試合中断のハプニングも、安定感が光り2位入賞! 王座出場に大きく近づく

女子アーチェリー

 4月16日と23日の2日間にわたって行われる関東学生リーグ戦(リーグ戦)、その第1戦が行われた。試合はすべて70m先の的を狙う70mWで実施された。女子の部ではチームの出場メンバーのうち上位4名の合計点をチームの得点とし、2日間の得点のうち高い方を採用。それにより大学対抗で順位を決定する。またその順位で上位5位に入った大学が6月に行われる全日本学生女子王座決定戦(王座)の出場権を手に入れる、というように王座の予選も兼ねた重要な1戦だ。女子は園田稚(スポ2=エリートアカデミー)を筆頭にそれぞれが着実に点数を積み重ね、日体大に続く2位で1週目を終え、王座出場に大きく近づいた。

 晴天の下、立ち上がりからチームをけん引したのはやはり園田。第1、2エンド続けて56点をマークし、圧倒する。そのまま勢いに乗り、前半は332点で個人1位につけた。新戦力の髙橋梨杏(スポ1=神奈川・横浜)なども追随し、首位日体大に続く1236点で2位につけ、前半を終えた。

早大アーチェリー部としてのデビュー戦となった髙橋

 前半終了間際、天気の急変による突然の雷雨で試合が一時中断になるハプニング。選手からは戸惑いの声も上がる一方、「個人的にはありがたかった」と語った髙見愛佳主将(スポ4=エリートアカデミー)が直後のエンドでは55点とその日のベストスコアを出し、後半にむけて調子を上げていく。そのままチーム上位4位に食い込み、主将としてチームを盛り立てた。髙見主将と同様に後半にかけて調子をあげたのは髙橋。早大に入学して初めての公式試合だったが、「先輩方が全員勝ちに行く姿勢でそれに感化された」と実力を発揮。最終的にチームの中で2番目の個人8位と言う結果で、団体2位に大きく貢献した。早大は終始抜群の安定感を見せた園田が個人1位。それに続く3人も600点以上にまとめたものの、首位の日体大にはあと1歩及ばなかった。しかし出場メンバー8人の平均点数は目標の580点を超え、それぞれが切磋琢磨して高め合った結果だと言える。

 来週行われる2週目ではエース園田がFISUワールドユニバーシティゲームズ日本代表選考会に出場するためにリーグ戦を欠場する。チーム編成も1週目と変わることになるが、「誰がフォー(上位4位)に入ってもいいぐらい、点数を出せる人が揃っている」と髙見主将が語るように実力者揃いの早大チーム。今日以上の点数を獲得し、逆転優勝に期待がかかる。

矢取りの際、笑顔で写真に収まるメンバー

(記事 梶谷里桜、星野有哉、写真 梶谷里桜)

結果

▽女子1部

園田 655点

髙橋 615点

髙見 605点

渋谷樹里(スポ2=エリートアカデミー) 603点

塚本美冴(スポ3=東京女学館) 597点

廣木円華(人4=茨城・水戸二) 592点

笹原萌央(人3=東京・東洋英和女学院) 542点

細井眞美子(人4=東京・早実) 521点

2位 早大 2478点

コメント

髙見愛佳主将(スポ4=エリートアカデミー)

――今回のチームとしての目標を教えてください

 点数目標がフォー(上位4人)が2520点、630(点)アベレージで、エイト(8人全員)が4640点、580(点)アベレージで設けていました。フォーが2478(点)で達成できなくて、エイトが591(点)アベレージだったので達成できました。底上げができたというのは良かったのですが、フォーも(目標を)達成したかったなという思いです。

――今回の個人としての目標を教えてください

 620点を目標にしていました。

――前半終了後、「反省、反省」と口にされているのが印象的だったのですが、どういった点が反省点だったのでしょうか

 自分ではやりたいことがあるけど、気持ちで負けてしまって、やれることができなかったというところです。ミスがすごく大きかったので、ちゃんと射てば入るのに、自分に負けてミスをするというところが多かったから、めちゃくちゃ反省だったなと思います。それで多分「反省、反省 」と言っていたんだと思います(笑)。

――髙見選手ご自身の調子はいかがでしたか

 昨年よりは良かったかなと思うんですけど、リーグ戦前に射型を変えて、それがまだうまくはまってないというか。まだ掴みきれてない部分があるのがちょっとまだまだだなとは思います。そこそこは仕上げてこれたなと思っていた部分があったので、ちょっと悔しいところもあるかなと思っています。

――途中雷での中断がありましたが、なにか影響はありましたか

 個人としてはすごくありがたかったなと思っています。結構点数が悪かった中だったので、すごく気持ちの切り替えができて、また頑張ろうと思えたので、個人的には良かったかなと思います。

――チームの2位という結果を受けていかがですか

 チームとしてはやっぱり日体さんと1、2位を争うというのはもうわかっていたことで、勝ちたいねっていうのはずっと言っていまきた。園田(稚)が点数を出した中で、下3人がついていけなかったというところがやっぱり反省点で、そこがやっぱりちょっと弱く出ちゃったかなと思います。

――ご自身の結果はどのように捉えていますか

 個人的に結果としても、やっぱりミスが大きくて、目標点にも届かなかったですし、チームの主将として点数で引っ張っていきたいっていうところもあったので、そこがちょっと弱いところだったなと思います。

――チームの雰囲気はいかがでしたか

 みんな笑顔で頑張ってくれたなと思っています。緊張した中で固くなるのではなく、笑顔でやっていこうというのをみんなに言っていたところではあって、これは私自体の力ではどうにもならないので、みんながすごい協力してくれて、頑張ってくれたおかげだなとは思っています。

――来週のリーグ戦第2戦への意気込みをお願いします

 来週は(園田)稚がいないので、1人大エースが欠けてしまう形であるのですが、早稲田には誰がフォーに入ってもいいぐらい、点数を出せる人が揃っているので、 しっかり来週も自分の今日の点数をみんなそれぞれが超えて、来週こそは(上位4人のアベレージが)630(点)と(8人全員の総得点が)2520(点)を達成できるように、また笑顔で終われるように頑張っていきたいなと思っています。

園田稚(スポ3=エリートアカデミー)

――今回の個人の目標を教えてください

 来週にユニバーシティゲームズ(FISUワールドユニバーシティゲームズ)の選考会があるので、そこで良い結果を出すために、ここでもある程度高い点数を出そうと思っていました。ここの会場(夢の島公園アーチェリー場)は風がすごい難しいので、風に惑わされないように強く射つというのが今回の目標でした。

――直近の調子はいかがでしたか

 練習ではすごい良い感じで射てているのですが、記録会でそれができるのかは自分ではわからなくて、本番ではどうなのかすごく知りたい気持ちがありました。夢の島で射てたのはすごい良かったですし、 自分の練習の結果が出てるなと思いました。

――雷による中断がありましたが、今日の天気に関してはどのように感じていましたか

 結構射ちやすい方だなとは思いました。風もそんなに強い方ではなかったですし、雨も実際そんなには降らなかったので、いいコンディションで射てたかなと思います。

――中断の影響はありましたか

 やっぱり体が固まってしまうので、ちょっと嫌だなという思いはあったのですが、こういうことも(また)いつかあると思うので、そういう経験だなと思えました。

――個人1位という結果についてはどう捉えていますか

 すごい強い選手がいる中で、1位を取れたこともすごい嬉しいですし、自分の自信にもつながるので、1位を取れてよかったなと思います。

――練習通りの成果が今回出せたということでしょうか

 8割ぐらいですかね。どうしても惜しいなという部分もあるので、それをまた調整して、来週頑張りたいなと思います。

――FISUワールドユニバーシティゲームズ日本代表選考会に向けての意気込みをお願いします

 その試合のために今まで練習してきたので、そこで自分が練習してきたことを全て出し切れるような試合にしたいと思います。

――チームは来週、またリーグ戦の第2戦があると思いますが、チームに向けてメッセージをお願いします

 私がいなくてもみんな個々が強いので、みんなで力を合わせて勝ちにいってほしいなと思います。

髙橋梨杏(スポ1=神奈川・横浜)

――今回のリーグ戦の目標を教えてください

 早稲田のアーチェリー部としてのデビュー戦だったので、チームに貢献できるようにというのを目標にしていました。また、最近強く射とうということを意識して、それが安定もしてるので、それを発揮できるようにという風に思っていました。

――早稲田大学アーチェリー部の一員として初めて戦う公式戦だったと思いますがいかがでしたか

 練習試合の時とは少し違っていて、 全員が勝ちを狙いに行く姿勢、先輩方のそういつまた姿勢に自分の感化されて、すごいいい雰囲気で試合ができたかなと思います。

――チームの雰囲気で早稲田らしさを感じるところはありましたか

 笑顔がすごく全体的に多いかなと思います。チームの目標にも入っているんですけど、アイコンタクトを取るとか、本当に男子女子関係なく、みんな笑顔でいるところが早稲田のいいところかなと思っています。

――髙橋選手ご自身の調子はいかがでしたか

 大学に入ってから伸び悩むかなと思っていたのですが、憧れの(園田)稚さんの近くで射つことができて、すごい自分でも良い影響を受けられて、 最近620、630点くらいで安定していたので、調整としては、すごく良かったかなという風に思います。

――チームで2位、全体でも個人8位という結果でしたが、その点はいかがですか

 上手い先輩がいっぱいいらっしゃる中で、(チーム内)2位を選考の時からキープできているので、すごく自分的にもよく頑張れているなと思います。これから稚さんに追いつけるように、 まずはずっと2位を譲らないように頑張っていきたいと思います。

――雷による中断がありましたが、その影響はありましたか

 雷が鳴る直前くらいに少し調子が崩れて、あまりうまく点数が出ていませんでした。雷のおかげではあるのですが。一定時間射たなかったからこそ、 切り替えて、これからもっと巻き返して、頑張ろうという風に思えたので、そういう面では良かったかなと思います。

――来週の第2戦への意気込みをお願いします

 来週は稚さんがいなくて、アベレージが下がってしまうかもしれないですが、その中でも自分がこのチームを引っ張っていく、このチームの点数をあげるんだという風に気合を入れて、自分でしっかり1週間調整をして、 リーグ戦第2戦に臨みたいなと思います。