「いい仲間に巡り合えて良かった」(柿沼主将)/4年生コメント集

男子アーチェリー

この記事には4年生選手の試合後のコメントを掲載しています

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チーム力でつかんだ1位! 1部残留で次代にバトンをつなぐ

柿沼大翔主将(教4=東京・早大学院)

笑顔でチームを盛り上げ続けた柿沼主将

――今日の試合を振り返って率直な気持ちは

 楽しくできたところが僕個人的にもみんなの共通認識としてもあった、と振り返って思います。また1部校に残ることとしっかり1位をとること、この目標をしっかり達成できて、62代男子がやってきた成果と底力を見せることができて、一つ自信になりました。

――今日の試合にはどんな気持ちで臨みましたか

 個人としては「楽しもう」というところ一つでした。男子の団体としてやるのは最後の試合だったので、今7年目に入って自分の中で結果が出ない苦しい状況の中でもアーチェリー部として続けられたのはみんなが支えてくれたからというのもありましたし、そういうメンバーと楽しく最後にアーチェリーを終われたらな、楽しくやれたらな、という思いで臨んでいました。

――今の話にもあったように今日の試合ではチームの雰囲気も特に明るかったように感じました。それについてはいかがですか

 リーグ戦の時も含めて62代としての強みだと思いますし、僕が1年前に主将に就任して、「どういうチームにしたいかな」と考えた時、こういう声を出して全員で楽しめるチームが一つ理想の像としてあったので、それが達成できたというのは本当に嬉しく思いますし、みんなに感謝したいと思います。

――後半巻き返しての1位でした、要因は何かありますか

 50mそんなに点数が出ていなかった中で30mは結構自信を持って射てるんじゃないかな、とお互いが共通認識として持つことができていたというところと、あとはなんですかね、何が要因だったんですかね(笑)。もちろん30m全員が得意だったというのもあると思いますけど、結局は得意でも本番で点数を出せるかはその時で決まったりするので。やはり、最後の最後、62代として雰囲気をしっかり作ってそこを強みとして持った上で、全員の「最後まで1位を狙っていく」という強い気持ちが積み重なったこと、そして「最終的にチームとして1位を狙っていこう」というチームがみんなの支えもあって作れたこと、だからこそできたんじゃないかな、と思います。本当に僕1人だけの力じゃないですし、みんながそれぞれ「1位を目指して絶対結果を出すんだ」という強い気持ちを持って取り組めていたことが1番の要因かなと思います。

――今回の結果で1部残留が決まりました

 まずは一安心という形ですね。正直1ヶ月、2ヶ月前の自分自身結果が出ていない状態の時は、「このチームだとこのまま2部降格ももしかしたら有り得るんじゃないかな」というところは井上(井上空副将、創理4=東京・早大学院)とかと話はしてて、ただ62代で2部に落ちてしまうと来年王座(全日本学生王座決定戦)に出れないことがその時点で確定してしまってそれは本当に避けたかったので。そこの焦りも乗り越えつつ、今62代として1部残留という形で結果を残すことができたことはすごく安心しました。

――ご自身の射について、今回プレッシャーや緊張はありましたか

 始まる前は以外となくて、最後だから「もっと身構えるかな」と思ったんですけど、最後の最後だから楽しく射とうところの気持ちが1番大きかったです。ちょっと途中点数は落ちてしまったんですけど、最初の2エンド目までは普段上手い丸尾(風瑛、スポ2=福岡・柏陵)とか山下(健友、スポ3=愛知・東海)とかよりも自分が点数をとっていたので、いい意味で自信を持って打てていたと思いますし、すごく楽しめて良かったと思っています。

――今回の関東学生リーグ戦(リーグ戦)全体を振り返っていかがですか

 総じて言えるのはどの試合も結果が出る出ないに関わらずすごく楽しかったです。それもみんながそれを支えてくれたのもありますし、全員が「楽しもう」という雰囲気を作ってくれたこと、各々が「そういう雰囲気を作ろう」と思ってくれたこと、これが全員試合を通してできていたなという印象があります。1戦目2戦目の時に正直「このままだと王座は厳しいな」という状況はみんなの頭の片隅にあったと思うんですけど、特に1戦目ですかね。でも2戦目では1戦目よりも相対的には順位が上がって、そこの前の1週間は全員が成長していて、この1年間の中で全員が1番伸びていた時期だったと、みんなも肌で実感できる1週間だったと思います。総じて全員このリーグ戦3戦を通して気持ち的にも技術的にも成長できたいい大会だったんじゃないかなと思います。来年は是非とも僕らの思いも含めて63代みんなで頑張ってほしいなと思います。

――今回の女子の皆さんは試合がないにも関わらず応援に来ていました。そういった応援についてはいかがですか

 僕として1番良かったなと思ったのは、女子が「応援するのは当たり前でしょ」という雰囲気で最初に言ってくれたことは、当たり前だと思っていたけど当たり前じゃないんだなと実感しましたし、そこを女子の方でも言ってくれたのは本当に嬉しかったです。僕としても男女のくくりはありますけど、そのくくりなしで「早稲田大学アーチェリー部」という一つの集団としてみんなで頑張っていくというのは僕の理想として1年間作りたかったところだったので、王座に向けて調整したい期間ではありますけど、そこも含めてアーチェリー部の一員で、男女の壁とか関係なく全員で支え合えたのは本当に嬉しかったし感謝しています。

――女子は前回のリーグ戦で王座出場を決めました。女子のみなさんへのメッセージをお願いします

 強気のメッセージをいうのであれば、「我々は入れ替え戦で1位を取ることができたので、それをはずみに王座制覇目指して一緒に頑張っていこう」と伝えたいです。あと、言いたいことを一つ一ついうと、昨年準優勝という結果で王座が終わって、本当に悔しかったと思うんですよ。僕も含めてですけど当事者の人はより悔しかったんじゃないかなと思っていて。今年のチームは優勝を狙えるチームだと思っていますし、そのチャンスが目の前の1ヶ月後の王座にあるってことだと思うんです。なので去年の雪辱じゃないですけど、まだ優勝したことないので今までのアーチェリー部の雪辱ですかね、悲願の王座制覇に向けて62代で達成しようというところはメッセージとしてあります。あとは女子はすごく今力的に拮抗している部分があると思っていて、本当に数点差とか、最後の1エンドまでメンバーがどうなるかわからないという状況で、不安な人もいると思います。自信を無くしている人とか逆に「自分はいけるんじゃないかな」と自信を持っている人もいると思うんですけど、そこも出られたにしろ出られなかったにしろ、そこに向けてどういう風に準備をしたか、どういう心持ちで臨めたかが今後の試合前とか、人生のいい経験になると思います。なのでそこはしっかりと自分と向き合って、メンバー入りできたら最高だと思いますけど、仮に落ちてしまったとしても「早稲田大学アーチェリー部」として一つ競技面じゃない面でもしっかりサポートできるように強い気持ちをもって頑張りましょう、というところですかね。

――主将の立場から見た今年のアーチェリー部はいかがでしたか

 まずはみんなが支え合えたチームだなと思います。支え合えたというか主将の僕からすると支えてもらったが正しいですね。今日前主将の中野先輩(中野勇斗前主将、令5商卒)がいらしていましたけど、彼と違って僕は引っ張っていくとか、求心力じゃないですけど、そういうのを持って「ついてこい」というタイプのリーダーではなかったので、「支えてくれた」という言葉しか出てこないんですけど、アーチェリー部全体としてみんなが支えてくれたし、各々が僕の考えを受け入れてくれて、各々が信頼して動いてくれたというところは本当に感謝しています。

――今回の団体戦のメンバーは主将の立場から見ていかがでしたか

 「良い」っていうと抽象度が高すぎますけど、本当に良いメンバーだったなと思っています。本当に感謝しています。割と技術的にはすごく幅のあるメンバーで上は当てますし、おいおいこの後成長していくんだろうなというメンバーも混ざっている中で、いい意味ですごく全員がリーダーっぽかったなと思います。昨年の61代の方のスローガンで「一人一役全員主役」というのがあって、それも相まってか、僕がチームとして声をかけなきゃ行けない場面とか、本来は主将がやるべき仕事みたいなところを誰かが必ず補ってくれていたというのが、全員リーダーっぽかったかなという一つの理由ですね。具体的なエピソードとかあった方がいいですよね(笑)。例えば井上(井上空副将)はユーモア担当というか、いわゆるムードメーカー的な立ち位置ですごく助けられました。雰囲気が悪い時、試合で点数が落ちている時とかでも、井上がちょっと面白いことをいって空気が和む、みたいなことがありました。その部分は僕にはなくて井上にはあるところで、そこを支えてくれていたというところは本当にありがたいな、と思います。あと後輩にはなるんですけど、丸尾(風瑛)は本当にリーダーっぽいというか、おそらく今後主将になっていくんじゃないかなと思うんですけど、みんなを引っ張るというか、点数的にも彼は出ているタイプですし、言葉にもすごく積極的があって、裏側でしっかり考えてあって、ひとつひとつ全体に発信してくれる発信力があって。そこは本当に助けられました。井上さんのところとも被るんですけど、雰囲気がズルズル悪くなりそうな時に、本来僕がかけるべき言葉、言うべきタイミングで丸尾がパッと一声かけてくれたというところはすごく助かりました。あと良かったなと思う人として、安達(由樹、人2=茨城・下妻一)の名前は出しておこうと思います。今のメンバーの中で大学から始めたのは、謙ちゃん(下村謙史朗、人4=東京・暁星)もそうですけど、あと彼くらいで、始めて1年というすごく短いスパンの中で、ほぼほぼ70m射ちたてみたいな中でやっていたのは安達だけだった。それなのに下から追随するじゃないですけど、「俺はお前らのこと絶対抜かすぞ」みたいな強い気持ちを持って早稲田のシックス(上位6人)の中の競争を刺激してくれた存在です。本来は「まだ自分は初心者だから」とか「まだ初めて1年だから点数なんて」という人が多いと思うんですけど、その中でも安達は違って、「別に年数なんて関係ない、自分が点数を出して6人目に入って点数を出して、王座に行くんだ」みたいな話はちょいちょい普段の会話の中でもありました。そこは僕自身も本当刺激になりましたし、その姿勢は見習いたいな、というところでちょっと名前を出しました。他のメンバーの名前も出そうと思いましたけど、長くなりそうなのでここらへんでやめておきます(笑)。

――次期主将の山下選手に向けてメッセージをお願いします

 そうですね…主将という立場になるとまず1番に感じるのは「今までの先輩方ってすごかったんだな」っていうことです。僕らが後輩の時には見えなかった裏側の仕事もそうですし、実際に表に出てくるような練習メニューであったりとか合宿のやりとりであったりとかいうところの裏側で、どういう思いがあってどういう仕事があってそこに最終的にたどり着いたのかというところって主将になるまでは見えていなかったのでそこの大変さと今までの幹部の方がどういう思い入れでやってきたのかという思いの強さは主将になって感じました。実際山下もおそらく主将になって色々動かしていくという中で多分実感するんじゃないかなと思います。なので実感した上で今までの先輩とかが思っていたやり方に縛られず、自分に合ったやり方があると思うので、(今までの先輩方を)参考にしつつ、自分のやりたいようにやっていければいいんじゃないかな、と強く思います。実際僕はそれですごく悩んだので(笑)。技術的なところを引っ張るという点では僕は山下に対してはすごく安心しているので、そこは今まで通りやってくれればいいと思いますし、本人も「背中で語る」って言ってましたけど本人もすごく大きな声を出して全員を引っ張るみたいな感じじゃなくて、練習を地道にやるとか自分が1番練習するというところでみんながついてくるという形がおそらく本人も理想だと思っているんじゃないかと思うので、山下のやりたいようにやってくれればいいんじゃないかな、と思います。

――大学でのアーチェリー生活を振り返って

 アーチェリーをするのは苦しかったですけど、アーチェリー部に行くのは楽しかったです。その一言です。実際ずっと技術的にも点数的にも全然結果がでない4年間で、毎晩考えるみたいなことがあったので、アーチェリーするのはぶっちゃけ嫌でしたし、アーチェリーに関してはずっとやめたいなと思っていました。ただアーチェリー部のメンバーとアーチェリーをするのは楽しかったので、アーチェリーはやめたかったけど、アーチェリーを続けられたのはアーチェリー部のみんながいたからというのはこの4年間通してあります。あとはすごく監督(遠藤宏之監督、平4政経卒=東京・早大学院)にはすごく感謝したいですね。監督には僕が高校生の時からお世話になっていて、物事に取り組む考え方もそうですし、監督が常々「今この瞬間を全力で」みたいなスローガンをおっしゃっていて、そこのスローガンは常々監督とお話をする時とかに感じていました。ふとした時に「逃げたいな」とか「苦しいな」とか思う時があるんですけど、そういう時でも監督の普段言われている言葉とかを思い出して、目の前のことに全力で取り組むという姿勢は今後も続いていく人生の中で一つ本当に大きな価値観として大切にしていくものだと思います。あとは監督の人柄というか監督ご自身のキャラクターみたいなところに僕は本当に尊敬の念を抱いています。本当に親身に相談に乗っていただいて、苦しい時期とか色々外部から言われた時に本当に適切なアドバイスをいただいたりとか、本当に心が折れそうな時に監督の一言が本当に支えになりました。言葉一つ一つに「自分たちと向き合ってくれているんだな」という思い入れを感じて、監督は本当に尊敬していますし、感謝しています。色々ありすぎて語り尽くせない気がするのでここら辺でやめておきます(笑)。ちょっと思い出が多すぎますね。

――これからのご自身の試合の予定は

 実を言うと何にも考えていなくて、でも早慶戦は距離も70mで、おそらく今の新入生が射つには間に合わないので、今のメンバーでもう一度戦うのかなと思っています。なのでそこまではちょっとですけど続けるつもりではあります。また直前になったら出たくなるとか言い出すのかもしれないですけど(笑)、基本的に僕個人としては一つの区切りですし、今後自分がやっていきたいことに時間を注いで、そこに全力を注ぎたいというのはあるので、みんなのサポート等をできればな、と思っています。競技は続けるんですかね…社会人になって、やりたくなったらやると思います。最初に言ったんですけどアーチェリーをやるのはあんまり好きじゃなくて、アーチェリー部でアーチェリーをやるのが好きだったので、わからないです。また「アーチェリー部のみんなでアーチェリーしたいね」とかなったらやるんだと思います。

――最後に後輩に向けてのメッセージをお願いします

 僕が伝えられるのはありきたりですけど、どんなに苦しくても続けていれば結果が出るとは言わないですけど、いいことはあるなということです。いいことというのは捉え方にもよって、もちろん最終的にみんなが欲しいのは結果だと思うんですけど、どうしてもそこが出なくて苦しむ時期とか、最後の最後まで結局結果が出ないってことも実際あるので。その中でもそこに逃げずに向き合えればいいことがあると思います。僕が得られたいいことを具体的にあげるとするならば、このアーチェリー部のみんなとの楽しい時間とか、自分との向き合い方とかですかね。自分との向き合い方は本当にずっと考えましたし、考えた結果どうやればいいかっていうところも本当にかじり程度ですけどわかるようになったのかな、と思います。でもやはり1番はいい仲間に巡り会えて良かったな、ってことです。やめていたらたぶんこういう一緒に喜ぶ共有もできていなかったと思いますし…自分自身が成長することもできなかったなとすごく感じているので、最初に言った通りですけど、続けていれば結果がでるとは限らないですけど、いいことがあるよ、とみんなには伝えたいです。

井上空副将(創理4=東京・早大学院)

リーグ入れ替え戦で行射する井上副将

――今の率直な気持ちを教えてください

 今回の試合の挑み方というか、雰囲気としては、やっぱり絶対に負けないというか、 絶対勝とうというそういう意思で多分全員で来てたと思います。結果を見て、やはりアップダウンは色々あったかなと思いますが、早稲田らしい雰囲気で最後までやり抜くことができて、1位を取れてよかったと思います。次の代に王座に出てもらえるように、そこに繋げられたのはよかったかなと思います。

――雨が降り、風も強い難しいコンディションでしたがその点はいかがですか

 夢の島のこういう天候は割と慣れたというか、 よくあることなので、そんなに気にすることもなく、いつも通りかなという感じではありました。

――入れ替え戦では上位6名に入りましたが

 自分はどちらかといえば点を出さなければいけない側ではあったので、 目標としては615点という点数を立てていました。昨日の練習で630(点が)出ていて、雨があっても15(点)マイナスかなと思っていたので、昨日より落ちる結果になりましたが、自分の中での本当のギリギリライン600を切らなかったのは大きかったのではないかなと思いますね。夢の島いつも結構相性が悪かったので、 なんとかギリギリ保てたのはよかったかなと思いますね。それでシックス(上位6人)に入れて、チームの(平均)点ではプラスマイナス0ぐらいに収められてよかったです。

――直近の練習では好調を保てていたのでしょうか

 2回目のリーグ戦が終わってから公務員試験があったので、1本も射っていなくて、 本当に水曜日くらいから射ち始めた感じです。久々だったのでその時は全然600(点に)乗りませんでした。昨日久々に600(点を)超えて、(練習を再開してから)徐々に(点数が)上がっていってくれて、今回また600(点)で落ち着けたので、 自分の中では良かったんじゃないかなと思います。

――同的の丸尾選手と時折笑顔を交わしながら行射する姿が印象的でしたが

 (丸尾)風瑛は弟のように思っています。いつも一緒に練習してますしね。リーグ戦ではあまり僕が点数で出せなかったのですが、今回はちゃんと落ち着いて、一緒にやるんだという気持ちでできました。2人で最後までやりきれたのはよかったかなと思っています。

――今日は女子チームも全員応援に来て、その応援を背にプレーできたという点はいかがでしたか

 やっぱり応援がこのくらい盛り上がると自分のメンタルとしてもでかいですね。男子は本当人数が少なくて、(男子だけだと)今後ろで応援してくれるのは1年生だけなので、あれくらい大きくみんなでやってくれてるというのは、良かったのかなって思いますね。最初の方で遠藤さん(遠藤宏之監督)がやっぱり気合いを入れ直してくれたので、そこも大きかったですね

――王座に臨む女子チームへメッセージをお願いします

 自分は今年は選考がシビアになると思っています。誰が(メンバーに)入るか本当にわからないですね。本当最後までなんですかね。悩んでる人もいると思うんですけど、そんなに気負わないで、自分らしく選考に臨んでもらって、最後は自分がやってよかったなと思うように、本当に後悔ないように終わってもらえればと思います。

――今日で一区切りになると思いますが、今日までのアーチェリー生活を振り返っていかがですか

 僕学部にあんま友達いないので(笑)。本当にアーチェリー部に入って、このコミュニティが本当に自分の癒しというか、オアシスみたいなところでした。(アーチェリー部が)なかったら多分大学生活詰んでいました(笑)。本当に大学生活で本当にずっと部活楽しかったので、 部活来なくなっちゃったら大丈夫なのかなというのは常々思ってますね。本当に、本当に部活が楽しかったです。またこれからも卒業するまでは可能な限り来ようとは思います。自分にとってアーチェリー部はそういう感じのところですね。

――後輩に向けてメッセージをお願いします

 男子はこれから入ってきてくれた子たちを育てて、来年こそはまた王座に出場という形を取ってもらえるように、こっちもサポートできたらなと思っています。女子に関しては、(今の4年生が)抜けちゃっても、今いる子たちであればだいぶ力あるので。 王座制覇に向けて女子が一丸となって、みんなで頑張ってもらえればいいですかね。全体として、アーチェリー部はそんな他の部活に比べて、厳しい感じじゃなくて、やっぱアットホームな感じでやっています。苦しい時もあると思うんですけど、全員でそのいい雰囲気で部活続けて強くなっていってもらえればいいかなって思いますね。

――最後に同期の皆さんにメッセージをお願いします

 最初会ったのはその経験者の人たちだけで、 高校からずっと一緒にやってきた(柿沼)大翔と愛ちゃん(髙見愛佳女子主将、スポ4=エリートアカデミー)と円華(廣木円華、人4=茨城・水戸二)の4人で最初は(部活を)やっていました。その後、伶ちゃん(田中伶奈、人4=東京・国際)、眞美ちゃん(細井眞美子、人4=東京・早実)2年になってからは謙ちゃん(下村謙史朗)が入ってくれて、今の人数になりました。同期でいろいろありましたが、それなりにちゃんと幹部代として続けて、ちゃんと運営もできていたと思うので、まあよかったかなと思いますね。人数は少なかったですけども、この同期と一緒にできてよかったなと思います。

下村謙史朗(人4=東京・暁星)

笑顔で応援に応える下村

――試合を終えて今の率直なお気持ちは

 まずは早稲田大学が1位になれて嬉しいという気持ちが一つあるのと、もう一つは個人的な話ですが、自分としてはなかなか点が出なかったなという悔しい気持ちが半々ですかね。

――リーグ入れ替え戦にどんな気持ちで臨まれましたか

 僕としてはそのいろんな可能性を考えていたんですけど、入れ替え戦に臨むというところで監督(遠藤宏之監督)からも言われたんですけど、「この機会は前向きに捉えて最後62代としていい形で終われるようにみんなでベストを尽くそう」そんな気持ちで練習してきました。

――緊張やプレッシャーはありましたか

 個人的にはかなり緊張はありました。昨日も練習はしたんですけどなかなか自分で思うように射てない射が多くて、あんまり試合の前日にしんどくなるまでやっても良くないので、それなりに自分で一応納得できるところで切り上げてきたんですけど、その感覚のまま続いてしまって、ちょっと「苦しいな」って感じはありました。

――団体1位という今日の結果を受けていかがですか

 そのことに関しては嬉しいの一言につきます。自分自身は点数面では上手くはいかなかったんですけれども、チームのみんなが雨風のある中でもしっかり点数を出して、こうしてしっかり1位で入れ替え戦を終えることができたというのは本当に嬉しいですし、僕も微力ではありますけど雰囲気面とかで多少は貢献はできたのかなと考えています。

――今日の天候はどうでしたか

 最初に思ったのは、「思ったよりは強くないな」ってことでした。雨も最初はパラパラとした感じで風も体が崩れてしまう程吹いているわけでもなくて、まずは雨風に惑わされずに思い切って射とうと思ったんですけど、途中から少し変化があったり、強く吹くタイミングがあったりして、僕自身もそうですし周囲もちょっと苦戦しているところがあったと思います。

――リーグ戦全体を振り返って

 もちろん結果が出る出ないというところはリーグ戦の中であったと思うんですけど、チームで一丸となって、浮き沈みはあったとしても、全体としてはいい雰囲気で試合に臨むことができたのかなと思っています。そういうところは間違いなく収穫ですし、これからもそういった雰囲気の中で試合に臨むということを続けていけたらいいんじゃないかなと思います。

――1部残留を決めたことについて

 1部残留できたということは来年以降も王座に出場する芽があるということですし、本当に残留できて良かったなと思います。もしもの話ですが、残留できていなかったとしたら正直後輩たちに合わせる顔がない、そういう思いはあったので、本当に自分としてはほっとしています。本音を言えば「4年生がもっと点数を出して引っ張っていけたらいいのにな」なんてことも少しは思わずにはいられないですけど、なんであれ結果として1位で残留できたのでそのことは素直に嬉しいと思います。

――今日の試合は遠藤監督が自ら下村選手のスコーパーをされていました

 個人的には本当に嬉しかったです。試合前後も細かく声をかけていただいて肩を叩いて励ましていただいたり、後ろから声をかけていただいたりして、今日の試合の中で自分としては「しんどいな」と思うタイミングだったり、「思うように射てないな」と思うことがかなり多かったんですけど、監督がいてくださったおかげで最後まで諦めずに射ち続けることができたので感謝しかないです。

――応援について

 まず1年生であったり、女子チームのみんなであったりに関してはまず応援に駆けつけてくれてみんなで早稲田の空気を作ってくれたのでそのことがとても心強かったです。あとはOB3人に関しても、監督の言葉をお借りするなら「誇りを共有している仲間」というふうに考えているので、同じ誇りを共有している仲間として気にかけてくださっていることが素直に嬉しかったです。あと直近の前の代の主将である中野先輩(中野勇斗前主将)に来ていただいて、正直全然予想していなかったので突然円陣のところに現れてびっくりしたんですけど、いい意味でサプライズというか自分としてもすごく嬉しく思いました。

――王座を控える女子のみなさんにメッセージをお願いします

 女子に限らずではあるんですけど、王座となると出場できる人数は限られてきますし、女子に関してはみんな高い実力をもっているので、なかなか出るメンツもわかりませんし、いろんな思いを抱いているとは思うんですけど、本当にみんなで頑張って欲しいです。自分たち62代のスローガンとして「Move on to the Next Level」を掲げているんですけど、これは上から下までいろんな実力の幅があるこの早稲田大学アーチェリー部という中で、各々がさらに自分のもう一つ次のレベルに進めるように努力し続ける、そして同じ方向を向いて努力し続けた結果として、一丸となってチームとして目標に向かっていくことができるんじゃないか、そういう考えを込めてみんなで考えたスローガンです。このスローガン通りみんな一人一人が自分のできる最大限の努力をして、その結果としてみんなが一丸となって向かっていった先で王座優勝という目標を達成できればこれ以上ない部としての喜びだと思います。

――大学でのアーチェリー生活を振り返って

 後悔していることはたくさんあるんですけど、1番後悔していることはなんで1年生の時に入らなかったんだろうということですかね。なかなか知る機会もなかったこともあるんですけど、今になって「もっとやりたいな」という思いとか「もっとこんなことができたんじゃないかな」という思いがたくさんあるので、それが一つ後悔しているところです。心残りというか。でもそう思うのはこの部活にいてすごく楽しかったからですね。2年生の春に入ってみて、同期や先輩後輩と交流していって、いろんなイベントごとであったり試合であったり、そうしたことを重ねていって「本当にこの部に入れて良かったな」と思っているので、だからこそもっといたかったという思いは強いです。

――同期のお2人に向けたメッセージをお願いします。

 同期の2人でいうと、とりあえずは冬の高柳杯に向けて、また去年と同じチーム名で3人で出ようという話をしているのでそれに向けて頑張ろうかなって感じですかね。あと自分たち3人とも大変だったり「ちょっと辛いな」と思うときもあるな、と感じているので、そこはお互い3人で支えていきたいです。競技自体はもうちょっと続けるつもりではいるので、最後いい形で競技生活だったり大学生活を終えることができたらいいな、と思います。

――最後に後輩に向けてメッセージをお願いします

 正直62代のこの代としてはなかなか上の代にあったような強いカリスマ性であったり、高い競技力であったりとかに関しては少しだけ弱い部分もあったかなと思っていて、なかなかうまくいかなかったり失敗してしまったりそういうところを見せてしまうところも多かったとは思うんですけど、だからこそ反面教師じゃないですけど後輩たちにはより頑張っていってほしい。あと入ったばかりの1年生もそうですし、2年生3年生も僕たちよりずっと優秀だなと僕個人は思っているので、より良くしていってほしいです。自分たちのこうしたかったという思いであったり、意思を継いでいってもらって誇りを共有していけたらいいな、と思っています。本当に頑張っていってほしいです。

リーグ入れ替え戦の点数コールで笑顔を見せるメンバー。「楽しくできた」と柿沼主将が語るようにチームの雰囲気は常に明るかった

(取材・編集 星野有哉、梶谷里桜 写真 髙田凜太郎、梶谷里桜)