関東学生個人選手権本戦 8月20日 夢の島公園アーチェリー場
関東学生個人選手権本戦のリカーブ女子部門が、この日夢の島公園で行われた。8月5日から7日にかけて行われた予選を勝ち抜いた、7人が早大から出場した。午前中の予選ラウンドは72射の合計得点で競うもので、上位32名が決勝ラウンドに進むことができる。合計で600点を上回った園田稚(スポ4=エリートアカデミー)、塚本美冴(スポ4=東京女学館)、渋谷樹里女子主将(スポ3=エリートアカデミー)と、髙橋梨杏(スポ2=神奈川・横浜)の4人が、トーナメント戦となる午後の決勝ラウンドに進出。世界の舞台でも活躍する園田が見事優勝し、その強さを証明した。渋谷も安定の行射で6位に入賞。来月に迫る全日本学生個人選手権(インカレ)に向け、各選手が弾みをつけた。
決勝ラウンドで行射する塚本
決勝ラウンド1戦目、塚本は1エンド目を1点差で落とすも、2、3エンド目を同点で粘る。そして4エンド目を勝ち取り、最終5エンド目を同点で終えた。5-5の同点となったため、試合はシュートオフで決することとなったが、惜しくも相手に1点及ばず敗退となった。悔しい結果ではあったが、「アベレージで25点ぐらい射てたのは今までの中で1番良かった」と前向きに振り返った。髙橋も今大会準優勝の相手に、1戦目から苦戦を強いられた。1エンド目を同点で終えるが、2,3エンド目は相手に取られてしまう。後がない状況だったが、4エンド目を27点、5エンド目を26点と高得点を射って取り返し、シュートオフに持ち込んだ。しかしシュートオフは4-9に終わり惜敗を喫した。
安定の行射でチームを勢いづける渋谷
6月に行われたワールドカップにて、女子個人で銀メダルを獲得している園田は、予選ラウンドを1位で通過すると、決勝ラウンドでも他を圧倒する強さを見せた。1戦目は3エンド目の3射をすべて10点に入れ、2戦目も1エンド目から30点をマークしてストレートで勝利した。すべてのエンドで25点以上の高得点を記録して決勝に進出。決勝は両者とも25点以上を射つエンドが続いたが、見事6-2で勝ち切り優勝を手にした。渋谷は1戦目、2戦目では2エンドで27点、28点をマークし勝ち進むが、準々決勝に当たる3戦目では得点を伸ばしきれず敗退。6位入賞という結果となった。3戦目について渋谷は「当てきれなかったことが多かったが、安定して射てた」と振り返った。
優勝し表彰される園田
パリ五輪出場は惜しくも叶わなかったものの、ワールドカップで輝かしい成績を残し、世界的にもその活躍が期待される園田。インカレでは「もちろん優勝したい」と語ってくれた。厳しい暑さの中、各選手が8月中旬に行われた夏合宿の成果を発揮し、来月のインカレへとつながる実りある大会となった。インカレに向け、早大選手の更なる飛躍に期待したい。
(記事、写真 神田夏希)
結果
1位 園田
6位 渋谷
17位 塚本
17位 髙橋
68位 西村
78位 廣瀬
86位 小出
コメント
園田稚(スポ4=エリートアカデミー)
――今日のご自身の行射を振り返っていかがでしたか
あまりガチガチにならず、緊張せずにリラックスして自分の射ち方ができたので、いい試合だったかなと思います。
――ワールドカップでメダルを獲得されたあとの、早大として出場された今回の試合でした。振り返っていかがでしたか
そこでの経験があったからこそ、個人戦やトーナメントの決勝でもあまり力まずにリラックスしてできたと思います。
――最後のゴールドメダルマッチを振り返って、いかがでしたか
いつもは緊張してミスが出ることも多いんですけど練習通りに、決勝を終えることができたので、すごく成長したという部分が多かったです。
――最後にインカレに向けての意気込みと、長いスパンでの意気込みをお願いします
1ヶ月後にはインカレがあるので、そこでは今日みたいな緊張せずに自分のいい打ち方をして、もちろん優勝したいなと思います。長いスパンで見ると、インカレが終わるとワールドカップのファイナルっていう、ワールドカップの上位8人が集まって行う試合があるので、それに向けて練習するのと、またそれが終わったらすぐに全日(全日本選手権)とナショナルチームの選考会があるので、どれも気が抜けない試合なので、その連戦に備えて練習していかないといけないと思います。
塚本美冴(スポ4=東京女学館)
――今日のご自身の調子はいかがでしたか
調子は、一昨日試合で筋肉痛になってて、ちょっと体がバキバキだったので、すごいいいとは言えない状態だったんですけど、これ外しそうだなって時に射つときの勘が冴えてて。それがハマったので、まあ点数としては出たのかなと思います。
――予選ラウンドでは高得点を射っていて、調子が良かったように見えましたが、振り返っていかがですか
決勝はほんとに第2セット勘が冴えてたっていうのと、ちょっとクリッカー切れなくなったりとか、風が強くなったりした時に臨機応変に対応できたのがよかったかなって思います。
――16分の1イリミネーションラウンドは同点のセットがあって、接戦でシュートオフまでは持ち込みました。この試合を振り返っていかがでしたか
元々あんまりトーナメント好きじゃなくて、点数が出ないことが多かったんですけど、今日 セット戦の時にずっとアベレージで25点ぐらい打ててたのは今までの中で1番良かったので、よかったと思います。
――インカレの意気込みをお願いします
意気込みは去年平打ちで最後よくわからなくなって点数を落としてしまったので、今年はちゃんと平打ち打って、トーナメントではいけるところまで勝ち進めるように頑張りたいと思います。
渋谷樹里女子主将(スポ3=エリートアカデミー)
――今日の風の流れはどうでしたか
予選はそんなにだったんですけど、トーナメントになってから左右変わったりとか、結構強さも。
――予選ラウンドは中盤から高得点を出して巻き返しているように見えましたが、振り返っていかがですか
後半が良かったというよりかは、最近前半あまり調子が出ないことが多かったので、これからちゃんと最初からいい感じで打てるように、ちゃんとポイント絞って頑張っていきたいなと思うような試合でした。
――4分の1イリミネーションラウンドまで進出されました。この試合を振り返ってどうでしたか
大きなミスはなかったんですけど、いまいち10にも入らず、当てきれなかったことが多かったなっていう風に思います。でも、ほどほどにミスがなかったので、すごい高得点ってわけじゃないですけど、安定して射ててはいたかなっていう風に思います。
――インカレへの意気込みをお願いします。
今あまり調子がいいとは言えないので、ちゃんとインカレに向けて調整して、ベストな状態でいけるように練習していきたいと思います。
髙橋梨杏(スポ2=神奈川・横浜)
――今日のご自身の調子はいかがでしたか。
合宿の途中くらいから自分の射ち方が少しずつ分かってきて、合宿の納車会で600点を久しぶりに超えてからの今日の試合だったので、結構、自分の気持ち的には、自信というか、気持ちには余裕があったので、 そこまですごく緊張したとかもなく、 自分のやるべきことが明確になってる状態で試合に臨めたんじゃないかなって思います。
――16分の1ミネーションラウンドは接戦で、シュートオフまで持ち込みました。この試合を振り返っていかがでした。
最後はちょっと自分の弱いところが出たというか、シュートオフで引き戻すか射つか迷ってしまって。その思考に至った時点でというか、そういう、引いている時に余計なことを考えた時には、もう引き戻すって自分の中で決めてたのに、そこで無理に射ったことが負けた原因になってしまったので。せっかく追い上げたのに、ちょっと自分がもったいないことをしてしまったなって思うので、そこは今後への糧にしていこうかなと思います。
――個人戦のシーズンにこれから入ると思いますが、団体戦との違いはありますか
団体戦はすごくみんなで盛り上がるみたいな感じなんですけど、個人戦は1人で淡々とっていうか、やっぱり後ろに応援はいるんですけど、 応援歌があったりとかではなくてただ自分との戦いで。敵、相手はいるけど、結局自分自身に勝たないとっていうところが強いと思うので。不安とかが出てきたら負けてしまうと思うので、 もうちょっと自分自身にしっかり勝てるようになっていかなきゃいけないなと思います。
――最後にインカレの意気込みをお願いします
前回は去年、 昨年度のインカレは予選通過することができなかったので、今年はしっかり調整して予選通過して、 トーナメントも勝ち進めるように、これからまた自分自身の射ち方だったりとか、肩の怪我の調子だったりとかと相談しながら、集中して、もっと密度の濃い練習をして、よりレベルアップしてまたここに来たいなって思います。