ついに迎えたこの日。春の暖かい日差しの中、関東学生リーグ戦(リーグ戦)が開幕した。昨年から男女共に1部での戦いとなった早大は、ことしもリーグ戦上位5位のみが獲得できる全日本学生王座決定戦(王座)出場権を懸けて今大会に挑む。第1戦の相手である拓大を3867-3840で下し、初戦で白星スタートを飾った早大。チーム全員で勝ち越し、早大の強みが十分に生かされた試合となった。
初戦では4年生全員がベストメンバーとして選抜された。同期がそろって出場するのは初であり、全員で白星を獲得できたことについて「嬉しかったし楽しかった」と田寺洋貴主将(人科4=茨城)は語った。
主将として最後のリーグ戦を迎える田寺
序盤の50メートルでは出だしからスロースタートとなり、調子が出るまでに時間がかかった早大。各選手、思うように点が伸びず後半戦の30メートルで接戦に持ちこむ。その時点で拓大との点差はまさに僅差。互角の戦いであり、最後まで勝負の行方が分からない手に汗握る試合展開であった。しかしそんなときにチームの力となったのはやはり仲間の応援。その応援に応えるかのように、徐々に拓大との点差を引き離し27点差で勝利。初戦ということもあり緊張していた選手が多い中、「応援の声が自分のことを支えてくれました」と小出隆幸(法4=東京・広尾学園)が語るように、仲間の応援が選手の後押しとなったにちがいないだろう。
紺碧の空を唱歌する選手
まずまずの結果で迎えた初戦。出だしが良くなかっただけに、満足する結果とは言えないかもしれない。しかし長丁場であるリーグ戦の初戦を勝利で収めたことは、早大が見据える王座優勝に一歩近づいたことになる。「本来はもっと目標が高いところにある」と田寺は語るが、一人一人が今回の反省点を生かせばまだまだ伸び代があるはずだ。早大の強みであるチーム力を生かし、次戦では納得のいく快勝を期待したい。
(記事 新庄佳恵、写真 桝田大暉)
結果
▽男子
○早大3867-3840拓大
コメント
田寺洋貴主将(人4=茨城)
――初戦で白星スタートとなりいい出だしとなりましたが感想はいかがですか
よかったんじゃないですかね。リーグ戦第1戦ということで、この前の早慶戦は油断してしまっていたということもあって負けてしまったので、今回は絶対に油断はしないという意気込みで臨みました。第1戦の白か黒かというのはその後の試合にも関係するので、よかったのではないかと総じて思っています。
――初戦ということで緊張はされましたか
緊張はしましたね。4年男子が全員出て初めて揃ったんですけど、楽しかったし嬉しかったです。最後のリーグ戦ですし、自分も主将としてのリーグ戦なので緊張しました。
――きょうの田寺選手の調子はいかがでしたか
全体的に良かったんじゃないかなと思うんですけど、やっぱりどうしても50メートルの最初のときにスロースタートな感じだったので一番最初からもっといけたらなという感じでした。もう20点くらい出せたらよかったんじゃないかなと思います。
――そこが今回の反省点ということですか
そうですね、最初からもっといければよかったかなと思います。
――チーム全体の得点を見ていかがでしょうか
27点差ということで、本来はもっと目標が高いところにあるのでもう少し点がほしいなというところはあります。でも初戦だったのでこらくらいでよかったのかなと思いますが、もう少し出せたんじゃないですかね。
――30メートルに入ってからチームの雰囲気がとても良いように感じられました
雰囲気に関してはだいぶ良くなってきてると思います。春練が始まるまでは冬期間はテストなとで練習があまりできかったのですが、春練習をずっとやってきてだいぶ的に当たってくる人も増えたのでまとまってきたのではないかと思います。チームとしてもレベルアップしてきていると思います。
――田寺選手にとっては最後のリーグ戦になりますが個人的な目標はありますか
個人的な目標としては、部の中で一番得点を取ることですね。チームとしては楽しく試合をやりたいですし、一緒に戦ってよかったと思えるチームにしたいと思っているので終わったときにこのチームで戦えてよかったと思えるリーグ戦にしたいです。
――引退までの残りの期間で主将としてチームに残していきたいことはありますか
熱い思いじゃないですかね。少しでも後輩に感じとってもらえればと思います
――最後に次戦への意気込みをお願いします
来週もベストメンバーで挑むので、ばっちり勝とうと思います。
東郷大地(教4=埼玉・春日部共栄)
――勝利を飾ることができた今季初戦を全体的に振り返っていかがですか
きょうは(応援の)声を出すことができない射場だったので、最初はいつもみんなで応援の声を出しているようにはできずチーム全体として波にのることができませんでした。点数に関しては50mで拓大が良い点数をだして競っていた分、最終的に30点近く離して勝てたのは良かったと思います。
――4年生として迎える今季の初戦、どのような気持ちで試合に臨まれましたか
泣いても笑ってもことしのリーグ戦(関東学生リーグ戦)は最後ということで、優勝決定戦で勝って王座(全日本学生王座決定戦)に出場し王座を取るということを目標に、まずはそこに向けて全員で点数をだすということです。もう一つ同時に、個人としてしっかり点数をだしてチームに貢献し、東日本(全日本学生東日本)につながるこのリーグ戦から良い点数をだせればなと思っていました。
――合計299点、平均49.8点だった50mの射撃を振り返っていかがですか
50mは前半3エンドで自分の中で良い点数をだせたのですが、後半3エンドからなかなか点数が伸びなくなってしまいました。きょうは315点以上を狙っていた分もう少し点数をだせたなと思います。
――30mの射撃に関しては50mよりも内容が良かったのではないでしょうか30mは良くもなく悪くもなく安定していたというか、平均57〜58点を狙っていたのですが4エンドで55点しかだせず10点の射が少なかったですね。なので外しはしませんでしたが10点に当てることができなかった点をもう一度一週間をかけて次までに修正していきたいです。
――30mの射撃になってからチーム全体の雰囲気が良くなった印象を受けましたが
30mは的まで距離が近くなり、また自分たちのなかで抑えていた応援の声をより出すようにしたのでチーム全体で楽しむことができました。それで全員が楽しんでみんな点数を上げることができたので良かったと思います。
――リーグ戦の先にある王座決定戦を見据え、これからどういった戦いが必要となるでしょうか
きょねんの王座は予選9位で最後は6位で、近大に完全な実力差で負けてしまったのでことしはまず実力、底力を上げていけるようお互いに射形を見合うなどしてやっていきたいです。最後の王座の試合に出れるのは4人だけですけど、その4人だけで戦う試合ではないのでリーグも含めて全員でチームとして活動していけたらなと思います。
――今季の目標と抱負をお願いします
まずはリーグ戦の残り5試合でしっかり点数をだして、東日本に進み結果をだすことを第一に、その次に王座の優勝を狙いたいと思います。
小出隆幸(法4=東京・広尾学園)
――初戦ということでどのような意気込みで臨みましたか
このあと勢いに乗れるかがかかってくる大事な試合だったので、持てる力を全て出せればいいなと思っていました。
――緊張しましたか
緊張しましたね。僕もリーグ戦のデビュー戦だったので緊張してしまいましたが、応援の声に支えられいつも通り射てるようになっていきました。
――30メートルに入ってから点数が伸びましたが調子が上がってきたのですか
そうですね。やっているうちにダメなところが自分のなかで明確になってきました。あとは、応援の声が自分のことを支えてくれました。
――きょうのチームの結果をどのように受け止めていますか
第一戦としてはまずまずな結果だったと思います。
――個人としてきょうの試合を振り替えっていかがですか
4年生になるので本来はチームを引っ張っていかないといけない立場でしたが、きょうは本当に周りの選手たちや応援に助けられました。個人的には不甲斐ない試合だったのですが、これからまた練習して、来週も試合に出て今度は僕がチームに貢献していきたいです。
――今季のチームの調子はいかがですか
今季はだんだん尻上がりに伸びてきている感触があります。きょねん、早慶戦で負けてしまったりと悔しい思いをしてから色んな苦難を乗り越えてきたチームなので、今季はギリギリの勝負でも勝てる自信があります。
――今季のご自身の調子はいかがですか
ここ2、3日はいつもと違う感触がありきょうは自分らしい試合が出来ませんでしたが、冬から春にかけて調子が上がってきて自己新も出るようになってすごく良い調子で来ています。
――今季の具体的な目標などあれば教えてください
今季のリーグ戦では660点以上射ってチームに貢献することと、それで東日本に出場することです。チームとしては王座に行くのは当たり前なので、行く前に関東制覇して1位で王座に行きたいと思います。
――今後のリーグ戦に向けて一言お願いします
54代で戦える試合というのも数えるほどしかないので、一戦一戦男子25人一丸となって戦えるよう頑張ります。