【米式蹴球】開始直後から激しいTⅮの奪い合いに RB安藤慶が3TⅮの活躍で中大に勝利

米式蹴球

関東学生秋季リーグ戦 9月14日 アミノバイタルフィールド

TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
早大 BIG BEARS 14 10 14 10 48
中大 RACCOONS 14 14 35

 第1節で快勝を収めた早大BIG BEARSは、第2節中大RACCOONSとの対決。試合は、開始直後から点数の奪い合いに。ディフェンスのミスも響き、拮抗した状態が続いたが、RB安藤慶太郎副将(社4=東京・早大学院)からこの試合3つのタッチダウン(TD)が飛び出すなどオフェンス陣が奮闘。48―35で開幕2連勝を飾った。

この試合、3TDの活躍を見せたRB安藤慶

 前半は早大のキックで試合開始。すると、いきなりキックオフで95ヤードのビックリターンを許し、エンドゾーンまで残り1ヤード地点まで進まれる。次のプレーで、リードオプションからQB畑尾櫂(2年)がそのままキープしてTD。試合開始わずか25秒で先制を許す。早大最初の攻撃はパントに追い込まれるも、飛距離の短いパントが中大のディフェンダーに直撃し、フリーボールに。それをRB三浦幸太(教4=早稲田佐賀)がすぐさまリカバーし、攻撃権を取り戻す。パスを中心にボールを進め、最後はQB船橋怜(政経4=東京・早大学院)からWR中原秀城(スポ4=愛知・南山)への10ヤードのパスTDが決まり、同点に追いつく。しかし、中大がランパスオプション(RPO)からランを警戒した隙を突き、空いた中央にパスを通してそのまま78ヤードのTD。1プレーで再びリードを許す。続く早大の攻撃は再びパントに追い込まれるも、パントフォーメーションからWR中原がWR渡邉尚輝(法1=東京・早大学院)にパスを通すスペシャルプレーが決まり、1stダウンを獲得する。次のプレーで、QB船橋からWR松野雄太朗(社4=東京・早大学院)へのスクリーンパスが通り、ランアフターキャッチで敵陣6ヤード地点まで進むと、RB安藤慶のTDランで同点となる。中大の攻撃をパントに抑えると、QB船橋の3つのパスが立て続けに決まり、敵陣レッドゾーンに侵入する。第2クオーター(Q)では、K小林賢多(国教4=千葉・八千代松陰)のFGが決まり、17ー14とリードを奪う。中大の攻撃を再びパントに抑えると、QB船橋が左にロールアウトしながらサイドライン際へ投じたパスを、WR中原が相手CBと競り合いながらキャッチし、ランアフターキャッチでエンドゾーンまで駆け抜け、53ヤードのTD。アウトオブバウンズに出たかどうかのビデオレビューが行われるも、判定はTDのままとなり、リードを広げる。次の中大の攻撃は、ディフェンスが踏ん張り、ここもパントに抑える。しかし、前半残り3分半、QB船橋がプレッシャーを受けながら投じたパスは、オーバースローとなりインターセプトを喫する。続くディフェンスも、この悪い流れを止められず、ビックプレーを許し、FG圏内に入られる。しかし、中大の46ヤードのFGは失敗し、24ー14と2ポゼッションのリードを持った状況で前半を終えた。

FGを決めたK小林

 後半は早大のリターンで試合再開。後半最初のドライブは、QB船橋からWR中原へのパスが決まらず、スリーアンドアウトに終わる。好パントを決めるも、中大は相手を惑わすダブルリバースやロングパスでビックゲインを重ね、最後はエンドゾーンでフリーになったRBへのパスTDが決まり、1ポゼッション差に詰め寄られる。すると、直後のキックオフで、中大は意表を突くオンサイドキックを仕掛ける。しかし、DB杉田俊(社4=東京・早実)が落ち着いてキャッチすると、そのままエンドゾーンに走りこんでTDを奪い、再びリードを10点に広げる。その後は、両チームともにパントに終わり、試合が徐々に落ち着き始めるかと思われたが、早大ディフェンスのミスタックルから中大RBが中央を抜け、一気にエンドゾーン直前まで進まれる。ただ、ここはディフェンスがしのぎ、4thダウンに追い込むと、今日2つ目のFG失敗により無失点で切り抜ける。その勢いのまま、直後の早大の攻撃、RB安藤慶がハンドオフを受けると、スピードに乗り、87ヤードの独走TDランを決め、38ー21と点差をさらに広げる。最終第4Qに入り、中大もノーハドルでテンポ良く攻め始める。エンドゾーンまで残り4ヤードまで攻め込まれると、右サイドで空いていたRBにパスを通され、TDを決められる。続く早大の攻撃は、3rdダウンでQB船橋がプレッシャーを受けながらスクリーンパスを投げると、RB安藤慶が右手でワンハンドキャッチ。タックルをかわしながら、エンドゾーンまで駆け抜け、今日3つ目となる67ヤードのTDを決めた。その後は、中大に再びTDパスを決められるも、K小林がこの日2本目となるFGを決め、リードを維持する。そして、試合残り1分、中大QBにLB原康介副将(法4=東京・早大学院)がプレッシャーをかけ、DB妹尾泰成(人3=東京・佼成学園)がインターセプト。48ー35で勝利した。

TDを決めたDB杉田

 開幕2連勝を決めた早大。オフェンスは好調だった一方で、ディフェンスに関しては粗さが目立った内容だった。また、WR中原は、「スタートから自分たちのミスが多かった」と語り、課題を口にした。次週は同じく2連勝中の東大戦で、より真価が問われることになる。

(記事 吉川柊真 写真 荒川聡吾、富澤奈央、堤健翔)

得点経過

TEAM PLAY PLAYER(S) PAT PLAYER G/NG スコア
中大 RUN #3畑尾 #15小林 0-7
早大 PASS #15船橋→#1中原 #11小林 7-7
中大 PASS #3畑尾→#11吉原 #15小林 7-14
早大 RUN #7安藤慶 #11小林 14-14
早大 FG #11小林       17ー14
早大 PASS #15船橋→#1中原 #11小林 24-14
中大 PASS #3畑尾→#25山口 #15小林 24-21
早大 KOR #27杉田 #11小林 31-21
早大 RUN #7安藤慶 #11小林 38-21
中大 PASS #12正村→#25山口 #15小林 38-28
早大 PASS #15船橋→#7安藤慶 #11小林 45-28
中大 PASS #12正村→#10上村 #15小林 45-35
早大 FG #11小林       48-35

コメント

RB安藤慶太郎副将(社4=東京・早大学院)

――試合を振り返って

 満足か不満足かでいったら、ものすごく不満足な試合でした。オフェンスとしては点を取ることはできましたが、取りきれない部分も何か所かありました。ディフェンスは相手の思うようなオフェンスをやられて、すごく点を取られました。

――特に2、3本目は、ロングゲインでのTDでした。自身のプレーを振り返って

 ロングゲインで持っていくのは自分の持ち味なので、今日も持ち味を出せたのはすごく良かったかなと思います。ただブロックの面でも改善の必要なプレーだったと思うので、しっかり修正していきたいと思います。

――オフェンスチームの連携はいかがですか

 連携はすごく取れてきたと思います。合宿を経て、チームの一体感もありますし、オフェンスの中では”Same Page”という言葉を掲げていて、フィールド上の11人もサイドラインも同じ構図を描いて、ゲームを進めるといったことがしっかりできていると思います。

――この試合で見えてきた課題はありますか

 オフェンスはやはり点を取りきる部分は何か所かあったので、その場面で点を取ることができないと、これから先の関西勢が相手の試合で厳しいのかなと思います。

――次戦へ向けて意気込みをお願いします

 しっかり全勝でこのリーグを進めたいので、次戦もしっかり勝ちたいと思います。

LB安藤龍生(法4=東京・早大学院)

――試合の立ち上がりについて、どのように感じていますか

 予想していない立ち上がりで、キックオフで一気に99ヤード切られてしまい、1ヤードを取りきれなかったので、本当にディフェンスとして反省すべきところだと感じています。そのあととられたのもディフェンスの普通のミスでしたし、いちから根本的に考え直さなければならない、そんな立ち上がりだったと思います。

――相手のパスプレーに苦戦した印象でしたが、振り返ってみていかがですか

 学生トップレベルのレシーバーがたくさんそろっているチームだったので、もともとパスカバーをしっかりと、という練習をしていました。ただ、それが上手く決まりきらなかったというのはこれから戦う上での反省点なので、しっかりとディフェンスをしていきたいと思います。

――試合中、チームメートとはどのような話をしていましたか

 最初は点数差で負けていたので絶対にあきらめないという話をしていました。よくニュートラルというのですが、絶対に気持ちが上がりもしない、下がりもしない、そんなチームを目指しているので「ぶれるな」という声掛けをしていました。

――ここまでの2戦を振り返って、良かった点、課題点をそれぞれ教えてください

 逆に良かった点があまり見つからないですね。そこがダメな点でもあって、根本的にみんなのファンダメンタルとか、あとはコミュニケーションをするといった基礎的なところがまだまだ甘いので、本当に良かったと言えるディフェンスはまだできていないです。

――その中で今日勝てたのはどのようなところにあると感じていますか

 総力戦ということで、一本目がけがしたり足がつってしまったりして二本目の選手が出てくれたのですが、その選手たちがしっかりとファイトして戦ってくれたというのがすごくよかったなと思います。

――最後に、次戦へ向けての意気込みをお願いします

 東大は特殊なオフェンスをしてくるチームなので、チーム全員で共通認識を持って、もう一回アサインメントのところからしっかりと話し合って挑み続けていきたいなと思います。

WR中原秀城(スポ4=愛知・南山)

――試合を振り返って

 スタートから攻めた姿勢でいこうと言っていたのですが、スタートが悪くなってしまいました。オフェンスは、それなりに良かったですが、ディフェンスが取られてはいけない状況で取られていたことが反省点です。

――ご自身の2つのTDを振り返って

 練習で合わない時があって、試合前に精度の高い練習をしてきたので、その成果が出て良かったです。

――リターナーとしても活躍されました

 自分はマルチに色々やらせてもらっている中で、全てで結果を残すことを目標にしてきたので、今日結果を出せて良かったです。

――2戦を振り返って、チームや個人としての課題はありますか

 チームとしては、スタートから自分たちのミスが多かったので、自分たちでできることは完璧にしていきたいです。また、選手全員がよりIQ高く、相手に適応していかなければいけないと感じました。個人としては、後半に足をつってしまったので、今より体力をつけて、もっとチームにモメンタムを持っていけるようなプレーをしたいです。

――次戦の東大戦へ向けて意気込みをお願いします

 東大は、フィジカルとパッションを持ったチームなので、そこの部分でしっかり上回って、圧勝したいと思います。