地方予選を勝ち抜いた学生が一堂に会する、全日本学生個人選手権。学生にとって最も大きな個人戦である今大会が、熊本で行われた。ワセダからは、男子は山本周平(スポ2=山梨・甲府一)、東郷大地(教2=埼玉・春日部共栄)、女子は野村美加(スポ4=石川・金沢桜丘)、福井瑞生(スポ1=埼玉・春日部共栄)の合計4人が出場。この日行われた予選を通過し、翌日の本戦へと駒を進めたのは山本のみとなった。それでも、4人全員にとって、それぞれ意義のある大会になったようだ。
本戦進出を決めた山本(左)と初出場の東郷
唯一の本戦進出を決めた山本は、昨年度のこの大会の準優勝者。この日は、序盤で強風にミスを誘われ、90メートル終了時点で38位と苦しいスタートをきる。しかしその後の70メートル、午後に入って行われた50メートル、30メートルのショートでも確実に点数を積み重ね、1272点、18位で無事に予選を通過した。同じく男子部の東郷は、慣れない的に苦戦し、思うように得点が伸びずに予選敗退する。それでも、「感覚はとても良かった」と、初挑戦の大舞台を楽しんだ様子。「もう一度インカレに出られるように」と今後の活躍を誓った。山本、東郷はともに2年生。これからのワセダを担う主力として、今回の経験を活かしたさらなる成長が期待される。
一方の女子部は、1年生の福井と4年生の野村が出場した。「射形を直前に直そうとしていた」という福井。「思い通りには撃てなかった」と、模索を続けるルーキーは満足な結果が出せなかったよう。秋から冬にかけて続く団体戦に備え、「切り替えて練習していきたい」と意気込んだ。一方、6月の王座を終え、すでに競技から距離をおいている野村は、「自分の中では満足な点数で、できるだけのことはやった」と、コメント。試合を終えて晴れ晴れとした表情だった。
コミュニケーションをとる福井(左)と野村
翌日の15日はいよいよ本戦。予選を通過した精鋭たちが火花を散らすなか、ワセダのエースはどこまで勝ち進めるのか。昨年度2位の山本が目指すのは、もちろん『優勝』の二文字だ。晴天の広がる秋の熊本で、1年間の成長を見せつけてほしい。
(記事 建部沙紀、写真 森健悟)
結果
▽男子
山本周平 1272点【18位】
※32位以上本戦進出
東郷大地 1185点【72位】
▽女子
※16位以上本戦進出
野村美加 1229点【33位】
福井瑞生 1201点【39位】
コメント
野村美加(スポ4=石川・金沢桜丘)
――今大会の目標は何でしたか
引退していて練習不足だったので、正直順位というよりは、射ちきる、というか思い切って射って、楽しむことを目標にしていました。
――では、結果については予想通りといったところですか
そうですね。自分の中では満足な点数で、できるだけのことはやったかな、という感じはします。
――今後、競技は続けられるのですか
いいえ、大学までです。
――次に出場される試合は
国体がまだ残っています。あと、早慶戦とインドア(全日本学生室内個人選手権)の関東予選は出ようと思っているので、もう何試合かはあります。
――引退されて、少し離れた視点で後輩たちを見られて、思うことは
すごく頑張っているな、と思います。前に大阪遠征にみんな行っていたのですが、そのときに、特に2年生が自己新とか試合新を出している子がいっぱいいて、頑張っていますね。
――後輩たちにエールを
頑張って、のひとことですね。先輩としてできるサポートはしていこうと思っているので、いつでも言ってくれたらな、というのと、応援しているよ、という気持ちですね。
山本周平(スポ2=山梨・甲府一)
――きょうの感想
天気もとても良くて、射ちやすい、良い環境だったと思います。でも90メートルのときに時々、強い風があったのでミスが出ました。
――試合に臨むにあたっての目標は
1300点を超えることです。
――順位についての目標はありましたか
予選ではとりあえず中盤以上はとることが目標くらいで。トップをとろうとかは思ってないです。
――あしたに向けての反省点
少しだけ、自分の射ち方に自信をもてないことがあったので、それを改善していこうかなと。自信をもって射っていきます。
――あしたの目標と意気込み
目標は、もちろん優勝です。楽しむことを大事にします。
東郷大地(教2=埼玉・春日部共栄)
――きょうの感想
感覚はとても良かったのですが、90メートルの(時の)風と、あとショートの的がいつもの的と違って。初めてだったために対応できなくて点数を伸ばせなかったので、経験不足がでたのかな、と残念です。
――試合に臨むにあたっての目標は
とりあえず予選を通過して決勝に出られたらいいな、と思っていました。
――結果については
自分の目標点を全然クリアできなかったので。目標は1250点だったのですが、1185点しかでなかったので、残念です。
――調子は
射っている感覚は良かったのですが、逆にミスの原因に気が付けなかったというのはちょっと何か足りなかったのかな、という風に思っています。
――今後の目標
これから定期戦が連戦であるので、とりあえずそこでまず試合に出て、チームの平均をあげていけるようにしっかり点数をだすこと。あと、またこれから個人の大会も、インドアと来年のターゲットとあるので、そこに向けて、もう一度インカレに出られるように練習していきたいなと思います。
福井瑞生(スポ1=埼玉・春日部共栄)
――今大会の目標は何でしたか
いままでの点数とかを見ていて、自己新記録を出さないと予選突破は難しかったので、出せればいいなと思っていました。
――結果については
全体的に、射形を直前に直そうとしていたのが響いて、タイミングとかが合わなかったんですけど、思い通りには射てなかったです。
――次戦に向けて一言お願いします
次は早立戦で、大きな大会は六大戦です。しばらくロングがあまり調子良くなくて、これから定期戦はショートなので、切り替えて練習していきたいと思います。