リーグ戦に向け若手が好発進

アーチェリー混合

 今年度最後の全国規模の大会、全日本学生室内個人選手権(インカレインドア)が行われた。男子で関東予選を突破したのは全日本学生個人選手権(インカレ)で2位と今季大躍進した山本周平(スポ1=山梨・甲府一)。女子は3年連続出場となる野村美加女子リーダー(スポ3=石川・金沢桜丘)と、ルーキーの吉峰さやか(スポ1=香川・高松東)の2人が出場した。

大舞台で戦ってきた貫禄を見せた山本

 インドアは的までの距離が18メートルと、普段の大会よりも短くなっている。この距離を「あまり練習していなかった」という山本だが、持ち前の安定したアーチェリーで上位をキープした。男子の試合は1位と予選突破のボーダーラインの点数の差がわずかしかない緊迫した展開。少しのミスが結果に大きく響く状況の中、冷静に点数を積み上げてライバルたちに競り勝ち、567点で決勝ラウンド進出を決めた。しかし、インカレ2位の実力者も今回は強豪相手に苦戦を強いられ、2回戦敗退。「絶対あきらめない、という気持ちは最後まで強く持てた」と語った山本。来る関東学生リーグ戦(リーグ戦)においても、この気持ちの強さがカギになるだろう。

吉峰も1年生ながら決勝ラウンドに進出した

 女子は1年生ながら関東予選を勝ち抜いた吉峰が、勢いそのままにボーダーラインの点数を見事クリアした。決勝ラウンドでは強豪・近畿大の選手と当たり一回戦敗退となったものの、大舞台での経験は値千金だ。リーグ戦の戦力として、好調の若手は頼もしい存在である。一方の野村女子リーダーは上位進出が期待されていた中での予選敗退となったが、これには理由がある。韓国から招いたコーチの指導の下、フォームを変えている最中なのだ。リーグ戦では「5戦とも圧倒的勝利をしよう、とみんなで決めている」と語った野村女子リーダー。4月までに射型を完成させ、本来の実力を見せてくれるに違いない。

 リーグ戦まであと2ヶ月を切った。昨年あと3点で一部昇格を逃した男子チーム。あの忘れられない悔しさを晴らすため、チームは一つになって負けられない戦いに挑む。女子チームは昨年の全日本学生王座決定戦(王座)で、長年立ちはだかってきた日体大という大きなカベを破った。今年こそ、王座優勝へ。リーグ戦はあくまで通過点だが、油断せず目標通りの「圧倒的勝利」を収めてほしい。

(記事 手塚悠、写真 建部沙紀)

結果

▽予選ラウンド

男子(32位まで決勝ラウンド進出)

17位 山本 567点

女子(16位まで決勝ラウンド進出)

15位 吉峰 559点

23位 野村 552点

▽決勝ラウンド

男子

ベスト16 山本(2回戦敗退)

女子

ベスト16 吉峰(1回戦敗退)

コメント

予選ラウンド終了時

野村美加女子リーダー(スポ3=石川・金沢桜丘)

――決勝まであと6点でした

悔しいんですけど、今フォームを変えている最中で、意識したいと思っていたところは意識できたので、その中ではまあ良かったのかなと思います。まだ慣れていないだけだと思うので、そこまで気にしてはいないです。

――韓国からコーチを招かれたそうですね

はい、先週ちょうど韓国のコーチがいらしていて。そこで注意されたことを今直しています。

――インドアは他と比べて違いますか

的が小さくて、少しでもミスをしたら0点になってしまうので、的に(矢が)乗らないと少し気にしてしまいますね。きょう練習の時に何回か乗らないことがあって、そこが少し気になってしまったかもしれません。

――現在のチームの状態は

とてもいい感じです。リーグ戦に向けてみんなやる気になっていて、特に1年生が自主的にチームに対して考えてくれるようになって、心強いです。2年生も代替わりが近くなってきているので、ミーティングをしたりして今後に向けていろいろ考えてくれているようで、とても楽しみですね。

――女子リーダーとして迎えられるリーグ戦に向けて、一言お願いします

ことしは5戦とも圧倒的勝利をしよう、とみんなで決めているので、それに向けてしっかりと引っ張って行けたらと思っています。

吉峰さやか(スポ1=香川・高松東)

――きょうの結果を受けての感想

嬉しいです。

――きょうの調子は

最近あまりインドアの練習が出来ていなかったので、とりあえず射型を重視しようと思っていました。

――あしたに向けての反省

きょうはあまり気持ちよく射つことが出来なかったので、あしたは気持ちよく射ちたいです。

――リーグ戦での目標

自分の目標点が660点なのですが、まだ出したことがないので、リーグ戦では毎回出せるように練習していきたいです。

山本周平(スポ1=山梨・甲府一)

――きょうの結果を受けての感想

本戦へ突破するなかで、点差がとても小さかったので、とても緊張して、辛かったです。

――きょうの調子は

最近他の距離の試合が多かったため、18メートルの練習をあまりしていなかったので不安が残っていたのですが、自分なりにはまずまず出来ました。

――きょうの目標は

まずは本戦進出することがあって、あとは最近韓国の方に来て頂いて教えてもらっているので、教えてもらったことを意識して、大きな大会で実践できるか。

――具体的には

うちかたの姿勢や、力加減などです。

――次回にむけて

自分の射ちかたを確実に決めていくことと、あとは負けない気持ちです。

――あしたの意気込み

前回のインカレのように、上位にいきたいと思います。

決勝ラウンド終了時

吉峰

――きょうの試合全体や、結果についての感想をお願いします

1回戦突破したかったです。

――きょう上手くいったことをお願いします

きのうより楽しく射てました。射型も、自分なりにうまくいったかな、と思います。

――反省点は

点数を狙う部分があったかなと思います。

山本

――きょうの結果についての感想をお願いします

悔しいです。

――きのう、反省点として、射型や気持ちの面でのお話をされていましたが

射型に関しては、少し迷いもありました。絶対あきらめない、という気持ちは最後まで強く持てました。

――リーグ戦にむけての目標、意気込みをお願いします

チームでトップレベルの成績を残して、主力として活躍できるように頑張りたいです。