快晴が広がり、乾いたダート路が時折煙を上げる栃木・つくるまサーキット那須で全日本学生ダートトライアル選手権(全日本ダート)が開催された。早大自動車部からは安達悠人(社4=早稲田渋谷シンガポール)、宮崎巧郎(法4=富山・高岡)、吉田太郎(人3=大阪・早稲田摂陵)の3名が旧規定男子の部に出場した。早大は波乱の展開となった今大会を落ち着いた走りで制し、団体優勝を勝ち取った。また宮崎が2位、安達が3位に輝いた。
スタート直後の早大車両
今大会は新車両と旧車両の2つのクラスが設定されており、早大は従来の車両を使用する旧規定にエントリーし、9つの大学で優勝を争った。旧車両クラスに持ち込まれた早大の車両は他大と比べてボディの劣化が進んでおり、今大会ではそのマイナスを補っていくドライバーの技量が求められた。3選手全員が1分30秒台という好タイムを出したが、ライバルである慶大が上位を独占する厳しい状況で午前の走行を終える。
レーシングスーツに身を包んだ吉田
今大会は比較的スピードの出やすいコースであったため、午後は慶大を含む複数の大学がクラッシュし走行不能となる波乱の展開であった。そのような状況でも早大は全選手がタイムアップを果たした。1走目に走った吉田は3秒のタイムアップを記録し暫定トップタイムを記録した。そしてこのタイムは後の選手に大きなプレッシャーを与えることとなる。次に走った宮崎は全関東の後からの練習で広げた技術の幅を活かして5秒のタイムアップを果たし、走行時点で唯一の1分20秒代を記録した。最後に出走した安達は最後の大会に向けて、7月の遠征を通してメンタル面を中心に準備をしていたという。3秒のタイムアップを果たしたものの後輩の宮崎には及ばなかった。全選手が見事な走りを見せ、早大は団体優勝に輝いた。
表彰を終えた早大自動車部
全国戦の初戦となる今大会で早大は幸先の良いスタートを切った。これは最後のダートとなる宮崎と安達、そして2人の先輩の背中を追う吉田の3選手がお互いに良い影響を与えつつ日々練習してきた結果だろう。吉田は今大会を振り返って「2人に勝てると思ったが負けてしまい、かなり悔しい」と残念がっていた。シーズン優勝にあたる全日本学生自動車連盟年間総合杯を目指し、早大自動車部は走り続ける。
(記事・写真 大西由雅)
大会結果
▽旧規定男子団体の部
優勝 早大
▽個人順位
2位 宮崎 1分29.54
3位 安達 1分30.48
5位 吉田 1分31.17