったので、あまり難しくなかったと思います。
――体調不良のレースへの影響はありましたか
体調管理ができなかったのは自分の責任なので、それを言い訳にするつもりはないです。
――団体2位という結果についてはいかがでしたか
ほんとに悔しいです。岩脇さんが優勝してくれたのに団体が2位というのは私のタイムが影響していると思うので、悔しいですし申し訳ないです。
――次のレースに向けて一言お願いします
次はもっと練習して岩脇さんと1位2位を個人で取って、団体で優勝できるようにがんばりたいです。
山本翔平(国教4=千葉・東邦大付)
――今日のレースを振り返っていかがでしたか
いろいろな反省点が見つかってよかったです。
――一本目は特にミスもなかったように見えました
僕にとって最初の試合だったので少し緊張していました。
――二本目に何か変えたことはありましたか
みんなが応援してくれたので一本目以上に気合を入れて走りました。
――個人4位という成績についてはいかがですか
タイム差が少しだったのでできれば1位を取りたかったです。
――では団体3位という結果についてはいかがですか
それもあと少しだったので悔しいです。まだまだ伸ばせると思います。
――足りない部分は何だったと思いますか
純粋に練習不足だと思います。もっと練習すれば走りの精度も上がってきて、タイムも良いタイムが出ると思います。
――次の試合に向けて一言お願いします
勝ちます。楽しく勝ちます。