園田が初優勝で有終の美 渋谷も4位入賞し実力見せる

男子アーチェリー/女子アーチェリー

第62回全日本学生個人選手権 9月23日 東京・夢の島公園アーチェリー場

全日本学生個人選手権(インカレ)が開幕。強風の影響で1日延期しての開催となり、決勝トーナメントは中止に。1人72射を射ち、その合計点で競う予選ラウンドの順位がそのまま最終順位になることとなった。早大からは男子6人、女子4人が出場。世界の舞台でも活躍する、エース・園田稚(スポ4=エリートアカデミー)が優勝し、渋谷樹里女子主将(スポ3=エリートアカデミー)は4位に入賞。女子は強さを見せつけた。男子は入賞者は出なかったものの、昨年よりも多くの選手が出場し、今後につながる実りある大会となった。

初優勝を果たした園田

予選ラウンドは、制限時間3分以内に6射を射つ1エンドを12回繰り返し、1人計72射を射つ。午前に行われた男子の試合は風が強く吹き、選手たちは制限時間がある中で、風を読みながら慎重に射っていく必要があった。山下健友(スポ4=愛知・東海)や丸尾風瑛男子主将(スポ3=福岡・柏陵)ら早大選手たちは、なかなか普段の行射ができず、苦しい場面が続いた。そんな中でも2年の梅澤徹太(政経2=東京・攻玉社)は、後半から自身のペースをつかみ、最終エンドでは50点をマーク。徐々に調子を取り戻したものの、決勝ラインには届かなかった。

行射する梅澤

午後の女子の部は、優勝を狙う園田が世界で培ってきた強さを見せた。36射終了時には317点と、2位に10点以上差をつけて1位につける。その後も天候に左右されることなく、安定して10点や的の中心であるXを射ちリードを保った。さらに他選手との差を広げ、2位に15点差をつける638点の高得点で優勝を手にした。インカレ初優勝となる園田。喜びを滲ませ、ラストインカレを締めくくった。前半は順位が2桁で推移し、伸び悩んでいた渋谷女子主将。しかし後半には、3本を10点に入れる30金を2エンド連続で達成するなど調子を上げ、最後の射で10点を射つとガッツポーズを見せた。4位という結果について、「入賞できたら良い方だと思っていたのでうれしい」と振り返る。髙橋梨杏(スポ2=神奈川・横浜)は前半から入賞圏内につけ、中盤のエンドでも50点台を安定して射ち3位まで順位を上げる。しかし終盤に調子を上げきれず10位に終わり、惜しくも入賞を逃す結果となった。

ガッツポーズする渋谷女子主将

天候の影響で決勝ラウンドが中止となった今回のインカレ。国内試合では決勝トーナメントが行われる大会は少ないため、トーナメントの中止について「残念な気持ち」と園田は語った。風も強い中だったが、そんな中でもそれぞれが健闘した。アウトドアの試合も残り少なく、インドアのシーズンに入っていく。新体制を迎えた早大アーチェリー部のさらなる飛躍に期待したい。

表彰式後の部員たち

(記事・写真 神田夏希)

結果

◇女子

1位 園田稚

4位 渋谷樹里

10位 髙橋梨杏

79位 塚本美冴

◇男子

65位 野田慶一郎

67位 梅澤徹太

90位 丸尾風瑛 

105位 山﨑聖史

107位 小渕伊央利  

114位 山下健友

コメント

園田稚(スポ4=エリートアカデミー)

――結果を振り返っていかがですか

優勝しようと思ってこの試合に参加してたので、 風も強かったですけど、満足のいく結果で終わったかなと思います。

――予選ラウンドのみの実施となりました。それについてはいかがですか

トーナメントをインカレでやりたくて、それに向けて頑張ってきたので、72本だと普段の試合とやっぱり変わらないのでほんとに残念でした。国内ではトーナメントの試合ほんとに少なくて、インカレと全日(全日本選手権)ぐらいしかないので、インカレのトーナメントがなくなってすごい残念な気持ちです。

――今日の72射を振り返っていかがでしたか

惑わされる部分もあったんですけど、自分なりにしっかり射てて優勝できたので、自信につながる大会だったかなと思います。

――ラストインカレを振り返って

4年間で1回も優勝したことがなくて、集大成として優勝できたことは本当に嬉しかったですし、大学生活のいい締めくくりになったかなと思います。

山下健友(スポ4=愛知・東海)

――今日のインカレはどんな気持ちで臨みましたか

今日、学生の最後のアウトドアの試合だったので、悔いの残らないように今日は射ち切りたいなと思っていました。

――予選ラウンドのみの実施でした。調子はいかがでしたか

現役の時ほど練習できているわけではないので、全部出しきれればいいと思ってました。予選通過を目標にしてたんですけど、予選がそのまま順位になってしまったので、そこは割り切って、今日は予選通過ラインに行ければいいかなという気持ちでやってました。

――72射を振り返って、いかがでしたか

夢の島の中でも風が強い方で、結構前半は翻弄されちゃって。後半意外と手元は吹いてるにしても、風のせいというよりかは結構自分のミスが出て。左に流れる風だったんですけど、最近左のミスが多くて、それがより流されちゃった形なので、本当に悪いところが全部出た試合でした。

――インドアの試合に向けて意気込みをお願いします

インカレの試合はフィールドとターゲットが出られたんですけど、インドアはまだ出れていないので、1からまた体作り含め、長崎に行けるように頑張りたいと思います。

渋谷樹里女子主将(スポ3=エリートアカデミー)

――結果を振り返って

正直、最近のコンディションとかも見て、入賞できたらかなりいい方だと思ってたので、4位という結果は嬉しいです。

――天候はいかがでしたか

先週とか見てると雨予報とか出てたんですけど、雨が降ることはなくて。風は強かったんですけど、ずっと晴れたり曇ったりぐらいで、思っていたより良かったと思います。

――予選ラウンドのみで順位が決定されたことについて

正直、トーナメントの方が自分としてはチャンスがあると思っていて。72射だけで結果を決めるってなると結構やっぱり緊張もしました。特に風が強い中だったので、ちゃんと自分のやるべきことだけやろうと思って、ちゃんと集中して試合に出ました。

――72射を振り返って

風も難しかったのと、どのぐらい流れるかっていうのが自分の中で掴めてなくて。 50点乗ればいい方で、でも全然50点取らなくて。でも後半でだいぶどのぐらい流れるかとか、 2連続30金できたりとか、結構いい方向に持っていけてよかったです。

――インドアの試合へ意気込みをお願いします

とりあえずはまず全日が多分あるので、それでちゃんと70メートルで結果を出せるように頑張ります。そのあとインドアでも、多分インカレ(全日本学生室内個人選手権)と、点数が出たら全日(全日本室内選手権)もあると思うんですけど、いつもインドアとなると距離が近くなって力が入っちゃったりするので、自分の今日良かったところも含めて、大きく射てるようにっていうのは続けていきたいなという風に思います。

梅澤徹太(政経2=東京・攻玉社)

――今日の天候は

今日はすごい風が強くて、一定の方向で流れているんですけど、とても読みの難しい風でした。

――予選ラウンドのみの実施でした。そこはいかがでしたか

1回気持ちが途切れたんですけど、また今日風が吹いてるならそんな中打つしかないみたいな、割り切って射てたところが今日はよかったです。

――スコーパーの方から声かけがありました。いかがでしたか

スコーパーの廣木さん(廣木円華、令6人卒=茨城・水戸二)もすごいポジティブな声かけをしてくれて、それでうまくテンポをあげられたかなという感じで、すごいありがたかったです。

――全体的に72射を振り返っていかがでしたか

最初ちょっと失敗してしまったんですけど、そこから気持ちが切れることなく、風が強いのはみんな同じだから仕方ないと思って、テンポよく射てたのがよかったかなと思います。それで点数も落ち込まずに射てたのがよかったです。

――今後の意気込みは

六大学本戦や、早慶戦とか結構重要な試合が続くので、 そこに向けてしっかり調整するのと、前々からの目標である600点を超えることを、今年中には達成できればいいかなと思います。