日体大のカベ破れず

女子アーチェリー

 生い茂る葉の緑も深まる中、関東学生リーグ戦(リーグ戦)優勝決定戦が行われた。栄冠を争う相手は、いまだリーグ戦で倒したことのない日体大。強豪校に食らいついていきたいワセダだったが、2380-2514で敗戦。大差をつけられ無念の黒星を喫し、またしても優勝を逃してしまった。

戦いに臨む女子チーム

 134点差──ワセダに突き付けられた現実は厳しいものだった。「全勝でのブロック優勝は当たり前のこと」(守屋麻樹監督、平3政経卒=東京・杉並)というように、常に日体大との優勝決定戦を見据えて戦ってきた今大会。しかし敵は強かった。昨年全日本学生王座決定戦(王座)2位の相手に徐々に点数を離されていく。前半戦を63点ビハインドで折り返すと、そのまま点差を縮められることなく試合を終えた。実力差を痛感させられる結果となった今試合。勝敗を分けたのは「絶対に勝つんだ、絶対に点数を出すんだという強い気持ち」(守屋監督)。しかしカベを破ることはできなかったものの、「今までの反省をしっかり活かせた試合だった」(林香里女子リーダー、スポ4=奈良学園)と収穫もつかんだ。6月に待つ王座を制覇するためには、いっそうの鍛錬と意識の改革が必要となる。この悔しさを晴らすために、王座での雪辱を誓う。

 今戦をもって幕を閉じたリーグ戦。7週という長きにわたる今大会の中で得たものは多くあった。特筆すべきは林の活躍。守屋監督が「非常に頑張ってくれた」と語るように、エースとして、女子リーダーとしてチームをまとめ上げた。ルーキーの躍動も光る。倉坪絢(スポ1=岐阜・高山西)、富田芽生(スポ1=北海道・帯広三条)の2選手は、初めてのリーグ戦でも堂々とした姿で点を重ね、勝利に貢献。今後のさらなる飛躍に期待がかかる。また、吉峰さやか(スポ3=香川・高松東)、福井瑞生(スポ2=埼玉・春日部共栄)らも昨季から引き続いての安定した戦いぶり。次期女子リーダーの吉峰は、来季女子部を率いることに対し「全然不安はない」と頼もしい言葉を口にした。チーム全員で戦い抜いたリーグ戦。手にした課題を克服し、胸を張って王座へと向かいたい。

次期女子リーダーの吉峰

 次に待つのは全日本学生東日本(東日本)。この大会はリーグ戦の得点上位者が参加権を得、女子部からは林、福井、倉坪の3選手が出場する。「学生で出られる試合も残り少なくなってきた」(林)との言葉通り、4年生にとっては1戦1戦が大切だ。最後に笑顔で終われるために──挑戦は続く。

(記事、写真 谷田部友香)

結果

女子●早大2380-2514日体大

コメント

守屋麻樹監督(平3政経卒=東京・杉並)

――きょうの試合を振り返って

ベストコンディションの中で、もうちょっと点数は出ると思っていたのですが、一方で2年生の葛原(鈴佳、スポ2=東京・吉祥寺女)が自己新を出したりと頑張ってくれたので、まずまずだったかなと思います。

――大差をつけられる結果となりましたがいかがですか

うちの選手たちが最大のパフォーマンスを発揮すれば、決して勝てない点数ではなかったと思うので、そこはもう少し意識を高く持ってやることができたのかなと思います。

――ワセダと日体大の差はどういった点だと思われますか

選手層の厚さというところもあると思うのですが、選手1人1人が絶対に勝つんだ、絶対に点数を出すんだという強い気持ちをどれだけ持ち続けることができるかというところになってくると思うので、王座まであと1ヶ月少しありますが、そこに向けて気持ちを切り替えてやっていきたいと思います。

――4年生にとっては最後のリーグ戦が終わりましたが、4年生の働きはいかがでしたか

女子リーダーの林(香里、スポ4=奈良学園)を中心に、裏方中心の人もいたりして、非常に頑張ってくれたと思います。

――1年生2人の活躍も光りましたが、2人についてはいかがですか

大学の試合で慣れない中で、色々調整しながら試行錯誤だったと思うのですが、まだまだ伸びる余地があると思うので、今後に期待をしています

――全日本学生東日本、王座と続きますが、そこで戦っていく上での課題はなんですか

セルフイメージをもう少し高く持つということが大切だと思っています。自分たちの当たり前のレベルを上げるということと、相手に対して気後れせず、自分もトップの選手の1員であるという意識をしっかり持てるかどうかだと思いますので、そこのところの意識が変わっていくともっと点数も伸びると思います。

林香里女子リーダー(スポ4=奈良学園)

――きょうの試合を振り返って

目標点を自分たちで立てていたのですが、そこにも全然届かなかったので、点数面では納得のいかない試合でした。でも試合の雰囲気や進め方としては、いつも通りの応援ができない状況下でも今までの反省をしっかり活かせた試合だったと思います。

――女子リーダーとして臨む最後のリーグ戦が終わりましたが、振り返っていかがですか

点数は自分だけを見ると今までで1番出ていた年だったのですが、チームとしてはそこまでいい点数も出なかったですし、むしろ良くない点数で勝った試合もあったので、そういうところでは納得できる試合は少なかったのかなと思います。

――課題は見つかりましたか

そうですね。まずはもっと点数が足りないということが、きょう日体大と戦って改めてみんなが実感したことだと思います。あとは人数が昔と比べて増えてきたので、応援と選手の在り方などもこれからもう1回新しくやっていかなければいけないことだと思います。

――東日本に向けてどのような準備をしていきますか

東日本は全ての距離を射つ形式だと思うのですが、学生で出られる試合も残り少なくなってきたので、しっかりそれに向けて練習して、入賞できるように頑張っていきたいと思います。

――東日本への意気込みをお願いします

東日本では1300点を射つということが大学での目標なので、そこを越えられるように頑張っていきたいと思います。

吉峰さやか(スポ3=香川・高松東)

――きょうの試合を振り返って

きょうは無声応援だったのですが、その中でもワセダらしい雰囲気が出せて、点数もきのうよりもみんな上がっていたので、すごく良かったんじゃないかと思います。

――日体大と差を分けた要因はなんだと考えますか

日体大はすごく強い大学だということはみんな分かっていて、日体大らしい雰囲気を出して、みんな自信を持って射っているので、そこに差があったのではないかと思います。

――らいねんのリーグ戦では女子リーダーとして1番前の的で引くことになりますが、それについてはいかがですか

わざわざ私がまとまるよ、と言わなくてもみんな協力してくれて、みんなで盛り上げていこうという風に思っているので、全然不安はないです。

――まだ早いのですが、らいねんのリーグ戦での目標を教えてください

日体大に優勝決定戦で勝ちたいと思っているので、今から1年あるので、みんなで高め合って底上げをしっかりして、らいねんは勝てるように頑張っていきたいと思います。

――今後の目標を教えてください

王座がもうすぐあるので、王座で選手として射って、男女制覇したいと思います。