全日本学生個人選手権(インカレ)の予選を兼ねた関東学生個人選手権(個選)が夢の島公園アーチェリー場で開催された。早大女子からは2週間前に行われた予選を突破した7名が出場。廣木円華(人3=茨城・水戸二)が4位入賞、髙見愛佳女子主将(スポ3=エリートアカデミー)も9位に入り、代替わりを経て最上級生となった3年生コンビが好成績を記録。新体制初の公式戦は上々なものとなった。
風のない好条件で進んだ前半。今季好調を維持する廣木が序盤から着実に得点を重ねて1位を快走。「練習では大きなミスが多かったのであまり自信があまりなかった」という髙見女子主将も297点にまとめ、8位で折り返しを迎えた。
前半を1位で折り返した廣木
しかし、後半に入った9エンド、突如夢の島に強い横風が吹く。「そこで崩れて点数が落ちてしまった」と振り返った廣木は4位入賞を果たすも、他のエンドでは前半と変わらず安定して得点していただけに悔しいエンドとなった。このエンドの影響で多くの選手が後半のスコアを落とした中、渋谷樹里(スポ1=エリートアカデミー)は前半を上回る行射を披露。19位だった前半から9つ順位を上げ、10位で大会を終えた。
女子主将就任後初の公式戦となった髙見
9月に行われるインカレには各地区で行われる予選会で記録された点数によって出場者が決まる。関東地区の予選会となった今大会の結果で髙見女子主将、廣木、渋谷、矢原七海(スポ4=福岡・柏陵)の出場権獲得も有力視され、目覚ましい成長を見せる廣瀬心咲(人2=東京・雙葉)、塚本美冴(スポ2=東京女学館)も他地区の結果によっては出場の可能性がある位置につけた。早大女子からは園田稚(スポ2=エリートアカデミー)が5月の全日本学生東日本大会で出場権を獲得している。代替わり後初の大会で好スタートを切った早大女子の大阪・服部緑地での躍動が期待される。
(記事 星野有哉、写真 是津直子、藤田珠江、湊紗希)
関連記事
浦田が3位入賞! 4年生が貫禄を見せつける/関東学生個人選手権(8/23)
新体制初の試合、17人が本選に駒を進める!/関東学生個人選手権予選(8/11)
結果
▽リカーブ女子
4位 廣木円華 608点
9位 髙見愛佳 582点
10位 渋谷樹里 572点
15位 矢原七海 562点
30位 廣瀬心咲 532点
32位 塚本美冴 525点
63位 笹原萌央 452点
コメント
髙見愛佳女子主将(スポ3=エリートアカデミー)
――個選全体を振り返って
予選の方は50㍍で思ったよりも点数が出て、最近練習であまり当たらないことが多かったのですが、予選の50㍍は結構当たったなという印象でした。でも30㍍が当たらなくて、予選を通して押し手が駄目だと実感しました。やはり大事なのは本戦なので本戦頑張ろうと思って70㍍を練習していたのですが、練習では大きなミスが多かったのであまり自信があまりありませんでした。練習をいろいろな人に見てもらって、自分って弱く打っているんだなというのを教えてもらって、そこを意識して練習して、いい気持ちで入れたのが良かったなと思います。ただ、試合結果に関しては、何か特別なことがあったわけではないのですが、焦ってしまうことが多かった印象です。
――後半は風が強い中でしたが
風に関しては、ここ最近すごく来ていて。8月序盤にあった関東ターゲット(関東地区ターゲット選手権)が爆風だったので、それよりは吹かないだろうと思って来ていたので、思ったより風に対して冷静でした。「そうだよな、流れるよな」という気持ちで射てたのが点数につながったかなと思います。
――個選での女子の結果をどう評価していますか
今大会はめちゃくちゃ(予選を)通った印象があって、みんなで本選に来られて良かったなというのが一つです。女子はやはり雰囲気の良さが前の主将(矢原)から引き継いだものだったので、それをさらに生かしていきたいなというのがあって、後輩たちにも「緊張します」と言われて声をかけたりアドバイスをしたり、みんなで頑張っていこうという雰囲気があったのが良かったなと思っています。
――代替わりしてから2カ月ほどたちましたが、現在のチームの雰囲気をどう見ていますか
女子チームとして競技レベルの差が大きい部分があります。園田稚(スポ2=エリートアカデミー)がすごい上を行く中で、私たちがもっとそこに刺激を受けて付いていかないとなと思いますし、自分に対して諦めている選手もいるので、選手層に幅はあってもみんなに可能性があるというのを知っていってほしいなというのが一番の思いです。その思いでチームとしてもっと結束力を深めていこうというところです。早大全体としては、男女問わず仲が良いところがこの部活の良いところなので、合宿もこれからあるのでそこにつなげていけたらなと思います。
――インカレに向けて意気込みをお願いします
インカレは1年生の時に出させてもらって、昨年は中止だったので2年ぶりになります。個人戦ですが、個人の結果がチームに良い影響をもたらすのは間違いないと思っているので、この1カ月で練習をもっと積み重ねて、主将らしくなったねと思えるような点数と振る舞いをしていけたらいいなと思っています。
廣木円華(人3=茨城・水戸二)
――今日はどのような目標で臨まれましたか
まずインカレへの出場が目標というのと、8位までは入賞ということで、その入賞を目指して頑張っていました。
――前半は1位で折り返しとなりましたが、振り返っていかがでしたか
点数は自分の中で良かったので、順位などは見てなく、終わってから1位で折り返したことを知りました。最後は少し下がってしまったので、もう少し頑張れたかなという悔しい気持ちと、目標は達成できたのでインカレに向けて頑張ろうかなというのが今の気持ちです。
――後半を振り返っていかがですか
途中でいきなり風が強くなったエンドがあって、そこで崩れて点数が落ちてしまいましたが、それ以外は50点以上で点数を安定させられました。突風などがあったときに冷静に判断できれば午後の点数も下がらなかったと思うので、風の読みが今後の課題かなと思います。
――Xの個数差での4位となりましたが、どのように捉えていますか
Xは点数的には10点と同じなので、表面の点数上では見えにくい数字なのですが、今回初めてX差でメダルの有無に関わってきたので、自分としてはX差も大事なんだと知ることができました。あとはより真ん中に命中することに価値がある競技だなと感じたので、狙い込みすぎず、でもたくさんX、10点に入るようにこれからも練習したいと思います。
――最近の調子はいかがですか
練習ではあまり点数が出ない日が続きましたが、個選は予選も本選も8位以内に入ることができて関東での実力がどのくらいなのかわかったので、もっともっと力をつけて全国でも優勝を目指せるように頑張りたいと思います。
――最後にインカレへの意気込みをお願いします
インカレは以前の大会が中止になってしまったこともあって初めての出場なのですが、挑戦者の気持ちでトーナメントでもしっかり戦えるように、万全の準備で臨みたいと思います。
塚本美冴(スポ2=東京女学館)
――予選を振り返って
最近あまり調子が良くなかったので、この試合に向けてはだいぶ調子を戻せたかなと思っていて、予選は練習通りにできたのですが、本戦は少し体が固まっていつも通りに打てないところがあったかなと思います。
――今日の目標は
目標は今までの試合での自己記録が584点くらいだったので、それを更新したいなと思ってやっていました。
――前半を振り返っていかがですか
前半は緊張していたのもあって思うように打てませんでした。最後はだいぶ巻き返せたのですが、それまでがあまりうまくいかなかったと思います。
――風がある中で耐えた印象でしたが振り返って
風がある時は耐えられたのですが、逆に風がない時のミスが大きかったので、風があってもなくてもちゃんと射てるようにしたいです。
――今後への意気込みをお願いします
調子が悪い中で戻して思った通りに強く射てるようにやっていきたいと思います。