関東学生個人選手権本戦 8月23日 夢の島公園アーチェリー場
処暑にも関わらず強い日差しが照りつける厳しい暑さのなか、関東学生個人選手権本戦(個選本戦)のリカーブ女子部門が夢の島公園アーチェリー場で開催された。早大は、8月1日から3日にかけて行われた予選に参加した6名全員が個選本戦への出場権をつかみ取った。五関晄子(スポ1=エリートアカデミー)が初出場で初優勝、渋谷樹里(スポ4=エリートアカデミー)と髙橋梨杏(スポ3=神奈川・横浜)が9位に入るなど、全日本学生女子王座決定戦(王座)の優勝メンバーが躍動した。

決勝ラウンドで行射する渋谷
午前中の予選ラウンドは72射の合計得点で争い、上位32名が午後にトーナメント方式で行われる決勝ラウンドに進出できる。大台の600点を超える601点を獲得した五関をはじめ、調子が悪いなかでも後半313点と巻き返した渋谷、テンポよく射つことを意識した髙橋の3名が予選を突破。王座での創部初優勝に貢献した、高い実力を持つメンバーが勝ち進んだ。

決勝ラウンド2回戦で対戦した髙橋と五関
渋谷は決勝ラウンド1回戦に勝利したものの、2回戦で「自分でもよく分からないミス」が発生し2―6で敗北。調子の悪さを払拭できなかった。髙橋も1回戦で「今の自分の実力的に勝たなきゃいけない相手」に苦戦し、シュートオフにまで持ち込まれるも9―8で辛勝した。2回戦では五関と早稲田対決が実現。3、4エンド目が同点になるなど互角の戦いを演じるも、5エンド目で五関が25点を出し勝利。先輩後輩対決は後輩の五関に軍配が上がった。五関は準決勝での対戦で、すべてのエンドで25点以上の高得点をたたき出すなど順調に勝ち進んだ。決勝ではスコーパーについた先輩の力も借りつつ、苦手とする風読みを克服。1、2エンドからしっかり点を取り、4―0と順調な滑り出しを見せる。3エンド目は同点、4エンド目は点を落とすも、正念場の5エンド目で27点を記録して6―4で勝利。個選本戦初出場で初優勝という輝かしい成果を残した。

優勝し表彰台に上る五関
翌月の全日本学生個人選手権(インカレ)でも栄光をつかむべく日々鍛錬する早大女子。「インカレでも優勝したい」と意気込みを見せる五関を筆頭に、優勝を期待できる実力者がそろう。今回の個選本戦で出た課題を潰しつつ、各選手の光る技術に磨きをかけていく。
(記事、写真 飛田悠那)
結果
▽リカーブ女子
1位 五関晄子 601点
9位 渋谷樹里 591点
9位 髙橋梨杏 573点
50位 浅田陽香 542点
76位 鈴木晴日 512点
131位 西村友杏 431点
コメント
渋谷樹里(スポ4=エリートアカデミー)
――最後の個選本戦出場にどういう思いで臨みましたか
今週入ってから調子が悪かったので、できるところはちゃんと集中しながら、できる限りのことをやろうと思って臨んだんですけど、やっぱり前半からあまり点数がでなくて、後半からけっこう取り返せたとは思うのですが納得いかない結果でした。
――決勝ラウンド1回戦を振り返って
初戦も別にそんな中てられたわけじゃなくて、勝てたけど納得いかなかった感じだったので、今後のインカレとかにつなげられるように一射一射集中して射つよう心がけていました。
――2回戦で敗れた時の気持ちは
大きく緩んでミスするとかではなく、自分でもよく分からないミスがでてしまいましたが、今後改善するべきところが見つかったので良かったのかなと思います。
――インカレへの意気込み
今は調子が悪いので、これまでの良かった感覚を思い出して良い結果を残せるよう頑張りたいです。
髙橋梨杏(スポ3=神奈川・横浜)
――予選を勝ち抜くために工夫していたことはありますか
夏練が始まってから合宿中もずっと、押手をしっかり残すことと取りかけをしっかりかけることを意識していたんですけど、先日の関東ブロック大会で取りかけがうまくいかず全部崩れてあまり良い点数がでませんでした。高校の顧問の先生に「取りかけがだめだ」と言われ、それを今日までにどうにか直そうと思っていて、そこをずっと意識し続けることはできたのかなと思うので、その一つのことをちゃんと意識し続けることができたというのが、後半点数を上げられた一つの要因なのかなと思います。あとは、王座の前のリーグ戦の時から引き戻しが多かったのですが、今日は「1エンド6射につき1回しか引き戻さない」と自分でルールを決めて、なるべくテンポよく、高校時代とか今までのように早く射つっていうのを意識したのが良かったのかなと思います。
――決勝ラウンド1回戦でシュートオフに持ち込んでしまった時の心境
色々あって第1エンド目に射てず、対戦相手に申し訳ないことをしてしまったため、そこをしっかり自分のなかで挽回しました。「当たり前に勝てる試合」だと思いながら挑んだ試合だったので、別に相手を下げているわけじゃなくて、今の自分の実力的に勝たなきゃいけない相手だと思っていました。
――2回戦で五関選手と対戦した時に感じたこと
「晄子かあー」と思いました。正直早稲田対決になるのが早かったなと思いましたし、2回戦で、とも思いました。1つでも順位が違ったらトーナメントの山が違かったのかなと思うと悔しい部分もあって、やっぱり同じ大学の人とは初戦の方ではなく上の方でやりたいじゃないですか。だから「2回戦で晄子とかあ」が感想です。
――インカレへの意気込み
インカレでは、予選からちゃんと600点を超えることを目標で、そこから更に自分の力を出し切って、去年、おととしと進めなかった決勝ラウンドのほうに進出して入賞できるようにしたいと思います。
五関晄子(スポ1=エリートアカデミー)
――優勝への率直な感想を教えてください
率直に嬉しいです。予選ラウンドだと思うようにプレーできなくて、感覚がよく分からないまま決勝トーナメントに進んだので、心配という気持ちもあったのですけど、楽しさという気持ちが強くなってきて、自分のなかで良い感覚やリズムを持ちながら優勝まで進むことができました。
――決勝ラウンド2回戦で髙橋選手と対戦した時の心境
正直一番緊張したトーナメントで、早稲田大学の先輩というのもあるし、知っている関係の人だからこそ余計緊張したのはあるかなと思います。なんで緊張したのかはよく分からないけど、楽しさもありつつ、自分が一番緊張感を持ってやれた試合だったと思います。
――決勝で意識していたこと
今日はけっこう風が強かったので、風読みを大事にしていて、私は風読みが得意じゃないんですけど、後ろで先輩方がサポートしてくださり、「今風が右から吹いているよ」とかっていうのを聞いて、今こうやって射ったらいいかなと考えられました。先輩の力も借りました。
――インカレへの意気込み
インカレもトーナメント形式で優勝が決まるので、この関東大会のトーナメントを生かして、これからまだ時間があるので調整してインカレでも優勝したいと思います。