強敵破り、入れ替え戦へ

男子アーチェリー

 一部昇格へ王手をかけた。奇しくも昨季、入替戦で涙をのんだその場所で行われたリーグ戦最後の試合。50メートル終了時点で36点差と先週までの試合より苦戦を強いられるかたちとなったが、30メートルに入ると徐々にリードが広がっていった。悪いイメージを払拭するような明るい雰囲気の中で、確実に点数を積み重ねての勝利。真夏の暑さの中でも集中力を切らさなかったワセダが、もう一度一部昇格へのチャンスをつかみとった。

入れ替え戦でも活躍が期待される寺澤(左)、山本

 最終戦は全勝同士の対決となった。勝った方がブロック優勝という状況に、「最初は全体的にみんな緊張していた」(高城佳之主将(スポ4=埼玉・栄東))。その中でもやはり2年生コンビの力が大きかった。緊張感の中でも自分の射を崩すことなく、50メートルで324点の好記録をマークした寺澤紀彦(スポ2=東京・足立学園)。そしてその寺澤を後半の30メートルで追い上げた山本周平(スポ2=山梨・甲府一)。2人の最終成績はなんと670点の同点。今回は10点満点の数の差で、寺澤に軍配が上がった。守屋麻樹監督(平3政経卒=東京・杉並)も注目選手に挙げるこの2人の活躍が、一部昇格を引き寄せる大きな力になるだろう。

笑顔をみせる高城主将

 高城主将はリーグ戦を振り返り、「本当にみんなよく頑張ってくれた」と語った。射線に立ち、人一倍大きな掛け声でチームを鼓舞する姿は、後輩たちの目にも頼もしく映っていたはずである。大切なのは、きょう学んだ「緊張する中での射形」をしっかりと確認し、入替戦の雰囲気にのまれずいつも通りの射をすることだ。3822点という点数で見ても、1部のチームに勝てる力は十分ある。来週は雨も予想されるが、「どんな天気であっても大丈夫なように」(守屋監督)。ワセダらしさを体現できるよう、万全の態勢を整えたい。

 一部に上がれば王座出場も見えてくる。リーグ戦でどんなに良い成績を残していても、1回の入替戦の結果ですべてが決まってしまう。油断は禁物だ。きょねん果たせなかった悲願をことしこそ達成し、来年は後輩たちが一部で戦えるように――。3点差で逃したあの悔しさを晴らす時がやって来た。

(記事 手塚悠、写真 建部沙紀)

結果

男子 ○早大3822-3774東京電機大

コメント

守屋麻樹監督(平3政経卒=東京・杉並)

――きょうの試合をご覧になっての感想をお願いします

このブロックのなかで一番点数を出す相手だったんですけれども、うちらしい試合展開が出来たかな、という風に思います。

――リーグ戦がきょうで終わりました

男子は直前にミーティングもして、とても一体化して良いチームだったな、思います。毎試合応援の人もみんな頑張ってやってくれたので、全体としてまとまったチームでした。

――男子での注目選手は

寺澤、山本ですね。きょうの試合も、彼らが二人とも670点でプラスを作っていて、3番手以下はあまり良くなかったのですけれども、彼らがいるからこそ、そこそこの点数に収まったというところでは、もっと頑張ってほしいです。注目選手ですね。

――入れ替え戦にむけて

去年は、天気の悪いなかで苦戦して、残念な結果だったので、万全の態勢で、どんな天気であっても大丈夫なようにしっかり準備して、うちらしく、やっていきたいと思います。

高城佳之主将(スポ4=埼玉・栄東)

――きょうの感想

相手が今までより強い方の敵だったので、最初は全体的にみんな緊張していて、なかなか思うような点数が出なかったんですけれども、時間を経るにつれどんどんみんなが上がっていって、終盤にかけては雰囲気が良くなっていったので、そこは良かったかな、と思いました。

――リーグ戦全体の感想

私自身は、全部出られたので良かったな、というのと、本当にみんなよく頑張ってくれて、全勝も出来ましたし、あとは来週が一番大きい試合ですので、そこにむけて、もっと良くなれたらな、と思いました。

――入れ替え戦に向けての課題

きょうみたいに最初緊張しているとどうしても点数を落としてしまうというのがあったので、そこですね。でもきょうは逆に緊張するなかでの射形というのが分かったと思います。来週はやはり緊張すると思うので、各自が緊張するとどうできないのか(確認しておくこと)、ですね。テンポ良く射っていこう、ということが、一つの大きな課題かな、と思いました。

――来週のキーマンは

やっぱり寺澤君ですね。未経験で入ってきて、一年でこんなに上手くなったので、彼は本当にありがたい存在です。

――来週の意気込みをお願いします

来週は4校で戦いますけれども、そのなかで一番になって、絶対一部に復帰して、来年以降につなげていきたいと思います。頑張ります。