注目のルーキー始動も得点に伸び悩む

女子アーチェリー

 良く晴れた暖かな日差しの中、関東学生リーグ戦(リーグ戦)第3戦が行われた。今試合は東洋大と対戦。ワセダは序盤からリードを奪い、徐々に点差を広げ、2511-2413で勝ち星を挙げた。

 第1戦は激しい雨の中で行われ、第2戦は雷雨で延期と天候に悩まされたこれまでの試合だったが、今回はベストコンディション。全日本学生王座決定戦制覇を目標に掲げるワセダには高い得点を出すことが求められていた。しかし課題である立ち上がりでつまずき、思うように点を伸ばすことができない。だがそのまま悪い流れを引きずるワセダではない。後半30メートルでは「だんだん上がってくるワセダのいいところは出せた」(福井瑞生、スポ2=埼玉・春日部共栄)と本来の調子を取り戻し、98点差で勝利を収めた。それでもチームの状態はまだ万全ではない。守屋麻樹監督(平3政経卒=東京・杉並)は「もうちょっと本当は(点数を)出せる力があると思っているので、そこにはまだ至っていない」と厳しい言葉を口にした。優勝決定戦でライバル日体大を破るためには一射一射に集中し、射ち込んでいくことが必要となる。

チーム2位となる634点を挙げた福井

 一方、明るい話題もある。この日は注目の新入生たちのデビュー戦。試合には倉坪絢(スポ1=岐阜・高山西)、富田芽生(スポ1=北海道帯広三条)の2選手が出場した。倉坪は1年生ながらチーム4位の点数を挙げ、勝利に貢献。「出だしが緊張などでこけてしまった」と初めは硬さも見られたが、中盤から終盤にかけて高得点を重ね、大型ルーキーの底力を見せつけた。新人の台頭は部員間の競争意識を生み、良い刺激を与えるだろう。特に奮起したいのは上級生。1年目から主力として活躍し、2年目のシーズンを迎えた福井は「練習中もどんどん当てていて、見ていて負けられない」と先輩としての意地をのぞかせた。新戦力の躍動がワセダを勢いづかせる風になることを期待したい。

チームの起爆剤として期待のかかる倉坪

 改善すべき問題が浮き彫りとなった第3戦。次戦までの1週間、課題克服に向けどれだけ調整していけるかがカギとなる。「来週はきょうの点数を大幅に上回るような点数を爆発させて、優勝決定戦に向けて弾みをつけていきたい」(守屋監督)。次こそ納得のいく得点をたたき出し、波に乗れるか。

(記事、写真 谷田部友香)

結果

女子○早大2511-2413東洋大

コメント

守屋麻樹監督(平3政経卒=東京・杉並)

――きょうの試合全体を振り返っていかがですか

ちょっと厳しいことを言うと、目指しているところからするとまだまだやるべきことはいっぱいあるという感じがしました。

――それは点数面のことですか

点数もそうですし、ちょっと雰囲気的にも悪いわけではないですが、日本一を目指すというチームなのかな、といったところは正直ありました。

――先週は雨で延期となりましたが、チームの調子はあまり良くないのですか

良くないというわけではないですが、もうちょっと本当は(点数を)出せる力があると思っているので、そこにはまだ至っていないかなといった感じです。

――具体的にどういった点が良くないですか

上の点数を出す人がもう少し出さなければいけないこと、これだけのベストコンディションの中でぎりぎりまで残っていること、射ち残しがあることなど、そういった点があまり良くないと思っているので、しっかり1射1射ちゃんと射って点数につなげるということをやっていかなければいけないのだと思います。

――チームの中で特に調子の良い選手はいますか

今はあまりとりたてていいといった感じではないので、残りリーグ戦3試合と優勝決定戦に向けて、もうちょっと調子を上げていかなければいけないと思います。

――きょうは1年生2人が初出場となりましたが、2人の様子はいかがでしたか

チームには馴染んでいるのですが、高校の時はあまり声を出して応援するような試合がなかったので、ちょっと勝手が違うところで実力があまり発揮できなかったのではないかなと思います。

――残り3戦はどのような戦いになっていくと考えますか

リーグ戦(関東学生リーグ戦)自体はもちろん勝つことは間違いないと思うのですが、優勝決定戦で日体大と現実的な問題として、実力に差があると思うので、そこを埋めるだけの射ち込みができるか、意識をどれだけ変えていけるか、というところが鍵になっていくと思います。

――来週に向けての課題と意気込みをお願いします

来週はきょうの点数を大幅に上回るような点数を爆発させて、優勝決定戦に向けて弾みをつけていきたいと思います。

福井瑞生(スポ2=埼玉・春日部共栄)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

自分の苦手な面が思いきり出てしまった試合で、それは立ち上がりが悪いということです。チームとしても課題となっていることで、全体的には改善されてきていますが、自分がそれを大きく崩してしまいました。

――チーム全体の雰囲気はいかがですか

最初出だしが悪いということはあったのですが、そこから切り替えて30メートルでもコールが増えてきたりして、だんだん上がってくるワセダのいいところは出せたと思うので良かったと思います。

――ご自身の634点という点数についてはいかがですか

正直なところもう少し欲しかったです。やっぱり出だしがガクッと下がっているので、それが無くなれば出せると思います。今回感覚は良かったのでこの調子で次は上げていけるかなと思っています。

――きょうはルーキーの2人が出場しましたが、2人の存在に刺激など受けることはありますか

そうですね、もともと2人のほうが実力は上なので(笑)。練習中もどんどん当てていて、見ていて負けられないなと思って集中しています。来て1か月以上たっているので、ワセダの雰囲気にも慣れてきて、2人もこれから上がっていくと思うので、もっと射ちやすい環境というのを私たちの代とかで作って行けたらと思います。

――先輩としてなにか心掛けていることはありますか

最近試合だとできていないのですが、練習中は周りを見て行動するようにはしています。今ワセダの試合の雰囲気というのは、選手が射っている間は自分に集中して、射ち終わったらすぐ応援に切り替えて全体を見るという感じなので、それを実践していけたらと思います。

――次戦への課題と意気込みをお願いします

きょう明らかな課題が見つかったのでまずは練習からそこを改善して、次回も点数を上げていきたいと思います。

倉坪絢(スポ1=岐阜・高山西)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

きょうは初のリーグ戦(関東学生リーグ戦)で、出だしが緊張などでこけてしまって、なかなか立ち直ることができなかったのですが、50メートル後半と30メートルは自分の納得のいく行射ができたので、次は始めから納得のいくようにしたいと思いました。

――ワセダの1員として臨む初めての試合でしたが、どのようなことを意識して臨みましたか

ワセダは過去に王座(全日本学生王座決定戦)でも3位という輝かしい成果があるので、自分もその成果を出していこうと頑張りました。

――先週は雨で試合途中で延期になった時はどのような気持ちでしたか

先週は出だしから調子がよかったので、雨で流れて少し残念でした。でも今度もう1度やるということなので、そこでいい点数が出せるようにしたいと思っています。

――ワセダの雰囲気はいかがですか

ワセダは声の掛け合いが多くて、安心した状態で射つことができるので、雰囲気にとても助けられています。

――先輩からアドバイス等もらうことはありますか

はい。練習の時に矢がばらけたりした時や、自分の納得のいくフォームで射てなかった時には、先輩方は快く見てくださるので見てもらって、その時にアドバイスをもらったりしています。

――今大会での目標はなんですか

リーグ戦で全勝することと、東日本(全日本学生東日本)の出場権もかかっているのでその大会に出場できるように点数を取ることです。

――次戦への意気込みをお願いします

今回は緊張してしまったところがあるので、強気でいきたいと思います。