快勝を収めた初戦から一週間。早大は関東学生リーグ戦(リーグ戦)2戦目で、拓大と対戦した。序盤は得点が安定せず接戦となるも、30メートルで調子を上げ逃げ切る。3925-3877で開幕2連勝を飾った。
雨の影響もあり冷え込んだ会場。50メートルは苦しい立ち上がりとなった。それでも、普段と変わらぬ応援とコールで選手を後押しする。ペースをつかんだ蓼沼佳斗(基理2=東京・早大学院)と吉永剛(人2=神奈川・浅野)が自己新記録を出し、流れを引き寄せた。後半の30メートルでは初戦から好調をキープしている池田亮(人3=東京・国際)を中心に得点を重ねるが、一方の拓大も簡単には引き下がらない。10点を射抜き、飛び交う選手たちの雄叫び。両チームが高得点を出し合う中、最後まで集中力を切らさなかった早大に軍配が上がった。
50メートルで自己新記録を出した吉永
勝利の原動力となったのは、またしても下級生の奮闘であった。ベストメンバー8人の内、5人が2年生。鬼塚聡(スポ2=千葉黎明)が「2年生が多いと仲良くやりやすい」と語るように、学年内での切磋琢磨(せっさたくま)がチームに一体感をもたらしている。またこの試合でリーグ戦デビューを果たしたのは、期待のルーキー竹内寛人(スポ1=愛知・東海)。緊張から思うような射はできなかったものの、上級生の声援やアドバイスも功を奏し終盤に手応えをつかんだようだ。「自分が沈みがちになった時でも盛り上げてくれる」と、初めて肌で感じた大学アーチェリー独特の雰囲気を振り返った。チームを支える若手選手の活躍から、今後も目が離せない。
30メートルでは攻めの姿勢を見せた竹内
「いつも通りの雰囲気で、みんなで点数を取りにいけた」(蓼沼)。1年生から4年生まで、それぞれが自分の役割を果たし手にした2勝目。当面の目標であるブロック優勝へ向け、調子は上向きだ。次週の対戦相手は明大。リーグ戦の行方を左右するヤマ場であると言えるだろう。新戦力も加わり波に乗る早大の快進撃は、まだまだ終わらない。
(記事 川浪康太郎、写真 山下夢未)
結果
▽男子
○早大3925-3877拓大
コメント
鬼塚聡(スポ2=千葉黎明)
――初戦から一週間経ちましたが、意識的に練習してきた部分はどのようなところでしょうか
リーグ戦はやはり緊張してしまうので、緊張した中でどうやって打てるかなということを考えながら練習してきました。
――前半の50メートルの出来はいかがでしたか
50メートルは最初から最後まですごく楽しめてトータルとしては点数はよかったのですが、最後に50点を切ってしまったので少し悔いが残ります。
――一方、後半の30メートルはいかがでしたか
30メートルも楽しめたのですが、楽しみすぎた分息が上がってしまったので、体力的な部分を考えて次の試合では点数を上げていきたいです。
――2連勝となりましたが、チームの戦いぶりはいかがですか
初戦に比べて緊張は少なく慣れてきた感じがあったので、すごくよかったと思います。
――今週からルーキーの竹内寛人選手(スポ1=愛知・東海)が加入しましたが、そのあたりで刺激にはなりますか
きょねんの自分と重なる部分が多いので、すでに知っている部分を教えてあげて次のリーグ戦でも頑張ってもらいたいです。
――2年生の活躍は同学年から見てどのように感じていますか
僕も2年生なので、2年生が多いと仲良くやりやすいなと思います。
――最後に、次戦への意気込みをお聞かせください
来週もきょうよりいい点数を出して、東日本大会に行けるように頑張りたいです。
蓼沼佳斗(基理2=東京・早大学院)
――きょうの試合を振り返って
チームとしては、2戦目ということで慣れてきたということもあり、いつも通りの雰囲気でみんなで点数を取りにいけたと思います。
――きょうのご自身の調子はいかがでしたか
50メートルは自己新を出すことができたのでよかったんですけど、30メートルはとにかく調子が悪くなってしまって、点数が出なかったので、とても悔しいです。
――50メートルでは、ガッツポーズが多く見られましたが
感覚もよく、点数も10点に入ってくれたので、とてもうれしかったです。
――同期が多く出場していますが、意識はしていますか
同期は上手な人が多くて、自分としても目標としている選手がたくさんいるので、もちろん一緒に出たいという気持ちはありますけど、食らいついていきたいという思いでいつも練習しています。
――練習で意識していることは
自分はまだまだ射型に課題が多くて、まずは安定した点数が出せるような、しっかりとした土台作りをしています。
――蓼沼選手から見た新入生の様子は
初めての試合だったということで、とても緊張していたと思うんですけど、30メートルでは点数も出ていたので、今後も点数を出してくれると僕個人は期待しています。
――ことしの目標は
先ほども言ったとおり、まずはしっかりとした土台作りをして安定した点数を出すことで、その先に結果がついてくればいいなと思っています。
吉永剛(人2=神奈川・浅野)
――きょうの試合を振り返って
50メートルは序盤から結構取れたというか、外す射もそんなになかったので、自分の射ができたという感じでした。30メートルが自分の射はある程度形にはなっていたのですが、緊張で体がうまく動かなくて、点を落としてしまいました。
――50メートルでは自己新でしたが、その時の気持ちは
すごくうれしかったです。きのうとか、おとといぐらいがとても調子がよくて、いけるかなと思いながらきょうの試合に臨んだので、自己新が出てよかったと思います。
――きょうのご自身の点数は納得がいくものでしたか
はい。
――練習で意識していることは
自分は肩の入れ方が下手なので、そこだけを意識してとりあえず射つことを考えています。
――お手本にしている先輩はいらっしゃいますか
卒業した先輩なんですけど、山本周平先輩(平28スポ卒=山梨・甲府一)をお手本にしています。最初の弓を持ち上げるときの動作を参考にしたら、射てるようになりました。
――新入生を迎えての試合でしたが、チームの雰囲気はどうでしたか
序盤から点を出す人はちゃんと出すという感じで、リーグ戦初出場が新入生の1人だけだったので、周りの人が緊張を徐々にほぐしていったと思います。
――ワセダは応援にも力を入れていると思うのですが、ご自身に影響はありますか
射ったときに応援の声が聞こえてくると、うれしくなってきますね。名前を呼ぶ応援とか、自分は好きですね(笑)。
――今後の目標は
リーグ戦期間中に、640点を超えてみたいです。
竹内寛人(スポ1=愛知・東海)
――リーグ戦初出場となりましたが、緊張はありましたか
高校生の頃からアーチェリーをしていて元々緊張しがちなのですが、先輩たちが応援してくれたおかげで集中ができないほど緊張するということはなかったです。
――デビュー戦のご自身の得点を振り返っていかがですか
点数としてもよくないし、射ち方に関してもよくなかったと思います。
――ただ後半の30メートルからは得点が伸びましたが、前半を終えて気持ちの切り替えはできましたか
50メートルの途中で外し始めたのですが、50メートルの最終立で自分が練習の時にやっている感覚をつかめたので、30メートルは思い切って攻めれたと思います。
――上級生からはどのような声かけやアドバイスがありましたか
なかなか学校の行事とかで練習に参加できない中で試合に出て、焦らなくていいからしっかり自分の点数が出るように調整できればいい、と言われました。
――他の部員からの応援やコールなど、チームの雰囲気はいかがでしたか
アーチェリーの試合は高校生だと孤独に戦うことが多いのですが、大学生だとチーム全体で後押ししてくれて、自分が沈みがちになった時でも盛り上げてくれるので射ちやすかったです。
――アーチェリーでの今後の抱負や目標をお願いします
まずは本来自分が出せる点数を出していくということと、チームを引っ張っていけるような選手になりたいと思います。
――最後に、次戦への意気込みをお聞かせください
次も選考にかかるはずなのですが、選考を通って自分自身の本来出せる点数を次の試合で出して、チームに貢献したいと思います。