若い力が光り、開幕白星スタート!

女子アーチェリー

 ことしも、アーチェリーの季節がやってきた。関東学生リーグ戦(リーグ戦)が開幕し、全日本学生王座決定戦(王座)制覇を目指す早大は上智大と対戦。50メートルは全体的に射が安定せず、リードこそしたものの僅差で前半を折り返す。一方、30メートルでは本来の実力を発揮。最終的には2499-2384と点差を広げ、大事な初戦を白星で飾った。

 アウェーでの立ち上がりを不安要素としている早大は、この日も苦しいスタートを強いられた。チームの大黒柱である福井瑞生女子リーダー(スポ4=埼玉・春日部共栄)も、例外ではない。前日からの体調不良も影響し、50メートルを終えた時点で287点と伸び悩む。「いつもと違う環境で試合をさせてしまって申し訳ない」と悔しさをにじませた福井。それでも、女子リーダーの不調を補うべく奮起した下級生が、後半の30メートルで怒涛(どとう)の追い上げを見せることとなる。

ミーティングを行い気を引き締める女子チーム

 最も輝きを放ったのは、新エースとして期待されている舩見真奈(スポ2=山形・鶴岡南)だ。50メートルでチーム唯一の300点台を記録すると、「自分のベストを尽くせた」という30メートルではさらなる高得点を連発。合計652点をたたき出し、勝利に貢献した。またリーグ戦初出場の川部栞里(文2=千葉・船橋)が自己新記録をマークするなど、ルーキーの加入を前に新2年生が躍動。そんな中後輩に負けじと、富田芽生(スポ3=北海道・帯広三条)も後半に調子を上げる。学年が一つ上がり「いかに部内を引っ張っていけるか」という意識が芽生えたと語る富田が、得意の30メートルで結果を残した。選手たちにとっては納得のいく内容ではなかったものの、次戦に弾みをつける流れのまま試合は幕を閉じた。

勝利に大きく貢献した舩見(中央)

 「上級生も一緒に点数を上げていけたら」(福井)。下級生の活躍が目立ったが、長丁場を乗り切る上で4年生の再起は不可欠だ。そして、富田の「応援の方々の力もうまくパワーに取り込むことができた」という言葉が示すように、女子チームを支える監督やコーチ、OGらの存在は大きい。王座への切符をつかむことができるのは、リーグ上位5校のみ。全国制覇の夢へ向け、負けられない戦いは続いていく。

(記事 川浪康太郎、写真 山下夢未)

結果

▽女子

○早大2499-2384上智大

コメント

福井瑞生女子リーダー(スポ4=埼玉・春日部共栄)

――リーグ初戦でしたが、どのような意気込みで臨みましたか

毎年女子チームでは出だしの調子の悪さが課題となっているので、ことしは最初から点数を出していきたいなと思っていたのですが、不調というのもあって点数は出なかったです。ただ、個人個人でやるべきことはできていたので、気持ちを切り替えて今後の試合につなげていけたらなと思います。

――主将として臨むリーグ戦ということで、昨季と比較して心境の変化はありますか

女子リーダーであるということと点数を出すということの両方から、しっかりチームを支えていきたいと思っていたのですが、昨日体調を崩してしまったこともあり、下の子たちにいつもと違う環境で試合をさせてしまって、申し訳ないです。でも、みんなその中でもしっかり対応してくれたので、感謝しています。

――ご自身の得点を振り返って

練習のときとそれほど変わらない点数なのであまり出ていないと思います。試合ではもっと点数を出さないといけないので、調整して一戦一戦少しずつでもいいので上げていけるようにしたいです。

――下級生の活躍についてはいかがですか

リーグ戦に初めて臨んだ川部(栞里、文2=千葉・船橋)が試合新を射っていたので、このあとも期待しつつ、上級生も一緒に点数を上げていけたらと思います。

――今季の抱負があれば教えてください

点数目標は640点を取ることで、女子リーダーとしてチームに貢献できるようにしたいです。

――次戦に向けての意気込みをお願いします

きょう試合に出れなかったメンバーも僅差で選考から落ちていて、試合に出る人はどんどん入れ替わってくると思うので、各自の目標を定めて一戦一戦臨んで欲しいです。

富田芽生(スポ3=北海道・帯広三条)

――初戦白星スタートとなりましたが、振り返って

全体的にも私個人としてもいつもの練習通りの点数ではなく、落ち込んだ点数になってしまったので、勝ちは取れたと言っても納得のできる内容ではなかったと思います。

――序盤全体的に得点が伸びませんでしたが、緊張はありましたか

アウェーの試合になるとどうしても序盤で焦ってしまったり浮き足立ってしまうことがあるのですが、今回はそのパターンに陥ってしまったと思います。

――後半はチームの調子も上がり、大きな声援などいい雰囲気に見えました

チームの雰囲気はとてもよかったと思います。応援の方々や監督、コーチ、OBやOGの方々も駆けつけてくださって、ワセダの女子だけの力ではなく応援の方々の力もうまくパワーに取り込むことができたのではないかと思います。

――ご自身の50メートルの得点はいかがでしたか

50メートルは10点満点中1点になってしまう大きなミスが目立ってしまって、そのあとも大きく外す射と真ん中に入る射の差が大きかったと思うので、自分では納得のいかないものでした。

――一方の30メートルはいかがでしたか

30メートルも、50メートルと同様自分の中ではいいと思える射ではなかったのですが、50メートルの点数からはしっかり点数を挽回できたので、その点では切り替えがうまくできたのではないかと思います。

――リーグ戦で戦う上で、3年生となり心境の変化はありましたか

上の先輩を見ている中で、大学生活におけるアーチェリー人生の最後が段々見えてきて、その中でいかに部内を引っ張っていけるか、点数でも雰囲気でも明るく盛り上げていけるかということを考えるようになりました。いままでよりも、自分がどのように動けばいいのか、下の子たちが自分をどのように見ているのかということを考えながら動けるようになりました。

――次戦への意気込みをお願いします

今回は勝ちを取れたといってもいい試合内容ではなかったので、次の試合ではいい試合内容で納得のできる勝ちが取れたらいいと思います。

舩見真奈(スポ2=山形・鶴岡南)

――リーグ初戦でしたが、どのような意気込みで臨みましたか

きょうは私にとって2年目の初戦になるので、普段通り落ち着いて、練習してきたことを発揮できるようにということを意識して臨みました。

――ルーキーイヤーの昨季と比べて、気持ちの変化はありましたか

昨季は初のリーグ戦ということもあって自分のことで精一杯で焦ってしまったりだとかがあったのですが、今回はしっかりとチーム全体でということを考えつつ試合に臨めたと思います。

――ご自身の得点についてはいかがですか

最初の50メートルは自分の点数が安定せずに点数を出せるところで出せなかったので、まだまだだなと感じました。30メートルでは自分のベストを尽くせたと思います。

――現時点でのチームの課題は

きょうの試合はこのチームで初めて臨むリーグ戦ということもあって、冷静にという感じではなく慌てているところがあったので、落ち着いてチーム全員でもっと盛り上がれるようにできればいいなと思います。

――今季の抱負を聞かせてください

王座の選手に選ばれ、王座優勝のためにチームに貢献できるような選手になることです。

――次戦への意気込みをお願いします

次の試合まであと一週間あるので、しっかりと弓の調整や射形の調整をして今回以上の点数を出せるようにしたいです。