初黒星で優勝逃し、3位決定戦へ

男子アーチェリー

 桜も散り緑が生い茂る中、関東学生リーグ戦(リーグ戦)はついに最終戦を迎えた。相手は、ここまで3勝1敗中の専大。一部ブロック優勝を争う戦いに多くの注目が集まった。4連勝中の早大は今戦も白星で収めたかったものの、専大に終始リードを保たれる展開に。結果は全勝の夢叶わず、最終戦を黒星で終えた。

率先してチームを盛り上げる田寺主将

 前半の50メートル。第4戦の良い雰囲気が保たれたまま、いつも通りの良いペースで各選手射を展開する。最終戦ということもあり、仲間の応援もいつも以上の盛り上がりを見せた。「選手がここまで実力を出せるというのは応援のおかげ」と田寺洋貴主将(人4=茨城)が語るほど、選手のベストパフォーマンスのためには応援の力が欠かせない。そして笑顔で声援に応える選手。この良い雰囲気のまま最終戦も白星を収めたいところであったが、専大は早大に圧倒されることなく高得点をたたき出す。前半終了時点では30点以上の差が開いていた。

 迎えた後半、得意とする30メートルで挽回し何としてでも逆転したい早大。戦いぶりはまさに互角であり、なかなか30メートルで差を縮めることができない。早大は最後まで攻めの姿勢を崩すことはなく、寺澤紀彦(スポ4=東京・足立学園)が60金を出す場面も見られた。しかし30メートルの追い上げも虚しく、最終戦にして初めて敗戦を喫する結果に。選手にも悔しい表情が見られた。これで早大はブロック2位が決定し、同時に学生王座決定戦(王座)への切符も獲得。王座では70メートルの種目も加わるため、各個人の実力の底上げが求められるであろう。4年生にとっては集大成ともなる大会である。これまで早慶戦、六大学交流戦(六大戦)の結果が振るわなかっただけに王座でのリベンジを誓う。

この日も大いに盛り上がりを見せた応援

 「勝てた試合」(守屋麻樹監督、平3政経卒=東京・杉並)であっただけ、リーグ戦優勝を逃してしまったのは手痛い結果である。次は3位決定戦に進むが、これまでの反省を生かし有終の美でリーグ戦を終えたい。また、リーグ戦で高得点を出した山本周平(スポ4=山梨・甲府第一)は東日本選手権出場を決めた。不動のエース山本が早大の代表として挑む。

(記事、写真 新庄佳恵)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません

結果

▽男子

●早大3831-3873専大

コメント

田寺洋貴主将(人4=茨城)

――きょうの試合を振り返ってみていかがですか

とりあえずなんとか王座にいけることが決まったので良かったんですけれども、きょうは僕たちとしても勝ちたかった試合ですし勝てた試合だと思います。この日に勝つためにいままで準備してきたのですがなかなか叶わなかったです。反省点としては、いままで点数は出てきたのですがきょうは上手く発揮できなかったし、単なる僕たちの実力不足かなと思いました。

――最終戦で敗戦という結果についてはどう受け止めていますか

まぁ正直悔しいです。次は王座でリベンジを果たしたいです。

――専修大はやはり手強い相手だったのでしょうか

実際問題やはり点数を出してきているので、数字的には自分たちの方が一つ下で向こうの方が上手だったのかなとは感じています。実力としては練習の段階からみるとやはり勝てたのではないのかなと思うので、手強い相手とは思わなかったですね。

――50メートル終了時点で30点以上の差がありましたが、得意の30メートルでどう挽回していこうと話し合われていましたか

もともとやっぱり自分たちのチームは50メートルで点が出なくて、30メートルから挽回していくというかたちが多かったんですね。負けていたからというわけではないのですが、30メートルはしっかり声を出して、一人ではなくチームとして勝っていこうというのはずっと話し合っていました。最後まで点を詰めることはできませんでしたが、雰囲気としては良かったのではないかなと思います。

――今季リーグ戦全体を総括してみていかがですか

大半の人が悔しがっていると思います。これまで自分たちが目標に掲げてきた早慶戦や六大戦で勝てなかったので、リーグ戦で優勝して自分たちの目標を達成して良いかたちで王座に繋げたかったです。正直なところやはり悔しいですね。

――リーグ戦を通してチームとしても田寺選手としても得られたことはありますか

リーグ戦を通してやはり仲間の大きさというのを感じました。本当にここまで一カ月やってこれたのは自分だけではなく周りのみんなのおかげだなと思っていますし、実感できたのがこのリーグ戦でした。

――王座までの残りの約2ヶ月間でどう修正をかけていこうと考えていますか

そうですね。リーグ戦というかたちがもうないので50メートルでどうするかというよりは、すべて70メートルでどう勝つか、王座の決勝ラウンドでどう勝つかというのを話して、一人一人個人が自分が選手になるんだという強い気持ちを持つことが必要だと思います。

――最近の田寺選手の調子はいかがですか

リーグ戦の初めは良かったのですが、後半につれて点数が伸び悩んできたのかなと思っています。思い返すと反省点は色々あるんですけど、練習量をもっと増やしたかったなと思いました。どれだけ効率的にやろうとしても自分は量には勝てないし、練習量で自信をつけてきたタイプだったので。悪いわけではなかったのですが、目標を高くもって、そこに向かってもっといけたのではないかなと思います。

――主将からみてチームの中で特に活躍していた選手は誰ですか

やっぱり応援かなと思います。選手がここまで実力を出せるというのは応援のおかげだと思っているので、応援がいなかったらもっと100点くらい下がると僕は感じています。なので応援の存在というのか一番大きかったのではないかなと思います。

――現時点でのチームとしての課題はありますか

まず一点目としては単純な実力不足です。そこに関しては毎年言われていることですね。自分たちは70メートルがなかなか練習できないのですが、他の強豪校はやっぱり王座に向けて70メートルの練習を積んできていて、でも自分たちは50、30メートルがメインになっている状況です。なので70メートルの実力、個人としての実力を上げることが一点ですね。二点目はやはり応援の力です。というのも新しく一年生が新戦力として入ってきてくれたんですけれども、いきなりチームに馴染んで応援を全力でやるというのは難しいので、そこをあと2ヶ月間でどれだけ高めていけるか、そして次の代にどう繋げていけるかというのが自分たちの課題ですね。

――最後に次の3位決定戦に向けての意気込みをお願いします

もちろん絶対勝ちます。

守屋麻樹監督(平3政経卒=東京・杉並)

――今季リーグ戦の男子部、女子部の戦いぶりは監督から見ていかがでしたか

男子から言うと、本当ならもっと点数が出るチームなのでもう少し出してほしかったなと思います。できれば全勝でブロック優勝してほしかったです。女子については、ポテンシャル的にはもっともちろんでると思いますが、順当に勝ち上がったなという感じですね。

――いまのチームの現状、調子はいかがでしょうか

すごく良いわけでもすごい悪いわけでもなくて、調子的には落ち着いている感じだと思います。

――今季リーグ戦で特にチームに貢献していた選手はいらっしゃいますか

男子は山本周平はエースなので当然というか、期待通りに頑張ってくれました。あとは池田亮ですね。主将もプレッシャーに負けずに良く頑張ったかなと思います。女子は1年生の2人ですね。

――順位決定戦や王座はどんな戦いになってくるのでしょうか

男子は早慶戦になりますが、まだリーグ戦5試合で本来の実力が発揮できていないのでその思いを全部ぶつけて、いままででチームの中で一番高い点数で射ってぶっちぎりで勝ってほしいなと思っています。女子については、またことしもうちは挑戦者として挑むと思いますが、うちらしい試合展開でしっかり出すところは出して、無駄な外しをなくして点数を出して勝っていきたいです。

――王座に向けてどのような指導を心がけていきたいと考えていますか

王座はまだそもそも誰が出るのかはわかっていなくて、これから選手選考をやっていくと思いますけれども、特に4年生は最後の王座ですし、就職活動も重なって色々時間的にも難しいと思いますが悔いのないようにやってくださいと言いたいです。将来、卒業してからもっとやれば良かったということがないように全力でぶつかって、その上で選手になってもらってうちらしい試合で優勝してほしいです。