2人のエースが活躍

女子アーチェリー

 真冬のコートを着ても震えるほどの寒さだった。4月とは思えない気温のなか行われた関東学生リーグ戦第3戦。王座(全日本学生女子王座決定戦)に向けて、リーグ戦全勝優勝を狙う女子部は専大と対戦する。午前に、激しい雨風の中での立会い(別の試合の審判)をつとめた直後、という過酷なコンディションでの試合。決して満足のいく点数ではなかったものの、2470-2136で勝ちをひろった。

笑顔を見せる野村主将

 8人が出場し、上位4人の点数で争う女子部。トップはやはり野村美加主将(スポ4=石川・金沢桜丘)だった。主将であり、絶対的エースでもある野村。推敲を重ねた射形も完成し、最終得点は648点。それでも本人は「まだ絶好調という訳ではない」と語る。彼女の完全復活が、チームの浮上にも欠かせない要素である。野村に続く存在が、林香里(スポ3=奈良学園)だ。この日633点で2位についた林は女子部次期主将。安定したプレーでチームに貢献し、試合中、仲間から声を掛けられた際は笑顔を見せ、明るい雰囲気を作っていた。

この日2位につけた林

 3位、4位は、太田有実(創理4=東京・昇華)、池上友里恵(教2=埼玉・浦和ルーテル)である。太田は601点、池上は588点を記録。両者は共に大学入学後から競技を始めた選手であり、注目の存在だ。守屋監督は、「この人達がどれだけ点数を出すかで、高校からやっている人達の点数も刺激されてあがってくる」とコメント。チーム全体に弾みをつけるためにも、今後も高得点を出し、刺激をもたらしていってほしい。また、この日はルーキーの福井瑞生(スポ1=埼玉・春日部共栄)が出場。昨年度インターハイ(全国高等学校総合体育大会)個人準優勝の大型新人だ。ベスト4入りは果たせなかったものの、586点を獲得。これからの活躍が楽しみである。

 例年、初戦と2戦目で点数が伸び悩むことを、監督も課題の一つにあげている。今回も共に勝利したものの、「もうちょっといかないといけない」(守屋監督)、「まだ足りない」(野村)と、不本意な点数に心は晴れない。それでも、この日のコンディションのなかで前週と同程度の点数を出せたのは復調の兆しか。次は折り返しの3戦目。そろそろギアの上げどきだ。

(記事、写真 建部沙紀)

★男子は上智大に快勝

同日の午前中に立大レンジにて行われた対上智大戦。低気温に加え、雨も降る中で行われた試合だったが、3690-3128で勝利。1部昇格に向け、確実に勝ち星を積み上げた。

結果

男子 ○早大3690-3128上智大

女子 ○早大2470-2136専大

コメント

守屋麻樹監督(平3政経卒=東京・杉並)

――チームの調子、雰囲気はいかがですか

あまり良くないですね。実力的にはきょうの点数の100点くらい上をいけるのですが、きょうは午前中試合の審判があったために、エースがそこで寒い思いをしてしまったこともあって。もうちょっといかないといけないかな、と思います。

――先週もあまり伸びなかったそうですが

うちはスロースターターで、毎年最初の試合と2試合目があまり良くないです。その辺りは課題ですね。

――先週からきょうまではどのような点を重視して練習を行ったのですか

点数を出す人達というのは経験者なので、それぞれが自分の課題に対して取り組んできたと思います。

――リーグ戦のキーマンは

絶対的なエースは女子リーダーの野村さんなので、彼女が上をどれだけ引っ張れるかということと、あと次期女子リーダーの林が2番手としてどのくらい頑張れるか、というのがチーム全体の雰囲気を左右すると思います。あとは大学からアーチェリーを始めた人達が、きょうもベスト4に二人入っているので、この人達がどれだけ点数を出すかで、高校からやってる人達の点数も刺激されてあがってくると思います。キーマンという意味ではなくなってしまいますけど、チーム全体としては、そのようなことを気をつけていきたいです。

――今後は

リーグ戦の5試合自体は負けることはまずないと思うので、優勝決定戦にむけて、どれだけチームの雰囲気をあげていけるか、それぞれが自分の課題を克服していくか、ということになってくると思います。ベストの点数の、2500後半、出来れば2600点を狙って、頑張っていってほしいです。

野村美加女子リーダー(スポ4=石川・金沢桜丘)

――チームの雰囲気、調子は

きょう午前立会い(審判)で、結構雨が降っていて、選手のなかから出ていた人もいたので、そのなかでは、いつも通りできたかな、と思います。疲れが目立つかな、と思ったのですが、そのようなこともなく、雰囲気は良かったと思います。

――コンディションは

午後は無風だったので、コンディションはそんなに。でもチームの点としては、まだ足りないかな、という気がします。

――主将として臨むリーグ戦ですが、今までとの違いは

今までも、点数でチームを引っ張ることは意識していたのですが、今は、点数だけでなく、行動や周りに対する気遣いなどでも、しっかりチームを引っ張っていかなければと思っています。

――ご自身の成績は

もうちょっとかな、という気はします。きょうも、30メートルを射っていて、感覚は悪くないのに9点の方ばかりいってしまって、いつも程出なかったので。まだ絶好調という訳ではなく、もう少し点数がほしいな、という感じはします。

――インドアのときに、射形がまだ定まらない、といった話をされていましたが

それは、もう大丈夫です。

――リーグ戦の意気込みをお願いします

今は、もちろんリーグ戦5戦全部勝利して、1部でも優勝、というのを目指しているんですけれども、今点数も伸び悩んでいるので、それが徐々にあがっていって、最後にいい形で終わることができたらな、と思います。