先週に引き続き行われた関東学生リーグ戦(リーグ戦)第2戦。16日の第1戦を2478点の2位で終えた早大は日体大からの首位奪取を目指し、試合に臨んだ。先週チーム個人1位の活躍を見せた園田稚(スポ3=エリートアカデミー)がFISUワールドユニバーシティゲームズ日本代表選考会に出場するためリーグ戦を欠場。エースを欠きながらも、新たに廣瀬心咲(人3=東京・雙葉)を加えたチームは2369点の2位でリーグ戦を終え、6月の全日本学生王座決定戦(王座)出場を確定させた。
予想がつきにくい難しい風の中、第1エンドからチームをけん引したのは髙橋梨杏(スポ1=神奈川・横浜)。「稚さんがいない分、私がチーム引っ張っていこうという気持ちで臨みました」との言葉通り、他大学含め全体的に点が伸び悩む中、先週の得点を上回る309点を獲得。個人3位で前半を折り返す。「早稲田の雰囲気がすごく好きで自然に楽しめた」と振り返るように、点数コールや射ち終わってからの声掛けの際も笑顔で声を出し、1年生ながらチームを盛り上げた。後半に入っても勢いはそのままに310点で個人3位に食い込んだ。
髙橋に続いて存在感を示したのは塚本美冴(スポ3=東京女学館)。「自分自身風が苦手じゃない」と語ったように、前半の第1エンドから最後まで安定した行射で、最終結果は592点。大学からアーチェリーを始めた塚本がチーム2番目の個人5位と確かな成長を見せた。
安定した行射を見せた塚本
その2人を中心に前半苦しんでいた髙見愛佳女子主将(スポ4=エリートアカデミー)や渋谷樹里(スポ2=エリートアカデミー)も後半は調子を上げ、首位の日体大を追走。しかし及ばず前半と合わせて2369点の2位で大会を終えた。王座出場という目標は達成したものの、首位の日体大も主力選手が選考会のために欠場する中、100点以上の差をつけられ、悔しさも残る結果になった。
ハイタッチをする廣木円華(人4=茨城・水戸二)と渋谷
こうして再び王座の舞台に立つことが決まった早大。王座では出場するメンバーが限られているため、今リーグ戦以上に熾烈なメンバー争いも予想されている。その中でも「笑顔が特徴的なチームなのでしっかりみんなで勝ち切りたい」と髙見主将が語るように早稲田らしい明るい雰囲気はそのままに、悲願の王座制覇に向けてさらに進化した選手たちの姿を見るのが楽しみだ。
(記事 梶谷里桜、写真 梶谷里桜、星野有哉、編集 加藤志保)
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結果
▽女子1部
髙橋 619点
塚本 592点
髙見 584点
渋谷 574点
廣木 564点
笹原 543点
廣瀬 479点
細井 449点
2位 早大 2369点
コメント
髙見愛佳女子主将(スポ4=エリートアカデミー)
――先週2位で今日の試合を迎えましたがどんな気持ちで望みましたか
今週はユニバの選考会(FISUワールドユニバーシティゲームズ日本代表選考会)に行ってる組が早稲田も日体大もいないので、今週こそ日体大に勝って1位で終わろうというのはずっと言っていました。
――先週に比べて緊張などはありましたか
点数面での精神的な支柱として、稚(園田稚、スポ3=エリートアカデミー)がずっと引っ張ってくれていたので1人1人が「自分が点数出さなきゃ」って思いはすごくあったかなというのと今日は風が強くてそれに翻弄された部分もあったと思います。
――今のお話にもありましたが、全体的にどの大学も点数が伸びなかったのは風の影響もありますか
緊張感もあると思うんですけど、ここの風は特殊で、思ったよりも風に乗ってミスが大きくなることが結構あって。シューティングラインでは風が吹いてなくて打ったところの過程で吹いていたのでわかりにくくて翻弄されていた子が多かったと思います。
――今日のご自身の射を振り返っていかがですか
「準備不足だったな」というのが1番で、ポイントを決めてきたつもりではあったんですけど、それが上手くはまらなくて普段できていたこともできなくて点数も全然上がりませんでした。黄色に全然入らないところがあってそこが切り替えられなくて、集中もできていなくて反省が多い試合だったかなと思います。
――今日の男子の結果についてはいかがですか
今週は先週の点数よりも上がっていて風があった中でも上がっていたというところはすごく良かったなと思ったんですけど、やっぱり点数帯的に王座出場に追いつけなかったっていうところと入れ替え戦出場になったっていうところが私自身もサポーターに入っていた身としてもうちょっとできたところもあったと思いますし、悔しい部分もあったかなと思います。
――園田さんがFISUワールドユニバーシティゲームズ日本代表選考会を通過されたことについてはいかがですか
それは率直にすごく嬉しいです。昨日もすごく点数が伸びて1位通過で、今日ちょっと沈んでいて大丈夫かな、と思っていたんですけど、最後に逆転で勝ち切るところが「さすが稚だな」と思いましたし、早稲田としてもすごく誇らしいなと思います。
――王座出場がこの試合で決定しました。今大会の課題も含めて王座出場に向けての意気込みをお願いします
やっぱりまずは点数をもう1回上げていくことが1番かなと思っていて、自分も含めまずは点数が大事なので、しっかり点数を出せるようにしていくというところと、笑顔が特徴的なチームなのでしっかりみんなで勝ち切って、その上で自分もちゃんと選手として入って王座制覇に向けて頑張っていきたいと思います。
塚本美冴(スポ3=東京女学館)
――チーム2位だった前回を受けて、今回はどのような気持ちで臨まれましたか
今日の試合は園田(稚、スポ3=エリートアカデミー)がユニバーシアード(FISUワールドユニバーシティゲームズ)の選考会でいなくて、点数的にちょっと不安なところはあったのですが、早稲田女子の普段の力を出せれば、いい点数は出ると思っていたので、落ち着いていつも通り行射することに集中して臨みました。
――いつも通りというのは達成できましたか
風や、他校の応援がある状況の中でも、いつもの早稲田らしい明るい雰囲気で試合ができたと思います。私としては、射形はいつも通りでできたのですが、少し風に惑わされ、思ったような点数が出ない時がありました。
――今日の天候は塚本選手としては難しいものでしたか
少しの風の向きの違いで思ったよりも矢が外れるところが大きかったので、少し難しかったかなと思っています。
――他大も含めて全体的に点数が伸びなかった試合だと思われますが、その中で塚本選手が好成績を収められた要因を教えてください
落ち着いて(試合に)臨めたということと、そこまで自分自身風が苦手じゃないので、 風が吹いているからどうしようと考え込みすぎずに落ち着いて射てたことだと思います。
――前回と比べて、ご自身の調子はいかがでしたか
調子自体は良かったのですが、少し風に左右されて点数は落ちてしまったかなと思います。
――今回の結果で王座への出場が決まりました。王座に向けての意気込みをお願いします
自分自身が大学からアーチェリーを始めて、今までの2年間はあまり王座のメンバーに入るかどうかの争いに絡むことはなかったので、まずはメンバーに入ることを目指して頑張りたいと思います。
髙橋梨杏(スポ1=神奈川・横浜)
――チームとして2位だった前回を受け、どのような気持ちで今日の試合に臨みましたか
稚さん(園田稚、スポ3=エリートアカデミー)がユニバ(FISUワールドユニバーシティゲームズ)の選考会でいなかったということで、憧れである大エースを欠いた状態での第2戦だったのですが、その分私がチーム引っ張っていこうという気持ちで臨みました。先週(チーム内で)2位だったっていうのもあって、なるべく点数を稼いで、 プラスを作って、チームを引っ張っていこうっていう気持ちでした。
――前回からの1週間はどのように過ごされましたか
先週の第1戦は初めての大学の試合だったということもあって、「めっちゃ頑張ろう」と思って、たくさん練習ができました。自分の調整不足ではあるのですが、今週は授業が本格的に始まって、練習をする時間がうまく取れなくて、もうちょっと練習したかったなという感じでした。
――会場に吹いていた風に関して、髙橋選手にとってはいかがでしたか
前半は少し自分の気持ちが弱くて、風に惑わされてしまうことが多かったです。手元が吹いてたというよりは、真ん中から的に向かって(の風)が主に吹いていたのですが、それを読み違えてしまうことが多く、どうしても真ん中に集められなくて、少しだけ焦りました。
――前回のインタビューでの「チーム内1位」を有言実行されましたが、その点はいかがですか
良かった射もあったし、良かった立ちもあったし、あまり自分的に良くなかった立ちもあった中で、619点という自分の試合の中で良い点数を打つことができましたし、チームの点数を上げる貢献も少しはできたかなと思うので、よかったです。
――前週の第1戦と比べて笑顔が増えたように見えましたが
今日は終始笑顔でいることを目標にもしていたので、それを意識もしていましたが、心から楽しいという風に思えた試合でした。早稲田の雰囲気がすごく好きになってきてるので、すごく自然に楽しんでいた感じです。