夢の舞台・王座出場へ!

男子アーチェリー

 4月とは思えぬ鋭い日差しが照りつける中、関東学生リーグ戦(リーグ戦)第5戦が行われた。ブロック最終戦となる今試合は拓大と対戦。3836-3826と辛くも勝ち星を挙げた。また、同日午後に行われた試合で日工大が敗れたため、ワセダのブロック2位が確定。悲願の全日本学生王座決定戦(王座)出場を決めた。

ガッツポーズで応援に応える東郷

 第4戦では今シーズン最高得点を記録したワセダ。第5戦でもその勢いのままに相手を圧倒することを期待されたが、思うように点数が伸びない。前半戦を1点ビハインドで折り返すと、得意の後半戦での反撃を図る。30メートル第1エンドで逆転に成功し、徐々に点差を広げるも、最終第6エンドで失速。わずか10点差という紙一重での勝利となった。白星はつかんだものの、「今までの5戦の中で1番良くなかった」(寺澤紀彦、スポ3=東京・足立学園)、「ベストコンディションだったので、もうちょっと点数は出せた」(山本周平、スポ3=山梨・甲府一)と多くの選手が反省の言葉を口にした今試合。宿敵ケイオーと争う3位決定戦まではまだ2週間ある。落とすわけにはいかない戦いに照準を合わせ、どれだけ態勢を整えられるか。

 「1年生のころからずっと夢見ていた念願の試合」(山本)。この舞台への出場権は今、ワセダの手の中にある。4年ぶりに1部でプレーをする今季は、まさに『快進撃』を繰り広げた。初戦で強豪・日工大を下すと、そこから流れに乗り3連勝。第4戦で専大に敗北を喫したが、4勝1敗と堂々の戦いぶり。「うちらしい試合は全部できた」と守屋麻樹監督(平3政経卒=東京・杉並)も太鼓判を押した。光っていたのは寺澤、山本の両3年生エースやそれを支える4年生の活躍。しかしそれだけではない。ワセダの躍進を裏で支えたのは応援の力。「みんなで頑張っているという意識が統一されているのが、僕たちのチーム特有でかつ1番の武器」(平井大介、政経4=東京・早大学院)。試合で戦っているのは選手だけではない、部員全員で勝ち取った王座への切符だ。

歌を歌って選手を鼓舞する部員たち

 快勝で締めることはできなかったものの、納得の5戦を終えたワセダ。次戦は2週間後に行われる3位決定戦。くしくも半年ぶりの早慶戦となる。「絶対に負けられない」(東郷大地、教3=埼玉・春日部共栄)。勝たねばならない一戦がそこに待つ。

(記事、写真 谷田部友香)

結果

男子○早大3836-3826拓大

コメント

守屋麻樹監督(平3政経卒=東京・杉並)

――1部での男子部の戦いをどのように評価していますか

うちらしい試合は全部できたと思います。第4戦で専大に勝てなかったんですけど、ベストは出せていたので、上々だなと思っています。きょうの試合はいまいちでしたけどね。

――4勝1敗という結果についてはいかがですか

できれば5勝0敗でぶっちぎりで王座(全日本学生王座決定戦)、優勝決定戦に出ることを狙っていたので、ちょっと残念ではあるのですが、まだ午後の試合次第ですが王座に行く可能性があるので、そういう意味では良かったんじゃないかと思います。

――特に良い働きを見せていた選手は

きょうはちょっと伸び悩んでいますが、3番の的を射っている2人(山本周平、スポ3=山梨・甲府第一、寺澤紀彦、スポ3=東京・足立学園)であったり、前回の衣斐(直也、スポ2=岐阜・大垣西)であったり、4的の4年生2人(根本翔平、創理4=東京・早大学院、中川裕太、スポ4=岐阜・大垣西)がしっかり下をまとめているとか、そういう安定したチームだったなと思いますし、なによりも応援が大きいなと思います。

――順位決定戦はどのような戦いになると考えていますか

おそらく向こうはケイオーが出てくると思うのですが、早慶戦になったときにはうちはうちらしくいい点が出ると思うので、きょうの反省をしっかり生かしてもっといい試合ができるといいなと思います。

鈴木惇志主将(創理4=東京・早大学院)

――ここまでの5戦の戦いを主将としてどのように評価していますか

結果だけ見るならば、昨年は2部だったので4勝1敗は及第点だと思います。ただ雰囲気だったりとか、文字に表れないところはまだ改善の余地があって、練習のほうが良くできている部分が多かったんじゃないかと思います。

――点数についてはいかがですか

3月中からワセダの歴代の記録も更新してきて、カベであった3900点も越えて、非常にいい雰囲気や調子で来ていると思ったんですけど、試合では外しはあまりなかったのですが、上があまり出ず、伸び切らなかったと感じますね。

――再来週の順位決定戦に向けてどのような準備をしていきますか

まだ自分たちの順位は決まらないのですが、だからと言ってなにもやることは変わらないと思うので、今までの反省をしっかり生かし、だめだったところを今一度認識して、改めて勝ちには何が必要なのか、点数を出すためには何が必要なのかということを考えていきたいと思います。もし相手がケイオーなら、ちょうど半年ぶりの早慶戦なので、今一度気合を入れなおして、更に強い気持ちでやっていきたいと思います。

――次戦への意気込みをお願いします

個人としてはリーグ戦(関東学生リーグ戦)に出られていないので、選手として復活をすること、チームとしてはリーグ戦でまだ出せていない3900点を出して、相手を圧倒して良い雰囲気で王座(全日本学生王座決定戦)に出たいと思います。

平井大介(政経4=東京・早大学院)

――きょうの試合を振り返って

チームとしてはあまり雰囲気は良くなかったと思います。ただ自分もその雰囲気を悪くしている原因の1つだったので、再来週の順位決定戦に向けてしっかりチームとして改善していけたらと思います。

――出場された4試合でのご自身の働きをどのように評価していますか

きょうの試合はちょっと悪かったんですけど、他の3試合に関しては比較的雰囲気を作ることにも成功しつつ、自分でもなんとなく点数を出して来られたので、そういう意味できょうはちょっと残念だったのですが、4試合ではそこそこの働きができたんじゃないかと思います。

――ことしから1部となって快進撃を続けてきましたが、ワセダの強みはなんだと考えられますか

選手と応援が一体となって、みんなでワイワイやっているというと体育会っぽくないんですけど(笑)、そういう面でみんなで頑張っているという意識が統一されているのが、僕たちのチーム特有でかつ1番の武器かなと思います。それがきょうは強く出なかったんですけど。

――順位決定戦に向けて意気込みをお願いします

まず頑張って出ます。そこで今回4試合出て平均が630点くらいなので、640、50点くらいは出せるように頑張っていきたいと思います。

中川裕太(スポ4=岐阜・大垣西)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

ラストの2エンドくらい自分の点数が低くて、全体的に不安にさせてしまう射をしてしまったことは申し訳ないと思って、そこが反省点です。

――以前最後まで楽しみたいとおっしゃっていましたが、まだ順位決定戦を残していますが、楽しんでいますか

そうですね、毎試合自分の中では楽しめています。ここ4年間の中では1番楽しめた1か月だったんじゃないかと思います。まだ終わってないので後も全部楽しみます。

――順位決定戦までの2週間、どのような調整をしていきますか

きょうの点数が、リーグ戦(関東学生リーグ)の中で2番目に低い点数だったので、この点では正直きついというのは自覚しているので、きょうコーチに指導していただいた部分を含めて、しっかり自分がいいと思える射形に近づけていきたいと思います。

――順位決定戦への意気込みをお願いします

まだ3位を決めるのか5位を決めるのかは分かりませんが、誰が相手になっても絶対に勝つつもりで、どっちに当たるかもしっかり考えながら臨んでいきたいと思います。

根本翔平(創理4=東京・早大学院)

――きょうの試合を振り返って

スタートは良かったのですが途中でMを射ってしまって(矢が的の得点帯に入らなくて)、そこから一瞬崩れてしまい、そこからなんとか持ち直すことはできたのですが、結果的には満足のいくものではなかったかなと思います。

――先週、練習と試合の差を埋めることが課題だとおっしゃっていましたが、そこは克服できましたか

できませんでしたね。きのうよりも10数点下がってしまって、Mった(矢が的の得点帯に入らなかった)とはいえ練習よりも試合では低くなってしまいましたね。

――きょうはいつにも増して応援が盛んでしたが、応援というのは力になりますか

そうですね。外した時に後ろで励ましてくれる人がいるというのは心強いです。

――順位決定戦に向けて意気込みをお願いします

2週間あって、ゴールデンウィークもありますし練習時間もたくさんあるので、先週よりも本数を射って、自分の中の課題にもちゃんとケリをつけて試合に臨みたいと思います。

田寺洋貴(人3=茨城)

――きょうの試合を振り返って

全体としてはいつもより点数が下がっていたので、もっと改善できるかなと思いました。個人的には今週すごく調子が良かったので、もうちょっと点数は出るかなと思ったんですけど、リーグ戦(関東学生リーグ戦)の中ではきょうが1番調子が良かったので、まあまあかなと思います。

――ここまでの5戦を振り返っていかがですか

いろんなことがあって、全体を通して楽しかったです。

――以前「笑顔を心掛けている」とおっしゃっていましたが、今大会の中でそれは実践できましたか

できたと思います。自分が1番笑顔だったんじゃないかと個人的には思います(笑)。

――順位決定戦に向けて意気込みをお願いします

勝ちます!それだけです。

寺澤紀彦(スポ3=東京・足立学園)

――きょうの試合を振り返って

今までの5戦の中で1番良くなかった試合だなと思いました。僕自身もそうですし、チーム全体としても、雰囲気が悪いとまでは言わないですが、この5戦の中ではあまり良くなかったと思いました。

――1部で戦った5試合は、きょねんと違ったものはありましたか

僕個人としては、きょねんと全く感覚に違いは無くて、どちらかというと1部のほうが相手校に知り合いが多かったり、ただ純粋に相手が強くて楽しいなというのがありました。僕個人としては全く1部だからどうとかはなく、個人の中でいい点数を出せたら、ということだけを考えてやっていたので、プレッシャーとかは正直なところ無かったです。

――全日本学生王座決定戦(王座)への思いをお願いします

ワセダが王座出場を決めたとしたら、僕は絶対に選手として出たいので、そのためには僕自身が実力をつけるのはもちろん、チームのみんなが代表メンバーに僕を入れて不満がないような選手に、ここから王座出場にかけて成長していきたいと思っています。

――順位決定戦に向けて意気込みをお願いします

3位決定戦になるか5位決定戦になるかで結構違いはあるのですが、どちらにせよすることはいつも通り射って、いつも通り勝つことが目的なので、僕ら選手がチームのためにできることは、いつも通り練習して、実力をつけて万全の状態で試合に出場する準備をすることだけだと思うので、それを通して試合に勝つことは当たり前で、勝つことしか考えていないです。

東郷大地(教3=埼玉・春日部共栄)

――きょうの試合を振り返って

今大会全て接戦だったのですが、今回も勝てて良かったです。

――ご自身的にはいかがでしたか

自分はきょう50メートルがすごく良かったのですが、30メートルが当たらなかったので、そこは力不足だったと思います。

――ここまでの5試合、安定した成績を残していたように見受けられましたが、ご自身としてはいかがですか

きょねんと比べてだいぶ点数を出せていて、選手にも5戦全部入れたので、そこは成長できて自分でも良かったと思っています。でも練習のアベレージよりも全然低い点数しか射てていないので、そこが周平(山本周平、スポ3=山梨・甲府一)や寺澤(紀彦、スポ3=東京・足立学園)にまだ勝てないところなのかなと思って、まだまだだなと思います。

――順位決定戦でのご自身の目標はなんですか

まだ相手が分からないですが、もしケイオーだったら早慶戦になるので絶対に負けられないです。また何人か同期で点数を出している人がいるので、その人たちにも絶対に負けられないです。660点を絶対に次は超えられるようにやっていきたいなと思います。

――順位決定戦に向けて意気込みをお願いします

相手がどこでも、うちが何位決定戦に出ても、絶対に自分のベストのパフォーマンスをして、チームもベストのスコアを出して勝てるように頑張ります。

山本周平(スポ3=山梨・甲府一)

――きょうの試合を振り返って

個人的には納得いかない試合でした。ちょっとミスが多かったですね。チームとしてもベストコンディションだったので、もうちょっと点数は出せたかなという試合でした。

――5試合通してのご自身の点数についてはいかがですか

3試合目が比較的良かったと思うのですが、5試合の中で僕が満足のいく点数はまだ射てていないので、2週間後の順位決定戦に向けて鍛えるべきかなと思います。

――全日本学生王座決定戦への思いをお願いします

1年生の頃からずっと夢見ていた念願の試合がやっと3年生になって届くようになったので、そこで是非とも勝ち進んで優勝したいです。

――順位決定戦への意気込みをお願いします

まずチームトップの点数を出すことを意識して、チームとしてもチーム新記録が狙えるようなレベルになればいいかなと思います。

衣斐直也(スポ2=岐阜・大垣西)

――きょうの試合を振り返って

調子を合わせてきたつもりだったんですけど、そんなにうまいこといかなかったです。悔しい結果になりました。

――今大会での5試合のご自身の成績をどのように評価していますか

大学に入って1年経って、まだまだ成長していないなと思ったので、これからもっと練習を積んで、強い選手になっていきたいと思っています。

――1部で戦ってきた5試合の中で印象に残っている試合はありますか

先週の第4戦が、調子が良かったので1番印象に残っています。

――順位決定戦への意気込みをお願いします

ワセダの中で1番になって、きょうや前の試合の悔しかった雪辱を晴らしたいです。