関東学生リーグ戦で行われた予選を勝ち抜き、再び全日本学生女子王座決定戦(王座)の舞台に立った早大。昨年あと一歩のところで優勝を逃した悔しさを晴らすべく、髙見愛佳主将(スポ4=エリートアカデミー)、園田稚(スポ3=エリートアカデミー)、塚本美冴(スポ3=東京女学館)、髙橋梨杏(スポ1=神奈川・横浜)の4人が代表として出場した。1日目の予選ラウンドを首位と1点差の2位で通過し、勢いをつけて臨んだ決勝ラウンド。順調に勝ち進み、準決勝ではこれまで何度も王座で対戦している因縁の相手・同大と対戦。実力を出しきれず0-6で敗れ、決勝の舞台に立つことはできなかった。その後の3位決定戦では去年の覇者・近大と対戦したが、及ばず。悔しい4位に終わった。
6月と思えない強い日差しの中、今年の王座が開幕した。1日目の予選ラウンドは、各校のメンバー4人が70mラウンドを行い、点数上位3名の合計点で競う。王座独特の緊張感の中、3年連続の出場となった園田は終始落ち着いていた。前半333点で周囲を圧倒すると、勢いそのままに後半も全てのエンドで50点台に乗せ、個人1位に輝いた。初出場となった塚本も第1エンドでは少し調子を崩したが、その後のエンドは「自分らしく射てた」と振り返る。4人全員で高め合った結果の予選2位。首位・日体大と1点差の1866点で、翌日の決勝ラウンドにいい形でつないだ。
予選ラウンドで行射する塚本
予選ラウンド・決勝ラウンドともにエースとしての働きを果たした園田
2日目に開かれた決勝ラウンド。全18校が、予選の結果により決められたトーナメント形式で対戦する。試合形式は3人が2射ずつ射ち、その合計点が相手より高いと2点、同じだと1点、低いと0点が入る。これを3セット行い、最終得点で競う。早大は初めの2射を射つ1番手を園田、2番手を髙橋、3番手を髙見主将が務めた。1日目以上に各校の応援も熱が入り、予選とはまた違った緊張感が感じられる中、早大は岡山大との初戦に臨んだ。明るく、早稲田らしく戦い抜き、ストレート勝ちで岡山大を下す。次戦の長崎国際大戦は第1セットで、初めの3射を園田と髙橋がXに入れ、幸先の良いスタートを切ると髙見主将もそれに続き、5-1で勝利した。髙橋は1年生で初めての王座となったが、予選に続いて決勝でも高得点を残し、勝負強さをみせた。
1年生ながらチームに大きく貢献した髙橋
準決勝の相手は昨年に続いて同大となった。第1セットはこれまでで2番目に高い53点を叩き出すも、相手が55点で上回り、2点を先取されてしまう。その後の2セットは50点台にのせることができず、安定して高得点を取り続けた同大に悔しいストレート負け。目標としていた優勝は今年もかなわなかった。
メダルをかけた3位決定戦では昨年の王者・近大と対戦。初めの2セットを相手に取られ、迎えた第3セット。ここで2点を取れば第4セットまで持ち込むことができるが、実力を出しきれず47点で同点。1-5で敗れ、4位となった。
悲願の優勝は達成できなかったが、王座の舞台でも早稲田らしさを失わず、選手と応援とが一体となって掴んだ4位。今年で最後の王座となった髙見主将は、悔しい気持ちが大きいとしつつも「応援と一体になって出ることができた王座は楽しかった」と振り返った。王座を区切りに髙見主将率いる62代から、園田新主将率いる63代へとバトンが渡される。「これから1番目標としているのは来年度の王座」と髙橋が語ったように、悲願達成に向け、選手はすでに来年の王座を見据え、歩みはじめている。
決勝ラウンドにてガッツポーズをする髙見主将。常にチームを盛り立てる姿が印象的だった
3位決定戦に笑顔で臨むメンバー
(記事・編集 梶谷里桜、編集 星野有哉、矢彦沢壮真、写真 星野有哉、矢彦沢壮真、梶谷里桜)
結果
▽予選ラウンド
女子団体 2位 1866点
▽決勝ラウンド
1回戦 ○早大6-0岡山大
2回戦 ○早大5-1長崎国際大
準決勝 ●早大0-6同大
3位決定戦 ●早大1-5近大
▽最終成績 4位
コメント
髙見愛佳主将(スポ4=エリートアカデミー)
――試合を終えた今の率直なお気持ちは
まずは悔しかったなというのがあります。「もっとできたことたくさんあったのにな」という気持ちが1番かなと思います。
――今まで2回王座に出場されていますが、今回の王座では試合に臨む気持ちに違いはありましたか
過去2年間出させていただいた王座はどちらも無観客で、言ってしまえば私にとって選手としての王座で、有観客で歓声があるのは今年が初めてだったんです。だからそこは1番気持ち的にも違うなと思う部分であって、やっぱり応援の力って偉大だと思うので、その中で試合ができたというのはすごく楽しかったし、すごくいい経験だったなと思います。
――昨日の予選を振り返って
ここ最近練習で調子が良くて、点取りをしても620点くらいは普通に出ていて、という状況があったので、ちょっと自分に期待していた部分はあったんですけど、やっぱり王座っていうものの特別感に自分が負けちゃったな、とは思います。もっと点数をちゃんと出して予選1位で通過したかったな、というのはあって、それがクリアできなかったのは「まだまだ練習不足だったな」とは思います。でもびっくりしたのは予選を2位で通過できたこと、しかも首位と1点差で通過できたことは想像していなかったので、それは後輩2人のおかげだなと思いますし、美冴(塚本)も一緒に頑張ってくれたおかげだなと思います。
――予選2位で通過して、今日はどんな気持ちで臨みましたか
まず「自分がしっかり当てなきゃいけないな」というところと、団体戦は雰囲気が全てだと思うので、何があってもチームを明るく持っていけるようなふるまいをしたいなと思っていました。
――初戦の岡山大戦と、次の長崎国際大戦を振り返っていかがですか
必死であんまり点数を覚えてないんですけど、前の2人が繋いでくれたプラスをしっかりそのまま繋いで次のセットに、次の試合にっていう気持ちはずっとあったので、その2戦は、後ろ(の応援)からも「落ち着いて」と言ってくれていて、焦らずにちゃんと落ち着いて射てたな、と思います。
――緊張はありましたか
最初からずっと緊張していて、でも2人(園田・髙橋)が全然緊張していなくて私だけバクバクみたいな感じでした(笑)。
――同大との準決勝を振り返って
率直に緊張しすぎてちゃんと射てなかったな、というのが1番です。点数的には今までの自分なら出せる点数だったのに、なんか変に焦ってしまって、空回りすることが多くて、すごくもったいないことをしたなと思います。
――3位決定戦の近大戦を振り返って
近大戦も緊張していて、そこから強く打てばよかっただけなのに、なんか変に弱くなって守りに入ってしまいました。最後まで攻め続けるのが1番大事だったのに、攻めようと思っていても結局体と頭は守っているっていうのがあって。今思えば何を守ってたんだろうなというのがあるんですけど。ただひたすら「2人が当ててくれたのに申し訳ないな」という気持ちと、「私本当はもっとできたのにな」という自分への悔しさと色々あります。
――スコーパーを務めていた中村美優コーチ(令4スポ卒=北海道・旭川北)について
私が早稲田を選んだ理由も美優さん(中村美優コーチ)で、王座っていうものの尊さや特別さを教えてくれたのも美優さんで、言ってしまえば2年前の王座で、「私は美優さんともう1回ここの王座に戻ってきたい」という思いが元々あって、それをかなえられました。私よりもっと人一倍王座に強い気持ちを持っていたのが美優さんだったので、誰よりも私は王座というものを意識して4年間練習してきたんですけど、そんな大好きで尊敬している先輩と最後に出ることができた王座で、美優さんに王座制覇を見せてあげたかったなという気持ちはありますし、自分がかなえたかったなという思いがあってすごく悔しいなと思います。
――3番手で射ったことについて
元々高校までとかは3番手を射っていて、3番手ということに対して苦手意識はなかったんですけど、早稲田に入ってからはやっぱり美優さんという完全な3番手がいたので、ずっと2番手で射っていました。3番手でも自分はできると思ってたし、弱くなると思っていなかったので、思っていたよりも当たらなくて、3番手として仕事ができなかったなという悔しさはあります
――近大戦後、髙橋選手を慰めるなど、最後まで選手を盛り立てる姿が印象的でした
私が今まで先輩たちにすごくお世話になったというのがあって、それこそ1年生の時から泣きっぱなしで、そのたびに誰か先輩が助けに来てくれてというのがあったので、私も助けられる先輩になりたいなと思っていたし、率直に梨杏のときは梨杏は1年生なのにすごい頑張ってくれたのに申し訳ない、という気持ちと「よくがんばったね、ありがとう」という気持ちと色々あってそれを伝えたかったです。やっぱり「自分がしっかり引っ張っていこう」というのはずっと思っていました。
――対談の時におっしゃっていた「楽しむ」という目標は達成できましたか
半分くらいかなとは思っています。やっぱり応援と一体になって出れた王座は楽しかったし、3決(3位決定戦)の時はすごく前で応援してくれていて、声も聞こえて幸せだったなと思います。でもやっぱりみんなに勝ってるところを見せたかったというのはあるので、半分半分くらいかなと思います。
――今年の王座のメンバーについて
選考がちょっと遅かったので、なかなか授業とかの日程も合わなくて集まるのが難しかったんですが、私の連絡とかにもレスポンスが早くて、みんなで「これをやろう」、「あれをやろう」という意見を出し合いながらできて、みんなが協力的で主将として引っ張るというよりは支えてもらってチームを作れたかなと思います。これはもちろん応援の力もあるんですけど。選手のみんなにも応援のみんなにも感謝だなと思います。
――今日で主将の仕事が終わりました
最後の円陣でも言ったんですけど、「苦しかったな、やっと終わったな」という気持ちがちょっとあります。過去の先輩みたいにカリスマ性もなかったし、点数をすごく出せるわけでもなかったし、みんなに支えられて走ってこれた1年だったなと思っているので。入ったばっかりの1年生と、去年1年間大変だっただろうと思うけど、すごく慕ってくれた2年生の子たちと、次幹部として引っ張ってくれる63代の子たちと、あとは4年間一緒に走ってくれた62代のみんな、全員の想いがあってここまで走ってこれたなと思うので、純粋に感謝だな、と思います。でもやっぱり主将としてできたことはたくさんあって、「もっともっと残したかったな」とも思うので、ちょっとその後悔はあります。でも私はまだ競技を続けるのでみんなにはなにか返せるかなと。後輩たちのみんなにちょっとずつでも返したいなと思っています。
――同期の皆さんへのメッセージをお願いします
王座にそれこそまどちゃん(廣木円華、人4=茨城・水戸二)もそうだけど4年生の誰かと選手として出たかったというのはもちろんあって。でもここまで私が主将としてこの1年走ってこれたのはやっぱり同期のおかげだし、それぞれがすごい個性を持って、それぞれが役割を全うしたから後輩たちもついてきてくれたと思います。みんなが1つの思い、というよりはそれぞれいろんな思いを集結させて、より良いものにしていこうという思いがあったかなとは思うので、ぶつかることももちろんあったんですけど、そのひとつひとつが無駄じゃなかったんだなと思いますし、感謝感謝の1年だったと思うので、同期のみんなには感謝を伝えたいなと思います。
――アーチェリー部としての大学4年間をふりかえって
波瀾万丈だったなと思います。コロナ禍で入部して、他の同期とも仲良くなれず、半年間部活もなく、言ってしまえば3年くらいだと思うんですけど、怒涛の3年間だったと思います。でもやっぱり「早稲田を選んでよかったな」と思いますし、尊敬する先輩たちと出会えて、頑張ってついてきてくれる後輩と出会えて、一緒に引っ張ってくれる同期とも出会えて、この4年間今思うとあっという間だったなと思います。4年間もっとできたこともあったし、「もっといろいろやりたかったな」と思うんですけど、でもアーチェリー漬けの3年間も悪くなかったな、すごく楽しい部活生活だったなと思います。
――次の試合の予定は
本当の1番直近は学連フィールド(関東学生フィールド個人選手権)です。多分全国大会規模だと、やっぱりインカレフィールド(全日本学生フィールド選手権)ですかね。去年は予選通過できなくてめちゃくちゃ悔しかったので、一旦はそこを目指してやっていきたいかなと思います。
園田稚(スポ3=エリートアカデミー)
――王座を終えた今の率直な気持ちを教えてください
終わって、本当に悔しいというのがあります。ただ、1、2、3位のチームの点数を見ると、今の私たちの実力だと4位が妥当なのかなと率直に思いました。でも、本当はもっといけるはずだったのに、それを上手く引っ張れなくて悔しいなと個人的には思っています。
――対談での宣言通り、予選ラウンドでは個人1位でした
予選1位は自分の自信につながったなと思いました。前半は333(点)で、結構自分の思った通りに射てて、もうちょっといけたかなとも思ったのですが、後半はちょっと追求しすぎてちょっと見失う部分があって、あまり高得点を狙えませんでしたが、結果的には2位と点差をつけて1位を取れたのでそこは良かったですし、早稲田を2位にも引っ張っていけたので、そこでも貢献できたのかなと思いました。
――予選のチーム順位が2位だった点についてはどのように捉えていますか
1点差で2位というのがすごい悔しいです。1回、私が後半に5点を射ってしまって、それがやっぱ響いたなと思うので、そういう大きいミスを減らしていくことが次につながるのかなと 思いました。2位で(決勝ラウンドでは)いい山には入れたので、結果的には良かったのかなと思います 。
――好成績を残した予選ラウンドを経た、今日の調子はいかがでしたか
今日はめちゃくちゃいいわけじゃなかったのですが、結構良かったですし、2本という(射てる本数が)少ない中で10点に決めることの難しさもわかりました。今の自分の調子は100%満足ではないですが、頑張れたかなと思います。
――初戦の岡山大戦、次の長崎国際大戦はストレート勝ちでした
初戦は相手に緊張するというよりはちゃんと自分が射てるか不安な部分はありましたが、しっかり決めるところを決められたのでよかったかなと1戦目と2戦目は思いました。
――昨年同様、準決勝での同大戦となりましたが
やっぱり 一番手の私が10(点)を射って次の2人に回せたら、もうちょっと2人の不安とかを減らせたのかなと思うと、満足した結果ではなかったです。勝てた試合かと言われれば難しいですし、勝ちたい試合ではありましたけど、負けてしまったので、 この経験を活かして、来年はもっとレベルの高いチームを作っていきたいなと思いました。
――今年も最後は近大戦でした
本当にもったいないなという思いが大きいです。自分が10(点)、10(点)と決めていればポイントも取れたし、 その2点差くらいでの勝負が結構多かったので、 自分が一番手として決めきれずに二番手、三番手に回した部分があったので、そこは本当に申し訳ないなと思います。ここでの悔しい気持ちをバネに、早稲田の女子チームをもっと上のレベルに引っ張っていけたらなと思います。
――エースとして、決勝ラウンドの一番手としての自身の働きに点数をつけるなら何点ですか
80点くらいはつけていいのかなと思います。あとの20点分の悔しい思いを来年しないように、その悔しい部分を埋めていけるよう、この1年また頑張りたいと思います。
――3回目の王座で初めての有声試合での王座となりましたが、その点はいかがでしたか
すごい力になるなと思いました。1、2、3戦目は早稲田の人に応援してもらって、気分が上がると言いますか、応援してもらってるという気持ちが伝わってきて、もっと頑張ろうと思いました。ブロンズメダルマッチでは早稲田だけじゃなくて他の大学の人もすごい応援してくれて、 絶対に勝ちたいとすごく思える試合になりました。有声の試合は大学ならではだと思うので、楽しかったし、もっと頑張ろうと思えるいい試合になったなと思いました。
――王座が終わり、代替わりとなりますが、新女子主将としての意気込みをお願いします
みんなには点数面で心配がないように、主将である私が点数面で引っ張って、みんなには練習通り、いつも通りの気持ちで臨めるぐらい安心感を持たせてあげる主将になれるようにしたいです。みんなのために頑張って、みんなを引っ張っていけるような女子主将になりたいなと思います。
塚本美冴(スポ3=東京女学館)
――初めての王座はいかがでしたか
自分では試合が始まる前はあんまり緊張してるような感じはしなかったのですが、いざ射ち始めると自分が思ったように体が動かなかったです。王座の舞台ということを意識してしまって、ちょっと自分の思うような結果は出せなかった感じがします。
――王座と今まで出場してきた個人戦の全国大会との違いはなにか感じられましたか
王座は、その大学の中での選考を通して選んでもらったということがすごい強く感じられました。応援してくれてるみんなの分も頑張ろうって気持ちがすごい強くて、緊張しました。選考を通してこの試合に出場できてるというところが緊張しました。
――昨日の予選ラウンドを振り返っていかがですか
最初のエンドは少し上手く射てないところがあったのですが、それ以降はそこまで大きく崩れることもなく自分らしく射てたので、 来年出られるかわかんないですが、今後につながる試合はできたのかなって思います。
――今回の予選ラウンドでご自身の課題として感じたことはありましたか
課題は立ち上がりが上手くいかなかったところと、上手く射てていても、少し気を抜いた瞬間に大きく外すということです。ずっと集中し続けて射つというところに少し自分は課題を感じました。
――逆に良かったと思うことはありますか
自信を持って射った射が10点に入って、点数のわりには10点をたくさん射てたところが良かったかなと思います。
――昨日の予選ラウンドの段階でチーム内4位となり決勝ラウンドの行射は叶いませんでしたが、その点に関してはいかがでしたか
自分はちょっと上手く射てなくて、悔しい気持ちもあったのですが、あの3人はすごい実力があるメンバーなので、次の日は頑張って応援して、3人が良い結果を出せるように支えようという気持ちになりました。
――昨日の夜はどんな風に過ごされましたか
もう自分は射たないので、少しでも次の日の応援に体力残せるように、たくさん食べて、たくさん寝ました。
――今日の決勝ラウンドはどんな気持ちでご覧になっていましたか
3人に射つところは託したという気持ちで、自分は少しでも応援でた3人のパフォーマンスをいい方向に後押しできたらなという気持ちで臨みました。
――同大や近大、日体大との差はどこにあったと思いますか
自分は実際に射ててないので、あまり詳しくはわからないのですが、ずっと安定して高得点を射ち続けられたところがすごいし、強かったなって思いました。
――4年生が今日をもって引退となりますが、その点に関してはいかがですか
ずっと4年生の先輩方に引っ張ってきていただいて、自分たちが1番上でチームを引っ張るっていうのはまだ少し実感が湧かないですが、この王座まで引っ張ってきてくださった先輩の姿を見習って、また明日からチームをどんどん作り上げていって、来年こそこの舞台で王座制覇にチームを持っていけるように頑張っていきたいと思います。
――これから最後の1年が始まりますが、どんな一年にしていきたいですか
昨年は全国大会に出られるようになって、すごく経験を積めたなと思うので、最後の1年はチームを引っ張るということも頑張りつつ、自分でもさらに競技で結果を出していけるように頑張っていきたいなと思います。
――最後に今後への意気込みをお願いします
今回の王座が選手として出るのが初めてで、新たな発見もたくさんあったので、今回学んだことを活かしてこれからも頑張っていきたいと思います。
高橋梨杏(スポ1=神奈川・横浜)
――王座を終えて、今の率直な気持ちを教えてください
まず悔しいというのが1番ですが、楽しかったなっていうふうに思っています。早稲田大学に入学してから2カ月しか経っていない中で、1番目標としていたところにたどり着くことはできなかったんですけれども、この王座だけでなく、リーグ戦(関東学生リーグ戦)や東日本大会(全日本学生アーチェリー東日本大会)を通して、結構自分の中でもいい成績を残すことができています。そういう面では、よく頑張れているかなって思っています。
――1年生として初めての王座でしたが、振り返っていかがですか
予選ラウンドの前半36射では自分の思うように点数が出せなくて、少し焦りもあったんですけれども、後半36射では後ろで応援してくださっていた先発隊の先輩たちだったりとか、監督、コーチ、あと一緒に行射をしていた先輩たちが「梨杏大丈夫だよ」っていうふうに声をかけてくださったおかげで、後半36射はいつも通りの自分を発揮することができたので、すごく良かったなというふうに思います。本日のトーナメントでは外すことももちろんあったんですけれども、少しはチームに貢献することができたんじゃないかなと思います。
――予選を2位で通過して、今日はどんな気持ちで挑みましたか
昨日夜、正式に王座メンバーが発表されました。まず発表された時、「王座は予選の順位でいきます」って言われた時に、すごくホッとしたというか、ちゃんと入れてよかったな、まずは自分の1つの目標をクリアできたなというふうに思いました。3人しか団体のチームに入れないということで、入ることができてホッとしたっていうのもそうですけど、今日、絶対王座制覇しようって、今年62代で王座制覇しようって思っていたので、早稲田大学の代表になったからには全力を尽くして、1射1射丁寧に射っていこうっていう気持ちでした。
――今日は2番手で行射となりました
高校生の時から1番手か3番手しかやってこなくて、2番手で出る試合って初めてでした。やっぱり稚さん(園田)がいい点数を射ってつなげてくれるので、それを愛佳さん(髙見愛佳主将)までいい雰囲気というか、いい空気をつなげていくのが私の今回の役目だったかなというふうに思っていました。今まですごく苦手意識があったんですけど2番って。気が緩んでしまうというか、あんまり自分はうまくできないなと思っていました。今回王座で2番手っていうのをやってみて、1番手、3番手が大事なのはわかっていたんですけど、2番手もすごく大事なんだなっていうふうに思いました。あと意外と自分、どの順番になってもできるやんって(笑)、意外となんかカメレオンみたいだなって。自分で言うのもあれですけど、意外とやればできるなっていうふうに思いました。
――岡山大戦、長崎国際大戦を振り返っていかがでしょうか
1戦目、2戦目はまだ自分の中であまりエンジンがしっかりかかっていなくて。めちゃめちゃ当たったっていうわけではないんですけど、7点以内に収まっているかな、たまに外れるかな、みたいな感じでした。美優さん(中村美優コーチ)だったりとか、あとは愛佳さん、稚さんが「大丈夫大丈夫」って、「いつも通りでいいよ。そんな焦ることないよ」っていうふうに声をかけてくださったりとか、射線から出て戻った時に後ろを見ると、後ろにいた応援の先輩たちや同期がみんな手を上げて応援してくれました。その後の対戦につながるような、自分を鼓舞できるような試合だったかなというふうに思います。
――準決勝の同大戦はいかがでしたか
まずはさすが同志社だなっていうふうに思いました。自分たちもそれなりに団体練習では点数も出ていましたし、個々もかなりハイレベルな選手ではあったなというふうに思っているんですけれども、やっぱり団体戦は1人2射しか打てない中で、あれだけ全部の試合を通してまとめるってすごく難しいことだなって思っていたので、それを難なくこなしているように見えたところがやっぱりさすがだなって思って。自分たちも練習が少し足りなかったかなというふうな気持ちもあります。やっぱり関東圏には日本体育大学っていう最大のライバルもいますけど、やっぱり全国区で見ても近畿大学さんだけじゃなくて、同志社大学さんもやっぱり自分たちにとって本当にいいライバルかなって、今日の対戦を終えてもそういうふうに思いました。
――3位決定戦の近大戦はいかがでしたか
本当にすごく調子が良くて、途中までめっちゃ当たってたんですよ。10点も入るし9点も入るし、外しても8点とかだったんですけど、最後の最後に5点とかちょっとふがいない点数を打ってしまって。その時に昨年度画面越しで見ていた王座が自分の中でよぎって、あの悔しかった王座がまた繰り返されてしまうっていうか、またそういうふうな結果で終わってしまうのかって思いました。打って5点って言われて、まだもう一射残っていたんですけど、その時にもこの後決めないとまた優勝が遠のいてしまう、制覇がまた来年に持ち越しになってしまうっていうふうに思って、それまでなかった焦りが急に出てきました。それまではすごい冷静に良い集中の中、応援の声も聞こえているけど、やっぱり射線に立ってセットした時にはもう自分の中で全部がシャットダウンされて、すごくいい状態で射てていたっていうのもあって、悔しいなっていうのが1つです。あとはやっぱり大学に入学する前からここの早稲田で王座制覇したいっていうふうに思っていたので、やっぱり3位決定戦に進んだっていう事実がまず悔しいです。62代の先輩たちに王座制覇をプレゼントできなかった、そしてメダルを取ることもできなかったっていうのはすごく自分の中で悔いが残る試合だったかなというふうに思います。
――これから続くシーズンに向けて、意気込みをお願いします
まずこれから1番目標としているのは来年度の王座です。2023年度のアウトドアシーズンでは国体も控えていますし、全日本選手権(全日本ターゲット選手権)や日本学生選手権(全日本学生個人選手権)、あとはナショナルチームの選考会も出られる可能性があるので、それに向けて少しずつ自分の中で調整して、 1点でもいいので毎試合毎試合点数を上げていけるようにこれからの練習、また代が代わっても今日の悔しさをバネに練習していきたいなと思います。