難敵に食らいつき、優勝へ望みをつなぐ

女子アーチェリー

※氏名に旧字体を含む場合は、原則として新字体に直して掲載しております。

2戦の良い方の記録の上位5校が全日本王座決定戦(王座)への切符を手にする関東学生リーグ戦(リーグ戦)。その第1戦がこの日行われた。早大は首位日体大に50点差を付けられ2位で折り返すも、後半はぴたりと追随し、最終的には日体大と50点差の2581点を記録。王座出場を確定的なものとし、4年ぶりのリーグ戦優勝に望みをつないだ。 

 午前中に行われた男子と同様、風が少なく良好なコンディションで行われた前半50メートル。先週の選考会でFISUワールドユニバーシティゲームズ日本代表に選出されたエース・園田稚(スポ2=エリートアカデミー)が久しぶりの50メートルでの試合ながら、全てのエンドを50点以上にまとめ、個人3位を記録。また、矢原七海女子主将(スポ4=福岡・柏陵)、渋谷樹里(スポ1=エリートアカデミー)、高見愛佳(スポ3=エリートアカデミー)が全てのエンドで45点以上をマーク。首位日体大と50点差の2位で前半を折り返した。

日体大に迫りたい後半は園田が6エンド中4エンドで59点以上をたたき出す驚異的な追い上げをみせ、松下千華 、渡辺麻央(ともに日体大)を逆転し、個人1位を獲得。さらに尻上がりに調子を上げていった広木円華(人3=茨城・水戸二)が最終エンドで30金を出すなどチーム内2位の好得点をマークするなど日体大を猛追したが、差を縮めることはできず。奇しくも男子と同じく日体大に次ぐ2位で第1戦を終えた。

ムードメーカーでもある矢原

4年間チームを引っ張り続けた中村美優前主将(令4スポ卒)が卒業して初めての団体戦となった今回のリーグ戦。その穴を感じさせない戦いぶりの鍵となったのが雰囲気作りである。「早稲田女子らしい楽しい雰囲気でできました」と矢原主将が振り返るように、スター選手揃いの宿敵・日体大を追いかける難しい展開ながら、エンドの合間には笑顔も見られるなど終始和やかな雰囲気で戦い抜いた。大学での初の公式戦となった渋谷や競技を始めたのは大学からだがリーグ戦デビューを果たした田中伶奈(人3=東京・国際)、塚本美冴(スポ2=東京女学館)、廣瀬心咲(人2=東京・雙葉)が伸び伸びと行射していたのはその象徴と言える。チーム全員で一丸となって戦うという早大らしさを存分に発揮し、4年ぶりのリーグ戦優勝への望みをつないだ今回の試合。このままの勢いで逆転優勝を勝ち取り、王座に弾みをつけたい。

(記事、写真 星野有哉)

結果

▽女子1部

園田 668点

広木 642点

矢原 641点

渋谷 630点

高見 617点

塚本 602点

広瀬 578点

田中 561点

2位 早大 2581点

コメント

矢原七海女子主将(スポ4=福岡・柏陵)

――チームを引っ張り続けた中村前主将(令4スポ卒)が抜けて初めての団体戦だと思いますが

この代は結果を出すための雰囲気作りやモチベーションの向上という部分を大事にしているので、無声試合ではあったのですが、早稲田女子らしい楽しい雰囲気でできましたし、誰も落ち込むことなく、自分の目標を達成するために試合に臨めたと思います。

――雰囲気作りという点では矢原主将が声をかけて回っている点も印象的でした

アーチェリーという競技の特性上、困っていても一人で解決できないことも多いので、普段から声を掛けるということは意識しています。

――矢原主将個人としての調子はいかがでしたか

最近あまり調子が良くないというのが続いていたのですが、昨日良い点数を出すことができて、今日も点数出せるといいなと思っていたのですが、少し及びませんでした(笑)。ただ、昨日見つけた課題や修正点を抑えることはできたので、良い方向に向かっていると思っています。

――今日チームで立てた目標を教えてください

順位に関わるチーム上位4人の5人が2600点。出場8人全員の合計が4920点というのを目標としていました。

――前者惜しくも19点届かず、後者は達成という結果でしたが、どのように評価しますか

上位4人の点数も大事なのですが、早稲田女子は全員で戦うということを大切にしているので、8人の目標を達成できたというのは非常に良いことなのかなと思っています。

――日体大と50点差の2位でしたが、その点はどのように受け止めていますか

関東1位を目指しているので、負けたことに関してはとても悔しいです。ただ、前回の練習試合も同じくらいの点差で負けているので(編集注、早大2503-2560日体大)、自分たちもレベルアップしているのですが、同じように日体大もレベルアップをしているなということは感じました。とても良いライバルなのかなと個人的には思っています。

――今日得ることができた収穫と課題について教えてください

収穫は無声試合でも声掛けなど早稲田女子らしい雰囲気作りができて、一丸となることができたことです。全員が自分の目標に向けて頑張ることができていたので、特に課題はないと感じています。

――来週の第2戦に向けての意気込みをお願いします

自分も含めて上位4人の点数をもっと上げて、関東1位を獲れるようにしたいです。また、このチームから一人でも多くの選手が東日本(全日本学生東日本大会)に出場できるよう頑張りたいと思います。

園田稚(スポ2=エリートアカデミー)

――今日の調子はいかがでしたか

今日は50mの方は、あまり出だしが良くなくて微妙だったのですが、微妙なりに挽回できたかなと思っています。30mの方は途中あれ?と思う部分もありましたが、最後まで乗り切れたと思います。

――終盤につれて笑顔が増えたように感じたのですが、そのあたりも影響していますか

そうですね。スコーパーの人と喋ったり、周りの人といい雰囲気を作ることができたかなと思います。

――1週間前は選考会で70mを射っていたと思うのですが、1週間でショートハーフになったということですが、調整についてはいかがでしたか

やることは一緒なので、全然違うから頑張ろうって感じじゃなくて、同じ感じで距離がちょっと短くなっただけ感じで、頑張ろうとラフな感じでやったので結構良かったと思います。

――直近では個人で試合に出ることが多かったと思うのですが、久々の団体戦はいかがでしたか

周りに仲間がいると自分が調子良くなくても、調子が良い人は絶対にいるので、流れを見て自分ももっと頑張ろうと思えますし、調子が悪い人がいたらその人を支えるために頑張ろうと思えるので、やる気が出ます。

――個人成績では前半3位で折り返して、後半に追い上げ、最終的に1位ということでしたが、その点についてはいかがですか

個人成績は気にしてなかったので知らなかったのですが、今の出せる自分の実力を精一杯出せたと思います。その結果1位を獲れたというのはすごくうれしいです。

――来週の第2戦に向けての意気込みをお願いします

来週のリーグ戦は50メートルも30メートルも1位を獲れるようにしっかり練習していきたいと思います。

渋谷樹里(スポ1=エリートアカデミー)

――今日の調子はいかがでしたか

そんなに良くはなかったですけど、上手くいかなかったときは切り替えてできたので、良かったかなと思います。

――チームに合流してからどれくらいですか

最初に出たのが、3月末の試合だったので、まだ数週間とかです。

――早稲田大学に入学してからはどのような練習をしていましたか

大学に入ってからは、まだ大学の雰囲気を掴み切れていないところはあるのですが、たくさん声もかけてもらって、仲良くさせてもらって、(矢を)射つ練習は普段と変わらないですが、楽しい雰囲気の中で練習できています。

――早稲田大学の一員として戦う初めての公式戦でしたがいかがでしたか

すごく先輩方が声を掛け合って、励まし合いながらできていて、すごく良い雰囲気だったと思います。

――経験の少ないSHの形式でしたが、いかがでしたか

やはり大学の最初の試合ということもあって、緊張してしまって、上手くできないことも多かったです。

――難しい気候での試合となりました

寒くて硬くなってしまうことが多かったですけど、その中で自分なりに頑張ろうというふうに、工夫しながら試合に取り組めたかなと思います。

――同的が矢原主将でした

すごく明るく声をかけていただいて、すごく明るい試合ができたと思います。

――個人順位が13位でしたが、この結果はどう考えていますか

東日本につながる試合であったので、今回の反省も生かしながら、次の試合につなげていけるように頑張りたいです。

――来週の第2戦に向けての意気込みをお願いします

来週は今回の試合でできなかったことを踏まえて、1週間練習を頑張って、また次良い点数を出せるように頑張っていきたいと思います。