貴重な経験を積み大会を終える

自動車

 年に1度の耐久レースの大会である全関東学生対抗軽自動車6時間耐久レース(軽耐久)が長野で開催され、早大からは全4チーム、21人の選手が出場した。各チームが目標を持ち走行に臨んだ今大会。それぞれが経験を積むとともに、チームワークの重要性も再認識できた実りある一日となった。

 6時間にも及ぶ走行での周回数を競う過酷なレース。公式戦デビューとなる選手も多くいる中、3年生主体の早大Aが結果を残した。学生の部に出場した早大A。序盤、車両への配慮から慎重にスタートしながらも首位に大きく離されることなく上位を保ち続ける。この作戦が功を奏し、スムーズに運転を続け、開始2時間の時点から1位・慶大Aとの一騎打ちの様相を見せる。中盤から徐々に差が広がっていった両校。5時間を終えて差を2周とし最後の1時間となる。そして勝負の終盤、最後の追い上げを見せる。しかし意地のラストスパートも及ばず惜しくも2位。強敵・慶大とは来季もしのぎを削りあうこととなりそうだ。

2位入賞を果たした早大A

 学生一般の部に出場したのは早大B、早大C、煌の3チーム。青山広明(先理2=神奈川・聖光学院)がチームキャプテンを務めた早大Bは苦杯をなめることとなった。1、2年生が主体となったチームは車両整備、運転ともに課題を残し10位。「もっと個々の技量を上げていきたい」と語った青山。より一層の技術の向上に励む。同じく下級生主体の早大Cは、完走を目標に挑んだ。出遅れた序盤から巻き返しを見せると、完走を果たすとともに5位というまずまずの結果を残した。しかしチームキャプテンの稲荷経太(人2=岡山白陵)は「まだまだだな」と不満げな表情。この経験を糧にさらなる飛躍を誓った。「3年生チームに負けない」(赤江誠チームキャプテン、文4=静岡・沼津東)と意気込んだ4年生5人のチーム、煌。その言葉通り見事なスタートダッシュを決めた序盤であったが、中盤から車両トラブルに見舞われ失速。無念の9位に沈んだ。

4年生が運転した煌の車

 来季を担う3年生が一定の成果を収めるとともに1、2年生が新たな課題を見つけることができたこの日。早大Aチームキャプテンの原田和樹(社3=神奈川・鎌倉)は「チームワークよくできた」と、全チーム完走という早大全体の目標を達成した今大会を総括した。1カ月後に迫る全日本学生選手権。最終目標のこの大会でまた、この日見られたチームの結束力を発揮できるか。

(記事、写真 伊藤広真)

結果

▽学生の部

2位 早大A 119周

▽学生一般の部

4位  早大C 105周

9位  煌    72周

10位 早大B  65周

コメント

赤江誠(文4=静岡・沼津東)

――チームとしてどのような目標を持って臨みましたか

学生一般の部での優勝は当たり前として、学生の部のチームにも勝つということですね。あと慶大、3年生チームに負けないということです。

――9位という結果については

ドライバーの技術的には十分優勝できるレベルだったと思うんですけど、車の整備不良でピットインしている時間が長かったせいで負けました。悔しいですけど整備不良という自分たちのミスでしたね。

――きょう一日、部員はチームワークよく動けていましたか

下級生もそれぞれリーダーを決めてやっていたんですけど、傍から見ていてうまく2年生が1年生に指示を出せていたし、3年生も自分たちのことをしっかりやりながらも下級生に指示を出せていたので来年が楽しみです。

――下級生にはこの初めての公式戦での経験をどう生かしてほしいですか

それぞれ初めて走って課題というのが見えてきたと思うので、2年生は上級生を追い抜けるように、1年生も技術を向上させて来年、再来年、選手になれるように頑張ってもらいたいです。また3年生は来年部を引っ張れるように、きょう見ていてもっと伸ばせるところがあると思うので頑張ってほしいです。チームのエースとして活躍できるように。

――全日フィギュア(全日本学生選手権)への意気込みをお願いします

4年としては最後の全日本の舞台での公式戦ということで、絶対優勝で最後を飾りたいです。

原田和樹(社3=神奈川・鎌倉)

――そのような目標を持ってこの大会に臨みましたか

まず全チームの前提として完走することです。3台走って1台しか完走できない年が続いていたのでまずは全車完走して順位をつけるということ、そして速い車をつくって、速いドライバーを育てて勝ちにいくということですね。そして最終的な目標としては優勝を狙いました。

――2位という結果について

正直なところ、優勝を狙っていたので残念ではあるんですけど、ただ例年軽耐久(全関東学生対抗軽自動車6時間耐久レース)でいい結果が残せていない中だったので一定の成果はあったと思います。

――個人の走りはどうでしたか

VIVIOという車を初めて導入したんですが、ほかの車より走行性能に優れていてそのおかげで速いスピードで安定して運転できたと思います。

――チーム全体としては

チームワークよくいけました。またチームオーダー、つまりゆっくり走れとかここでアクセル踏めという指示に対して、ドライバーが従順に対応してくれたことで、自分で暴走して車を横転させてしまうことなくできたという点で今年はスムーズに運営できたと思います。

――レース展開はどうでしたか

最初安全に運転しろということで私たちのチームは車の本来の性能よりも低いところでゆっくり走っていたのですけど、ほかの大学がプッシュをかけてくるので数周遅れてしまいました。が、それで徐々にスピードを上げていき1位と2周差済ませられました。

――全日フィギュアまで残り1カ月をどう過ごしていきたいですか

1週間1週間新たな課題を見つけつつ、それを見失うことなくどんどん達成して、その積み重ねで全日フィギュアに臨んでいきたいですね。一日も無駄にすることなく前よりも向上するということが今年の目標です。

稲荷経太(人2=岡山白陵)

――チームとしての目標はなんでしたか

完走ですね。きょねん完走だけで3位になれたので、ことしも同じことをすれば3位になれるかと。

――個人としてはどうでしたか

まだまだだなと。車も遅いんですけどそれ以上に腕がまだまだだと思います。

――チームとしては

1年生がいないチームだったので、やりやすいところもあったのですがその分人が足りないところもあり大変でした。

――レースについては

結果的に4位だったんですけど、3位と1周差だったんですね。その理由が1回車の部品の不具合で止められて整備したんですよ。その間に抜かれてしまったんでそれさえなければって感じですね。

――結果については

満足といえば満足ですが、満足じゃないといえば満足じゃないですね。

――今回の経験をどう生かしていきたいですか

もしらいねんとかさらいねんになって自分が走れることになれば生かせると思うんですけど。そうなれるといいですね。

――全日フィギュアまであと1カ月ですが

とにかく練習時間を無駄にしないように、1秒でも速くなれるように練習していきたいと思います。

青山広明(先理2=神奈川・聖光学院)

――チームとしての目標はなんでしたか

とりあえず入賞して、優勝できればいいなということで。残念ながら入賞できなかったんですけど。

――個人としてはどうでしたか

僕が走っているときに一部壊れてしまってあまり走ることができなかったのでちょっと不完全燃焼という感じはするんですけど、でもやっぱり楽しかったですね。きょねん走れていなかったので。

――チームとしては

結構みんなちゃんと動いてくれて、1年生も全員乗れたので良かったと思います。

――結果については

もうちょっと今までの整備からしっかりやりたかったなというのと、個々の技量を上げていきたいと思います。

――きょうの公式戦での経験をどう生かしていきたいですか

今後今の4年生が抜けた後僕たちの代もどんどん選手に入っていかなくてはいけない学年になるので、3年生ということで選手狙っていくうえで1つの経験として生かしていきたいです。

――全日フィギュアまであと1カ月ですが

とにかくあと1カ月はフィギュアの練習だけしてフィギュアを勝てるように、僕としては選手になれるように頑張りたいです。