実力を出し切れず悔しい10位。次戦での巻き返しを誓う

男子アーチェリー

 4月16日、23日の2日間で開催される関東学生リーグ戦(リーグ戦)、その第1戦が行われた。全日本学生王座決定戦(王座)出場を狙う早大はチーム得点3279点で12校中10位に沈み、第2戦での巻き返しが必須となった。

 この大会では出場するメンバーのうち総得点の上位6名の合計点をチームの得点として、2日間の成績のより良い方を採用。その得点により順位を決定する。また早大が出場した1部リーグでは、最終結果が上位5位に入った大学は6月に行われる王座への出場権を獲得し、下位4位に入ると2部リーグ上位4位の大学との入れ替え戦に臨むこととなる。また試合は昨年までSHで行われていたが変更され、すべて70m先の的を狙う70mWで実施された。

 春らしい陽気な気候の元で始まったリーグ戦前半では、丸尾風瑛(スポ2=福岡・柏陵)がチームをけん引。「今週調子が少し落ちてしまって、そのまま今日まで来てしまった」と話すようにベストなコンディションではなかったものの、安定して50点台を出し、チームトップの個人14位で前半を折り返す。山下健友(スポ3=愛知・東海)は第2エンドで42点と調子を崩したもののそこから巻き返しを見せ、前半を終え300点と踏ん張った。しかし他6人が300点を超えることができず、1640点の団体10位で前半を終えた。

前半からチームを主導した丸尾

 前半以上の高得点が求められる後半、チームの雰囲気が緊張するかと思いきや、柿沼大翔主将(教4=東京・早大学院)を中心に皆が声を出し、終始リラックスした空気で試合を進める。点数コールでは試合に出場している選手だけでなく応援、OBOG、午後に試合を控えた女子選手など全員が盛り上げて、それにつれ選手が笑顔で応援に応えたり、グータッチをしたりする場面も増えていくように感じられた。しかしチームの点数は今一つ伸びず、前半と変わらず10位で競技を終えた。後半さらに点数を伸ばし、623点で個人8位となった丸尾も「もっと自分が点を出さなくてはいけなかった」と悔しさをにじませた。

笑顔でチームを鼓舞した柿沼主将

 目標の王座出場圏内に入ることができない悔しい結果に終わったが、チャンスは今回きりではない。「他大学の結果を見て王座出場は射程圏内にある、と全員が共通認識として持つことができたと思う」と柿沼主将が語るように達成の可能性は十分にある。勝負がかかった第2戦では全員がベストを出し切り、今回の悔しさを晴らしたい。

(記事、写真 梶谷里桜)

結果

▽男子1部

丸尾 623点

山下 593点

井上空副将(創理4=東京・早大学院) 527点

柿沼主将 522点

下村謙史朗(人4=東京・暁星) 511点

桑原駿(スポ2=愛知・東海) 503点

立川旺佑(国教2=東京・早大学院) 491点

安達由樹(人2=茨城・下妻一) 476点

10位 早大 3279点

コメント

柿沼大翔主将(教4=東京・早大学院)

――今回の団体戦に向けてチームとしてどんなことに取り組まれてきましたか

 気持ちの面では、男子チームは点数的に他大学と比べて出ているかと言われたら現状そこまで出ていなかったので、チャレンジャーという気持ちで挑もうと全員には言っていました。リーグ戦前にも「革命を起こそう」じゃないですけど、「目の前の1個上の大学をどんどん狙っていって最終的に上にいればいいよね」という、挑戦者の気持ちを全体で共有し、意識していました。具体的な練習としては春練習の最初の時からリーグ戦や王座に向けてどんな練習をしていこうか、と幹部内で話し合った時に最初は打ち込んでしっかり矢数をこなしつつ、途中から一気に点数を取ろうという方向性に切り替えるために点取りを増やしたりとか、試合形式を増やしたりとか、今年は例年に比べて練習試合も多めに設定したりとかして実際の試合の雰囲気などに慣れることを意識して練習していました。実際そのおかげで今日のリーグ戦では点数はそんなに出ていませんでしたが雰囲気は比較的スムーズに、いい雰囲気のまま射ちきることができたな、と感じています。

――チームの雰囲気という言葉もありましたが、柿沼主将が円陣でも競技中でも笑顔で声出しをされていたことが印象的でした。雰囲気作りについては意識されていましたか

 意識はすごくしています。昨年もリーグ戦には出させていただいていて、その時は点数が全然出なくて8人中8番目とかでした。だからどうにかして点数以外のところで貢献しようという気持ちが去年は強かったので、そこの経験を活かしつつ、どうやったらみんなが射ちやすいかな、とかやっぱり試合になると緊張したりもするのでその中でしっかり点数を出すためにはどういう雰囲気がいいのかな、と考えた時に、笑顔に関しては褒められることが多かったので僕自身の強みを活かしつつ、結果としてあの形になったのかな、と思います。なんであの形になったについては、主将という立場ですけど、僕は昨年の中野先輩(中野勇斗前男子主将、令5商卒=東京・早大学院)みたいに先頭に立って「お前らついてこい」みたいなタイプではないので、背中を押してあげられるような全体を包み込むようなリーダー像に個人的にはなりたいな、と思っていたので、そこはできるようになったのかなと思います。

――今回のリーグ戦のチームとしての目標と個人としての目標を教えてください

 チームとしてはまず王座に出場することを目標として掲げていました。練習試合を通して点数的にもおそらく全員がベストを出すことができればギリギリ通ることができるのが王座出場だったので、全員がしっかりベストを尽くして王座に出場するために頑張るというのは最初に目標としては掲げていました。個人としては具体的な点数で言うと600点というのはずっと目標にしていて、そこを超えられるようにというのはずっと意識していました。ただ現状4年生になって600点が練習で出せたかと言うと、そんなに出せていない状況でのリーグ戦だったのでそこは気負わないように。実は3月、4月の頭くらいに点数が出ない自分に対してすごく悩んでしまって点数をさらに落としてしまったところがあったので、自分の現状を受け入れた上で自分が今出せるベストを出そうというのは目標にしていました。

――今回のリーグ戦を通してチームの雰囲気は目標通りでしたか

 はい。チームの雰囲気は目標通りなのであとは点数を出すだけかな、と思います。

――チームの結果を振り返っていかがですか

 正直なところは悔しいな、と言うのが最初にあります。ただ全体の他大学の点数を見た時に思ったより他大学も緊張で点数が出ていなかったので逆にチャンスだな、と今日やってみて思いました。2戦目で天候がどうなるかわからないですが、射程圏内にあるな、というのは全員が共通認識として持つことができるようになったと思うので、今回の悔しさをバネに2週目で全員が点数を出すことができれば結果として王座に出場できるのかな、と思います。

――個人的に結果を振り返っていかがですか

 悔しかったですね。もう少し自分の実力的にもやってる年数でも点数を出さなくてはいけない立場ではあるので、そこに関しては責任を感じています。周りの人には「そんなに責任感じるな」とか「お前考えすぎだよ」と言われるのですが、やっぱり立場的にもチームの状況をみても自分が点数を出さなきゃいけないというのは常々あるので。逆に言うと調子は上がってきているので、この1週間でもう1回しっかりと詰め直して来週の2週目でしっかり点を出すだけかなと思います。

――改めて来週の2週目に向けて意気込みをお願いします。

 まずは王座出場できるように、全員が点を出すために自分たちが何をすればいいのか、というのを一つ一つこなしていくだけかなと思います。雰囲気面ではいいチームだと思っているのでそこは自信を持って、あとはそこに点数がついてくればいいな、と。やることをやるだけですかね。挑戦者の気持ちで頑張ります。

山下健友(スポ3=愛知・東海)

――今回のリーグ戦で個人的にどんな目標をもって望まれましたか

 600点が基準になると思うんですけど、600からプラスを作れる人間が丸尾と僕くらいかなと言う中で、プラス20くらい作れたらいいな、と言うのが個人的な目標でした。

――今回のリーグ戦の前のご自身の調子はいかがでしたか

 春合宿が終わってから割と調子が良かったんですが、それから風邪をひいて寝込んでいたらまた調子が悪くなり、そのまま伸びきらず、なんとか耐えている状態を続けてずっと今日まできたという感じです。

――柿沼主将と同じ的で、お二人でグータッチをする場面もありました。それについてはいかがですか

 去年も僕は主将と同じ的でそれが僕の定位置という感じで(笑)。去年代が変わっていろいろ試したんですけど結局主将の1個前に落ち着いていつも通りできたな、と思います。

――前半の結果を振り返っていかがでしたか

 滑り出しは悪くなかったのですが、一回大きく崩れてそれをなんとか回収して300点プラスマイナスゼロで抑えたっていう感じでした。

――後半はいかがでしたか

 後半の前半はだいぶ調子良かったのですが、後半ガタッと落ちてしまって、外す時に外しすぎてしまうのが個人的に課題でした。

――来週の試合に向けて意気込み

 1週間しかない中でこのままだと入れ替え戦に出場することになるので、もちろん王座に行くことは目指しますけれど、最低限入れ替え戦には出ないこととチーム全体が良くない流れにいかないようにするために来週は今週よりももっと高い点数を取らなくてはいけないな、と思います。

丸尾風瑛(スポ2=福岡・柏陵)

――今回のリーグ戦で個人の目標はなんでしたか

 個人の目標としては650点射ってレッドバッジを申請することを目標にしていました。

――この試合までのご自身の調子はいかがでしたか

 春にあった合宿で点数が伸びて、そこからは平均的に点数が高かったのですが、今週少し落ちてしまって、そのまま今日まできてしまい、今日もあまり点数がふるわなかったです。

――それでもチームトップの個人8位という成績でしたがどのように受け止められていますか

 もっと自分が点数出さないといけないと思いました。やっぱり団体の勝負なので今の点数に満足せずもっと高い点数を狙っていきたいと思います。

――来週の試合に向けて意気込みをお願いします

 来週も650点より高い点数を取って個人で1位を狙って、その上で団体も5位以内に入って王座に進めるように頑張っていきたいと思います。