リーグ優勝ならずも健闘 成長感じる一戦に

女子アーチェリー

関東学生リーグ戦(リーグ戦)もついに最終戦。日体大との優勝決定戦を迎えた。今戦はここまでの30メートル、50メートルとは違い、70メートル2ラウンドで競われる。早大は実力を存分に発揮し、高得点を重ねていく。しかしそれを上回る得点を挙げる日体大に力及ばず、2478-2541で試合終了。またしても2位でリーグ戦は幕を閉じた。

何度もこの舞台で顔を合わせてきた両校。しかし早大はいままでリーグ戦において日体大を破ったことはない。苦杯を喫してきただけに、この一戦に懸ける思いは強かった。その気持ちに応えるように、選手は自身の持つ力を得点に変えていく。光ったのは舩見真奈(スポ1=山形・鶴岡南)の活躍。643点をたたき出し、チームの点を引き上げた。今試合は無声応援だったが、「しっかりとアイコンタクトを取って、チームの雰囲気だけはしっかりと守っていけるようにしました」(吉峰さやか女子リーダー、スポ4=香川・高松東)と選手と応援が一体となって勝利を目指すスタイルは顕在。良い雰囲気の中、気負うことなく伸び伸びとしたプレーが見られた。雪辱を果たすことはできなかったが、2478点はチーム新記録。昨年134点あった点差を、63点差まで詰めた。「来年リベンジしたい」(福井瑞生、スポ3=埼玉・春日部共栄)。宿敵打破という至上命題は、次代に持ち越された。

リーグ戦が集大成となった吉峰女子リーダー

このメンバーで戦う8人制の試合はこれで終わり。女子部の先頭に立って率いてきた吉峰は、「このチームでやれて良かった」とリーグ戦を振り返った。今大会で培った団結力、自信は必ず全日本学生王座決定戦(王座)でも生かされるはずだ。「みんな楽しく射てているのがうちのチームの特徴」(守屋麻樹監督、平3政経卒=東京・杉並)。王座では結果が求められるが、早大の持ち味である『楽しむ』ということを忘れず、初の日本一を狙いたい。

実力もピカイチである次期女子リーダー福井

今後は王座のメンバー選考のため、個人練習に入る。4選手という狭き門をくぐるのはどの選手になるのか。そして女子部からは狐塚佑姫(社1=岐阜・聖マリア女学院)、舩見のルーキー2選手が全日本学生東日本に出場する。強豪集う舞台で、さらなる経験を養いたい。チームの最大の目標であり、4年生の引退試合である王座まで約1カ月。互いに高め合い、初の王座制覇を目指す。

 

(記事 谷田部友香、写真 新庄佳恵)

結果

▽女子

●早大2478-2541日体大

コメント

守屋麻樹監督(平3政経卒=東京・杉並)

――今季リーグ戦を終えて男女それぞれの結果を受けていかがですか

まず女子は全勝優勝できて、優勝決定戦も去年までに比べたら大分良くなりました。あと一歩でしたが頑張ってくれましたね。男子は4勝1敗ということで優勝できなかったのは悔しいんですけれども、3位決定戦では慶應相手に負けるわけにはいかなかったので、なんとか勝ち抜くとこができて良かったです。

――リーグ戦を通してチームとして成長したと感じている点はありますか

皆楽しく射ててているのがうちのチームの特徴であると思いますし、特にきょうは男子も女子も自分たちの力を十分に出し切れた試合でした。

――反対にまだチームに足りていないと感じている点はありますか

これから王座に向けて70メートルの本数を増やしていかなければならないですし、あと王座の団体戦は短い時間で射たなければならないのでリズムがすごく大切になってきます。そういうところがいまのチームに必要かなと思います。

――いまの注目の選手は

女子はやっぱり1年生の2人(狐塚、舩見)は注目ですし、男子は今回のリーグ戦で頑張った池田亮(人2=)ですね。

――王座ではどんな戦いになってくると予想していますか

1本の勝負で決まるんですよね。なので実力というよりもその時に集中して、その1本がきめられるかどうかが勝負になってきます。チーム一丸となって、その1本が10点に入るような戦い方をしていかなければならないと思います。

吉峰さやか女子リーダー(スポ4=香川・高松東)

――第5戦から2週間ありましたが、今試合に向けてどのような準備をしてきましたか

男子と距離が違かったので練習時間は短くなってしまったのですが、その中でも矢取りで走ったり、射つときにしっかり集中していたのでその成果がきょう出たのかなと思います。

――優勝決定戦に向け、心掛けたことはありましたか

練習でも当たっている人は当たっていたのですが、無声(応援)ということで、リーグ戦ではずっと声を出してきたのですが、優勝決定戦に向けて無声でもしっかりとアイコンタクトを取って、チームの雰囲気だけはしっかりと守っていけるようにしました。

――最終的に64点差となりましたが、この点数についての評価はいかがですか

勝とうというふうにはやってきて、負けてしまったことは悔しいのですが、きょうはチーム新が出たり、自己新を射っている人も結構いて、大学として見ると点数的には納得のいく点数だったと思います。

――守屋麻樹監督(平3政経卒=東京・杉並)からは「いままで見てきた中で一番いい試合をしている」というお話もありました

そうですね。きょねんはもっと差が付いていたという話をしていて、60点差ぐらいまで詰められたのは来年に期待ですね。来年は勝ってほしいです。

――今回いい戦いをしても勝てなかったという、日体大との差はどこにあると思いますか

雰囲気はしっかり出せたのですが、個々の点数というのが前から課題で、そこがまだまだ詰められていないところだなと思います。

――ご自身としては最後のリーグ戦ですが、どのようなリーグ戦でしたか

自分がちゃんと射てるようになったのが5戦目くらいからなので、もっと早く(点数を)出すべき存在だったのですが…駄目でしたね。でも優勝決定戦でいままで点取りしてきた中で結構良かったので、そこは自分を認めたいと思います。

――女子リーダーとして臨んだリーグ戦でしたが、女子リーダーとして振り返っていかがですか

いままで1戦目から点数が出ていないと言われていて、1戦目はちょっと点数は低かったのですが、2戦目からはしっかり点数が出ていました。全体的に見ても点数が上がってきているので、1戦目からみんなのことを信頼していて、やってくれるなとは思っていたので、このチームでやれて良かったなと思います。

――全日本学生王座決定戦(王座)で引退となりますが、そこに向けてどのようにチームを仕上げていきたいですか

5月末まで(メンバー)選考があって、個人練習というかたちにはなってしまうのですが、そこで選手を決めてからは選手だけじゃなくて応援になった人も選手をバックアップして、みんなで優勝に向けて突っ走っていきたいと思います。

――最後に、王座に向けて一言お願いします

この代で目標としている男女王座制覇をしっかりと成し遂げていきたいと思います!

福井瑞生(スポ3=埼玉・春日部共栄)

――優勝決定戦を終えての感想をお願いします

ゴールデンウイーク中の練習では全員が揃う機会は少なくて、きょうの試合もいつもと違って無声応援だったので試合前は難しいと思いました。でも、ショートハーフが終わってからも雰囲気つくりを見直したりしたので、無声の中でいつもの雰囲気を皆が意識してできていたのではないかなと思います。

――前半は日体大と競り合う展開でしたが振り返ってみていかがですか

リーグ戦と比べても最初からチーム全体で点数が出ていて、練習よりもかなり全員が良い点が出ていたと思います。

――対して後半はいかがでしたか

後半も恐らくこっちのペースは落ちていないのですが、向こうの方が上がってきたかなという感じです。でも自分たちの中では良い試合運びができていたのではないかなと思います。

――優勝は逃してしまいましたが日体大との戦いはいかがでしたか

こっちもチーム新記録を出していったのですが、まだ50点以上差が開いてしまっているということでまた来年リベンジしたいです。それなりにきょうの試合については皆満足するところが多かったと思うのですが、一人一人の1本のミスが日体大さんとの差になってきていると思うので、王座まであと1カ月少しさらに底上げも含めて、日体大さんや関西の大学とも戦えるようにしていきます。

――リーグ戦を通して、チームとしても福井選手としても得られたことは

これで54代の先輩を含めた応援も、この応援と近い距離で射てる試合も最後だったのですが、ことしは1戦目から雰囲気も良く、自分たちの戦い方ができたと思います。この後王座は少し応援との距離も離れてしまうと思うのですが、大好きな先輩方と心で繋がるというか、この雰囲気を大事にしていきたいです。

――王座が終われば福井選手が女子リーダーに就任することになりますが意気込みをお願いします

これまでに先輩方が作り上げてくださったチームの雰囲気はそのままで、さらにプラスアルファ日体大さんとも戦かっていけるようなチームにしていきたいです。